火星の大気から酸素を抽出する
MOXIE (Mars Oxygen In-Situ Resource Utilization Experiment)と呼ばれるこの装置は、NASAのパーサビアランスローバーで、16回目かつ最後の酸素を生成した。この機器は予想していたよりもはるかに成功したことが証明された後、その運用は終了した。その結果は、火星の大気から酸素を抽出することが可能であることを示している。
パーサビアランスが2021年に火星に着陸して以来、 MOXIE は、小型犬が10時間呼吸できる合計122グラムの酸素を生成した。最も効率的な時には、98%以上の純度で、当初の目標より2倍多い、1時間に12グラムの酸素を生成することができた。8月7日の16回目の実行では 9.8 グラムの酸素をつくった。装置は全ての技術要件を無事に完了し、火星の年間を通じてさまざまな条件で運用され、機器の開発者達はその技術について多くを学ぶことができた。
MOXIEは、火星の薄い大気から送り込まれた二酸化炭素(CO2)の各分子から一つの酸素原子(O)を分離する電気化学的プロセスを通して酸素分子をつくる。
<ひとこと>: 火星の大気の多くは窒素と二酸化炭素で構成されており酸素は少ない。極地方には水が発見されており、酸素を得るには“水の電気分解”の方が手っ取り深いかも知れない。しかし、これ等は地球に比較して少量であり、人間が活動するには限界がある。この実験がどれほど効果を生むのかは分からないが、大気から酸素を得ることができることが明らかになったことは、今後の探査の指針になるだろう。
<出典>: 「火星(Mars)」
<ひとこと>: この記事は9月11日に下表 「火星探査の今」 に掲載したものです。イメージと解説は要点のみを取り上げています。
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