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杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

私は王である!

2014年04月08日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年5月11日公開 韓国 121分

1418年。国王の太宗は、王位継承者である長男・譲寧の度重なる問題行為を見かねて廃位、代わりに三男の忠寧(チュ・ジフン)を王位後継者に任命する。太宗はこの決定に強硬に反対する大臣を排除するが、あろうことか忠寧本人が自身の即位に異論を唱えていた。忠寧は毎日読書に耽り博識ではあるが、護衛たちに身の回りの世話をさせて自分一人では何も出来ない温室育ちの王子。王位に就くことなど夢にも見ていなかった忠寧は、重責に耐えかね、ある夜こっそり宮殿から逃亡する。壁を超えた瞬間、忠寧と瓜二つの若い男ドクチル(チュ・ジフン)にぶつかった忠寧だったが、彼は全く気付かない。そんな中、護衛のヘグ(イム・ウォンヒ)とファング(キム・スロ)は、道端でドクチルを発見、忠寧だと誤解して宮殿に連れ帰る。護衛たちはドクチルの体を調べて偽物だと気が付き大騒ぎになるが、ヘグは本物の忠寧を捜しに宮殿を離れ、ファングはしばらくの間ドクチルに忠寧の代役をさせることにする。一方、忠寧は訳も分からぬまま貧しい青年ドクチルに間違えられ、宮殿の外の自由を楽しむ間もなく数々の試練に遭遇する。しかしドクチルとして過ごすうちに、理不尽に家族と離れ離れにされた少女のソルビ(キム・ソヒョン)や、風変りな発明家など多くの民と出会い、大きな刺激を受けていく。忠寧は民との出会いを通し、圧政による厳しい生活や権力を貪る悪徳貴族の本性と朝廷の悪習に気付き、初めて人民のための良き国王になりたいと思うようになるのだった。だが宮殿では、ドクチルの素性に気付いた悪徳官吏の一人が、ドクチルを王位に就かせて裏で操ろうと密かに計画、本物の忠寧を秘密裏に捕え、処刑するよう臣下に命じる。臣下たちが血眼になって忠寧を捜す中、いよいよ即位式の日が近づいてきた……。(Movie Walkerより)


2013年2月に公開されたイ・ビョンホン主演の『王になった男』は本作の時代より更に200年後の話ですが、そっくりな男が身代りになるという設定はとてもよく似ています。あちらはコミカルな中にもシリアスさを含んでいましたが、こちらはよりコメディタッチで、無残な殺生シーンもほぼなくて、ハッピーエンドなので気楽に観られました。

しっかし、飛び蹴りを得意技とする国王って
世継ぎの長男は大酒のみの女好き。あまりの素行の悪さに父王の逆鱗に触れ廃嫡されます。で、何故三男にお鉢が回ってきたかといえば、次男はさっさと出家しちゃっているからなのね。末っ子で父王のお気に入りだった三男は、読書三昧で身の回りのことは家来に任せっぱなしの甘ったれです。それが突然父の後を継がなくてはならなくなって、長兄には憎まれるは、責任は重大だわで、こりゃたまらんと宮殿から逃げ出します。

一方、のドクチルは、罪人の娘として囚われてしまったお嬢様を助け出そうと宮殿に忍び込もうとして忠寧とぶつかり、酒の酔いもあって倒れてしまいます。忠寧は自分にそっくりなドクチルと着物を換えて自由の身を謳歌しようとするのですが、元々ドクチルはですからすぐに捕まってしまうのね。

身分の全く異なる二人がそれぞれの居場所と別世界に身を置くことからくる戸惑いをコミカルに描いています。『王になった男』では、卑しい身分の男が統治に目覚めていくのに対して、こちらは王子が底辺から世間を知り王としての自覚が芽生えていく点が大きく違っているかな。
ドクチル自身は王になりたいわけではなく、ただ大好きなお嬢様を救いだしたいだけなのですものね

忠寧の護衛をするヘグが武官のくせに腕はからきしで、実は賄賂で職に就いたのだったり、地方の役人が私利私欲に走っていたりで、いつの世にも腐敗は存在するのですが、貧しいもののために私財を投じて助ける元高官や、父親のために尽くす娘など儒教的善人も登場します。

初めのうちは逃げるにもヘグに背負ってもらう忠寧が、病人のためにヘグの背を貸して自分は歩くようになる姿に成長を感じることができます。ヘグにしてみれば面倒は増えたわけですが

即位式のために招いた中国の使節の横暴に耐えかねお嬢様を連れて逃げ出したドクチルと出会った忠寧は彼に詫び、悪徳官吏の企みを聞かされて宮殿に戻ります。彼の使節への啖呵に胸がす~っとします

本当なら身代りのドクチルは密かに処刑されてもおかしくない筈ですが、この物語ではお嬢様と結ばれるハッピーエンドでこれも嬉しい配慮ですね

陰謀渦巻く宮中の筈が悪大臣も長兄もなんとなく憎み切れないキャラなのも和みました。
気になったのは、音楽が『パイレーツオブカリビアン』に似ていることかな

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