酔眼独語 

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「故宮展」開幕

2014-06-24 09:38:37 | メディア
 朝日、読売、毎日などが主催に名を連ねる「台北故宮博物院展」が開幕した。各紙とも前日の開会式を大きく報道していたが、注目は例のポスター問題の扱い方。読売と毎日は無視、朝日は別項で事実関係の一端と国立博物館長の談話を載せただけ、臭い物に蓋の対応だった。

《「台北故宮博物院 神品至宝」展(朝日新聞社など主催)が24日開幕するのに先立ち、東京・上野の東京国立博物館で23日午後、開会式があった。

 主催者を代表し、東京国立博物館の銭谷真美館長が「厳選された門外不出の名品を紹介できるのは深い喜び。中華文明のすばらしさを堪能してもらいたい」とあいさつ。来日した台北故宮博物院の馮明珠院長は「いかに日本のみなさんに感動してもらうか選ぶのは大変だったが、ひとつひとつが神品至宝だ。文化交流の促進にもつながる」と語った。テープカットのあと内覧会があった。

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 東京国立博物館の銭谷真美館長は23日、「台北故宮博物院 神品至宝」展の開会式のあいさつで、「ポスターなどにおける名称の表記について台湾の皆様に不快な思いをさせた」と謝罪した。宣伝用の大型ボードやポスターの中に、正式名称の「國立故宮博物院」の「國立」を略した表記があることに、故宮側が抗議していた。銭谷館長は「真摯(しんし)に受け止め是正した。おわび申し上げる」と述べた》=朝日degital。

 この問題は共同と時事が台北発で伝えたもので、「故宮展」のポスターなどから展示会の正式名称である「国立」の文字が削除されていることに台湾側が、「修正しなければ中止もありうる」と抗議していたものだ。

 当然のこと? ながら主催に名を連ねた各紙は、この事実は伝えていない。日経と地方紙の片隅に載ったぐらいだから、知らない人も多いのではないか。台湾が「国立」にこだわったのは、なんとなく分かるが、ゴリ押しに近い。日本で開かれた海外の国立博物館や美術館展で、わざわざ「国立」と銘打った例はほとんどないという。

 情けないのは主催メディアの側である。論理で突っ張るどころか、あっさり「国立」の紙を貼ることで合意してしまったらしい。故宮展中止は困るし、中国に睨まれるのも…。産経も朝日もお手てつないでというのが、いかにもおかしい。朝日は館長談話でおわびを済ませたいようだが、詫びるのはポスター制作の当事者であるメディアであろう。
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