杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

猫侍

2019年02月27日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2014年3月1日公開 100分

かつては人斬りと呼ばれた寡黙な剣士・斑目久太郎(北村一輝)は、いまや浪人となり果て、生活にも困窮していた。そんなある日、飼い主を骨抜きにするという魔性の猫を斬ってほしいとの仕事が舞い込む。久太郎は猫を斬りに屋敷へ踏み込むが、そこであまりに愛らしい白猫と対面し……。(映画.comより)

 

人斬りと恐れられた幕末の剣士が愛らしい猫と触れ合ううち、次第に変化していく時代劇コメディです。台詞は殆どないというか独白なんですねとにかく猫ちゃんが可愛いの一言に尽きますね

斑目は、「まだら鬼」の異名を持つ元加賀藩の剣術指南役でしたが、訳あって妻子を国許に残して江戸に職探しに来ています。剣術以外には取り柄がなく、極端に無愛想な彼はなかなか仕官の口が見つけられず生活も困窮しています。そんな折、猫を斬れば5両貰えるという仕事が」舞い込みます。これには犬派の米沢一家と猫派の相川一家の対立が関わっていました。相川の愛猫・玉之丞を斬りに行った斑目ですが、その愛らしさに負け、偽装工作をして玉之丞を連れ帰ります。玉之丞の餌を探して再び忍び込んだことからお梅(漣沸美沙子)がその世話をするようになり、仇討ちのため弟子入りした前場(浅利陽介)も加わり、斑目は家族の大切さに気付くように・・。

やがて、玉之丞の生存を知った米沢家若頭・三郎太(戸次重幸)が玉之丞を誘拐し、島崎(寺脇康文)が犬番をしていることを知った前場が甚太郎を拉致。両家の犬猫身柄交換の場に斑目が現れますが、彼は人を斬ることへの疑問から決闘を断ります。(このことがリストラの原因)そこへ親分同士が出てきて和解となり、玉之丞は斑目の元に。

ラストは斑目の妻・お静と娘・おハルが開いた峠の茶屋に玉之丞を連れて斑目がやってくるシーンです。

ん~~・・内容は全くないというかくだらないんだけど・・・やっぱり猫が可愛いから、ま、いっか~~


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

翔んで埼玉

2019年02月22日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2019年2月22日公開 107分

埼玉県の農道を、1台のワンボックスカーがある家族を乗せて、東京に向かって走っている。カーラジオからは、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」に続き、DJが語る埼玉にまつわる都市伝説が流れ始める――。その昔、埼玉県民は東京都民からそれはそれはひどい迫害を受けていた。通行手形がないと東京に出入りすらできず、手形を持っていない者は見つかると強制送還されるため、埼玉県民は自分たちを解放してくれる救世主の出現を切に願っていた。東京にある、超名門校・白鵬堂学院では、都知事の息子の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が、埼玉県人を底辺とするヒエラルキーの頂点に、生徒会長として君臨していた。しかし、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)の出現により、百美の運命は大きく狂い始める。麗は実は隠れ埼玉県人で、手形制度撤廃を目指して活動する埼玉解放戦線の主要メンバーだったのだ。その正体がばれて追われる身となった麗に、百美は地位も未来も投げ捨ててついていく。2人の逃避行に立ちはだかるのは、埼玉の永遠のライバル・千葉解放戦線の一員であり、壇ノ浦家に使える執事の阿久津翔(伊勢谷友介)だった。東京を巡る埼玉vs千葉の大抗争が群馬や神奈川、栃木、茨城も巻き込んでいくなか、伝説の埼玉県人・埼玉デューク(京本政樹)に助けられながら、百美と麗は東京に立ち向かう。果たして埼玉の、さらには関東の、いや日本の未来はどうなるのか――!?(公式HPより)


魔夜峰央の同名漫画の実写映画化です。監督は「のだめカンタービレ」「テルマエ・ロマエ」の武内英樹ということで、コメディの王道をいいく娯楽作になっています。魔夜さんと言えば、『花とゆめ』に載っていた「パタリロ!」が強烈な印象。少女漫画なのにギャグですか~~ってあまり好きな作品じゃなかった記憶がありますが、キャラはしっかり覚えてます。今作の麗と百美のビジュアル、どこかで見たような・・・と記憶の引き出しを開けてみたら・・バンコランとマライヒだ~~!(あ、「翔んで埼玉」は未読ですのでビジュアルは知りません。)

原作は魔夜峰央が当時住んでいた埼玉県を自虐的に描いたギャグ漫画ということで、埼玉はもちろん、千葉・茨城・栃木・群馬も巻き込んで散々な描かれよう。 なんたって病気の埼玉県人にはその辺の草でも食わせとけ!(予告)ですから

白鵬堂学院と生徒たちの描写も、さながら宝塚のような煌びやかで豪華でまさに少女漫画の世界。クラス毎に異なる制服もBクラスはメイド風、埼玉県民のZクラスにいたってはどこの貧民?なボロ服。ありえね~~

麗を敵視していた百美ですが、あることをきっかけに彼に恋心を抱くようになり、麗の正体がわかっても彼についていく・・このあたりも少女漫画的展開です。そういえば、原作者は昔からボーイズ・ラブ描いてたっけね~~。

執事の阿久津が実は千葉解放戦線のメンバーで、逃げた二人を追っての千葉VS埼玉のバトルが勃発。その裏で都知事(中尾彬)と神奈川県知事(竹中直人)の密約が発覚。(ここでは崎陽軒の醤油さしの「ひょうちゃん」が登場します。神奈川県民に大受けのネタかも)代々の都知事が隠していた秘密を百美が暴き、埼玉と千葉が共同戦線を張って都庁に押し掛け・・・時にしんみりと、でもほぼギャグで進むお話はひたすら可笑しく久々、劇場で声を出して笑ってしまいました。それにしても群馬は限りなく秘境扱いなんですが

並行して、婚約者(成田凌)との結納に向かう家族が道中の車の中でラジオから流れてくるこの「都市伝説」を聞きながら、千葉出身の妻(麻生久美子)と埼玉出身の夫(ブラザートム)がバトルを繰り広げます。都会生活に憧れる娘(島崎遥香)が呆れながら突っ込みを入れるのも笑えるツボです。

登場する埼玉の地名(浦和に大宮、川口、草加、川越などなど)が地図上のどのあたりにあるか知ってる人と、全く埼玉を知らない人(純然たる都民や神奈川県民)では笑いのツボが違うかも でも愛があるから笑えるんですよ~~

終始おバカな笑いに溢れたお話ですが、人の価値は出身地で決まるものではないという当たり前のこともちゃんと伝えています。

かくて手形制度は撤廃され、次なる埼玉県民の野望は日本制圧、さらに世界へと向かうのでありました。めでたしめでたし。

出身地有名人合戦や、シラコバトが描かれた草加せんべいの踏み絵、浦和と大宮の小競り合い(仲裁に入る与野が相手にされない図)あるある、山田うどん(通称だうどん)・・・極めつけはエンドロールで流れるはなわが歌う「埼玉県のうた」に捧腹絶倒の107分でした。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女王陛下のお気に入り

2019年02月20日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2019年2月15日公開 アイルランド=イギリス=アメリカ 120分

時は18世紀初頭、アン女王(オリヴィア・コールマン)が統治するイングランドはフランスと戦争中。アン女王の幼馴染で、イングランド軍を率いるモールバラ公爵(マーク・ゲイティス)の妻サラ(レイチェル・ワイズ)が女王を意のままに操っていた。そこに、サラの従妹だと名乗るアビゲイル(エマ・ストーン)が現れる。上流階級から没落した彼女はサラに頼み込み、召使として雇ってもらうことになったのだ。ある日、アビゲイルは、痛風に苦しむアン女王の足に、自分で摘んだ薬草を塗る。サラは勝手に女王の寝室に入ったアビゲイルをムチ打たせるが、女王の痛みが和らいだと知り、彼女を侍女に昇格させる。イングランド議会は、戦争推進派のホイッグ党と、終結派のトーリー党の争いで揺れていた。戦費のために税金を上げることに反対するトーリー党のハーリー(ニコラス・ホルト)は、アン女王に訴えるが、ホイッグ党支持のサラに、女王の決断は「戦争は継続」だと、ことごとく跳ね返される。舞踏会の夜、図書室に忍び込んで、蝋燭の灯りで本を読んでいたアビゲイルは、ダンスホールを抜け出して突然駆け込んできたアン女王とサラが、友情以上の親密さを露わにする様子を目撃してしまう。国を動かす二人と最も近い位置にいるアビゲイルに目を付けたハーリーが、アン女王とサラの情報を流すようにと迫るが、アビゲイルはキッパリと断る。アビゲイルはそのことをサラに報告するが、褒められるどころか「双方と手を組む気かも」と探られ、空砲で脅されるのだった。アビゲイルはサラが議会へ出ている間のアン女王の遊び相手を命じられるが、女王は「サラは国家の仕事より私を優先させるべき」と駄々をこねる。アビゲイルは、女王の亡くなった17人の子供の代わりだという17匹のウサギを一緒に可愛がり、上手く女王をなだめるのだった。アビゲイルはサラの信頼を徐々に勝ち取り、女王のお守役を務める機会が増えていく。いつもストレートに物を言うサラに対し、甘い言葉で褒め称える従順なアビゲイルに女王は心を許していく。議会では、トーリー党が激しく抵抗して増税を食い止める。女官長に就任して以来、初めてその権力に翳りが見えたサラに、今度は女王との関係を揺るがす大きな危機が訪れる。それは、いつの間にか野心を目覚めさせていたアビゲイルの思いがけない行動だった──。(公式HPより)

 

18世紀イングランドの王室を舞台に、女王と彼女に仕える2人の女性の入り乱れる愛憎を描いた作品です。「大奥の外国版」と宣伝されるだけあって、まさに権力に群がる男女の赤裸々な陰謀術策が映し出され、PG12なのも頷けます。

エピソードのつなぎ方や、エンドロールの流し方(字体も)がTVドラマみたいで見にくかったのも気になりました

宮廷の華やかな暮らしぶりや甘い恋愛劇を期待していたら肩透かしというか、かなりドロドロして生々しい画も登場します 当時の貴族たちの生態を飾ることなく赤裸々に描いているのではないかと思ってしまいます 

サラは女王の幼馴染で、親友で、恋人の関係でもあります。孤独な女王が心を許せる唯一の人間で、歯に衣着せない率直な物言いの根底には女王への愛情があるんですね。 男装のサラがアビゲイルと鳥撃ちをするシーンが何度か登場しますが、二人の関係が変わっていく様を端的に現すエピソードになっています。

一方アビゲイルは、父親にギャンブルの質にされ、家も没落する憂き目に遭っています。底辺の境遇から這い上がるチャンスを虎視眈々と狙い、その頭の良さでサラや女王に取り入ります。マシャム卿(ジョー・アルウィン)を夫に選んだのも損得勘定の結果。宮殿の廊下や森での戯れの駆け引きは機知に富み、野性的でスリリングでさえあります。女王の信頼を勝ち取るため、薬草の他にも、女王が亡くした子供の代わりに可愛がっているうさぎを可愛がる「振り」も厭いません。

初めのうち、サラに恩義を感じ忠実だったアビゲイルですが、自分の身が危うくなるとサラに反旗を翻して彼女を陥れます。紅茶に毒を盛ったり、サラの罪をでっちあげたり、かなりエグイやり方です このあたりから、アビゲイルよりサラの方が高潔に見えてくるんですね。サラは彼女なりに国の行く末を案じ、ホイッグ党のゴドルフィン(ジェームズ・スミス)と手を組みますが、アビゲイルは政治には関心がなく、ただ自分の利益のためにハーリーと手を組んだのですから。 女王に対する愛情もサアビゲイルにはありません。

アビゲイルの策略で女王はサラを遠ざけてしまいますが、ある時うさぎを踏みつけるアビゲイルを見て彼女の本性に気付くんですね。それでも孤独な女王にはもうアビゲイルしかいません。アビゲイル自身も常に今の生活を脅かされる不安と猜疑心の中で孤独です。そもそも彼女は誰も愛せず、自分さえも愛していないように見えました。二人の孤独が迫ってくるようなラストでした。


 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

輝ける人生

2019年02月19日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年8月25日公開 イギリス 114分

35年寄り添った夫マイク(ジョン・セッションズ)がナイトの称号を授与され“レディ”となったサンドラ(イメルダ・スタウントン)。順風満帆の人生だったが、夫と親友の浮気現場を目撃、傷心でロンドンに住む姉ビフ(セリア・イムリー)の家に転がり込む。金や名誉とは無縁のビフは、なんでも話せる親友のチャーリー(ティモシー・スポール)やダンス教室の仲間のジャッキー(ジョアンナ・ラムレー)やテッド(デビッド・ヘイマン)たちに囲まれて、人生を心から謳歌していた。妹の窮地を心配する姉は、サンドラをダンス教室へ無理やり連れていく。音楽とダンスは、かつてダンサーを目指したこともあるサンドラの心を癒し、忘れかけていた情熱を思い出させるのだった――。(公式HPより)


長年連れ添った夫の浮気をきっかけに人生を見つめなおすことになる女性の姿を、笑いと涙、音楽とダンスを交えて描いた人生賛歌のドラマです。ダンス教室の仲間には元プロダンサー20名が出演していますが、主演たちは未経験でかなりレッスンをしたとか

主題は「人生は何歳になってもやり直せる」でしょう。

初めのうちは『ハリー・ポッター』シリーズのドローレス・アンブリッジとピーター・ペティグリューの印象が強かった二人なのですが、次第にサンドラとチャーリーとして見えてくるあたりは流石名優です 特にティモシー・スポールのネズミ顔がどんどん魅力的に見えてくるから面白い

老後は夫と二人の生活を楽しむつもりだったサンドラは、夫の浮気相手が親友だと知りどん底の気分に陥ります。悲劇の主人公よろしく頑なになった心は、周囲の人間に棘となって突き刺さるのですが、そんな妹を心配して姉は色々世話を焼くんですね。で、そのやり方も決して押しつけがましくないの。夫の「妻は家事と育児だけをしていればいい」という保守的な考えに染まって若い頃の夢だったダンスも諦め、夫の浮気癖にも耐えてきたサンドラは、本音では夫が非を認めて謝罪して連れ戻しに来ることを期待していました。でも夫が送ってきたのは離婚届けの書類。ビフはサンドラにこれからは自分を第一に考えて新しい人生を始めるよう諭します。

実はビフは癌に侵されていたのですが、延命治療を拒否し、自分の人生を最後まで楽しんで逝きます。ダンス教室の仲間たちとイタリアに招待され、披露したダンスシーンがとても楽しく素敵でした この姉妹は少し年が離れている設定ですが、こんな素敵な姉を持ったサンドラが少し羨ましく感じました。

初めは険悪だったチャーリーとの関係もダンス教室に参加し、姉の友人として親しく付き合うようになると次第に打ち解け、互いに恋心を抱くようになります。イタリアで心を解き放ったかに思えたサンドラですが、チャーリーには認知症を患い、夫の存在も忘れてしまった妻がいると知って、浮気された自分が愛人関係を受け入れるのは無理と彼を拒絶します。そこへマイクが浮気相手と破局し、よりを戻してほしいとやってくるんですね。

あらあら、元鞘ですか~~やっぱりスノップなのね~と見ていると・・・ラストはサンドラの思い切った決断にです。

チャーリーの妻の死で彼が独身になったことも大きな理由の一つではありますが、そりゃそうだ!自分を偽り、押さえつけられたままの人生を送るより、心が示す方向に歩き出す方が絶対後悔しないものね それにしてもマイクはまさしくスノップ(見栄っ張りな俗物)だったな~


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

未来のミライ

2019年02月18日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年7月20日公開 98分

とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊の“くんちゃん”(声:上白石萌歌)に、生まれたばかりの妹がやってきます。両親(星野源、麻生久美子)の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うばかり。そんな時、“くんちゃん”はその庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、不思議な少女“ミライちゃん”(黒木華)と出会います。“ミライちゃん”に導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つ“くんちゃん”。それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした。待ち受ける見たこともない世界。むかし王子だったと名乗る謎の男。幼い頃の母との不思議な体験。父の面影を宿す青年との出会い。そして、初めて知る「家族の愛」の形。さまざまな冒険を経て、ささやかな成長を遂げていく“くんちゃん”。果たして、“くんちゃん”が最後にたどり着いた場所とは? “ミライちゃん”がやってきた本当の理由とは―それは過去から未来へつながる、家族と命の物語。(公式HPより)

 

細田守監督の長編劇場用アニメーションです。甘えん坊の4歳児くんちゃんは、赤ん坊の妹に両親の愛情が取られた気がして面白くありません。そんなある日、未来から成長した妹ミライがやってきます。二人は時間を超えた旅をします。その中で出会うのは青年時代の曽祖父や幼い日の母。家族の中に広がる命の大いなる循環を前に、命の不思議さ・素晴らしさを見つめなおす(公式HPより抜粋)といったら大仰ですが、幼い子供の行動は上手に表現されているように思えました。

くんちゃんは、妹に嫉妬して、クッキーを顔に並べたり、頬を引っ張ってみたり、鼻を押してみたりして泣かせてしまいお母さんに怒られてしまいます。その腹いせでオモチャの新幹線で妹の頭を叩くと余計に怒られて・・このくだりは兄妹あるあるですよね~~ 大人からみれば他愛のない嫉妬ですが、本人は相当に凹む大きな出来事です。居場所がないように感じたくんちゃんが庭に逃げ出すと、見知らぬ男に声をかけられ・・・ここから彼の過去への旅が始まるんですね

しかし、この感想書いてるのがかなり時間が経った時点ということを除いても・・・後半のストーリー忘れてる

で、検索してみたら謎の「東京駅」あぁ、そういえば出てきたっけ で、どんな結末だったかな 結局何を言いたかったんだっけ?

伝えたかったのは命のループでしたっけ なぜ未来からミライちゃんがやってこなければならなかったのか、その明確で頷ける理由が最後までわからんかったぞ

だから苛めないでね、お兄ちゃん!だとしたらあまりにも中身のない話だ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

blank13

2019年02月16日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年2月3日公開 70分

ギャンブルに溺れ、借金を残して蒸発し、13年間音信不通だった父(リリー・フランキー)が余命3か月で見つかった。母(神野三鈴)と兄(斎藤工)は見舞いを拒否したが、コウジ(高橋一生)は子供の頃キャッチボールをしてくれた優しい父を思い、入院先を訪ねる。しかし金を工面している父の姿に失望し、家族の溝は埋まらないまま、父はこの世を去った。葬式に参列するのは、数少ない友人たち。彼らが語る父のエピソードによってコウジは家族の誰も知らなかった父の真実を知り、13年間の空白が少しずつ埋まっていく……。(公式HPより)

 

俳優・斎藤工の長編監督デビュー作です。彼の短編「バランサー」の脚本も担当した放送作家・はしもとこうじの実体験を基にした家族の物語です。

借金を残して蒸発した父親の消息が13年ぶりにわかったと思ったら病気で余命いくばくもない・・・散々苦労してきた母親もそれを間近で見ていた兄も関わりを持つことを拒否します。まぁ当然の反応よね また借金背負わされたくないし。弟の方はまだほんの子供だったから、父親が遊んでくれた楽しい思い出が多少残っているんですね。で、見舞に行くんですが、そこでまたお金の工面の電話をしているのを聞いて、「あぁ変わってないんだな」と思ってしまい足が遠のいてしまうのです。彼女のサオリ(松岡茉優)に促されてもう一度行った頃にはもう父はかなり弱っています。

冒頭で葬儀会場の受付をしているサオリが、すぐ近くのお寺で盛大な葬儀をしている苗字の同じ故人と間違えてやってくる弔問客に応対している様子が映し出されます。立派な会場と大勢の弔問客と対照的に、こちらは集会所みたいな所で弔問客も数えるほどです。

葬儀の喪主は兄で、母親は出席していません。(喪服姿の母が公園で父が好きだったタバコをくわえる描写があるのですが、このシーンを入れることで、母の躊躇いと迷いと夫への愛情の名残が伝わってくるんですね。)読経の後で、お坊さんが弔問客全員にお別れの挨拶を促します。いや、こういうの初めて聞いたぞ 

父親と交流のあったギャンブル仲間や入院仲間たち(佐藤二郎もその一人として出演していますが、喋り方がまんま「ジローさん」で笑えます。)の挨拶は、かなり個性的ですが、愛情のこもったあったかい言葉に溢れてて、誰もが父の死を心から悲しんでいます。お人好しで頼まれたら嫌と言わず、自分もお金がないのに他人の金の工面までしてやり、居場所のない奴を家に同居させてやり・・・それは兄弟の知らない父の姿です。でも、コウジの過去の回想が加わることで「うんうん、そうだよね、確かに優しいお父さんだったよね」と思わせられるんですね~~

兄が「その人の人生の価値は葬式でわかる」というようなことを言いますが、初めに出てきた盛大な葬儀の故人は、実は会葬者の中に仕込み(盛大にすすり泣いていた女性もその中の一人だったと最後に明かされます)もいて、本当には誰も悲しんでいないんですね。 逆に父の葬式は質素で会葬者も少ないけれど、心のある血の通ったあたたかい式です。兄の言葉は葬儀の規模や参列者の数のことを示したものだったと思うのですが、実は中身の問題だったのだと、観る側は気付くのです。

彼らの挨拶を最初は唖然と聞いていた兄が、次第に感情を高ぶらせ、遂には喪主挨拶の途中で飛び出していってしまいますが、今まで抱いていた父への負の感情が、本当の父の姿を知ったことで混乱した結果ですよね。いや、実は家族の誰もがそんな父を心のどこかでは愛していたのだと思います。

いくら根は善い人でも、こんな父は困ってしまいますが、余韻の残る作品でした。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大人のためのグリム童話 手をなくした少女

2019年02月14日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年8月18日公開 フランス 80分

水車小屋に暮らす父・母・娘の三人家族。水も枯れ果て、日々の食料にも困っている。ある日、父親の元に悪魔が現れる。「水車の裏にあるもの」と引き換えに、黄金を与えようというのだ。林檎の木だと思い込んだ父親は取引に応じ、枯れていた川に黄金が流れ込む。生活が変わる。しかし悪魔が求めたのはその林檎の木に登っていたもの――彼の一人娘だった。富を失いたくない父親は、悪魔に追い詰められる。母親は野犬に食われて死んだ。娘は窮地の父親を救うため、自分の両腕を切り落とさせる。父親との関係性にもウンザリした娘は家を出る。父親は絶望し命を断つ

腕を失った少女は雨のなか森を行く。生きるために梨を食べようとするが、足を滑らし、川に落ちる。そこで彼女を待つのは川の精だった。川の精は語る――梨は王子のものであること、少女がそれを求めることは運命なのだという。王宮に足を踏み入れる少女を、王子は受け入れ、后とする。結婚式で少女は金色の義手を得る。充分な食料と愛。何一つ不自由ない生活。子供も授かった。だが、戦争が始まった。王子は戦いに出る。そして悪魔が暗躍する。出産の知らせの手紙を書き換え、化物の赤子が生まれたと王様に信じさせる。さらには、庭師を騙し、母親もろとも殺すよう仕向ける。少女は生まれたばかりの赤子を抱え、王宮から逃げ出す。庭師から密かに渡された、新世界からの魔法の種を懐に入れて。

赤子を抱え様々な地を転々とする少女は、川の精に導かれながら、安住の地を見つけだす。実用性に欠いた黄金の義手は捨て去り、自らの腕で血を流しながらその地を耕し、種を植え、自給自足の生活をする。一方戦争に敗れた王子が城へと戻ってくる。悪魔の策略に気づき、妻と息子を探すため再び旅に出る。数年が経った。少女は母となり、息子は元気に育った。旅を続ける王子はいつしか妻の生家に辿り着く。そこにあるのは自ら命を断った父親らしき男の姿、黄金の川のほとりに流れ着いた義手、そして、白骨化した両腕。その骨のひとかけらを王子はそっと飲み込む。悪魔はまだ諦めない。ついに王子が愛する妻と息子と再会するなか、いまや母親となった少女の魂をめぐる、最後の戦いが始まる。その果てに、少女とその家族が最後に向かう場所は、はたして?(公式HPより)

 

19世紀初頭に書かれたグリム童話に初版から収録されている民話「手なしむすめ」の長編アニメーション映画です。

「クリプトキノグラフィー」という独特の映像表現手法でアニメ化されていて、アヌシー国際アニメーション映画祭の審査員特別賞や、東京アニメアワードフェスティバル2017長編アニメーショングランプリを受賞しているそうですが、正直に言うと「かぐや姫の物語」の習作の印象を受けました。画が粗くて見ていて疲れるんです これが進化した手法というなら個人的には「かぐや姫~」程度で十分かなと

親の庇護から脱して自分の運命を自ら切り拓く娘のお話で、王子が迎えにきても城には帰らず、新しい場所(世界?)を求めるあたりはまさに現代的。王子が娘に従うというのも新しい見解ですね ちなみにこの結末は原作とは異なるようです。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カメラを止めるな! ネタバレあり

2019年02月10日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2019年6月23日公開 96分

とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影をしていたが、そこへ本物のゾンビが襲来。ディレクターの日暮は大喜びで撮影を続けるが、撮影隊の面々は次々とゾンビ化していき……。(映画.comより)


当初の都内2館のみ上映から口コミで評判が広まって全国拡大公開され、観客動員200万人超えの記録を作った作品ということですが、「ゾンビ映画」がネックで劇場鑑賞はスルーしてました。DVDになったのでレンタルしたら、来月早くも地上波放送予定ですと?早まったか~~

映画専門学校のワークショップ「シネマプロジェクト」製作って、つまりプロじゃないわけ? もちろん演じている役者さんの名前も全く知らない人ばかり。これが数年先に人気者が出てたら面白いね

まず映し出されるのは、30分以上の長回しで撮られたゾンビサバイバル作品。ここで既に早回ししてしまった私。だって苦手なんだもの~~。でも劇中劇と思うからか、リアルな怖さは全く感じませんでした。血糊は気持ち悪いけどね。

次に、この作品が撮られる一か月前に遡り、撮影のきっかけについて描かれます。30分のドラマとして生放送するという難題が与えられるんですね。日中の生放送でゾンビって、観たがる視聴者がどれだけいるのかは疑問ですけど そして改めてこの作品をなぞりながら、その裏側を描いていくという手法はまるでドキュメンタリー。

本編でぎこちない間や突然の展開に?だった部分が伏線になっているんですね~。というより、どうしてあんな展開になったのかという疑問がすっきり解決するわけ。同時に一つの作品を作るために製作スタッフがどれだけ頑張っているのかという裏側を知ることになります。我儘な役者陣に振り回される監督、役にのめり込み過ぎる女優、アクシデントにも動ずることなく素早く対応するスタッフなどなど、いかにもあるあるなエピソードが登場して、ついつい共感してしまうあたりは上手い構成だなぁ。

完成した作品の裏側って興味あるじゃないですか?普通は円盤になった時に特典映像としてメイキングが入り、一部を垣間見ることができますが、この映画は完成品とメイキングを同時に観る感じです。

「で??」と言ってしまえば終わってしまいますが、これがヒットした理由は、裏側を覗き見たいという観客心理をうまく突いたということかしらん


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブルーム・オブ・イエスタディ

2019年02月09日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年9月30日公開 ドイツ=オーストリア 123分

ホロコースト研究所に勤めるトト(ラース・アイディンガー)は、ナチス親衛隊の大佐だった祖父を持ち、一族の罪に真剣に向き合うあまり心はいつも不安定。さらに、2年もかけて企画した“アウシュヴィッツ会議”のリーダーから、外されてしまう。最悪の精神状態で、フランスから来るインターンのザジ(アデル・エネル)を迎えに行く。到着した彼女は、トトの下で研修できることに感激したのも束の間、迎えの車がベンツだと知ると、激しく怒り出す。ユダヤ人の祖母が、ベンツのガス・トラックでナチスに殺されたというのだ。トトは猫の目のようにコロコロと気分が変わるザジに唖然とし、ホロコーストの被害者の孫なのに、何かと歴史を茶化す、ザジの破天荒なユーモアにも我慢ならなかった。ある日、会議を欠席すると言いだしたホロコーストの生還者で女優のルビンシュタインを説得する役目を担った二人。トトはここでも「あの悲劇を分かってない」とお門違いの暴言を吐き、女優を怒らせてしまった。帰り道ヤケになってネオナチの屈強な男たちにケンカを売り、返り討ちにされたところをザジに助けられるトト。ザジの寝室で手当てを受けていたトトは、目を疑う“ある物”を見つける──。(公式HPより)


ホロコーストという重い題材をユーモアや恋愛要素を交えて描いた恋愛映画ということですが、病んでる二人を見続けるのはかなりキツかった。 祖父がナチスの戦犯だったことに過剰なまでに罪の意識を抱え、研究に没頭するあまりユーモアさえ許容できないトトは、自制が効かず暴力に訴えることもしばしばな危ないヤツ。端正な顔立ちなのに、彼の病巣を象徴するかのような後頭部の円形脱毛は、そこだけ見れば笑えるくらいのかなり目立つ大きさです。祖母がナチスの犠牲者となったユダヤ人のザジは、精神不安定で感情的で、これまた厄介な性格です。家族の過去に囚われているという点では共通する二人は、自分にない何かを求めあうように反発しながらも惹かれていきます。

トトは妻のハンナ(ハンナー・ヘルツシュプルンク)との関係にも問題を抱えていますが、でもそのために妻が他の男と寝るのを一定のルールを作って認めるというのは理解の範囲外だわ。 この夫婦は基本的に互いを理解しようとしているし愛し合ってもいるから、いっそう厄介です。 彼らは代償行為として黒人の子を養子に迎えていますが、それも何だかなぁ~~ 

ザジの方も、トトの友人で“アウシュヴィッツ会議”のリーダーになったバルタザール(ヤン・ヨーゼフ・リーファース)と不倫関係にあり、それをネタにしたエピソードはコメディではあるけれど正直笑えないぞ

二人の祖父母の間に、同じ学校で机を並べていた過去があることが明かされ、ザジはそれを知ってトトに近づいたことがわかると、関係は急転します。逃れられない絆というか、運命に導かれるように、二人は結ばれます。しかしその後もザジの自殺未遂(これも動機が意味不明)や、トトが若い頃に犯した罪をバルタザールがザジに告げ口して、別れてしまうの。トトの異常なまでの研究への執着は、祖父のことばかりではなく、自らの贖罪でもあったのですね。

ラストは数年後に再会した二人のシーン。互いに子供を連れている(トトは家族を捨てようとしたけれど、ザジと別れたからまた戻っているのね)のだけれど、ザジの子供はトトとの間の子?これは一種の和解であり希望でもあるという意味なのかしら?


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アクアマン

2019年02月08日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2019年2月8日公開 アメリカ 143分

親の決めた婚約を嫌い逃げ出した、アトランティス帝国の王女アトランナ(ニコール・キッドマン)は、灯台守のトム(テムエラ・モリソン)と恋に落ちてアーサーを産むが、その子を守るために帝国に帰る道を選ぶ。人間として地上で育てられたアーサー(ジェイソン・モモア)は、腹違いの弟のオーム(パトリック・ウィルソン)が、人類の支配を狙って地上に攻め入ろうとしていると知り、アトランティスとの戦いに身を投じていく。

 

DCコミックスのヒーローで、一見ぶっきらぼうだけれど実は熱いハートを持つアクアマンの活躍を描いたアクション作品です。
上映時間の都合で不本意ながら吹替を選んだのですが、その分アクションに集中することができたから良かったかな
 
アクアマンはヒーローらしく筋骨隆々なマッチョマンだけど、個人的には好みの外見じゃない・・敗因はもじゃもじゃ髭と粗忽さ
演じているジェイソン・モモアは「ゲーム・オブ・スローンズ」に出演していたということで検索したら・・・カール・ドロゴ役でしたかそういえば確かに 今回のキャラはユーモアはあるけど、初めは王に相応しくない雑な感じです。
 
海底人の母と人間の父を持つ彼は全ての海の生物を率いることのできる正当なアトランティスの後継者という設定です。アトランナは帝国に戻り、許嫁と結婚してオームを儲けたけれど、夫の嫉妬により生贄にされて殺されたらしい。母の死の責任がアーサーの誕生にあるということで、この兄弟は互いに憎しみと自責の思いに揺れているんですね。 いやいや、それは子供じゃなくて親の責任でしょって話ですが。演じるニコールは鬘?が浮いて見えて、老けて見えるのが残念。

大人になったアーサーはアクアマンとして活躍。海賊のケイン(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)父子をやっつけますが、その際父親の方を見殺しにしたことから息子デビッドの恨みを買うんですね。 悪人とはいえ、子が親を救いたいという必死の気持ちは共通するものがありますからね。 実はオームと繋がっていて、後に特殊スーツを貰ってブラックマンタとして再登場します。

アーサーに地上の危機を知らせにやってきたのは海底国ゼベルのメラ王女(アンバー・ハード)。彼女は水を自在に操ります。乗り気じゃないアーサーに手を焼きながらも協力していくうちに好意を持つようになっていくんですね それにしても演じていたのがアンバーだったとは ジョニーファンとしては知ってたら躊躇したかも でも先入観無しで、良い演技してたと思います。

子供の頃は可愛らしかったアーサーを鍛えたのは、帝国の参謀として仕えてきたバルコ(ウィレム・デフォー)です。密かに水中呼吸や戦闘術を教えてきたのは、アトランナに頼まれたからという以上に、彼の才能と王としての資質を確信したからでしょう。 水を楯のように操って敵を倒す術は、後にオームとの対決シーンで見せ場となっています。

オームは自らがオーシャンマスターとなり海と陸の両方を制服するという野望を持っています。海を汚す人類を憎む気持ちは理解できるけど、その根底に母を死に追いやった(と思っている)アーサーへの個人的な恨みがあるのね。そのオームに便乗して地上への勢力拡大を企むのがメラの父のネレウス王(ドルフ・ラングレン)ですが、正直この人の本当の目的が曖昧で、二番手が嫌なのかと思いきや、アーサーがトライデントを手にすると掌返しで彼の側についちゃう。オームでもアーサーでもメラが王妃になるならどっちでもいいんかい

オームの地上侵攻を止めるには、アーサーが真の王だと認めさせることが必要。そのためには王の証であるトライデントを手に入れなければならないということで、メラと共に宝探しに出るのが本編。サハラ砂漠の砂の下に眠る古代王国からシチリア島(ここでブラックマンタと対決しぶっ飛ばします。)、遂には未知の海底王国へとアドベンチャーの末、遂にトライデントはアーサーの手に。ついでに殺された筈の母も生きていたというおまけまで

数々のアドベンチャーと戦いを経て真の王としての 資質に目覚めたってことでめでたしなアクアマンなのでした

エンドロールのおまけはぶっ飛ばされておしまいの筈のブラックマンタが助けられてリベンジしてきそうなシーン。敵役としてまだまだ登場しそうですね

戦闘シーン自体はあまり興味がないのですが、海中での動きや、海底王国の進化した技術の数々には目を瞠るものがあります。これはやはりスクリーン鑑賞ならではの満足感


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スコーピオンキング5

2019年02月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年製作 アメリカ 原題「The Scorpion King : Book of Souls」

古代エジプト。邪剣“アヌビスの牙”を手に入れたネブゼレク(ピーター・メンサー)は、全ての部族の命を奪い殺戮を繰り返し勢力を拡大していった。彼が狙うのは仇敵スコーピオン・キング(ザック・マッゴーワン)。村の鍛冶屋として暮らしていた彼は、ネブゼレクの部下に捕まるが、ヌビア王の娘タラ(パール・スシ)に助けられ、邪険を滅ぼすために伝説の書物「ブック・オブ・ソウル」を探し求め、邪悪な軍団に立ち向かう。

 

「ハムナプトラ2 黄金のピラミッド」に登場する敵役を主人公に描いた「スコーピオン・キング」のシリーズ第5弾ですが、シリーズも5作目ともなれば、質の低下は免れない そもそも主役からして演じているのは別人だしなぁ。元祖マサイアス役のザ・ロック(現ドウェイン・ジョンソン)のインパクトには敵いません。

今回のマサイアスは、それなりに筋肉隆々の肉体派なのに「え・・もうですか!」と思うくらい弱いというかすぐやられちゃう。やられちゃうのにサソリに刺されるとあっさり復活するしなぁ。(電気ショックかよ!)その代わり、古代シュメール語もエジプト象形文字もすらすら読めちゃう頭脳派キャラになってますが。最後のアッカド人を強調しているけど、そもそもアッカド人って何?な身にはいまいちピンと来ないままでした。

最凶の武器であるアヌビスの牙を滅ぼす答えが書いてあるという書物を探すアドベンチャー要素はあります。アクションもちゃんとあります。お宝の場所に辿り着く過程で、これまたあっさりと砂族に捕まりますが(またかよ!)、決闘の末に族長と友情が生まれるんですね。(後に彼らが協力する展開あり)。書物の隠し場所に入るための「儀式」のシーンは『トゥームレイダー』っぽい作りです。 書物の正体が美女(ケイティ・ルイーズ・ソーンダース)だったのはちょっと意外な面白要素でした。彼女を守る岩男(ネイサン・ジョーンズ)のキャラが外見と逆に可愛くてツボです 彼は土から作られたから火が恐いらしい

ところで、ヒロインはタラだと思っていましたが、マサイアスが好意を持つのはこの美女なんですね~~。 しかも呪いにより3000年(だったかな)も生きている設定。彼女の正体がわかった時点で、先の展開は読めたのですが、ネブゼレクに殺されるのではなかったのは想定外でした。

DVD鑑賞用のB級作品と思えば、普通に楽しめたかな。 

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リトル・マーメイド 人魚姫と魔法の秘密

2019年02月03日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年製作 アメリカ 85分

エル(ロレート・ペラルタ)は人魚や妖精を信じる病弱な少女です。叔父で新聞記者のキャム(ウィリアム・モーズリー)はエルの病を治してやりたいと思っていました。そんなある日、上司から「ロック博士の奇跡の人魚の万能薬」の取材をするよう命じられた彼は、エルを連れてミシシッピにあるサーカス団を訪ねます。ミシシッピの人魚ショーを見たエルは信じますが、キャムはトリックだと信じませんでした。万能薬は売り切れで入荷は未定と言われたキャムは、その薬を買って使った人たちやサーカスの団長のロック(アルマンド・グティエレス)に取材をしますが、薬が本物であるという確信を得ることはできませんでした。

森を散歩していた二人は、ショーに出ていたエリザベス(ポピー・ドレイトン)に会います。彼女には足がありました。干潮時には足が出るのだと彼女は言いました。エリザベスに興味を持ったキャムはサーカスの休演日にこっそり忍び込み、ロックの怪しい行動を目撃します。実はロックはエリザベスを騙して魂を手に入れ、彼女を支配していたのです。万能薬の正体はエリザベスの泳いだ水だったのです。満潮の夜、エリザベスと過ごしたキャムは、彼女の足がヒレに変わるのを目撃して人魚の存在を信じます。

ロックはエルに魔法の力を持つ人魚の心があると知って、誘拐します。サーカスに向かい、エルを見つけたキャムは、エリザベスの魂をロックの隠し場所から奪い、彼女の味方の占い師と狼の風貌をした男と共にエリザベスを救いだして逃げます。海に向かった一行は追いかけてきたロックや手下たちを倒し、魂を取り戻したエリザベスは、海へ帰っていきました。

 

映画の冒頭で、おばあさん(シャーリー・マクレーン)が孫娘たちにアンデルセンの「人魚姫」のお話を読み聞かせた後、もう一つの物語を語り始めます。その話が終わると咳をしたおばあさんは「ちょっと泳いでくる」と言うのです。本編のラストで、咳き込むエルを海中に連れて行ったエリザベスが戻ってくると「苦しくなったら海に入りなさい」と話すシーンに繋がっていくんですね。ここでおばあさんがエルであることが示されて、映画は終わります。

大人の恋愛要素は低いです。キャムとエリザベスは結ばれなかったのね

本作ではサーカスの描写がとてもファンタジックです。特に夜のサーカスの煌めく灯りと、立ち並ぶテントの幻想的な風景が魅惑的です。

怪しげな雰囲気の団長は丁寧な物腰の下に見え隠れする狡さと恐ろしさをまとい、その部下の残忍さも子供の目にはさぞ恐ろしく映ることでしょう。逆に怪しげに見えた占い師の女性や狼のような容姿の男性が、本当は善い人間であることも、子供たちにはすぐにわかるんじゃないかしら。

ロックとの対決シーンはちょっと「ドラゴンボール」を連想してしまいました。気のパワーで戦う図

エルの病気は症状だけみると喘息に見えるのだけど(あの水薬は咳止め?)まぁ、ファンタジーなのでそこは置いとかないとね


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

七つの会議

2019年02月02日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2019年2月1日公開 119分

都内にある中堅メーカー・東京建電。営業一課の万年係長・八角民夫(野村萬斎)、通称“居眠りハッカク”はどこの会社にも一人はいる所謂ぐうたら社員。ノルマも最低限しか果さず、定例の営業会議では傍観しているだけの八角は、トップセールスマンである課長・坂戸(片岡愛之助)からその怠惰ぶりを叱責されるが、一人飄々と毎日を送っていた。一方、甘えたサラリーマン根性の部下は完膚なきまでに叩き潰してきた社内で絶対的存在の営業部長・北川誠(香川照之)が進める結果第一主義の方針のもと、部員たちは寝る間を惜しんで働くのだった。そんなある日、突然、坂戸がパワハラで訴えられ異動となる。訴えたのは、年上の部下である八角だった。北川の信頼も厚いエース・坂戸に対するパワハラ委員会の不可解な裁定に揺れる社員たち。そんな折、万年二番手に甘んじてきた営業二課長の原島(及川光博)が新課長として着任。だが、会社の顔である一課で成績を上げられず、原島は場違いすら感じていた。やがて、パワハラ騒動に隠されたある謎が、社員たちの人生、そして会社の存在をも揺るがし始めていく……。(Movie walkerより)


池井戸潤の同名企業犯罪小説の映画化です。

結果至上主義の会社が舞台で、バブルの時代ならいざ知らず、今時こんな考えが通用するとは思いたくもないけれど、案外現実に存在しそうな気もするところが・・やだ

萬斎のサラリーマン役は初めて観ましたが、この人は時代劇の方がはまってますねぇ。笑い方とか話し方はどうしても大仰に感じてしまいます。他にも香川照之、片岡愛之助、立川談春といった歌舞伎や落語界で活躍する面々や、池井戸ドラマ常連俳優が顔を揃えていて、監督も一連の池井戸ドラマの演出を手がけた福澤克雄ですから、これはもう安定の面白さがありました。

物語は原島目線で進みます。彼は気弱で優しい性格で、そのため同期の坂戸に水をあけられ、二番手に甘んじています。定例会議での北川の叱責に怯える様子はまさに子羊のよう 坂戸の失脚で一課を任されたことで、彼の人生が大きく変わるんですね。原島と共に八角の秘密を探ろうとする部下の浜本優衣(朝倉あき)は経理課の新田(藤森慎吾)との不倫関係を清算したばかり。 この新田のキャラが実に狡くて憎たらしいんですね~~。 

坂戸の失脚の原因を作った会社のお荷物社員の烙印を押されている八角が、過去にはSクラスの優秀な営業マンだったと知った二人は、何故八角が今のような状況になっているのか、原因を知ろうとするうち、会社が隠す重大な秘密を探り当ててしまうという筋書きです。

利益を追求するあまり不正に手を染めてしまう構図は、わかりやすいパワハラのもとで常態化していきます。一つの会社のみならず、その親会社からの圧力という図式が浮かび上がる「御前会議」が作品の最大の見せ場でもあります。宮野(橋爪功)、村西(世良公則)、梨田(加賀丈史)、徳山(北大路欣也)ら企業のTOPにあたる役員たちのパワーバランスにも注目です。

男たちの保身と欲が渦巻く中で、優衣のドーナツ企画は一種の清涼剤の役割を果たしていました。新田との先の見えない関係に見切りをつけた彼女が、会社を去る決意をしたあとで、せめて自分が会社に貢献した証を残したいと提出した企画の実現のため努力する姿に共感を覚えます。(その邪魔をする「犯人」は推測通りの人物でしたが ほんと、卑怯な奴!)

でもこの映画の一番の見所は、ラストの八角の独白部分にあるのではないかしら? 「浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」ではないけれど、世の中に不正は無くならない!から始まる彼の言葉の重さを今一度噛みしめてみるのも必要かと


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする