またたびダイアリ

結局、食べることが好きなんだ

キンメダイ ウマヅラハギ

2011-04-09 | 料理
あちこちの桜が一斉に花をつけ、
週末だしなにかおめでたそうな魚でも…と探しに行って
キンメダイをみつけた。

魚屋さんで3枚におろしてもらって
身は皮に熱湯をかけてチリチリにさせてからお刺身に。


皮も身もきれいな色だなあ。

ちょうど入ったばかりのものだったらしく
キンメダイ特有のくさみもなく、上品で甘いお刺身になった。



アラも熱湯をまんべんなくまわしかけて煮付けにした。


煮切った日本酒に水、醤油、ザラメ、生姜。

落し蓋をして10分ほど静かに煮て、冷ます。


味付けがうまくできて、とても美味しかった。

お酒にもゴハンにも合う。

さかなの頭の骨って、鞘みたいになってて面白いよね。
アラを箸でのんびりとせせる。
この煮汁、なにかに使えないものか。

*

ウマヅラハギが少し安くなっていた。
自分でさばいてみよう、とそのままでもらってきたけれど
表面のザラザラした分厚い皮が手ごわい。

ツノ、口先、尻尾、ヒレのあたりを落として
そこから一気に皮をはぎます、とあるのだけれど
ツノもヒレも固いよ。

冷や汗をかきながら、なんとか手がかりをみつけ
分厚い皮を一気に剥ぐ。
革手袋を脱ぐかのようにビリリと気持ちよくむけた。
カワハギの名前はここからだよね。

ところがその厚い皮の下にもう1枚、
銀色の薄い、しっかりした皮があり、
これはよく切れる包丁で、そぐようにしないととれない。

私の腕ではとても無理だったので、お造りにするのはあきらめて
その薄皮ごと塩胡椒して片栗粉をつけ、から揚げにした。



非常~に美味しかったです。
身がしっかりしていて味わい深い。
大事な肝は味噌汁に放り込んだ。

大きい出刃包丁と柳葉包丁が欲しくなってきた。





3月に食べた魚:げんげ キンキ 黒ムツ ごっこ

2011-04-07 | 料理
震災の日は昼頃に買い物に出て
いつもの魚屋さんに薦められて「ゲンゲ」を買った。

下の画像のとおり、プルプルべたんとした平たい魚で
見るのも食べるのも初めて。

青森産で細長く、まな板からはみ出しそう。
ゲンゲは富山が有名だそうだけれど、富山ゲンゲはもっと短いらしい。


筒切りにして片栗粉に塩・胡椒を混ぜ、コロモをつけて揚げる。
生の状態ではやや臭みを感じたものの、
揚げてしまうとそれは気にならなくなった。



表面はカリッとしており、中身は口の中でふわりととろけて
どこかへ消えてしまうような不思議な食感。

揚げて10分もしないうちに、げんげの水分がコロモにしみて
柔らかくなってくるので、急いで食べないといけないが、
淡白な白身で美味しかった。

と、ゲンゲを食べ終わって1時間後に地震が来たのであった。
ある意味忘れられないサカナになったけれど
先日もみかけたので買った。
揚げたあとポン酢につけて食べたが、これも美味しかった。

*

震災から一週間ほどして、久しぶりに買い物に出た。
店は暗く、棚はガラガラで殺気だった空気に怯えながら
魚屋さんに行くと、おじさんはいつもどおり元気でほっとした。

やや小ぶりなので安くなってるよ!と薦められたのがキンキ。
吉次という粋な本名をもつ魚。顔が可愛い…。


脂ののった白身ということなので、揚げたり焼いたり。

焦がしちゃった。

食べてみると、プリップリした白身で脂がのって美味しい!
味がしっかりしているので薄塩で大丈夫だった。
すだちがなくてもいいくらい。

息もつかずにきれいに食べました。

こちらは揚げキンキ。

尻尾はさすがに固かったけれど、胸鰭はパリパリサクサク。
美味しい…けれど脂が多いので、私は塩焼きのほうが気に入った。

先日、豆キンキと呼ばれる、手のひらサイズの小さなキンキが
まとめて安く売られていたので唐揚にした。美味しかった!

キンキは大きめのを煮付けにすると
気絶しそうに美味しいらしいので、
いつかそれも挑戦してみたい。


*

白身魚が好きな私におじさんからのお薦め、黒むつ。


表面が黒くて、いかにも深海にいそうな大きな目玉に怯んだものの、


これこのようにきれいな白身。

じんわり、もちっと味の染み出る美味しいさかなでした。
半身は刺身、残りはハーブ焼きにして好評だった。


*

魚屋に行ったら、いつものおじさんがいなくて
顔見知りの店員さんが薦めてくれた、ごっこ。

ホテイウオという名前で、真っ黒でヌラヌラしていて
ずんぐりでっぷり、まるでガマガエルのような姿で
なぜか胸に大きな丸い吸盤がある。

うっ、これは…と思ったけれど
ここは魚屋さんを信じて、さばいてもらい、料理方法も教えてもらった。


大きな肝が入っている。いや、白子かな?

よくわからないが、昆布だしをとり、
ゴッコと豆腐とネギを味噌仕立てにする。


最後に白子をいれ、煮すぎないようにしていただきます!



うん、これは上品なお味。
あの容貌魁偉さからは想像もできないくらい。

ぬらぬらした皮のついた本体のほうは、
あまり肉もついていなくて、いいダシはでていたけれど
この魚は白子がメインなんだろうと思われる。


おかげさまで好きな魚が増えていく。
魚屋さんに行くのが毎回楽しみなのであった。





白魚の踊り食い ウマヅラハギの肝醤油和え

2011-04-06 | 料理
震災から1ヶ月近く経ち、自分自身がなんとなく落ち着いてきたので
武蔵小杉方面まで歩いて桜の様子を見に行ってきた。

日当たりのいいところに生えている桜は美しく咲き誇っていた。
でもまだ、桜並木全体をみると3割くらいの開花状態かなあ。



今年もありがとう、とか言いたくなる。



ここは武蔵小杉から元住吉方面に抜ける二ケ領用水。
毎年、桜の時期は露店が並び、それなりに賑わう場所だけれど
今年の桜祭りは自粛するとのこと。


今週末くらいが見ごろになりそうだけれど
桜の下をぶらぶら歩くだけでも気持ちよさそうだ。

*

地元に戻る途中で、いつもの魚屋さんに寄った。
このところの騒ぎでか、買い控えている人もいるようだけれど
私は店頭にあるものは問題なしとみなして
安心して買うことに決めた。

その考えに至るまでに、しばらく鬱々としてはいたが
(魚は食べてたけども)
いろんな条件を考えあわせたうえで、うちはオーケーとしましたわ。

でっ、これ!
今日は小田原港から朝獲れ直送便があるとのことだったので
いそいそと店に向かった私に、
これは佐賀からだよ、と店員さんが勧めてくれた白魚。


パンパンに膨らんだビニールの中に、
元気な白魚たちがピキピキと泳いでいる。

佐賀は唐津の飴源と袋に書いてあるので
調べてみると、このお店からのものらしい。
http://www5.ocn.ne.jp/~amegen/furusato.htm

魚屋さんでは980円だった。
個人で取り寄せることを考えたら安いな~。


袋をあけ、中の水ごと器に移す。



びっくりするくらい活発に泳ぎ回っている。
店から家に戻るまでに、「買って帰る」ではなく
「連れて帰る」な気分だったのであった。



食べ方は店員さんに教わったとおり、
網杓子ですくって、少しのばした麺つゆにつけ
網杓子ごと、口に運ぶ。

しかしものすごく元気なので、
器から飛び出してテーブルに落ちてピンピンはねるものあり、
すくわれて麺つゆに漬けられた瞬間、
暴れだして私の目に麺つゆを飛ばしてくるものあり、
うわああああって感じだったけれど
軽く麺つゆにひたして丸のみした白魚のノド越しは
まるでキリリと茹でた讃岐うどんのごとく
コシがあって滑らかでたいへん美味しかったです。

最後の1匹を追い詰めるのに苦労したわ…。

*

さてこちらは小田原港から朝獲れ直送のウマヅラハギ。
カワハギ系は、店頭にあったら迷わず頼む、大好きな魚。
これで2匹ぶん。1匹390円なり。



今日のは朝獲れだけあって、さすがと思う新鮮さ。
肝も大きくてトクした気分。



冷やごはんを温めて酢飯をつくり、
千切りキュウリとシソとウマヅラハギ肝和えで
簡単手巻き寿司。

いやはや、至福でございます…。