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6月10日:エウロパの表面

2016年06月10日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

拡張されたカラーの視界のこのイメージは、木星の月(衛星)エウロパの表面の350×750キロメートルをカバーしている。このクローズアップは、ガリレオ宇宙船によって1998年に行われた観測からの、低解像度カラーデータと高解像度画像データとの結合である。滑らかな氷の平原、長い破砕、混沌とした地形の雑然としたブロックは、その下に塩分を含んだ液体の水の深い海を隠していると考えられている。この氷で覆われた海洋の世界は太陽系の生物生息可能域(habitable zone)の外側にあるが、新しい研究では、生命が利用できるエネルギーの鍵となる指標、惑星地球に対するスケールに相当する量を生み出しているであろう、酸素をドライブしている潜在的な化学を示している。水素は岩の海底と接する塩分を含んだ水の化学反応によって発生する。水素と反応する酸素その他の混合物はエウロパの表面からもたらされる。そこでは、水の氷の分子が木星からの高エネルギーの放射線の激しいフラックスによって分離され、エウロパの海の中を循環するだろう。

<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」

<大判>: イメージをクリック

<ひとこと>: 太陽系では、我々地球の生物に必須である水を含む可能性のある天体として、木星の月エウロパ、土星の月エンケラドゥスが挙げられます。地球の月、火星、その他の衛星、彗星などにも水が検出されていますが、これらの二つは“海”のレベルで大量の水を含んでいると考えられています。このイメージは木星探査衛星ガリレオが撮ったものですが、間もなく木星軌道に入る木星探査衛星ジュノ(juno)のサイドワークとしてのエウロパの調査が期待されます。なお、NASAではエウロパ探査衛星打上の検討も行われています。

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