またたびダイアリ

結局、食べることが好きなんだ

旅のおともに

2008-04-14 | 青春18きっぷの旅
「150cmライフ。」の、たかぎなおこさんの
「ひとりたび1年生」と「ひとりたび2年生」をまとめて買った。

私も、18きっぷを使って一人旅をするようになって
ちょうど2年目。ひとりたび2年生なんだな。

この本は18きっぷに限った移動だけではなく、
フェリーや新幹線、飛行機なども利用しているのだが、
いつかの旅の参考にさせてもらおうと思いつつ
ページをめくる。

ほのぼのとした可愛いタッチで、
最初から1人で出かけていったほうが寂しくないこと、
知らない町でどきどきしながら食べる名物の美味しさなど、
思わずうなずきたくなるような事柄がいっぱい。

著者が私とほぼ同じ身長であることに加えて、
ビール好きなところも似ていて嬉しい。

どのエピソードもわくわくと楽しく、
先日、私が残りの18きっぷを使って行こうとしていた
上諏訪の温泉(寝坊&中央線の大停電により頓挫)など、
とても参考になった。

たかぎなおこさんの本は、可愛くて楽しくて…
だけどなぜだか、じんとする。

とても旅心を刺激された。
手に入れてから何度も読んでしまう。

*

先日の宇都宮の往復車内では、
開高健の「開口閉口」を読んでいた。

こちらはいかにも昔の作家らしい磊落、無頼さで
現代ならマユをひそめられそうな、シモの話題もたっぷりの
油っこさなのだが、精力みなぎるオスのアザラシが、
ドンと机を叩いて熱弁をふるっているような一種の魅力がある。

写真を見るとご本人も海獣のような丸顔だったのには
笑ったが(太公望だし悪くもなかろう)、
その中で気になった一文があった。

「全ての放浪者は非情と多感の相反依存を心に抱いていて
何時どちらが働くか自身にも不明」


「相反依存」というのは彼の造語のようだが意味はわかる。

これは旅をしていると思い当たる感情ですなー。
その場で膝をうちそうになった。

ネットが普及して、あまり読書をしなくなってしまったけれど、
やはり本って素晴らしい。もっと読まなくちゃ。

*

そういえば開高氏=あざらしの表現って、彼と親交のあった
作家のエッセイにあったような気がしたが、
それがどうにも思い出せない。

山口瞳か吉行淳之介かな?
いずれにしろ読んだのは20年くらい前…。

もし、ご存知の方がいらっしゃいましたら
お手数ですが教えていただけると嬉しいです。



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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
一人旅・・・か (佳辰)
2008-04-15 00:35:14
一度も 一人旅を経験していない
一人で 外で食事もしたことがない

友人のロージーさんに
「大人になりな~」
と よく言われるんです

この本 買ってみようかな?

>開高健
結構好きです(笑)
コメントも面白かった 
こういう 野武士のようなアクの強い人って
魅力的です

本 好きですよ
特に 歴史もの

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佳辰さん (プルコ)
2008-04-15 01:17:15
やっ、一人旅する=オトナ でもないような気がします。
たかぎさんの本の中に、ひとりでお店で食事をするとき、「念のためにシャキッとしておこう」というくだりがあって、あるある…と思いました。
私の場合はオトナになるというか、ちょっと頑張って冒険してみました、というノリに近い気がします。

佳辰さんがこの本を読まれたら、きっとウィーンにいらっしゃるお嬢さんの姿とかぶる部分があるのではないかしら…なんて勝手に想像しています。

開高健はほんとアクが強い人ですね~!
野武士に納得です。いまどきこんな人いるのかしらと思いつつ、生命力の強さと、私では混沌とした感情のままで言葉にできない部分を上手に言語化している文章の面白さにひかれました。

歴史ものも、まだまだ未読のものが多いのですが、勉強もかねて読んでいきたいと思います。
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Unknown (もにもに)
2008-04-15 19:45:38
たかぎなおこさん、いいでしょ~♪
可愛いイラスト、飾らない語り口、親しみの持てる行動。(笑)
その上、旅の楽しさ、ドキドキが伝わってきて、
とても、楽しいシリーズだと思います。
沖縄、石垣の2週間っていうのも、贅沢ですよね~。
このシリーズは、ずっと続けて欲しいです。
「2年生」では、香川でうどんも食べられて♪
あの黄色い電車は、近くを走っているんですよ。
フェリーも気になりますね~。
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もにもにさん (プルコ)
2008-04-15 22:18:33
ほんとっ、夢中になって繰り返し読みました。
このシリーズ、今後も続いてほしいですよね。

石垣島ロングバケーションは、ほんと羨ましかったです。
滞在していたリゾートマンションからまた別の島に泊りがけで出かけて、東京の住まいとリゾートマンションで「ダブル留守」とか着眼点が面白かったな。

ちゃんと香川のうどんツアーもなさっていて、なんだか先を越されたような気がしましたが、
私も同じルートをたどってみたくなりました。
あの黄色い電車は先日もにもにさんがアップしてくださったものですよね。

あ~旅に出たい。
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先輩っ! (こうめ)
2008-04-16 20:07:19
一人旅…すっごく素敵な響き…!
でも、したことありません。夫に「危ないし心配だ」と止められます。
(いきなり18きっぷで!などと言い出したので、警戒されたせいですきっと)笑

プルコさんの記事を読んで、気持ちはいつも高まっております。
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本の記事も楽しみにしていまス♪ (ぽるた)
2008-04-17 01:08:33
>たかぎなおこさんの本は、可愛くて楽しくて…
>だけどなぜだか、じんとする。
キーワード「おかあさん」なのかな?(もに家に書いてらした)「ひとりたび」の本、図書館に予約しましたので、そこんとこジックリ探ってみますわ

>開高健・山口瞳・吉行淳之助
昭和の申し子?落とし子?のようなお三人ですね。
山口・吉行両氏の作品は、結構読んだと思うのですが、あざらしは覚えてないなぁ。。

>非情と多感の相反依存を心に抱いていて
何時どちらが働くか自身にも不明
これ・・・私です。旅をしていなくても。。
そっか、放浪者気質なんだ、むむむ


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こうめさん (プルコ)
2008-04-17 01:13:21
あっ、たしかに…。
今のところ、キケンな目に会ったことはありませんが、
やはりひとりで行くときのほうが神経を使いますね。

あとローカル線だと単線なので、うっかり逆方向に乗ってしまい(それぞれ1時間に1本しかない…そして夜)心臓がとまりそうになったことがあります。
幸い、単線ゆえか、そのまま到着した隣の駅のむかいのホームに乗るはずだった列車が待機しており、息もつかずに階段をかけあがり、かけおり、なんとかすべりこんだときには手が震えました。
あれは本当、なにもないところで路頭に迷うところでした。

こういう心配もあるので、旦那様のお気持ちもよくわかりますわ~。
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ぽるたさん (プルコ)
2008-04-17 02:47:17
おっ、ぽるたさんも「ひとりたび」を予約なさったのですね。
たかぎさんは初ひとりたびで不安になったときに、近くにいたおばさまを「あれはおかあさんだ」と思うことで乗り切ったとありました。

普段は引っ込み思案な人のひとりたび、というスタンスがなんだかとっても共感できるんですよね。
オドオドしたり、ドキドキしたり、でも、こんなことがあったよ!と報告したい人がいる幸せというか…。

なぜ、じんとくるのか、私もちょっと考えてみよう。

>昭和の落とし子
わははっ、なんとも濃いおやじトリオですよね。
あざらしは私の記憶違いだったのかな?

吉行・山口両氏ともに、その昔に読んではみたものの、内容はほとんど理解できていなかったなあ。
なんかオトナの世界だと思いつつ、ただ文字だけを追ってわかったような気になっていました。
今また読み返してみたら、もっとちゃんと味わえるかもしれないな。

>放浪者気質
ロマンがありますね~。
いろんな側面から見てみる、というのも大切ですよね。
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