ラウドパーク…それは日本史上最大のメタルフェスティバル。
早い時期からWIG WAM が出演することは知っていたけれど、
他に知っているバンドがほとんどなかったので、
ウィグワムの出演する40分ほどのために
13,000円のチケットを買うかどうか激しく迷っていた。
パスしようかな…と思っていたところにウィグワマニアの
友人からメールがきて、それは熱心に誘ってくれたので
ようやく重い腰をあげてチケットを購入したのだった。
そうこうしているうちにハノイロックスの出演が決まったり、
テスラとマンソンのベストを買って予習してみたら
意外と気に入ったりで、なんだかんだいいつつ
当日が楽しみになっていったのだった。
そして、いよいよその日がきた。
5:30 起床
8:50 さいたま新都心着 友人とおちあい、開場待ちの列に加わる
10:00 開場
並んでいる間にどう行動するか、自分たちのタイムテーブルを
相談していたので、まずはタワーレコードのブースにかけつけた。
タワレコではウィグワムのCDあるいはDVDの購入者
先着200名にサイン会の整理券をくれる。
しかしこれは2日間合わせての数なので、
1日目で売り切れている可能性もあるのだ。
なんとか間に合って LIVE IN TOKYO のCDを購入。
偶然にも、これはまだ買っていなかったので渡りに船♪
私の整理券は60番台前半だった。
友人はHANOI ROCKSのCDも買って、
こちらの整理券ももらっていた。
ハノイは先着50名だったので争奪戦が激しそうだ。
そのあとは物販コーナーを見学。
物販コーナーの決済は、たいがいの場合現金のみなのだが、
ここではDoCoMoのiDと、VISAが使えるようになっていた。
11:00 クリエイティヴマンブースにてWIG WAM のサイン会
こちらはクリマン3A会員の抽選に当たった人(20~30人)と、
ラウパのパンフレットを購入した人(先着20名)が対象のもの。
私はタワレコでもらった整理券があるので、
こちらは見物するだけにしようかと思っていたが、
会員の抽選に当たり、かつパンフも購入した友人が
パンフの権利を譲ってくれたのでありがたく並ぶ。
歓声があがり、メンバーが衣装をつけて登場した。
グラムのドーランは普通の照明のしたで見るとかなり濃いのね。
空港では私服だったけれど(グラムはプーマのジャージだった)、
やっぱり衣装を着ているときに会えるというのはいいね!
グラムにハグしてもらって、天にものぼる心地でございます。
ボーッとしながら、そこらのブースや飲食ブースを散策。
ステージでは11時から第一弾のバンドが始めているのだが、
なんだかんだで場外にいる時間のほうが長くなりそう。
ステージは中央の大きなスクリーンを挟んで両脇に設けられており
左右で交互に演奏を開始するのでセットチェンジの時間を
ほとんど取ることなく、順調に進めることができる。
ウィグワム(左ステージ)の前方位置を押さえるために、
彼らの前にそこで演じているANTHEMの終盤近くに
ようやくアリーナに入った。
ANTHEM (12:20~)
アンセムといえば名前を聞いたことあるな…くらいの
知識しかなかったが、アリーナAブロックはなかなかの盛り上がり。
これは日本のメタルバンドなのね。
ボーカルは黒いレザーパンツをはき、素肌にダブルの黒い革ジャンを
ひっかけるという正統派メタラーの格好。
けっこう歌もうまかったし、1曲も知らなかったけれど
なにか伝わってくるものがあった。
まわりのアンセムファンに失礼にならないよう、
体でリズムをとったり、両手をあげて拍手したりしているうちに
最後の曲が終わったので最前列目指してダッシュ。
なんとか中央から右よりの2列目にもぐりこんだ。
ANDRE MATOS (13:05~)
マトスは右のステージなので、私からは真横にあたり、
よく見えないので中央のスクリーンを見る。
マトスはブラジル出身。
黒いストレートロングヘアに白いドレスシャツ、
黒いロングジャケットで貴族っぽい雰囲気の人だった。
床にはってあるメモを見ながら、上手な発音で
「今日はどうもありがとう」的発言をしたあと
「このフェスをもりあげるのはきみたちです」と語っていた。
マトスのことは全然知らなかったけれど、
日本語のMCを頑張ってくれたのが嬉しかった。
セットリストの中で、1曲だけ聴いたことのある歌があった。
何かのテーマソングだったのかな?
しかしながら体力温存のため、静かに拝聴。
WIG WAM (13:55~)
マトスが終わった途端、こちらのステージの開始前から
ウィグワムコールが巻き起こる。ウィグワム! ウィグワム!
会場にいるウィグワマニアはこんなに多かったのかと感動。
満を持してメンバー登場。
大歓声のなか、WIGWAMANIA~ROCK MY RIDEと
前回と同じ流れで始まった。
観客も歌う歌う。私は熱気と背後からの圧力で生命の危機を
感じつつ、ステージもよく見えたし思いきり歌ってとびはねて満足。
途中、グラムが着ていたランニングタイプの袖なしスーツの
右肩を片肌脱ぎして、右胸と胸毛があらわになったので
私を含めて観客はさらに熱狂した。
あっという間に時間が過ぎて、メンバーがひきあげていったあとも
しばらくウィグワムコールが鳴り止まなかった。楽しかった。
セットリストは前回来日時のものを凝縮したもので
新鮮味こそなかったものの、ラウドパーク出演ということは
今回初めて彼らを見るという人たちへのアピールの場でも
あるのであんな感じでよかったのだと思う。
いつものように演奏も安定していたし、グラムの声もよく出ていた。
出演が決まったときには迷っていたけれど、ここに来てよかった。
メンバーはこのあと、キングレコードブースで
例のタワレコ購入者200人とのサイン会を開始。
興奮さめやらぬ顔をした人たちが長い行列を作った。
整理券に書かれた番号順に呼ばれるので、
比較的早い番号だった私は、待っている間に
サインしているテーブルの近くで見物。
いや、メンバーも大変ですね。
先日の空港でお会いした方に声をかけられ、ひとしきり
ライブの感想など熱く語ったあと、その方は整理券を
お持ちでなかったので私の券を差し上げた。
こういう機会はみんなでわかちあおう~♪
TESLA (15:35~)
テスラを見るつもりだったので、1人場内に戻り、
1~2曲見たところで用事が入ったので、また場外に出る。
演奏はすごく上手だった。さすがベテラン。
16:00 タワレコブースでCD購入先着50名に
VICTORブースでHANOI ROCKS のサイン会
こちらに友人が参加したので、私は野次馬として見物。
ハノイは中学生の頃にベストアルバムを持っていて、
実際に見るのは今回が初めてなので楽しみにしていたバンド。
うわぁ~、マイケル・モンローが目の前3mくらいのところにいる…。
人の密度が高いこともあって館内は半袖シャツで平気な温度だが
ハノイの後ろで日本人スタッフがパンフであおいで風をおくっていた。
友人が全員のサインを胸に抱いて戻ってきたので、
そろそろ食事をしよう。
飲食ブースはKFCにロッテリアのほか、、
タイ屋台にインドカレーなどエスニックが充実。
しかし私たちは無難にミックスサンドにして
場内のスタンド席で食べることにした。
SATYRICON (16:30~)
食べ物を抱えて席に座ると、
ステージではサテリコンが熱演していた。
こちらも未知のバンドだが、
ウィグワムと同じノルウェー出身なのね。
ブラックメタルというジャンルがあることすら知らなかったが、
ステージに向かって右奥のスタンド席から
疲れで朦朧としつつ眺める。
楽器隊が激しくヘッドバンギングしながら、連獅子のように
その長髪をきれいにふりまわしているのが壮観だ。
この日初めての食事をとっていたことと、
疲れがピークに達していたこともあり
曲は記憶にないのだが、あとでCDをチェックしてみよう。
SAXON (17:25~)
26年ぶりの来日でデビューは1979年という大御所。
心待ちにしていたファンも多かったらしく盛り上がりを見せる。
サクソンコールがすごかったな~。
アリーナ後方はスペースに余裕があるので、疲れきった
オーディエンスがそちらこちらにばったりと転がっている。
メタルファンには死体置き場と呼ばれている場所なのだが、
SAXONが始まるといつのまにか死体が全員起き上がって
膝を抱える体育座りでステージに見入っているのが面白かった。
私は疲れがピークに達していて、スタンド席でがっくりと気絶。
たぶん1人で来ていたら、私もアリーナで
死体の仲間入りをしていたことだろう。
爆音の中、体にびりびりと振動を感じながら
床と一体になって眠るのも気持ちよさそうだ。
HANOI ROCKS (18:25~)
行くかどうか迷っているうちに、
単独公演の東京分は売り切れてしまったので
このステージはとても楽しみにしていた。
スタンド右後方からオペラグラスでモンローを鑑賞。
メタリックレッドのサックスがカッコいい。
ロックスターらしいキラキラど派手な衣装が
あの大きな目ときれいなプラチナブロンドによく映える。
ものすごくよく動いてたし体も柔らかい。
20年前からほとんど劣化していないのがすごい…。
明るくてのりがいい曲連発で華やかなショウだった。
もうちょっと体力があれば、アリーナに踊りこむところだったけれど
もう本当に限界がきていて残念。
でも、アリーナにいたらきっとあまりステージは見えなかっただろうから
(マンソン待ち含めてハノイのファンが大勢詰め掛けていたし)
スタンドからじっくりたっぷりモンローを見られたので満足。
この後は左のステージでアークエナミーだが
場外にでてラクーナコイルのサイン会を見物。
だいぶ人も減ってサイン会のために並んでいる人以外は
あまりいない。日曜のこの時間だからね。
MARILYN MANSON (20:45~)
マンソンはあまりいいイメージを持っていなかったけれど、
ベスト盤を聞いてみたら、曲はけっこうよかったのだ。
しかしビジュアルがね…。私はこういうのちょっと苦手。
とはいえ予習のためにネットでPVを見たり、
映画ボウリングフォーコロンバインでインタビューに答える
マンソンを見たりと、それなりに楽しみにしていた。
開演前の舞台には薄い緞帳が張られ、
血をイメージさせる赤いライトが奥で点滅している。
ロックのライブではなく、これから舞台が始まるかのようだ。
毒々しい空気がモトリーのカーニバルツアーを思い出させる。
序章、という雰囲気の曲が始まり、
包丁の形のマイクを持ったマンソンが登場。
曲調が静かなせいか、観客も歓声をあげるでもなく
静かに聞き入っている。
PVのイメージとは違ってちょっと中年太り気味かな?
アルバムに比べると声がつらそうだったので、
今日は風邪なのか、ライブではいつもああなのか気になった。
新アルバムからの曲もあったけれど、
ベスト盤で知っている曲もたくさんでてきてよかったな。
モブシーンとか好き。
マンソンはサービス精神旺盛で、しょっちゅうステージから
おりてきては最前列付近に上半身を投げ出していた。
最初、例の包丁マイクで観客を襲っているのかと思ったが
どうもそうではなかったようで。
歌いつつ観客にペタペタさわられて、ある程度のところで
ガッチリしたSPがマンソンをお姫様のように横抱きにして
そっとステージまで運ぶ。
マンソンはぐったりとSPの両腕に身をゆだねたままステージに
横たわらせられ、の繰り返しが何度もあった。
まるではしゃぎすぎて急に眠くなったこどもを
そっとベッドに運ぶような一連のやりとりに笑いそうになったが
あれはなんらかの様式美にのっとっているのかもしれない。
1曲ごとに暗転、衣装替えを含めて趣向をかえてくるのは
アルバムごとに雰囲気をガラリと変えてくるのと同じ理由であり、
彼の美意識なのかな。マンソンは帽子がよく似合うと思う。
しかしまあ、およそ健全さとはかけ離れていて、歌いながら
はいているズボンの中に右手を突っ込みグニグニした挙句、
その手を自分の顔になすりつけるので、見ていてげんなりする。
あの妖しい感じがファンの心をとらえて放さないのだろうかなどと
感心したけれど、単純な印象としては、なんだかこどもっぽい人だなあと。
ファンの年齢層も10~20代と若い人が多かったが、
何か惹きつけて離さない魅力があるんだろうということはわかる。
マンソンの声も曲もいいと思うのだが、ルックスの良さも重視される
音楽の世界において、彼は売り込み方についてよく考えていると思った。
あの毒がよくもわるくも印象に残って、次にひっぱれるのではなかろうか。
自分が良識派に嫌われているということはよく承知している
といった趣旨のことを静かに語っている姿を以前に見たことが
あるけれど、それがとてもカッコよく見えた。
マンソンファンはゴスロリというのかおしゃれな服装の人が多かった。
最前付近の混沌はどうなっているのだろう?
もみくちゃ汗だくになるのでジーンズに黒Tシャツ、スニーカーという
動きやすい服装がデフォのライブにしか行ったことがないので
そのへんちょっと気になったわ。
マンソンの世界観がいまいちつかみきれないまま
ステージは唐突に終了したが、これはこれで面白かった。
*
22時過ぎにさいたま新都心を出て、自宅最寄駅には24時前に着いた。
ここ数年に覚えがないくらい疲れたが、楽しかった!
一夜明けて全身筋肉痛でゾンビ化している。
今回、耳栓を持参していたので耳鳴りとは無縁ですんだ。
役に立ったもちもの:耳栓、オペラグラス
ラウドパークのフォトギャラリーは
こちら。