またたびダイアリ

結局、食べることが好きなんだ

ムーンライト信州で白馬 岩岳ゆり園&マウンテンビューへ

2010-08-06 | 青春18きっぷの旅
2年ぶりの18きっぷ旅、ということで
今度は2007年8月に乗った、ムーンライト信州の指定席をとった。
またたびダイアリ:青春18きっぷで立川~白馬~南小谷~糸魚川 2007-08-26

いつのまにかレディースカーは廃止されており、
みどりの窓口でとった指定席券を持って席に着くと
まわりは全員、山男だった。

網棚には大きなザックがぎっしりと並び、
私の席の上の網棚にもすでにザックが載せられている。
乗車するなら始発の新宿から、ということなのかも。

仕方ないので自分の荷物は膝にのせる。

車両は古く、乗り込んだ瞬間から何か鼻をつく匂いがする。
長い間に座席にしみこんだ人間の汗と脂なのか、
山男たちの荷物、あるいは本人からなのか
例えるなら、コンビニのツナおにぎりからはがしたビニールを
そのまま放置しておいて乾いたときのようなニオイ。

私は慣れない匂いを感知するのが早く、
慣れるにも時間がかかるので持参のマスクをつける。
ところがいつまで経ってもこれに鼻が慣れることができない。

イライラが募ってきたところで、ふと横をみると、
なんと後席の30がらみの山男が、裸足の両足をヌッと伸ばして
私の肘掛にのせ、その姿勢のまま寝こけているのであった。

私の顔から30cmも離れていない場所に足の裏ときた。
静まりかえった車内で悲鳴をあげそうになったがこらえる。

まあ仕方ない、山に行く人たちならこんなことは
気にしないのだろう…と自分に言い聞かせるも、
まわりを見ると、50歳以上であろうベテランの山男は
新聞紙大の銀マットを床に敷き、靴と靴下を脱いで足を床につけ
(なぜみんな靴下まで脱ぐ)アイマスクと耳栓をしている。

つまり私の後ろの山男がとくに不躾だったというわけだ。
ため息をつきつつ、マスクをしたまま読書に逃避。
途中で窓からの冷気が気になり、カーテンを閉めると
カーテンがさわさわと当たるのがくすぐったかったのか、
山男の足もひっこんだ。

かといって匂いが消えたわけではなく、
(たぶん彼の足だけが原因ではない)
持ってきた本が分厚かったこともあって
結局、一睡もしないまま白馬まで乗り続けた。

ムーンライト信州で、実際に白馬まで乗りとおす人はあまり多くない。
山男たちはここに至るまでの間にポツポツと降りていき、
白馬目前の車内はガラガラになっていた。



車窓から見える北アルプスの夜明けに感動する。

ニオイのことがなくても、夜通し乗るには決して
快適とはいえない列車だけれど、この時間にここに来られて、
夜明けを見ることができるのはやっぱりいいなと思う。

白馬に到着後、急いで先頭にまわって写真を撮るも
行先表示板はすでに回送になっていた


早朝の白馬駅。5時40分なり。

思ったほど気温は低くない。

結局、一睡もしなかったので体が疲れている。
駅を出て左に300m行ったところにある
白馬ロイヤルホテルで温泉に入ることにした。

日帰り入浴は6時からで550円なり。
タオルは言えば別料金で貸してもらえるのかもしれない。

屋内のやや熱めの浴槽と、ぬるめの露天風呂に浸かる。
ぬあ~気持ちいい。
そしてかなり回復しますなあ。

身支度をして白馬駅に向かい、
6時56分の始発に乗って、隣の信濃森上で降りた。


本日の目的地、岩岳ゆり園に行くには、
駅を出てからグルリとまわって線路を渡り、
全部で2.2kmの道のりを行かねばならない。

たまに車が通るくらいで歩行者は誰もいない。
道なりに行くと看板がある。


到着~。日差しがかなり強い。

ここまで来れば涼しいのではと思っていたけれど
そうでもないんだな。気温は32度だった。

ゴンドラは8時からなので、しばし待つ。


8時になったので上にあがる。
ここのゴンドラは6人乗りでずんぐりと丸く、
まるでフルフェイスヘルメットのような姿をしている。

高低差やスピードなど、けっこうスリルを味わえる。
谷川岳の大きなゴンドラよりも迫力あるよ。

ここがゆり園。まだ朝だからか全体に煙っている。


見晴らしは非常によい。


遊歩道はこんな感じ。


きれいなユリがたくさんある。





裏手に行くと雲の中から山頂が見えた。





座ってみていると、不意に雲が切れて山頂が姿を現す。
なにか敬虔な気持ちになるわ。


そこから少し歩くと、木陰にハンモックがしつらえてある。
誰もいないので、さっそく寝転がってみた。


こっ、これは快適…。
ようやく体をのばして横になれたうえに、
木漏れ日がキラキラと輝き、静かな中に鳥の声だけが響く。


低い位置なので地面からの湿気が気になるけれど、
ひんやりと涼しく、ハンモックの自然な揺れが心地よい。

そのまま20分ほど熟睡してしまった。

ハッと起き上がってそこから出ると、
ガスも消えてきれいに晴れ上がっていた。


青い空に白い雲がまぶしい…。




山頂のカフェ、スカイアーク。営業は10時からとのこと。
地下のお手洗いや屋上へは、8時からでも入れる。


そろそろ時間が迫ってきたので、
ゴンドラでいったん下に降りる。


ゴンドラ脇のリフトにも乗ってみよう。


こちらもユリが植えてある。


リフトで上に行っても、遊歩道をくだるか
また帰りのリフトに乗るしかないのだが、
脇にあるサマーゲレンデで遊んでいる子供たちがいて楽しそうだった。


毛足長めの人工芝のようなものが敷いてあり、
そこを普通のスキー板で滑っているようだ。



ここから花三昧シャトルバスで白馬駅に向かう。

照りつける日差しに目がくらみそう。
まだお昼前だということが信じられない。

ここから18きっぷで松本まで出て、
そこからはスーパーあずさで立川まで飛ばす。
スーパーあずさの快適さに感涙。


立川2429→0540白馬(ムーンライト信州 指定席510円)
白馬ロイヤルホテル日帰り入浴 550円
白馬0656→0659信濃森上

岩岳ゆり園 入園料(リフトとゴンドラ含む)1400円
白馬Alps花三昧シャトルバス(1day freeチケット)500円
岩岳ゆり園&マウンテンビュー
白馬Alps花三昧

白馬1225→1419松本
松本1449→1657立川(特急スーパーあずさ トクだ値30で4830円)
トクだ値

トクだ値はえきねっと会員限定で
インターネット予約限定の割引きっぷなのだ。

この、トクだ値利用で、
特急スーパーあずさ 松本~新宿 通常6910円が
30%引きの4830円になる。

今回の「トクだ値スーパーあずさ」は
松本から新宿までの区間限定なのだが
私は立川で乗り換えるので、そこで下車すればいいわけだ。
(下車前途無効)

松本~立川の正規料金は6070円なので、
ほんとにおトクでしたわ。


今回のように夜行で出て、日帰りすると
やっぱり疲れはするけれど、楽しかった。
さて、次はどこへ行こうかの。





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6 コメント

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まあ ()
2010-08-06 23:32:48
最初の前置きからどうなるかと
思いましたが
なんて素敵な
風景!
それも日帰り・・
いいなあ。。
近くだとご一緒できるのに・・・
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懐かしい (ロージー)
2010-08-07 00:42:10
日帰りで こんなに有意義な旅ができることとプルコさんの行動力に 驚き

以前コメに書いたように 学生時代ワンゲルだったので、山に向かう夜行列車のくだりを読んでいると、当時の記憶が鮮明に蘇り・・・涙が出るほど懐かしかった
山男のおじさんがしていたように、私も通路に座って(席無し)熟睡できずに一晩過ごしたな。
信濃大町で降りて、室堂で見た山の景色に大感動したなぁ。そこから地獄の山行1週間が始まったのであった
でもでも 縦走路から見た大パノラマは忘れられません。
あ~~ 止まらなくなるので やめときますが
青春時代を思い出させてくれて、プルコさん、
どうもありがとう!
ちなみに、一週間山に入っていた私たちは
鼻が曲がるほど 臭かったに違いないわ
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暇なとき・・・さん (プルコ)
2010-08-07 14:18:00
いきなり出だしからピリピリしてしまったわけですが
1人で夜行に乗って出かけるとなると、かなり気を張っているので
それで、というのもあったかもしれません。

でも、車窓からの夜明けをみたとき、気持ちが浄化されていくのを感じました。
普段が夜型で、夜明けをみる機会がなかなかないだけに
なにか力がわいてきましたよ。

暇さんにも北アルプスの夜明けをご覧いただきたいです。
返信する
ロージーさん (プルコ)
2010-08-07 14:32:06
ありがとうございます。
なるべく早い時間に戻ってこられるように…と
ネットや本や時刻表をひっくり返しながら
あれこれプランを練っている時間がとても楽しかったりします。

ロージーさんのワンゲル時代は席無しで通路ですか?!
ひいぃ、山関係の小説はいくつも読んだわりに
あまり現実味なく受け止めていたことを痛感しております。

通路に座ってかあ…すごい、その後の行程といい
ワンゲルというかサバイバル訓練みたいなものを想像してしまいました。

信濃大町では、今も大勢の人が降りていました。
室堂を検索してみてみましたよ。
あの美しい景色のなか、一歩ずつ自分の足で確かめながら
のぼり、味わう楽しみは、本当にずっと忘れられない思い出になりそうです。
下から見上げるばかりでなく、その場に立ってみる感動は
全然違いますよね、やっぱり…。

一週間、山にいるというのもスゴイ!
まず私は自分自身のニオイにやられる予感です。
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ヤッホー (佳辰)
2010-08-09 22:37:17
なんて素敵な 景色===
山の空気は おいしいなぁ~~

スーハー深呼吸 (フゥ~~~)

プルコさん ありがとう
素敵な 旅をした気分 

残暑厳しき折り
お大切に~~~
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佳辰さん (プルコ)
2010-08-10 15:31:44
本当に、比喩や冗談でなく、空気が美味しかったです。

18きっぷの制約を守ったうえで、この季節らしい旅をしたいと思った結果、
山行きが多くなったわけですが
途中はしんどくても、また行きたいという気になるのがすごいと思いました。

佳辰さんも、どうぞお体お大事にお過ごしくださいませ。
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