Aruiのスペース

自分の身の回りで起こったことの記録であったり、横浜での生活日記であったり・・・です。

試験官は僕だ、受験者は君一人だ

2009-05-13 07:37:35 | Weblog
試験官は僕だ、受験者は君一人だ   2009-05-13

先日、或る業界の試験の試験官のバイトをしました。
もうその試験官バイトは3回目で慣れたものです。一応
試験官の心得と注意事項の説明会には出ないと採用
されないので、説明会には出ます。試験官の仕事なんて
1回覚えれば、後は寝ていても判るよってんで、のんびり
説明会に出て、担当者一覧表を見てびっくり。私の教室
の受験者数は1名。通常は50名位です。その場合は、
試験官補佐が付いて、回答用紙と問題の配付と回収は
補佐がやってくれます。

今回、私は補佐無しで、一人対一人。但し受験者は、
全盲の方で、私が問題を読み上げ、受験者の回答を
解答用紙に記入する。との指令でした。試験官の業務
マニュアルも読まなくても判ってる筈が、全く別のマニュ
アルに差し替えられて、真剣に読みました。

但し試験を実施する方も、まだこういう事態に慣れてなく
てマニュアルもおかしなものでした。例えば、『試験の
開始時刻となりました。問題用紙を開き、問1と2を始め
て下さい。但し、試験官が指示するまで、問3以降を見て
はいけません。』となっています。受験者は全盲なのに。
実際には、私も試験問題を見るのは、今回が初めてです。

上のセリフを言った直後に、自分で問1を読み、受験者の
回答を聞き、解答用紙に黒塗りマーキングをするのです。
誰でもそうですが、試験問題を(目が見えて)読んで考える
のと、目を閉じて、誰かが読んでくれるのを聞いて考える
のでは、全く判断力が違ってきます。私は設問を2回ゆっく
り読んであげましたが、受験者は、たいてい、もう一度
お願いします、と言いました。私は、「判らなかったら、何度
でも読みますから、言って下さいね」と受験者に、事前に
言っておきました。

なにせ1対1です。この人が落ちれば自分の責任になる、
と思ってしまいます。だから、是非受かって欲しい。読み上
げる問題の中には、私にも正解が判る問題もある。その
答えが間違ってると、間違った答えをマーキングするのは
辛いです。

試験は某大学の校舎を借りて行います。私が受け持った
部屋も普段は大学生が、60-70名ほど入れる教室です。
その中に、受験者一人、試験官の私が一人。業界の協会
の人が一人立ち会い、時間はゆっくりと、しかし確実に流れ
て行きます。60問の問題を読み上げ、試験が終わった時に
は、私の喉と体はくたくたになっていました。時給upしてくれ。