杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ダンケルク

2018年02月26日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年9月9日公開 アメリカ 106分

1940年5月26日から6月4日。イギリス、ベルギー、カナダ、フランスの連合軍は、フランスのダンケルク海岸でドイツ軍に包囲され、ダイナモ作戦による撤退を余儀なくされていた。英国陸軍兵士のトミー二等兵(フィオン・ホワイトヘッド)は、ダンケルクの街で、自身の分隊がドイツ軍の銃撃で全滅し武器も失った状態で一人、撤退作戦中のダンケルクの砂浜にやってくる。彼は友軍の兵士を砂浜に埋葬していた、ギブソン(アナイリン・バーナード)という無口な兵士と偶然出会い、行動を共にすることになる。一方、ダイナモ作戦による民間船徴用で、自身の小型船の徴用命令を国より受けたドーソン(マーク・ライランス)は、息子のピーター(トム・グリン=カーニー)と、ピーターの知り合いであるジョージ(バリー・コーガン)と共に、英国兵士たちを母国に運ぶため、ダンケルクに向けて出港する。英国空軍のパイロットのファリア(トム・ハーディ)とコリンズ(ジャック・ローデン)らの小隊は、ダンケルクでの撤退行動を阻害するドイツ空軍への阻止攻撃に赴く。トミー達は、ドイツ軍の攻撃にさらされ、幾度となく乗っている船を撃沈されながらも、母国に帰るべくわずかな数の救助船に乗ろうと奮闘する。(ウィキより)

 

クリストファー・ノーラン監督が、実話をもとに、史上最大の救出作戦と言われる「ダイナモ作戦」が展開された、第2次世界大戦のダンケルクの戦いを描いた戦争映画です。戦争ものですから面白さを期待してはいけないのですが、それにしてもひたすら敵の空襲を受けながら逃げ惑う姿が延々続くとなぁ・・・。

トミーたちが敵から逃げ救援を待つ『陸』の一週間、ドーソンたちが民間船として救援に向かう『海』の一日、陸の兵士に襲い来るドイツ軍の戦闘機を迎撃するファリアら『空』の一時間の三幕を時間を並行させながら進行していきますが、週・日・時間ですから並行するうちいつがいつだがわからなくなってきました

イギリス主導の作戦ですからまずは同国人兵士が優先乗船。自分の隊が全滅したトミーは海岸で出会った無口な兵士と共に何とか乗船しようと必死です。やっと乗船できてもすぐに敵の戦闘機に沈められ、また別の船を見つけ、それもまた攻撃され・・その必死さはまさに生に対する執念です。

無口な兵士の正体がフランス兵だったとわかり追い出されそうになった彼を庇うトミー。誰もが自分だけは助かりたい中、トミーにとっては隊をはぐれた孤独を抱える同胞に思えたのかな。

防波堤で撤退作戦の指揮を執るボルトン海軍中佐(ケネス・ブラナー)とウィナント陸軍大佐(ジェームズ・ダーシー)の威厳ある姿と将兵たちの必死な様が対照的でした。

コリンズたちが自らを危険に晒しながらも敵機を撃ち落としていく様は陸からはまさにヒーローに見えたでしょう。仲間が次々散っていく中、最後に残ったコリンズも燃料が尽きて海岸に不時着し敵に捕まるところでエンドロール。彼は捕虜になったのか?

民間船を操り救助に向かったドーソンたちは、救助した英国兵(キリアン・マーフィー)が錯乱状態になりジョージが負傷(その後死亡)します。最終的には大勢の兵士を救助して帰るのですが、ジョージの死は、後に表彰という形で昇華されます。そうだよね、じゃなきゃ無駄死にだものね。

民間レベルまで駆り出しての救助活動は成果を上げますが、それを讃える政治家たちと生還した兵士たちの間には温度差が。戦争とはいつだって名の無き者たちの犠牲の上に成り立つことを監督は伝えたかったのかなぁ?

個人的には劇場鑑賞しなくて正解!な作品でした。


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ナミヤ雑貨店の奇蹟

2018年02月25日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年9月23日公開 129分

2012年。養護施設出身の敦也(山田涼介)は、幼なじみの翔太(村上虹郎)や幸平(寛一郎)と悪事を働いて1軒の廃屋に逃げ込む。そこは、かつて町の人々から悩み相談を受けていた「ナミヤ雑貨店」だった。現在はもう廃業しているはずの店内で一夜を過ごすことに決める3人だったが、深夜、シャッターの郵便受けに何かが投げ込まれたことに気づく。投げ込まれていたのは1980年に書かれた悩み相談の手紙で、敦也たちは戸惑いながらも、当時の店主・浪矢雄治(西田敏行)に代わって返事を書くことに。やがて、この雑貨店と浪矢の意外な秘密が明らかになり……。

 

原作は東野圭吾の同名小説。過去と現在が繋がる不思議な雑貨店を舞台に、現実に背を向けて生きてきた青年と悩み相談を請け負う雑貨店主の時空を超えた交流を描いています。

これ、上映時にけっこう評判良かった記憶があるのですが、個人的にはイマイチ感動薄かったな。でも複数のエピソードがいつしか一つに繋がっていく展開は良かったです。

どうやら空き巣に入り家人と出くわして逃げ出したらしい三人。このエピソードが最後に素晴らしい「奇跡」に繋がっていくのが本筋。彼らが逃げ込んだ「ナミヤ雑貨店」は32年前と繋がっていて、そこに投げ込まれる様々な悩みに答えているうちに彼らの中で何かが変わっていくのです。

最後まで頑なだった敦也が店主からの手紙を読んで憑きものが落ちたように心境が変化するのもファンタジーらしい展開。彼らが書いた回答が時を経て自らの上に還ってくるラストも心温まります。

売れないミュージシャン(林遣都)への励ましがセリ(門脇麦)の未来を拓きます。迷える子犬(尾野真千子)への現代の知識を総動員したアドバイスは彼女のみならず彼らの運命まで変えていくのです。

自分の回答が相談者の人生を変えてしまったのかと迷う店主は死期の迫ったある日、息子(萩原聖人)に願い事をします。それは33回忌に一夜限りの復活を告知です。(まぁ普通に考えればありえない話ですね)そしてその夜こそが三人が逃げ込んだ日だったのですね。

いつか機会があれば小説の方を読んでみたい・・かな


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犬猿

2018年02月21日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年2月10日公開 103分 

テアトル新宿10:10上映

金山和成(窪田正孝)は地方都市の印刷会社で働く営業マン。イケメンだが、真面目で堅実な彼は、父親が友人の連帯保証人になって作ってしまった借金をコツコツと返済しながら、老後のために毎月わずかな貯金をする地味な生活を送っていた。そんなある日、彼のアパートに、強盗の罪で服役していた兄の卓司(新井浩文)が刑期を終えて転がり込んでくる。卓司は和成とは対照的に、金遣いが荒く、凶暴な性格でトラブルメーカー。娑婆に出てきて早々にキャバクラで暴れたり、弟の留守中に部屋にデリヘルを呼んだりとやりたい放題。和成はそんな卓司に頭を抱えるが、気性の激しい兄には文句のひとつも言えない。しかし、和成はそんな卓司のことを密かに天敵だと思っていた。一方で、そんな和成に仄かに恋心を抱いている女性がいた。和成が頻繁に仕事を依頼する、小さな印刷所を営む幾野由利亜(江上敬子)である。親から引き継いだ会社を切り盛りする彼女は勤勉で頭の回転も速く、寝たきりの父親の介護もしながら仕事をテキパキとこなす“できる”女だが、太っていて見た目がよくない。その彼女にも実は天敵がいた。妹の真子(筧美和子)だ。由利亜の下で印刷所の手伝いをしている彼女は、姉と違って仕事の要領が悪く、頭も決してよくないが、顔やスタイルの良さから、時々グラビア撮影やイメージビデオに出演するなど芸能活動もしていて、取引先の男性にも人気がある。由利亜は仕事もできないくせにチャラチャラして、チヤホヤされているそんな妹にいらつき、真子もまた節制できずにぶくぶくと太っている姉のことを小バカにしていた。しかしある時、金山兄弟、幾野姉妹に変化が訪れる。卓司が始めた胡散臭い輸入業の仕事が成功したことで和成の心に複雑な気持ちが芽生え出す。また、由利亜の仄かな恋心をよそに、和成と真子がつき合い出したことから、嫉妬に燃えた由利亜がストーカー化。一方の真子は、エロまがいのグラビアを一向に卒業できない焦りから枕営業へと走り、ラブホテルで卓司と鉢合わせしてしまったために事態は急変するのだが……。(公式HPより)

 

近くのシネコンではかからないのでDVD待ちかな~と思っていたのだけど、やっぱり我慢できなくて新宿までお出かけ。水曜はサービスデーなのですチケットはネットで予約。劇場に着くと階段に当日券購入の列ができていましたが、こんな時は特にネットが便利ですね待たずに発券できました。ロビーには映画で着用した卓司と和成の衣装が展示されていました。

「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔監督作品ですが、この監督の作品鑑賞は初めてです。容姿も性格も正反対な兄弟と姉妹の人間ドラマなので、異性の兄弟がいない私は内容に共感できるか少し不安があったのですが杞憂でした。

和成は良くも悪くも普通の青年です。およそ欲のない善人に見えますが、子供の頃からトラブルメーカーの兄に振り回されてきたことからくる一種の諦めによる人格形成なのかも 正反対といっても、彼の中にも兄に通じる狂暴な感情や殺意が浮かぶ瞬間があり、そこはやはり血の繋がりを感じてしまいます。突然転がり込んできて勝手放題の兄に文句も言えず、ちょっと口答えしただけで兄に殴られるとすぐに謝ってしまうし、けっこう情けない面も。

和成は父親のために借金返済の手助けをしたり座り心地の良い椅子を買ってあげたりしていますが、裏を返せば、親に迷惑ばかりかけている兄への当てつけであり、そうした親孝行自体が彼の優越感を満足させる手段だと見るのは穿ち過ぎかしら

卓司は悪人ではありません。粗暴ですぐ手が出るのは言葉でうまく伝えられないからかな?騙されやすいのは人を信じてしまう素直なところがあるからかも。(ちょっと頭が回らないとも言えますが)本当は家族のことを大事に思っていることは、仕事が成功すると親の借金を全額返済してあげたり、高価なマッサージチェアを買ってきたりするところや、和成を殴る時も拳ではなく平手だったりする点からも伝わってきます。

一方姉妹の方は暴力に訴えない分、陰湿さがあります。真子は、姉が和成に好意を持っていることを承知で彼と付き合ったり、そのことを暗にひけらかしたりします。真子は由利亜のように頭が良いわけでもなく、仕事の要領も悪いことに劣等感を抱いています。彼女にとって、与えられた容姿だけが勝負ポイントなのです。逆に由利亜は妹の容姿や愛嬌に嫉妬しています。和成は姉と妹のそれぞれと富士急ハイランド(数日前に高速で通り過ぎたばかりだったので妙にツボでした)へ遊びに行きますが、その時の描写の対比が笑えました。はしゃぐ由利亜はメチャクチャ不細工で、興奮し過ぎて(過激アトラクションで?)吐いたりして和成はかなり引いている表情でしたが、同じシチュエーションでも真子はアイドルっぽく撮っているので和成は凄く楽しそうなんですね 和成に貰った手拭(誕生日プレゼントにしてはセンス無さすぎですが、単なる取引相手への選択なので仕方ない?)に描かれた赤い菊の花言葉をネットで調べて舞い上がり踊りだす姿がキレキレなんだけど哀しくなるほど不細工。いじらしいのにイタイんです。ストーカーまがいの行動中、卓司に炒飯作るシーンでは年長組の二人の間に妙なシンパシーが流れて面白いです。

2組の兄弟姉妹が、それまで互いに対して抱えてきた複雑な感情をついに爆発させるシーンは、途中からサイレントになります。声に出さない分リアリティを感じさせる演出でした。部屋を飛び出したのはいずれも下の方。で、帰ってみれば姉は手首切ってるし、兄は刺されてるこの時、妹は迷わず救急車を呼びますが、弟の方は・・・見なかったことにしようとするんですね。もちろんすぐに思い直すのですが、一瞬でも「見殺しにしよう、そしたら自由になれる」という考えに囚われてしまったんですね。 闇は弟の方が深いかもと思わせるシーンでした。

救急車の中で互いに思いを吐露し、長年のわだかまりが融けたかに見えた二組。病室で目覚めた卓司が〇〇〇に向かって「なんでお前がいるの?」が笑えます。この監督、シリアスとコメディの切り替えが上手いですね

これでハッピーエンド、とならないところがミソ。人間そうそう変われるものじゃないってことを突き付けられるラストでした。でもやっぱり家族ですから、これからもずっと続いていく関係なんですよね

さて、窪田君ファン目線では、久々「普通の」青年役のスーツ姿の彼を堪能させていただきました。話題のサラリーマンに見えない「脱いだら凄い」裸体は真子とのラブホのシーンで登場しますが、それが理由なのか最初は寝具がかかったままで、起き上がった一瞬だけ拝ませてもらえます もちろん、兄に対する様々な感情を表現する目の演技も安定の演技力です。


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20センチュリーウーマン

2018年02月20日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年6月3日公開 アメリカ 119分

1979年、カリフォルニア州南部にある町サンタバーバラ。一人で息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)を育てるドロシア(アネット・ベニング)は、15歳になり思春期を迎える彼をどう教育したらいいか頭を悩ませていた。そこで、ルームシェアするパンクな写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)とジェイミーの幼馴染で友達以上恋人未満の関係にあるジュリー(エル・ファニング)に、彼の成長を手助けしてほしいと願い出る。時代の転換期を生きる彼女たちとジェイミーの特別な夏がはじまる。(Movie Walkerより)

 

マイク・ミルズ監督が、母親をテーマに描いた物語だそうですが、正直共感も感動も浮かばず途中から倍速で観ていたという

ドロシアが息子を生んだのは40歳。この時代にしてはかなりの高齢出産です。周囲にママ友いなかったのかな?思春期の息子との接し方に迷っても相談できる同年代の友人はいなかったのね

だからといって、頼る人選間違えたんじゃないかと思うのは、母親との関係がうまくいかず愛のないSEXに走るジュリーと、癌の後遺症で妊娠が望めないと告げられ刺激を求めて生きるアビーの二人とも「普通」じゃない生き方をしているから。母親ならまずは安全を求めるんじゃないかな?

尤もドロシア自身が先進的な考え方の持ち主(銀行口座開設や学校を欠席する事への理由付け等のエピソードが出てきます)ということは言えますが。

案の定、ジェイミーは二人に刺激を受けて母の考えの及ばぬ先へと踏み出してしまいます。彼にしてみれば、自分のことは何も話さない母親に対する疑問や苛立ちがあって当然なんですね。結果、不安に駆られて逆に二人に距離を置くよう息子に話しても当然受け入れられませんよね。

ドロシアの、母として息子に自分より充実した幸せな人生を送って欲しいと願う気持ちはわかります。でも息子の方は急に母に突き放されたと感じていたんですね。色々あって落ち着いたところで、どちらも互いを愛し必要としていることを確認した夏とも言えるのかな。

流産防止剤のジエチルスチルベストロールを使用した妊婦の子供に膣腺ガンや子宮形成不全などの女性器障害が発生したというのは初耳でした アビーは発病してそのことを知り母親とうまくいかなくなったようですが

初めはドロシアが下宿人を置いているのだと思って見てたけど、ルームシェアなんですね。アビーとウィリアムが肉体関係になったり、ドロシアとウィリアムが互いに好意を持っていたり、ジェイミーはジュリーを好きだけど、彼女の方は異性として見ることができなかったり・・なんだか色々めんどくさい人間関係についていけない自分がいました。

う~~ん、そもそもどうしてこの作品をレンタルすることにしたんだっけ?予告の作り方に騙された感が残りました。70年代のアメリカってこんなんだったんだ~~ 挿入されていた大統領の演説に対して口々に非難する場面が出てきますが、あの内容の方がよほど真摯で誠実だったと思う私の方が古いのかしらん


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グレイテスト・ショーマン

2018年02月19日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年2月16日公開 アメリカ 105分

貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と結婚したフィニアス(ヒュー・ジャックマン)。妻子を幸せにするため努力と挑戦を重ねるフィニアスはやがて、さまざまな個性をもちながらも日陰に生きてきた人々を集めた誰も見たことがないショーを作り上げ、大きな成功をつかむ。しかし、そんな彼の進む先には大きな波乱が待ち受けていた。(映画.comより)

 

「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた19世紀アメリカの実在の興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカルです。

バーナムは己の才覚で貧しさから這い上がってきた人物です。上昇志向の強さは彼の武器の一つでもあるのですが、妻子を幸せにするためという大前提を見失った時、進む道に陰りが生じてきます。

世界中のあらゆる奇妙なものを展示した「バーナム博物館」をオープンさせたものの客足はイマイチ。そんな時娘たちとの会話からショービジネスを思いつきます。小人症の男や髭の生えた女性などオンリーワンの個性を持つ人々を集めたショーは一躍有名になり、豪邸を買って娘にバレエを習わせる裕福な暮らしを手に入れますが、批評家や社会には認められず反対する者も少なからずいました。庶民が楽しむ見世物小屋という感覚で上流階級には相手にされなかったのですね。

バーナムはフィリップ・カーライル(ザック・エフロン)をパートナーに取り込み、彼の伝手でビクトリア女王に拝謁する機会を得ます。世間(特に上流階級)を納得させるにはまず一番上を狙えというわけ この時オペラ歌手のジェニー・リンドと出会った彼は、彼女にアメリカ公演の企画を持ち掛けます。バーナムの目的は公演の成功による自らの地位の向上でしたが、ジェニーは違ったみたいで 最初はバーナムってば浮気しちゃうの?と思って観てましたが、彼女の誘いを断ったところで彼が愛しているのは妻子なんだと気付かされるのね。好意を拒絶されたジェニーはスキャンダルの種を残して公演をキャンセルしてしまいます。女を怒らせたら恐いのよ

ジェニーにかまけている間、サーカスの仲間はフィリップに丸投げされて放って置かれたわけで、女王との謁見やジェニーの公演の際にも暗に一段下に見られ隠された彼らの心境はいかばかり?と切なくなりました。レディ(キアラ・セトル)が歌う「This is Me」が胸を打ちます。

ショー会場が反対派との争いで火事で焼失し、スキャンダル写真の載った新聞を見たチャリティが娘たちを連れて実家に帰ってしまいます。気落ちして酒浸りのバーナムを、サーカスの仲間たちが励まします。ショーに出る前は人目を避ける生活を余儀なくされていた彼らにとって、声をかけてくれたバーナムは家族同様の存在だったのです。(バーナムが彼らに向けていた眼差しには少々疑問の余地があるんですけどね)この励ましに背中を押され、妻を迎えに行くバーナム。説得の場は、子供の頃に夢を語った(歌った)あの海辺でした。こういうところがロマンチックですね。

 フィリップが自分の貯金を出資しイーブンのパートナーになって、テントで再出発の幕が開きます。(彼はアニーに一目惚れしました。身分の差に悩み、なかなか思いを遂げられなかった二人ですが、火事の際の出来事がきっかけでようやく結ばれました。)でもバーナムは途中で娘の発表会に行くんですね。彼にとって一番大切なのは家族。会場で待つ妻子の前にショーで使う像に乗って登場するあたりは最高のエンターテイメントかも。(あの像はおとなしく会場前で待っていたのかしらなんて考えるのは無粋ですかね

バーナムは確かに人を惹きつける才能のある人物ですが、個人的には妻になったチャリティの人柄の方に好意を持ちました。彼女は家柄や財産など関係なく、ただ自分を求め愛してくれるフィニアスという個人を好きになって、彼と共に築く家庭が喜びであり幸せであった女性なのですね。

チャリティの父親への敵愾心に囚われ、地位や財産で張り合おうとしていたバーナムでしたが、大切な自分の中の宝物である妻子への気持ちに改めて気付いたことで、父親として夫として成長したのかな。


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レイルロード・タイガー

2018年02月18日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年6月16日公開 中国 124分

第2次世界大戦下の中国。一般市民によるゲリラ隊「レイルロード・タイガース」のリーダーのマー・ユェン(ジャッキー・チェン)は、日本軍への物資支援の阻止といえば聞こえはいいが、実際は列車から物資をくすねるくらいがせいぜい。ところが八路軍の負傷兵のダーグオを助けたことから軍事的要衝の鉄道橋の爆破を計画することに。これまでとは次元の違う命がけの大仕事に燃えるレイルロード・タイガースがとった作戦とは・・・。

 

レイルロード・タイガース のメンバーはダーハイ、ダークイ(駅員)らをはじめ、副駅長のホアンも協力者。煎餅売りのチンはマーと恋仲? 後に泥棒のサンライズや食堂店主で元名狙撃手だったファンも加わります。

日中戦争下の1941年の中国が舞台のせいか、コメディではあるけどなんか喉に小骨が刺さったような後味の悪さが残ります。日本人役の俳優たちの日本語の下手さに、それ自体がコメディなのかと思うほど。山口(池内博之)と由子のキスシーンとか全く必要性を感じない。大体あの時代に女性高官いたっけ?しかも刺青してるし、どうみても中国人にしか見えないぞ。不殺のジャッキーだったのに砲弾で沢山死んじゃってるしなぁ。一昔前の抗日映画を無理やり作らされた感満載でした。

それもそのはず、1954年に発表された劉知侠の大衆小説『鉄道遊撃隊』を映画化した1956年の同名作品のリメイク的作品と聞けば、ちょっと納得もしますが・・それにしてももう少し現代風にアレンジできなかったのかしらんカビの生えた使いまわし感が半端ないんですが

もちろんコメディ要素は随所にあって、橋の爆破に使う爆薬を日本軍の物資から頂戴しようと忍び込んだ時のまるでシーソーゲームのようなやりとりとか、列車に積まれた戦車に敵味方互いに乗り込んで撃ち合う場面、貨車の扉を開けたら日本兵がずらりと並んでいて、隊長と間違われてしまうとか、笑えるシーンも沢山ありました。

でもな~~ジャッキーお得意のカンフーも殆んど見せ場もなく、銃撃戦で大勢死者は出てるし、これなら普通の戦争映画とあんまり変わらないんですが・・・ジャッキー出てる意味ないじゃん。


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スパイダーマン ホームカミング

2018年02月11日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年8月11日公開 アメリカ 133分

ベルリンでのアベンジャーズ同士の戦いに参加し、キャプテン・アメリカのシールドを奪ったことに興奮するスパイダーマンこと15歳の高校生ピーター・パーカー(トム・ホランド)は、ニューヨークに戻ったあとも、トニー・スタークからもらった特製スーツを駆使し、放課後の部活のノリで街を救う活動にいそしんでいた。そんなニューヨークの街に、トニー・スタークに恨みを抱く謎の敵バルチャー(マイケル・キートン)が出現。ヒーローとして認めてもらい、アベンジャーズの仲間入りをしたいピーターは、トニーの忠告を無視してひとりで戦いに挑むのだが……。ジョン・ワッツ監督。(映画.comより)


サム・ライミ監督&トビー・マグワイア主演の「スパイダーマン」(2002~07)、マーク・ウェブ監督&アンドリュー・ガーフィールド主演の 「アメイジング・スパイダーマン」(12~14)に続き、3度目の映画化となる新たな「スパイダーマン」。「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」(16年製作公開)で初登場を果たした後のスパイダーマンの戦いを描く。(映画.comより)

設定が15歳と若くなったピーターは、めっちゃガキです トニーに認められたくて一生懸命自分をアピールするけれど、全く相手にされずに苛立ち、独りで手柄を立てようと深く考えもせずに棄権に飛び込んでいく無鉄砲さは少年特有のもの そんなピーターを表向きは無視しながら遠くで見守るトニーが今回はちょっとだけ大人に見えました。 メイおばさん(マリサ・トメイ)がものすごく若返った年齢設定で違和感

副題の「ホームカミング」はアメリカの高校で卒業生を招いて開催されるパーティの名称なんだそうです。ピーターの恋のお相手のリズ(ローラ・ハリアー)は知的美人。でも彼女のお父さんのトゥームス氏の正体が・・・ということで、この恋は儚く散る運命

ピーターの親友はコンピュータオタクのネッド(ジェイコブ・バタロン)。口が軽そうに見えてちゃんと大事な約束は守るし、ピーターの正体を知ってからは彼の良き協力者となります。「椅子の人」に憧れるという意味は後にピーターを助けて活躍する場面で納得そういうことですか。

アクションスーツや人に頼ってばかりでは一人前でないとトニーに突き放されるピーターですが、バルチャーの正体を知り、彼を止めるために戦う姿はカッコいい!瓦礫の中で諦めかけたとき、この言葉が頭に浮かんで力が湧く展開も そしてバルチャーを炎の中から助け出すのはまさにヒーロー的行為ですね。 エンドロールの後で刑務所の中での会話シーンで、バルチャーがスパイダーマンの正体をばらさなかったのは、その恩義があったからかな

トニーの提案(アベンジャーズ入り)を辞退し普通の高校生として「ボランティア活動」を続けるというピーターは確かに成長した感があります。トニーの思惑は外れてしまい、集めた記者たちへの説明に窮する場面で、トニーの運転手でピーターの監視役のハッピー(ジョン・ファヴロー)が8年越しの婚約指輪を差し出すのがけっこうツボ。トニーとペッパーの仲も修復ですかね


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帝一の國

2018年02月10日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年4月29日公開 118分

全国屈指のエリートが集まる超名門男子校・海帝高校。政財界に強力なコネを持つこの学校で生徒会長を務めた者には、将来の内閣入りが確約されるという。主席入学を果たした1年生の赤場帝一(菅田将暉)は、総理大臣になって自分の国をつくるという夢を叶えるための第一歩として、生徒会長の座を狙っていた。2年後の生徒会長選挙で優位に立つべく誰よりも早く行動を開始した帝一は、命がけの権力闘争の中へ身を投じていく。

 

古屋兎丸の同名コミックを実写映画化した学園コメディです。

生徒会長になると国立大TOPの東都大への入学が確約され、政界入りの暁には最大影響力を持つ派閥「海帝生徒会会長会」に加わることができ、総理大臣の道が拓けるという設定。

子供の頃父親の譲介(吉田鋼太郎)から大好きなピアノを禁じられた帝一は、総理になって自分の思い通りの国を作るという野望を抱きます。そのための努力は惜しまず、中学で実績を残し高校へ上がった彼は、二年後の生徒会長選へ向け、まずは一年先輩の有力候補の派閥に入るべく狙いを定めます。

帝一をライバル視する東郷菊馬(野村周平)は、情報収集能力は高いが卑劣な性格。父同士の因縁(昔、生徒会長選で一票差で帝一の父が負けた)が絡み、小学校時代には帝一を虐めたりもしていました。その時、帝一を助けたのは幼馴染の白鳥美美子(永野芽郁)です。二人は付き合っているのですが、スキャンダルを恐れる帝一は秘密にしています。美美子は帝一の優しさに惹かれたのですが、最近の彼の行動には懐疑的で、二人の間にすれ違いが生じています。 演じている芽郁ちゃんは、ファンならすぐに見分けられるのかな?私的には、演じる役毎に全く違う顔(表情)を魅せてくれる人だなぁとちょっと感心でした

竹内涼真君は大鷹弾役。父親が早くに亡くなり、母は病気のため、バイト掛け持ちで学費生活費を捻出し、弟妹の面倒を見る優しい子。性格も真っ直ぐで明るいため、誰からも人気があるキャラです。彼以外の登場人物は皆一癖二癖あるキャラなので、余計にその実直さが際立ちます。この作品から人気が出てきたというのも頷けますね。

二年の生徒会長候補の一人・森園億人(千葉雄大)も知的で冷静、温和な人柄で甘いルックスなのですが、腹の底が見えない怖さを秘めています。対抗馬の氷室ローランド(間宮祥太朗)は俺様キャラの強烈な個性ですが、その分敵も多い

親友の榊原光明(志尊淳)のアドバイスもあり、氷室優勢と踏んで彼に取り入る帝一でしたが、父親同志が敵対関係にあることを知ると生き残りのため森園派に。利害関係を素早く判断し保身と自らの野望に突き進む姿はいっそ清々しいほど

たかが高校の生徒会長選といえど、まさに政権闘争の縮図のような仁義なき戦いの様は、エンターテイメントとしては笑えますが、現実に似たようなことを政治家たちが日夜繰り広げていると思えば笑ってばかりもいられない・・かも。

劣勢だった森園派ですが、帝一の策が当たり徐々に勢力を拡大。でも父親が菊馬の父の策にはまり贈賄容疑で逮捕され、帝一は夢を断たれたと部屋に籠ります。光明や弾の言葉より、美美子の言葉(と行動力)の方が効き目があるのね 校庭で菊馬と殴り合うエピソードは投票会場での逆転劇を際立たせるための展開かしら。 でもって二人の決着は小学校時代のように美美子の一蹴りであっさり決まっちゃうのね この辺はまさにコメディの本領発揮ですね。

でも山場はここじゃなくて、一年後の帝一たちの会長選。僅差の弾と帝一に菊馬が加わりドキドキの結果は・・・帝一も成長したじゃん!と思ったのも束の間、すでに彼の頭の中は魑魅魍魎の政界の住人同様先を読む強かさに支配されていたというオチは何だかな~~。

氷室がそれなりに大人になり森園と良い関係を築いているような描写の後にそれですかぃ

イケメン大集合のお気楽娯楽作ですが、根底には政界への強烈な皮肉が籠められているように感じたのは気のせいかしら


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巫女っちゃけん。

2018年02月07日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年2月3日公開 98分

神社で巫女のバイトをするしわす(広瀬アリス)は、宮司の父(リリー・フランキー)には就職が決まったら巫女なんかすぐにやめると言っている。特にやりたいことや夢があるわけではないが、幼い頃に母(飯島直子)が家を出ていったことがトラウマになっており何かにつけ反発していた。そんな中、ボヤ騒ぎや賽銭や食べ物の盗難など神社でトラブルが相次ぐ。夜中、しわすが境内を見回りをしていると、社殿に5歳の少年・健太(山口太幹)が隠れていた。一切口をきかない健太をしばらく神社で預かることになり、しわすはいやいや世話係をすることに。やがて母親の美和(MEGUMI)が迎えに来るが、数日後再び健太は境内に隠れていた。顔には殴られた痕があり、児童相談所の相談員を交えた話し合いの席で誰に殴られたか聞かれた健太はしわすを指さす。警察も動き出し、疑いの目を向けられるしわすだったが……。(Movie Walkerより)


グ・スーヨン監督って在日韓国人二世なんですね。神社の巫女さんという思いっきり日本的な題材をどうして?と思ってしまったけど、ちょっと納得。 (ちなみにこの人、「脱いでもすごいんです」のTBCのCMを作った人だそう)福岡県福津市の宮地嶽神社の協力を得て製作されています。昨年の衝撃的な事件がまだ記憶に新しい中、神社のお仕事について知る機会にもなり、タイムリーなのかな(製作は事件より前だと思うのですけどね)

しわすの巫女としての態度はめっちゃ悪い、巫女じゃなくたって悪すぎこの神社の巫女さんは彼女を含めて4人いますが、二人は模範的優等生。あと一人が、これまた現代っ子というか、スマホを片時も離さず、男漁りに全力投球中。しわすとは気が合わずにいがみあっています。宮司の娘であるしわすの扱いに、皆が遠慮と戸惑いと失望の入り混じった空気が流れています。

健太は絵に描いたような悪ガキ。容姿は濱田岳の子供版といった感じおでこの広さがメチャクチャ目立つ子供で、最初はお世辞にも可愛いと思えなかったのですが、物語が進むにつれ、どんどん可愛く見えてくるから、あら不思議

紙を丸めてライターで火を点け、それを持つ姿が聖火のトーチみたいに見えるのが面白い!神社のごみ箱、賽銭箱ときて、次が巫女仲間のピンチを救う場面、最後にしわすの母親の店と4度も登場するのですが、後の二回については「良くやった!」みたいな変な応援心が出てしまいました

健太がしわすに殴られたと嘘を言った(正確には指さした)のは、どんなに酷いことをされてもやはりお母さんが好きだから。子供より男という母親に嫌悪感を覚えますが、彼女も健太を憎いわけではなく、本当は愛しているんですね。

しわすが健太に黒いごみ袋をかぶせて連れ去るシーンや、顔の部分だけ穴を開けたままでしわすにくっついて歩くシーンはとてもコミカル。ジャミラを連想してしまいました。でもこの姿は母に捨てられた幼かったしわすの姿にかぶっていくんですね。笑いの中にある切なさが後にピリッと効いてきました。

親は子を、子は親を選べない。受け入れて共に相手を思って生きることが幸せにつながる一歩なのだと宮司は説きます。この父親、無気力おやじに見えていたけど、本当は誰より強く優しい心を持っているのかもリリー・フランキーの穏やかな語り口がとても似合っていました。


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ジーサンズ はじめての強盗

2018年02月04日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年6月24日公開 アメリカ 96分

ウィリー(モーガン・フリーマン)、ジョー(マイケル・ケイン)、アル(アラン・アーキン)の3人は平和な老後生活を送っていたが、40年以上勤めていた会社の合併によって大きく変わってしまう。突然の年金打ち切りで会社から見放され、銀行からも冷たくあしらわれてしまった彼らは、今までの生活を取り戻し、家族と幸せに暮らすため、まさかの銀行強盗という命がけの大勝負を決意する。(映画.comより)


「お達者コメディ シルバー・ギャング」(1979)のリメイク作品。平穏な余生を取り戻すために銀行強盗を企てる老人3人組の犯罪コメディですが、年金問題や定年延長など考えると笑った後に何だか背中が寒くなります

住宅ローンが焦げ付いたジョーが銀行の窓口にやってくるところから始まります。デザイン重視の椅子は立ち上がるのも一苦労だし、甘い言葉で融資話を持ち掛けた担当は掌返し。(この光景、今の日本でも他人事じゃないかも)ところが突然押し入ってきた銀行強盗が鮮やかに大金を奪って消えます。ジョーが目撃した犯人の一人のド派手なタトゥーは大きな手掛かりの筈ですが、犯人は捕まらないんですね (犯人がジョーが差し出した財布を受け取らず「年寄りを敬うのは社会の義務だ」と言いますが、このセリフが伏線になっていました

そんな事件があってもローンは待ったなし!さらに悪いことに勤めていた会社の年金が合併により打ち切られてしまうことに。(そんなバカな!!・・と思いつつも日本の年金制度だって盤石じゃないし、ありえない話じゃない)住宅差し押さえの赤紙が届いてさすがのジョーもプッツンと理性の糸が切れました。そんな彼の頭に浮かんだのは鮮やかな銀行強盗の姿。「できるんじゃない?俺(たち)にも!」

ジョーの親友のウィリーは透析の効果が低下して移植しか道がないと医師から告げられています。ジョーに計画を聞かされ乗り気になりますが、同居人で心配性のアルは人生の最期を刑務所で過ごしたくないと反対。仕方ないのでアルには何も知らせずに手始めにスーパーで万引きする二人!バレバレな行動ですから当然捕まります。巻き添えを食ったアルが大激怒したのは当然。でも年金がいよいよ消滅すると知り彼も賛成に転じます。 (ウィリーとアルが同居しているのは、そういう関係なのかと思ったらどうも違うみたいたぶん、住宅費の節約のためよね。)

そうと決まれば盗みのプロにコーチを頼もうというわけで、ツテ(ジョーの元義理の息子)を使って表向きは動物保護施設の運営者で泥棒のジーザスを紹介してもらい指導を受けます。警察が到着するまでの2~4分の間に事を運ぶための様々な下準備をして本番を迎えるのですが、客の少女と会話するうち、ウィリーが体調を崩して・・これは捕まっちゃう?と思ったらそこはうまく切り抜けました

ウィリーの病状が二人にばれた時、最初にジョーが迷わず「俺の腎臓をやるよ」と言います。でも実際に提供したのはアルの腎臓。年齢か適合性の問題が発生したのかな 

素人ジーサンズの強盗なので、あっさり捕まるかと思いきや、当日のカーニバル会場で様々なアリバイ作りが成されていたんですね~ 防犯ビデオから彼らの特徴が割り出され、面通しに例の少女が連れて来られてもうダメ?とハラハラさせておいてのどんでん返しも、リアリティとしてはどうかと思いますが、ハートフルでした

ジーザスと会っていたダイナーにFBI捜査官(マット・ディロン)がやってきた場面でもドキドキする瞬間が この時ジーザスの意外な正体があのセリフから判明するのもでした。

アルは好意を持って積極的に押してくるアニーと良い関係になり、遂には結婚しますが、二人に「結婚するとは思わなかった」と言われると「俺も・・」みたいな返事をします。この時のアルの心情(幸せなんだけど今までの自由を失ってしまう不安と後悔の気持ち)が透けて見えて面白かったです。 そしてこの時のモーガン・フリーマンの立ち姿が超キマッテル

ともにアカデミー賞受賞者という映画界のレジェンドが揃い、後期高齢者バカにすんなよ!な彼らの行動に笑いながらも共感し、胸のすく結末を楽しみました。


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ディセンダント2

2018年02月03日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年製作 アメリカ 

運命になんて負けない。私らしく生きていく。 選ばれしヴィランズの子供4人は、善人が住むオラドン合衆国の暮らしに馴染もうと奮闘。そんな中、「美女と野獣」ビーストの息子ベン(ミッチェル・ホープ)と恋人になったマレフィセントの娘マル(ダブ・キャメロン)は、王室の一員になるプレッシャーから逃れるために、悪のルーツである生まれ故郷ロスト島へ。そこでは、アースラの娘ウーマ(チャイナ・アン・マックレーン)が仲間を率いていた。自分たちをオラドン高校に招かなかったと妬むウーマは、フック船長の息子ハリー(トーマス・ドハーティ)と、ガストンの息子ギル(ディラン・プレイフェア)を引き込み、悪巧みをするのだった… 。

 

ディズニー映画の悪役の子どもたちが主人公の「ディセンダント」の続編です。

マルはベンが好きですが、ヴィランズの子供である自分が善人の国の妃になることへの違和感と、「本当に自分で良いのか」と悩みを抱えてしまいます。ベンのために作った料理が実は魔法の書の助けを借りたものだとばれた時、マルはそのプレッシャーをベンにぶつけてしまい、ロスト島に逃げ帰ってしまうのです。

マルの親友のイヴィ(ソフィア・カーソン)やジェイ(ブーブー・スチュアート)、カルロス(キャメロン・ボイス)はマルを心配して連れ戻そうとします。これにベンも加わって島に行きますが、ここでは善であるベンの浮いている様子がコミカルに描かれています。

戻らないと宣言したマルですが、ウーマに捕まったベンを助けるためイヴィたちと共に戦うの。交換条件に魔法の杖を差し出せと要求されますが、渡したらとんでもないことになりますから、偽物を作ることに。ここで3Dプリンターが登場するあたりは現代的ですね。

何とかベンを取り戻し、二人の仲も戻ってセレモニーパーティの場面。さて、ハッピーエンドかとみせてベンの心変わり?いえいえ、マルが落とした魔法の書を利用したウーマの企みです。(ちょっとベタ過ぎだけど

マルの真心(真実の愛)でベンの魔法が解かれ、怒ったウーマが海に飛び込むと巨大なタコに対抗したマルはドラゴンに。(ま、母親がアレですから)仲裁に入ろうとベンが雄叫びをあげたのでビーストに変身する?と思ったら海に飛び込んで説得始めちゃうし、それであっさりウーマは戦意喪失してるし・・・なんだこの展開 これで一件落着?と思ったら去り際にウーマは「これで終わったと思うな」的捨て台詞、ふ~~ん続編あるのね

ヴィランズ版青春ミュージカルですから、突然歌い踊りだすのはもう仕方ない(基本ミュージカル苦手なのでね)。学芸会だと思えば・・・それでもラスト部分の水浸しの甲板でのダンスはなかなか良かったです(踊ってる方は大変だったと思うけどね)

今回は友情をメインに、自分らしく生きることを伝えています。マルたちに協力してくれる少女デイジー(アンナ・カスカート)は健気で可愛くて、ファッションセンスもありました。イヴィが頼んでデイジーもオラドンに来れることになって良かったね

ハリーが無駄にカッコいい・・けど出番少なかったので、続編に向けてのちょい出しだったのかな。


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