Aruiのスペース

自分の身の回りで起こったことの記録であったり、横浜での生活日記であったり・・・です。

昔きりぎりすとはこおろぎのこと

2007-08-30 22:52:38 | Weblog
昔きりぎりすとはこおろぎのこと           2007-08-30

高校時代の国語の時間だったか、古文の時間だったかに、教
わった記憶があるのですが、江戸時代(辞書には平安時代から
と書かれている)には、きりぎりすとは、今のこおろぎのことだと
聞きました。で、その時に芭蕉の俳句

むざんやな甲の下のきりぎりす   

が、その例として出されていたと思います。きりぎりすは主として
草むらに居て鳴き声は、ギーとかジーと言う音が2秒ほど続いて、
3秒程中断するのを繰り返します。体長は3~3.5cmで色は
緑で、動きは敏捷。素手で捕まえるのは難しい。鳴くのは昼間が
多いです。

http://contents.kids.yahoo.co.jp/zukan/insects/card/0563.html
(この中で、きりぎりすもこおろぎも紹介されている)

こおろぎは、主に石の下などに住み、鳴き声は、コロコロとかピリ
ピリと5~6秒程鳴き、中断も5~6秒になる。鳴くのは夜が多い
です。色は黒っぽい茶色。動きは素早いですが、時には人の目の
前で、じーっとしている時もあります。素手で捕まえることも可能
です。中国ではオスのこおろぎを闘わせる闘蟋が有名です。今は
そのシーズン真っ盛りでしょう。

さて、むざんやなの句だけで、ここでは、きりぎりすはこおろぎです
と言われても、何か他に証拠は有りますか?と聞きたい気がします。
ところが芭蕉とほぼ同時代の俳人、丈草の句を見ると、これなら
きりぎりすがこおろぎだと言うことに納得できるような気がします。

連れのあるところへ掃くぞきりぎりす

寒けれど穴にもなかずきりぎりす

行灯に飛ぶや袂のきりぎりす

箒を持っている丈草の前に出てきたこおろぎが、動かずにじーっと
している。庵の外で鳴いている仲間のところへ掃き出すよと心優しい
丈草が目に浮かびます。

但し、鳴くこおろぎはオス。丈草の目の前のこおろぎがオスなら、
敵の居るところへ掃くぞきりぎりすと詠まなければならなくなります。

文英堂:全解古語辞典:きりぎりす【蟋蟀】虫の名、コオロギの古称。
コオロギ科の虫を総称していう。雄の成虫は秋に鳴きその鳴き声は
賞美の対象となった。