酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

マー君見納め!!

2013-11-04 10:36:41 | 野球
 楽天東北ゴールデンイーグルス、初の日本シリーズ制覇おめでとう。

 かつての近鉄ファンとしては、その流れを汲むチームの優勝はことのほかうれしい。田舎の弱小チームが「常勝・巨人」をやっつけるなんて、素晴らしい。

 楽天の戦いぶりはテレビなどでは見る機会が少ないが、今シリーズでその力の源が分かったような気がした。プレーヤーの顔つきが巨人の選手とは違っていたのだ。目つきが鋭く、覇気がみなぎっている。こういうチームが弱いはずがない。

 岡島、藤田、銀次、聖沢、嶋…。田中をはじめとする投手陣はもちろんである。

 さて、昨晩のゲーム。最後に田中が出てきたのにはびっくりした。テレビで解説していた古田も工藤も「信じられない」を連発していたから、常識破りの継投だったことは間違いない。

 星野監督の談によれば「田中がどうしても投げるといったもんだから…」ということのようだが、なぜ田中は登板にこだわったのだろう。今オフ、メジャーへの移籍を決断しているからではないか。「日本一を決める胴上げ投手になるのは今年しかない」-その思いが、星野を動かしたのだろう。

 ヒヤヒヤの継投だったが、終わりよければすべてよし。田中本来の出来には遠かったが、失点しないところがこの男の凄さだ。

 日本シリーズの「継投伝説」といえば、2007年の中日を思い出す。8回までパーフェクト・ピッチングを続けていた山井から岩瀬にスイッチした、あの落合采配である。あのときは賛否様々な意見が飛び出したが、今回はどうだろう。素直に考えれば1安打しか許していない美馬をもう1、2回引っ張り、最後は則本で-。星野も当然それは考えただろうが、「男気」が田中起用に踏み切らせた。「田中で負ければ仕方がない」。このあたりがこれまでシリーズに勝つことができなかった所以かもしれない。

 おそらく田中は来季はメジャーで投げるはずだ。さて、ポスティングでいくら提示されるか。MLBとNPBで入札方法の変更が議論されているようだが、超高額が予想される田中を意識した「改革」ではないか、と邪推している。

 
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バレンティン55号

2013-09-12 09:20:21 | 野球
 ヤクルトのバレンティンが11日のカープ戦で今季55本目の本塁打を放ち、王貞治、ローズ、カブレラのシーズン最多本塁打記録に並んだ。今シーズンまだ22試合を残すバレンティンが、記録を更新するのはほぼ間違いなく、60本の大台も期待できそうだ。

 王の本塁打記録は「聖域」とされ、特に外国人スラッガーには壁となっている。たとえば1985年のバース。54本を達成した時点で残り2試合はいずれも巨人戦。監督は王であった。まともに勝負したのは江川だけ。最終戦は4四球であった。

 西武のカブレラは9月10日に史上最速ペースで50本を打ったが、55本目は10月2日の最終戦。ほとんどストライクは投げてもらえなかった。

 今年のバレンティンは少し事情が違うようだ。王自身、バレンティンについて「大したものだ。どこまで打つか楽しみ」とコメントしているし、あからさまな四球作戦は少なくなっているようだ。

 なぜか。メジャーでイチローが次々と記録を更新していることが影響しているのではないか。「多国籍」のメジャーは選手の出身地などにはこだわらず、成績・記録を尊重する。日本のプロ野球が「外国人だから」などと記録の更新を阻むようなことをしていれば、その閉鎖性が際立つことになる。目の色、肌の色はどうあれ、すごい奴はすごいのだ。

 もっとも、日本のプロ野球記録のほとんどは外国にルーツを持つ選手が持っている。王貞治をはじめ最多勝・最多奪三振の金田正一、最多安打の張本勲…。いまさら外国人には記録を破らせないなどありえまい。

 もう一つ気づいたことがある。本塁打の出やすいシーズンがあるのではないかということだ。50本以上が出ているシーズンは「飛ぶボール」が使われていた可能性が高い。たとえば2001~2003年。55本(ローズ、カブレラ)51本(ローズ)50本(カブレラ、松井秀樹)が飛び出している。王が55本を打つ前年の1963年には野村が当時の史上最多本塁打52本を記録、バースが54本を打った85年は落合博満が52本、落合は翌86年にも50本を打っている。

 50本塁打以上を記録しているのはいずれも打率も高く、技と力を兼ね備えた打者と言える。バレンティンやブランコと勝負できる日本人強打者の台頭を期待したい。
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イチロー4000本

2013-08-23 09:12:48 | 野球
 米大リーグ、ヤンキースのイチローが日米通算安打4000本の偉業を達成した。すごいとしか言いようがない。

 同時にこれが「日米通算」であることにも留意したい。張本勲がよく口にする「日本で3000本打ったのは私だけ」と同じ趣旨だ。日本のプロ野球とメジャーリーグでは、試合数もパワーも球場の広さや形状も違う。生まれた記録はそれぞれ別物と考えるべきだろう。そのうえで4000本を評価したい。カッブやローズに並んだり、抜いたりすることに意味があるわけではない。

 記録は塗り替えられるものである。競泳では東京五輪の優勝タイムはいまや全中の記録にも及ばない。アンツーカーで走ったボブ・ヘイズとウレタントラックのウサイン・ボルトは同列には論じられないだろう。

 野球はどうか。こちらは技術の進歩が記録の伸びを遅らせているのではないか。投手は分業制が確立し、日米とも20勝が難しくなっている。打者はますます多様になる変化球に対応するのに汲々としているように見える。本塁打数は減り、安打数も少なくなっている。そんな中での4000本である。日米とも少なくとも今世紀中は4000本を打つ打者は現れないのではないか。

 イチローは率より安打数にこだわった。安打の積み重ねは、決して減ることがない―そう考えてのことだろう。日ごろの鍛錬は裏切らないというトレーニング観と通じているようだ。

 イチローにはメジャー3000本の期待がかかるが、これはおそらく到達するだろう。だが、あえて数より率を望みたい。悪球打ちをやめて四球を増やせば、3割は十分打てる。狙い球をもっと絞れば本塁打は20本以上打てるだろう。40歳にしてトリプル3-イチローなら決して不可能ではないはずだ。
 
 
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