杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

テルマエ・ロマエⅡ

2014年04月30日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2014年4月26日公開 113分

タイムスリップした先である現代日本の風呂文化から着想を得て斬新な浴場建設をし、一躍人気者となった古代ローマ浴場技師ルシウス(阿部寛)に、コロッセオに闘士たち用の浴場を作るよう命令がくだる。頭を悩ませたルシウスは再び現代日本へタイムスリップ。風呂専門雑誌のライターになった真実(上戸彩)ら、ルシウスが平たい顔族と呼ぶ現代日本人と再会する。一方ローマ帝国では平和推進派であるハドリアヌス帝(市村正親)と武力行使派の元老院が対立、緊張が高まっていた……。(Movie Walkerより)


続編と言うことで期待値も上がったのですが、結果的にはインパクトは前作の方が勝っていたかも

前作ではケイオニウス(北村一輝)が悪者扱いでしたが、今回はコロッセオでのグラディエーターたちの戦いを通して市民の好戦意欲を高めようと企む強硬派の元老院が悪役です。目玉としてグラディエーターに曙(アケボニウス)や琴欧州(コトオウシュヌス)が配されているけれど、これって必要だった?曙の方が登場シーンが多いけれど、剣闘士としてあの脇腹のダブつきはちょっと無理があったなぁ

草津・箱根・みなかみ・諏訪などの温泉地も登場するのですが、今冬訪れたばかりの草津に親近感。湯もみショーで有名な湯もみ会館「熱の湯」や温泉街の中心にある「湯畑」が登場すると、ルシウスたちと同じ空間を共有している感覚になりました

露店風呂で松島トモ子さんがクマと混浴して齧られネタや、「指圧の心は母心」の浪越徳三郎さんなど、若い人にはさっぱりなギャグが満載なのだけれど、(白木みのるさんは存じ上げませんでした)あれ誰?と話題になれば世代間交流も生まれるという狙いかしらん?

今回も温水洗浄便座やウォータースライダーなど現代の技術に驚き、昭和を感じさせる銭湯では、マッサージチェアや足ツボ板、バスクリンに感動するルシウスの前作よりパワーアップした顔芸が楽しめます。

しかし何より驚いたのはケイオニウスの人格が前作までと違う解釈になっていることだったりして女ぐせの悪いケイオニウス(そりゃもう何度も連呼されて館内に笑いが起こっていました)が何故そこまで女ぐせが悪くなったかの理由も明らかになり、あれ~~?ケイオニウス、実は良い奴だったんじゃん!!でした。病みやつれた彼もセクシー『仮面の男』ばりの展開にはぶっ飛びましたが、だからコロッセオで「奴」はルシウスを認識出来なかったんだ~!と納得

元老院の企みを暴いて、絶体絶命の窮地を温泉が湧き出たことで脱するのも「テルマエ」らしい着地点でした。しかし指圧で皇帝の病が治るのは・・・いいのか?

ルシウスと真実は今回も結ばれませんが、何か続編まだ出来そうな感じだね
(泣くことでタイムスリップできることを忘れていたので、真実が必死に玉ねぎを隠すシーンが初め解せなかった私です

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おとなになって読むアンデルセン

2014年04月29日 | 
須田諭一(著) メトロポリタンプレス(発行)

(はじめにより)
今、なぜアンデルセン童話なのでしょうか?アンデルセンが生きた貧しい時代のデンマークと現在の日本。
物質的な部分ではもちろん異なりますが、孤独などの心の問題はとても似ています。
そこで大人になった今、もう一度アンデルセン童話を読み、大人の視点で新しい教訓を発見して人生の糧にしたいと思います。日常にうるおいを与えるために、もう一度、アンデルセン童話を読むというわけです。


【目次】(「BOOK」データベースより)
・人魚姫ー失恋を繰り返したアンデルセンの経験から生まれた悲話
・おやゆび姫ー恋愛、そして意外な結末。とくに女の子に人気のある物語
・ブタ飼い王子ー欲しい物を手に入れるためにキスをするお姫様
・はだかの王様ー人間、いちばん言ってはいけないこと、それは真実
・すずの兵隊さんーアンデルセン・マジックが炸裂する物語
・赤い靴ーアンデルセンの幼少期の経験がちりばめられた物語
・みにくいアヒルの子ー貧しい生まれ、作家として成功した自分を投影した物語
・ヒナギクー強者のエゴに怒りをぶつけた傑作
・マッチ売りの少女ー当時のデンマークの社会を現わした悲話
・さやからとび出た五つのエンドウ豆ー童話の傑作。シンプルで楽しい物語
・イーダちゃんのお花ー知人の娘をモデルにした初期の童話
・あの女はろくでなしー純愛を描いた大人向きの恋愛童話
・雪の女王ーうつくしい心とは?出会いと成長を描いた童話
・のろまのハンスー本当の頭の良さや自立心を考える童話
・空とぶトランクー未熟な精神が生む未熟な恋愛。恋愛童話の傑作
・雪だるまーアンデルセン童話の根底のテーマ”無常”を描いた物語
・あるおかあさんの物語ー十五ヶ国語で翻訳された恐怖童話の傑作
・影shadow-幻の名作。童話というには難解な物語

18編のアンデルセン童話のあらすじの後で筆者の視点での解説が加えられていますが、個人的には特に目新しい解説とは思えなかったので物足りなさが残りました。が、改めて童話のあらすじに触れたことで、子供の時にはわからなかった物語の背景や大人の事情といった側面を味わうことができたのは楽しかったです。

筆者は巻末でアンデルセンが何故あのような童話を書いたのかを彼の生育環境から論じています。
アンデルセンは貧しい家の生まれで、父は彼を可愛がったけれど、従軍し帰還した後で精神を病んで亡くなったこと。父方の祖父も火事で家を失ったことからやはり精神を病んでいたこと。母方の家系も自慢できるものではなかったことなど、彼の生育環境は決して安らかなものではなかったようです。しかし父も父方の祖母も想像力の豊かな人だったようで、このことが彼の創作活動にはプラスになったと言えるのかな。
コンプレックスや複雑な生い立ちが彼の人格を歪めている面は否めず、恋愛に関しても成就することはなかったそうです。筆者はアンデルセンを矛盾を抱えた不完全な人間として分析していますが、満たされない思いを童話に昇華させたのだとしたら、やはり彼は偉大な作家なのでしょう。
アンデルセンの童話は友情・親子愛・恋愛などの「愛」がテーマとして扱われていますが、弱者の視点と上流階級への批判が盛り込まれたものも数多いそうです。そんな豆知識と共にもう一度童話を読み直すのも面白いかも

それはそうと、大人になって童話を斜めや裏から読もうとする自分を、何も余計なことを考えずにお話自体を単純に楽しめた子供時代の自分が見たらどう思うのかしらん?

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宇宙兄弟

2014年04月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年5月5日公開 128分
2013年3月15日 土曜プレミアム(フジTV)放送

子ども時代に、宇宙飛行士になることを誓い合った兄弟ムッタとヒビト。時は過ぎて2025年、弟ヒビト(岡田将生)が夢をかなえて宇宙飛行士となった一方、兄ムッタ(小栗旬)は会社を解雇され意気消沈していた。互いに違った道を進んでいた兄弟だったが、弟からの連絡をきっかけに兄はかつての夢を実現させるべく再び宇宙飛行士という目標に向かって進み始める。(シネマトゥデイより)


小山宙哉のコミックの実写映画化とのこと。小惑星探査機「はやぶさ」帰還後の宇宙ブームで何本か宇宙ものが作られた時期だね

今より少し先の未来が舞台。夢に向かってまっしぐらに突き進み、叶えてしまった弟と、早くに現実と折り合いを付けて諦めてしまった兄。ところが職場でトラブルを起こしてクビになり職探しをする中で、ヒビトがムッタに内緒で申し込んでいた宇宙飛行士の選抜試験に通ってしまった。いや・・・そりゃ無理なんじゃないの?と強引な展開に面喰いました。原作読んだことないので、きっともっと色々な要素が絡んでいるのだと思うけれど、画面からは覗えないのよね
しかも二次に受かったのは採用担当者(堤真一)が「兄弟の宇宙飛行士がいたら凄い」という理由で強く推したからって・・・ありかよ?それじゃまさに能力以外のことでエコひいきされたみたいじゃないですか

同性の兄弟って、兄は慎重で弟は大胆な性格になりやすい気がします。この兄弟もそんな感じ。加えて兄は年上のプライドがあるから、常に弟より先を行きたい。お手本になりたいの。周囲の雑音に振り回されずひたすら夢を追いかけ遂に叶えた弟が誇らしくもありちょっと羨ましくもある。それに引き換え自分はと思うとその落差に落ち込まざるを得ない。ムッタを見ているとその辺の葛藤がよく伝わってきました。

そんな不満を拭うためか、最終試験では10日間の閉鎖状況の中での集団生活の様子が描かれますが、あの「グリーンカード」の目的は結局何だったんだろ?従わないのが正しいのではなく、それに従った結果をフォローする能力を見たってこと?何も知らされてない他メンバーはその状況下での人間性を試されたの?そもそも協調性が大事だということは受験者でなくても想像できると思うのに、けっこう悪の強いメンバーが入ってるのはどうよ、と思ってしまいましたが

月で不慮の事故に遭ったヒビトが-60度で生き延びるのも出来過ぎですが、まぁフィクションにそこまで突っ込まなくても良いかぁ

とりあえず、夢があるっていいなぁということで

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ハンガー・ゲーム2

2014年04月26日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2013年12月27日公開 アメリカ 147分

12の地区より12歳から18歳までの男女一組を選出し、最後の1人になるまで戦わせる独裁国家パネムが実施する「ハンガー・ゲーム」。男女ペアで勝者となったカットニス(ジェニファー・ローレンス)とピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)は、凱旋ツアーで各地区を回る中で、自分たちを反国家の象徴として捉える民衆の思い、静かに広がっている革命への動きを感じる。同様に国民の変化を悟ったスノー大統領(ドナルド・サザーランド)は、カットニス抹殺をひそかな目的にした歴代勝者結集の新ゲームを開催させる。(シネマトゥデイより)


これって三部作の第二章だったのね
前作で偽りの恋人を演じたカットニスは、ピータにつれない。そりゃ、ゲイル(リアム・ヘムズワース)もいるんだし当然だけど、ピータがちょっと可哀想。と思っていたら、新たなゲームの中で二人は本当に心を通わせていくじゃないですか。この三角関係のセオリーは『トワイライトサーガ』シリーズを思わせます

新たなゲームを仕切るのはヘヴンズビー(フィリップ・シーモア・ホフマン)。敵か味方かわからない怪しさを漂わせながらもあのふくよかで人懐こい笑顔はやっぱり~~な展開となりました

カットニスたちの付添役のエフィー(エリザベス・バンクス)は気の良い女性。本来ならもう戦わずに済む筈の二人がまたゲームに引っ張り出されたことに秘かに心痛めています。スタイリストのシナ(レニー・クラヴィッツ)は政府への反発心から挑発的な衣装をカットニスに着せて報復されてしまいます教育係のヘイミッチ(ウディ・ハレルソン)は相変わらず飲んだくれていますが、前作より二人に対して積極的に関わってきます。そして彼も秘かにある計画に乗っていたのでした

今回、ゲームの中で直接的な殺し合いは少なかったような気がします。同盟を結んで助け合う仲間が出来るけれど、疑り深いカットニスはピータ以外の者を本当には信用していないことが伝わってきます。むしろピータの方が純粋。でもやっぱり危機に陥るのはピータの方が多い
毒の霧や落雷、ヒヒの襲撃に洪水と時間毎に襲い来る危機を乗り越えながらの戦いは飽きさせません。
ピータが倒れて我を忘れたカットニスは遂に落雷を利用してゲームが行われているドームを破壊しますが・・・彼女の行動はまさに革命への導火線になったようです。実は知らないのは彼女だけで、歴代の勝者たちの多くも思いは一つだったというわけです。

そりゃ、窮鼠猫を噛むと言いますから、過ぎたる締め付けは逆効果よねというわけで最終作は革命編かな?それにしても状況設定ゆえか、画面がやたら暗い(夜のシーンが多い)のには閉口しました。


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神様のカルテ

2014年04月25日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2011年8月27日公開 128分

一止(櫻井翔)は、大勢の患者に24時間365日対応している「本庄病院」の内科医。山岳写真家の妻・ハルこと榛名(宮あおい)と、風変わりな面々ばかりが集まるアパート「御嶽荘」で暮らしている。慢性的に医師が不足している病院では日中の診察はもちろん、夜間の緊急外来で専門外の患者を担当することも多く、一止は自宅に帰れないこともしばしば。遂には初めての結婚記念日まで忘れる失態をおかしてしまうが、ハルは何事にも一生懸命な夫を愛し、温かく受け止めていた。
ある時、一止は恩師である貫田(柄本明)や同僚の外科医・砂山(要潤)の勧めもあり、母校の信濃医大に研修に行くことになった。大学病院で最先端の医療を学び、様々な症例について研究し、自分の力をより多くの命を救うために使うことができるという事実に改めて気づかされる一止。ただ、実際の現場では、痛みを訴える末期ガンの患者に有効な手を打つこともできず、死にゆく患者に心臓マッサージをし続けることしかできないような時もあるのだ。しかし、自分が大学病院ではなく「本庄病院」にいるからこそ、救うことができる患者もいる。自分が医師としてこれから進むべき道について、一止は深く思い悩むようになる。
そんな中、大学病院で匙を投げられたという末期ガンの患者・安曇(加賀まりこ)が一止を訪ねてやってきた。彼女のために自分に何かできることはあるのか。悩みながらも治療にあたることになった一止は、医師として、人間として“人を救う”ことの難しさに直面し、迷い、苦しみながらも前を向こうとするのだが…。(日テレHPより)


「2」が公開されてるし、旧作借り放題で何となく選んだのだけれど、しまった~!これ先月地上波で放送されてんじゃんま、いっか~~実質0円だし

ピュアな主人公の一生懸命さが伝わってくるのだけど、どことなくお伽噺めいた印象が拭えませんでした。
キャラ作りなのでしょうけれど、一止のぼそぼそ喋りは音量絞ってると何を言ってるのかわからずボリューム上げてしまったぞアパートの面々も妻のハルも原作知らないので最初はどういう人間関係なのかと面喰いました。少しくらいは説明入れといて欲しかったかも
互いにニックネームで呼び合う関係や文豪をまねた口調や表現などは昭和初期の学生のよう
まぁ、学生時代から同じアパートで暮らしている設定なので時が止まった感じも「あり」かも
<学士>(岡田義徳)が自分の夢と決別し老いた母と暮らすために郷里に帰るという場面では、残る<男爵>(原田泰造)たちの「はなむけ」の桜や一止のエールが印象深かったです。
ハルとの関係も穏やかな陽だまりのようで和みます。(気持ちがささくれている時に観ちゃうと「けっ!」と思っちゃうかもですが

周囲からは夢を叶えたと見られる一止ですが、現場の医師としての自分と、より多くの新しい治療法や先進医学への探求心の狭間で揺れたりもします。治療法のない末期にある患者と向き合い、苦悩しながらも寄り添おうとする彼の方が、患者を研究対象としてしか見ない医局の医師たちより人間的だと思ってしまいます。大学の医局の教授(西岡馬)の誘いを断った一止の決断にはやはり、と感じました
もちろん研究者も必要だし大切な仕事ですが、現実に苦しんでいる患者に寄り添おうとする医師の方が私は好きなんだもの

安曇役の加賀さんが、末期の割に化粧して病みやつれてないのは置いといて、彼女が書いた一止に宛てた手紙の内容が映画の題に深く関わっていたのねぇと納得本庄病院が終末期医療を積極的に行っていたのかは不明ですが、治療見込みのない末期癌の患者を引き受け、親身に看病するスタッフたちの姿は見ていて心強いです。それにしてもいくら同期でも医師にため口の看護師(吉瀬美智子)っていいのか?

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キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー

2014年04月21日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2014年4月19日公開 アメリカ 136分

アベンジャーズの戦いから2年、S.H.I.E.L.D.(シールド)は、未知なる脅威から世界を守るため、新たなる防衛システムを開発するが、それは全人類を彼らの監視下に置き、実質的に世界を支配することを意味していた。キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)は、そんなシールドのやり方に疑問を持ちながらも一員として活動していた。ある日、長官のニック・フューリーが襲撃され、キャプテン・アメリカとブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)も命を狙われる。孤立無援となった彼らを追い詰めるウィンター・ソルジャーと呼ばれる最強の暗殺者。その正体は、キャプテン・アメリカの親友で第2次世界大戦中に死んだはずのバッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)だった。シールドに何が起こっているのか?誰がウィンター・ソルジャーを操っているのか?その先にある恐るべき陰謀とは・・・・。


今回はキャプテン・アメリカとブラック・ウィドウ、フューリー長官の三人が活躍します。さらにキャプテンの相棒になるのは退役軍人のファルコン(アンソニー・マッキー)。ランニング中に知り合う設定ですが、場面が進むと突然空飛ぶ羽を装着したのにはびっくり~~アメコミのキャラ設定知らないので唐突感が否めませんでしたが、カッコいいので許す最初の出会いでキャプテンが「左から失礼」と抜いて行くシーンと、救出されたキャプテンが病室で目覚めて右隣で付き添っていたファルコンに同じセリフを言うなどクスッと笑えるエピソードもありました。

ウィンター・ソルジャー役のセバスチャンの憂いを含んだ眼差しも切ない過去を背負い、悪人に利用されている姿が母性本能をくすぐります。美形だし

もちろん、キャプテンも正統派美形で正義の人キャラは変わりません。ウィンター・ソルジャーの正体を知ると「親友とは戦えない」とやられっ放し。おいおい、ダメだろそんなキャプテンの行動に消された記憶の何かが呼び覚まされたのか、自分が一度助けられたお返しからか、彼の危機を救ったのがウィンター・ソルジャーでした。で、次回に続くっと

悪を倒すには元から断たなきゃダメって論理は一見正論のようで、根本的に間違っている。捻じ曲げられた正義感は恐いねぇそんなだから「ヒドラ」につけ込まれちゃうんですよ~長官
倒しても次々に現れる悪の組織。キリがないです
エンドロールの後に次回作への予告はいつも通り。

今作ではキャプテンがケイト(エミリー・ヴァンキャンプ)に淡い好意を抱いたり(実は彼女はエージェントなんですが)、元カノでシールド創設に関わっているペギー(ヘイリー・アトウェルとの病室での会話とかもあります。)年月を経て病に罹っている(おそらくは認知症も)ペギーへの愛情も本物だけど、生身の男としては若い子にも気がいくのは当然だぁねカモフラージュのためブラック・ウィドウとキスシーンもあるのだけどこちらは恋には発展しないようです

長官と信頼関係で結ばれていた筈のピアースが今回の黒幕ですが、演じているのはロバート・レッドフォード時の流れを感じさせますわぁ何かとキャップテンに突っかかり目の敵にしているラムロウ(フランク・グリロ)は相変わらず憎々しげでした。

盾を使ったアクションやバイクシーンはファンにはたまらないのでは

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素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー

2014年04月21日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年8月10日公開 アメリカ 89分

70歳になる元宝石泥棒のフランク(フランク・ランジェラ)は最近物忘れが激しい。そんな彼を心配した息子ハンター(ジェームズ・マースデン)は、二足歩行ができ会話もする超高性能の介護ヘルパーロボットをプレゼントする。雇い主の健康管理はもちろん、やる気を出させてや生き甲斐を見つけさせるようプログラムされているロボットのおかげで、意欲や体力を取り戻したフランクは、ロボットを相棒と感じるようになり、自分の“趣味”にロボットを巻き込もうとするが……。

孤独な老人とロボットの心温まる交流ものと呼べないわけじゃないのですが、この老人が元泥棒で、ロボットに触発されて見つけた生き甲斐が泥棒することなんだから、ちょっと捻りがきいています。

今より少し先の未来という設定で、高性能の介護ロボットが存在しています。でも人間の方は現代と大差ないようで、フランクは認知症のようです。彼の楽しみは町の図書館に出かけて司書のジェニファーとお喋りすることくらいでした。年老いた父を心配して片道数時間かけて週に一度通ってくる息子のことも煙たがる彼に業を煮やした息子は、新発売の介護用ロボットを贈ります。(高価なロボットを買えるくらいは裕福なのね)仕事でしょっちゅう遠くの外国へ出かける娘もこの息子も、父を愛してはいますが、彼の寂しさを理解はできていないようです。

息子や先進技術への反発からロボットを毛嫌いしていたフランクですが、このロボットがなかなかの優れものなの栄養バランスを考えた食事や適度の運動、柔らかな物腰に、次第にフランクもロボットに好意を持つようになります。

ロボットに趣味や生き甲斐を持てと助言された彼は、昔の職業であり趣味でもあった泥棒の技術を再び磨き始めます。そしてロボットが鍵を開ける才能があることを見つけた彼は、あることを思いつくのそれは図書館から「ドン・キホーテ」の稀覯本を盗み出してジェニファーにあげることでした。
普段から自分を馬鹿にする気に食わないコンサルタントのジェイクが、図書館の書籍を全て電子化しようとしていることを知った彼は、彼に一矢報いてやりたかったのです。ロボットの助けを借り本を盗み出したフランクですが、老眼鏡を忘れてきてジェイクに疑われてしまいます。
更に、ジェイクの家に忍び込んで宝石を盗み出すのですが、以前からの問題行動もありすぐに警察にも疑われてしまいます。それなのに逃げ出したことを忘れてまた家に戻ったりするのは認知症ゆえの行動ですね

犯罪行為はしないようプログラミングされているロボットですが、雇い主の健康のために役立つことをするのだとフランクに言われて納得するのが面白くもあり可笑しくもあります。ロボットに父の介護をさせることに反対する娘がロボットの動きを止めてしまった時、フランクは彼がかけがえのない相棒だということに気付きます。そして盗みがばれそうになった時、証拠となるロボットの記憶を消すことをロボット自身が申し出る場面は切ない気持ちにさせられます。・・・が・・・結局ロボットの記憶消しちゃうんだよな~~

もう一つの証拠である宝石も見つからず、逮捕は免れたフランクですが、結局施設に入ることになります。
見舞いに来たのは子供たちとジェニファー。実は彼女はフランクの別れた妻だったというオチです。
彼女を元妻と認識していたとは思えないフランクの行動ですが、逆に忘れていたとしても彼女に好意を持っていたことも確かです。また、息子に宝石の隠し場所を示唆する彼は、完全に惚けたわけでもないよう。
こうなると、どこまでが正常でどこからが認知症なのかも曖昧になりますね。そして息子が宝石を見つけてもそれを警察に届けたりはしないだろうことも推察できちゃうのよね。う~~ん、血は争えん

一筋縄ではいかない老人と無垢なロボットの取り合わせが妙に心に沁みる作品でした

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図書館戦争 革命のつばさ

2014年04月20日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年6月16日公開 105分

日本を揺るがすテロ事件が勃発する中、デートの最中だった図書隊の笠原郁と堂上篤に緊急招集がかかった。テロの手法と小説の内容が酷似しているとして、メディア良化委員会は作者である当麻蔵人の身柄を押さえようとし、郁らは彼の身辺警護をすることになる。法廷闘争が始まり、図書隊と良化隊の衝突が激化する中、実質敗訴の最高裁の判決が下る。想定された事態を奇策で乗り切ろうとする中で重傷を負ってしまう堂上。任務の遂行を託された郁は当麻を守り、表現の自由を守ることが出来るのか!? そして二人のもどかしい恋の結末は!?


実写版は劇場で観ましたが、アニメはそれより前に映画化されていたのね
シリーズ1がメインだった実写版と異なり、アニメ版はシリーズ4の作家狩りの攻防がメインになっています。ちなみにTVアニメではシリーズ1~3のエピソードを描いているそうです。

ストーリー展開に小説と大きな差異はありませんが、堂上が紀伊国屋の店員と懇意だったり、大阪で総領事館に駆け込む際の設定が派手になっていたり、アニメの方が見た目の盛り上がり重視な変更が加えられていました
個人的には重傷を負った堂上とのキスシーンは原作通り書店のバックヤードで他の店員もいる中での方がより萌え度高かったかなぁと思います。反対に、病院でのキスシーンはアニメの方が病室から屋上に設定が変わっていてシーツの陰でのシルエットがでした。


表現の自由に対して、作家でさえも事件が起きるまではどこか他人事でしたが、図書隊に護られ共に生活するようになって、彼らの真摯な行動に影響され変わっていく当麻の姿が印象的です。
声をあげることの大切さ、無関心に潜む危険をわかりやすく表現しているのもです。
これ、岡田・榮倉コンビの実写でも観たいなぁ。

ちなみに実写版の感想は http://blog.goo.ne.jp/anzu0609/e/848628ae8921e856d5befe105943548c

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珈琲店タレーランの事件簿 3 心を乱すブレンドは

2014年04月20日 | 
岡崎 琢磨 (著) 宝島社文庫

実力派バリスタが集結する関西バリスタ大会に出場した珈琲店“タレーラン”の切間美星は、競技中に起きた異物混入事件に巻き込まれる。出場者同士が疑心暗鬼に陥る中、付き添いのアオヤマと犯人を突き止めるべく奔走するが、第二、第三の事件が…。バリスタのプライドをかけた闘いの裏で隠された過去が明らかになっていく。珈琲は人の心を惑わすのか、癒やすのか―。美星の名推理が光る!

今回はコンテストの前後3日間の出来事についての推理です。
殺人事件は起きませんが、密室の謎解きと異物混入の方法については最後まで気をそらしません。
それにしても出場者たちの人間関係は欲やプライドでどろどろしていて愉快ではなかったかな。

種明かしをされてみれば、確かに冒頭の「おもしろくない話」の中に大きなヒントが隠されていたことに気付きます。一見善人に見える人が真犯人だったり、いかにも怪しそうなのがシロだったりは、この手の話の常套手段よねその意味では目新しいことはないけれど、アオヤマと美星の仲は今まで以上に接近しているようです。

少なくとも一気に読ませる点で、前作よりは面白かったかな

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名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)

2014年04月20日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年4月20日公開 110分
2014年4月18日放送(日テレ・金曜ロードショー)

コナン(高山みなみ)と蘭(山崎和佳奈)、小五郎(小山力也)と少年探偵団の面々は、海上自衛隊のイージス艦「ほたか」を見学することになった。その朝、京都・舞鶴港で不審船が発見されたため、厳重警戒状態の中イージス艦は出港。早速、対空戦闘訓練が開始されるが、その最中、正体不明の物体がイージス艦に接近してきた。艦長の立石(廣田行生)も作戦司令室に現れるなど、明らかに訓練とは違う緊張感に疑問を抱くコナン。しかし自衛隊側はあくまで「訓練」であると説明、その件は大事件には発展せずに終わる。
そんな中行われた甲板見学。コナンはイージス艦では珍しい女性自衛官・七海(柴咲コウ)に興味を持つ。早速、阿笠博士(緒方賢一)が作った最新メカである衛星電話を使って灰原(林原めぐみ)に七海の調査を依頼するが、七海のデータは非公開であることが判明し…。
彼女の正体をめぐる謎が浮上する中、「ほたか」の艦内で切断された自衛官の腕が発見された。小五郎が捜査を担当することになり、犠牲になったのが若狭地方隊所属の自衛官・笹浦であることが判明するが、七海をはじめとする自衛官たちには何か隠しておきたい事情があるようで…。
一方、コナンから連絡を受けて舞鶴に向かっていた平次(堀川りょう)と和葉(宮村優子)は、笹浦の遺体を確認。遺体に付着していた塗料について調べるために、平次は阿笠や灰原と合流することに。同じ頃、「ほたか」では笹浦の携帯電話が発見され、新たな事実が明らかになっていた。そんな中、人目を避けるように艦長室に向かった七海を追ったコナンは、彼女が笹浦の携帯のデータを操作しているのを目撃! そして七海の意外な正体と、「ほたか」の艦内にある国のスパイ「X」が潜入していることが明らかになる!!(日テレHPより)


日本はスパイ天国と揶揄されることもあるけれど、この物語はまさにそんな一面を描き出しているようです。某国がどの国を指すか、丸わかりだけどこんな子供向けのアニメにまで「ほら、だから平和ボケしてるとヤバイんだよ」と擦り込んでるようにも思えるのが少々気になるのですが・・・

Xが誰かは早い段階で推察できますが、笹浦の死の真相はちょっと意外かも
今回は自衛艦の内部描写に重きが置かれているためか、それほど派手なアクションはありませんでした。
大海に投げ出された蘭が救出される場面では、冒頭の腕時計が重要な役割を果たしますが、これはすぐに気付くと思うけどな本当にあんなことができるほど科学技術は進歩しているのかしらん?


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私が愛した大統領

2014年04月18日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年9月13日公開 アメリカ 94分

1930年代アメリカ、多忙なフランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領(ビル・マーレイ)は一番の理解者である従妹のデイジー(ローラ・リニー)と過ごすひとときが何よりの安らぎだった。1939年6月、ドイツとの開戦危機に備えアメリカの後ろ盾が欲しい英国王ジョージ6世夫妻が実家を訪問。歴史的なトップ会談が行われた夜、デイジーは思いも寄らなかった大統領の秘密に触れてしまう。(シネマトゥデイ)


重度の身体障害を抱えながらも3度の再選を果たした米大統領フランクリン・ルーズベルトと、彼を陰から支え続けた女性デイジーの知られざる物語。という触れ込みですが・・・この二人には全く共感できなかった思いもよらない秘密とやらが大統領の女性遍歴だなんてあほらし
いかに政治的に有能であろうと、妻が同性愛者だろうと、母親に頭が上がらなかろうと、何人もの女性を愛することの正当化にはならないでしょ
しかも、デイジーはそれを受け入れた上で愛人の立場を続けたのだからなにおかいわんやです。

いかにのどかな田舎の景色が美しかろうと、大統領とデイジーの密会は私にはどうでもいいこと。大統領の乱暴な運転は彼の障害のある体への鬱屈の現れに受け取れました。

この映画で唯一良かったのは、英国王と大統領二人だけの会談の場面です。ジョージ6世については『英国王のスピーチ』の吃音に悩む誠実な王様のイメージがあります。若き王が老練な米大統領相手に腹を割って話したことで、両国の間に親密な関係が生まれ、ひいては第二次世界大戦への米国参戦の端緒になったことを思えば、大変な歴史的場面を覗き見ている感がありました。

また国王夫妻の力関係というか、気弱で優しい国王が妻に押され気味だったり、兄と比べられることへのコンプレックスが窺われる演出も面白かったです。けれど、本当に大事な決断はしっかり自分でするのもでした。

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横道世之介

2014年04月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年2月23日公開 160分

長崎県の港町で生まれ育った横道世之介(高良健吾)は、大学に進むために東京へと向かう。周囲の人間を引き付ける魅力を持ち、頼まれたことは何でも引き受けてしまう性格である世之介は、祥子(吉高由里子)から一方的に好かれてしまう。しかし彼は、年上で魅力的な千春(伊藤歩)にぞっこんで……。(シネマトゥデイ)


吉田修一が毎日新聞で連載していた作品の映画化だそうです。

平凡な一人の大学生とその友人たちの他愛もない青春ストーリーが淡々と語られていくのですが、何故か過去形。そして時間がエピソード毎に前後している。あれ?何か変。そう思った頃に明かされる主人公の死。
あぁ、そういうことだったのかと納得。そして改めて主人公の周囲に与えた影響力というか、そのほんわか温かな人柄を偲ぶことになるのです。

世之介の住むマンションの隣人はいるのかいないのかわからないけど毎日目覚ましが鳴ります。そのまた隣の住人と目が合い、シチューを振舞われたり(おそらくお愛想で言った誘い言葉に素直に乗っちゃった感じ)、入学式で隣に座った倉持君(池松壮亮)がそのまま友人になったり、講義が一緒の阿久津唯ちゃん(朝倉あき)と三人で成り行きでサンバクラブに入ったり、そのうち彼らができちゃったりなんかゆるゆるだけど、青春してるな~ってエピソードが重なっていくのが妙に和みます。

Wデートで知り合った祥子ちゃんのキャラはかなり強烈。世間知らずのお嬢様の図太さ・強引さを、おっとりした上品で可愛らしい口調がカバーしてどこかユーモラス世之介がそんな彼女に押されながらも次第に受け入れていく感じも自然でした。何気ない話の流れから夏休みに世之介の田舎に押しかけてきた祥子は彼の両親にも気に入られます。おっとりとした祥子ですが、世之介の元カノ(黒川芽以)の存在にはやっぱりナーバスになるあたりは、やっぱり普通の女の子よね~と何故か安心したりして

地方出身の大学生とくればバイトは必須科目サークルの先輩に誘われたバイト先で世之介は謎の美女・千春に惹かれます。だからといって積極的にアタックするわけでもないのだけどね講義で同席した加藤(綾野剛)を無理やり飯に誘って恋愛悩み相談をぶったことがきっかけで彼とも友人となり、自動車教習所に二人で通うことに。加藤がゲイを告白してもあっさりと受け流す世之介です加藤にとっては「あ、こいつとは本当の友人付き合いができるな」と感じた瞬間でしょう

唯が妊娠し、倉持は中退して働くことにします。困った時にさり気なく助けてくれる世之介のその笑顔が眩しいね

祥子の両親に紹介されたあたりから、世之介の彼女への想いも深まっていきます。バレンタインのチョコが彼の郵便受けに間違って入っていたことから隣人が写真家であることを知り交流が生まれます。彼からライカのカメラを借りた世之介が撮った写真には、出産した唯の赤ちゃんや祥子、町で出会った人やものたちが写っていました。

一件洗練された都会人に見える千春ですが、彼女も地方出身者であることが母親の出現で明かされます。背伸びしている彼女の姿が垣間見えるエピソードです。世之介の死を知ることになった一枚の原稿を前にした彼女の胸に去来したものは何だったのかな?

物語は世之介の学生時代と友人たちの現在が交互に描かれています。「良い奴だった。面白い奴だった。」彼らが世之介のことを思い出す時、一様に笑顔になるのが印象的でした。

特別に派手なエピソードも胸躍る恋愛模様も無いのに、なぜか心に響く切なさと愛しさのある作品です。

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サイド・エフェクト

2014年04月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年9月6日公開 アメリカ 106分

金融マンの夫マーティン(チャニング・テイタム)がインサイダー取引で逮捕・収監されたことでうつ病を患ったエミリー(ルーニー・マーラ)は、夫の釈放により再発してしまう。駐車場で自損事故を起こした彼女を診察した精神科医バンクス(ジュード・ロウ)は、かつて彼女を診ていたシーバート博士(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)に相談し、エミリーの了承を得たうえで抗鬱剤の新薬アブリクサを投与する。しかしエミリーのうつ症状は改善されたものの、薬の副作用で夢遊病を発症、無意識状態のまま夫を刺殺してしまう。主治医としての責任を問われ、社会的信頼を失ったバンクスは、エミリーに処方した新薬について独自に調査を開始し、衝撃的な真実に辿り着く・・・。


スティーブン・ソダーバーグ監督のサイコスリラー映画です。キャストがなかなか大物揃いでそれだけで興味を惹かれてレンタルしました。
薬の副作用が招いた殺人事件と見せて、実は周到な計画殺人だったことが次第に明らかになるのですが、それまで散々コケにされていたバンクスの反撃が痛快です

そもそもエミリーがうつになったのは、結婚で望み通りの生活が叶ったと思った矢先に、夫の失態で財産全てを失ったことから来る夫への憎悪故なのよね彼女の夫への愛情は望む生活を叶えてくれるという前提付きだったというわけです。
そんなエミリーを利用して完全犯罪を唆したのがシーバート博士。彼女たちは愛人関係にあったというからこれまたです。

新薬の副作用がエミリーの症状に及ぼす影響をバンクスには伏せて事件を起こさせ、エミリーの罪は問えなくしておいてその責任をバンクスに負わせるという計画は途中まではうまくいくのですが、エミリーの唆病をバンクスが見破ったことから彼のリベンジが始まります。一事不再理の原則から、エミリーの殺人については無罪が確定しているので覆せないけれど、精神疾患を理由にエミリーの病院収容については主治医であるバンクスの権限が最大限に使えるというわけです。(もし無実の人間に対してこの裁量が行使されたら恐いけどね)シーバート博士に対しても殺人教唆の罪に問えるわけで、彼女との対決シーンも見応えありました。

結果として妻ディアドラ(ヴィネッサ・ショウ)の愛を取り戻し彼女の連れ子を望む私立に通わせることも出来てな結末でした。

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ストロベリーナイト インビジブルレイン

2014年04月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年1月26日公開 

警視庁捜査一課の姫川玲子(竹内結子)率いる姫川班は、管轄内で起きた4人の殺人事件を担当することになる。警察が合同特別捜査本部を設けて捜査に臨む中、「犯人は柳井健斗」という不審な電話を受けた姫川だが、上層部からはすべてを黙殺しろとの命令が下る。納得のいかない玲子は、菊田(西島秀俊)に姫川班を託して単独捜査を始め、その過程でマキタ(大沢たかお)と出会うが・・・。


テレビドラマ「ストロベリーナイト」の映画版です。とはいえTV版殆ど見たことないのよね
暴力団の跡目争いと9年前に起きた殺人事件の冤罪が絡み合うストーリーに姫川とマキタの傷を舐めあうかの如くの恋愛模様が加わったことでチープで感傷的なイメージもなきにしもあらず。
おそらく本来のドラマの切れ味とは違ったものになっているのではないかしら?

暴力団の跡目争いに見えた事件は、マキタの舎弟の狂信的な行動が生んだ連続殺人でした。しかし発端は柳井と繋がりのあったマキタが彼の復讐に協力する過程で犯したマキタ自身の殺人行為、引いてはその原因となった警察上部の冤罪隠しの結果だったのです。しかも姫川を庇って舎弟に刺されたマキタは彼女の腕の中で息絶えてしまう・・・おいおい、安物の恋愛映画じゃねぇか、と思わずため息が
おまけに姫川を尾行していた菊田が彼女とマキタの逢瀬を目撃するシーンまであってはもう
こういうお話だったっけ?まぁ、苦悩する西島さんも美しいからいっか

上司の和田が記者会見の席で9年前の事件と連続殺人の関連を暴露し謝罪したことで一応の解決がみられます。結果不祥事の責任を負い姫川班のメンバーも異動となり、ドラマの終結になった・・らしい。
あ、結局TVドラマにリンクしていくわけですな

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藁の楯

2014年04月12日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2013年4月26日公開 124分

少女が惨殺される事件が起き、殺人事件の懲役を終えたばかりの清丸(藤原竜也)が指名手配される中、孫娘を殺害された政財界の大物・蜷川(山崎努)が、新聞に「この男を殺してください。清丸国秀。御礼として10億円お支払いします」と犯人殺害を依頼する全面広告を掲載した。日本中がにわかに殺気立ち、身の危険を感じた犯人の清丸国秀(藤原竜也)は福岡県警に自首する。警察は警視庁警備部SPの銘苅一基(大沢たかお)、白岩篤子(松嶋菜々子)、警視庁の奥村(岸谷五朗)神箸(永山絢斗)、福岡県警の関屋(伊武雅刀)ら精鋭5人を派遣し、清丸を福岡から警視庁まで移送させるが、清丸への憎悪と賞金への欲望にかられ、一般市民や警護に当たる警察官までもが5人の行く手を阻む。


残酷な性的倒錯者の清丸には同情の余地はありません。一瞬見せた母親に対する彼の感謝の気持ちだけが唯一の救いですが、それすらも彼の白岩への仕打ちで消し飛んでしまいました。

そんな憎き犯人を護送することになった5人の心理も複雑です。仲間の警官すら信じられない極限状況の中、清丸を体を張って守ることを強いられるストレスは想像を絶します。
シングルマザーの白岩、事件を担当し被害者の惨たらしい死体を目にした神箸の清丸への憎しみと職務遂行の間で揺れる葛藤と、死にゆく彼らの悔しさが伝わってきてやりきれない思いになります。

被害者と同じ年頃の孫を持つ関屋は賞金目当ての男から人質にされた子供を救うため男を射殺します。急所を狙うだけで良かっただろうにとも思うけれど、咄嗟で余裕がなかったのか、狙いが外れたのか・・・ 奥村に至っては警察上層部からの指示を受けた裏切り行為(腕にマイクロチップを埋め込み居場所を特定させていた)が発覚します。

仲間が次々倒れ、裏切る中でただ一人満身創痍で清丸を連行した銘苅もまた妻子をひき逃げされた過去を背負っていました。上司である大木係長(本田博太郎)が彼らを護送役に選んだのは、私憤から任務を投げ出すことを狙ったからです。銘苅は清丸の数々の挑発に「5人の中で一番お前を殺したかったのは俺だ!」と叫びますが結局彼を守り通しました。白岩も同じです。それは彼らなりの矜持と正義だったのでしょう。

死刑を言い渡された清丸が「どうせ死刑になるならもっとやっておけばよかった」とほざくラスト。クズは最後までクズだったというオチは救いがないなぁそんな男に10億の懸賞金をかけて殺人を依頼した蜷川もある意味クズだわ彼のとんでもない依頼のせいで、死ぬ必要もない人間が複数亡くなって、大混乱を巻き起こしたその責任はどうなるの?大金持ってても死んじゃったら意味ないんで個人的な復讐に走りますってのも狂気の沙汰だと思うけどそんな老人に踊らされる警察上部の姿に、日本大丈夫か?と思ってしまったぞ

そんな中で、次々と清丸を狙って襲ってくる人たちとは別に、タクシー運転手(余貴美子)が一行を助けるエピソードは良かったな。国中が賞金目当てに清丸を狙う中で、彼女は冷静にその異常さを感じ取り、自分の出来ることをしようとしていたもの。

それにしても色々突っ込みどころも多かったなぁ~。あんな状況なら全員が防弾服着てて当然だし、そもそもSPなのに犯人に背中見せることはありえないでしょ前の被害者遺族が彼らの居場所を突き止め先回りしてるのも変。それならもっと大勢の人間が待ち伏せしててもおかしくないでしょ。
まぁ、懸賞金自体が荒唐無稽なんだからいちいち突っ込んでたら物語として成立しないけど。
結局何が言いたいのかいまいちわからなかったぞ。後味も悪いし、もう観ることはないな。


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