杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ノウイング  ネタバレあり

2010年05月31日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年7月10日公開 アメリカ 

大学で宇宙物理学を教えているジョン(ニコラス・ケイジ)は、ある日一人息子ケレイブ(チャンドラー・カンタベリー)が持ち帰った、小学校で行われた記念式典で50年前に埋められたタイムカプセルから出てきた紙に書かれた数字に目を留める。そこには過去に起きたあらゆる大惨事の日付と犠牲者の数が書かれていた。やがて数字に予告された日付の日、未然に防ごうとしたジョンの努力を嘲笑うかのように大事故が起きる。数字の謎を解くためにその紙を書いた少女ルシンダ(ララ・ロビンソン)の家族を探し出したジョンは、やがて人類最大の危機を知ることになる・・。

宗教的終末観が基本の作品。ノアの箱舟を連想する結末も聖書からか
アメリカ映画と言えば、ヒーローが人類を救うために大活躍というのが王道だけれど、こちらはとっても素直に諦めちゃってます。その点やや物足りない気もするけれど、案外現実には何も出来ないんだろうな~人類は!って思うと、けっこうリアルな物語なのかも。

「彼ら」が救うのは彼らの声に応えられる者だけ、というわけでルシンダの孫のアビー(ララ二役)とジョンの息子ケレイブが対象者ってわけです。人類(や地球上の動物)を救うために手を差し伸べてくれるくらいには親切な宇宙人なら、その前に地球自体を救えよ!と思わないでもないけれど

ルシンダの娘であるダイアナ(ローズ・バーン)は彼らの声を聞く能力を持っていなかったわけですが、そもそもルシンダが自殺した理由がよくわからなかったなぁ。

妻をホテル火災で亡くしてから神を信じる心を失くした(らしい)ジョンが、最後の時を共にいたいと思ったのは牧師である父と母、妹のいる実家(教会)というのもかなり象徴的かも。(宗教臭いともいう

凄まじいまでの天変地異のクライマックス映像に息を呑みながらも、一瞬で消滅する人類の歴史に一抹の寂しさを禁じえません。
そして少年少女に託された人類の未来が映画のように光に満ちていたなら、それでもいいか!と思ってしまったら・・・作品の意図に影響されてしまってるかも

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ティンカー・ベルと月の石

2010年05月30日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年12月23日公開 アメリカ 

8年に一度の“青い満月”が昇る特別な秋を迎えたピクシー・ホロウ。クラリオン女王と秋の大臣から「秋の祭典」で“月の石”を納める“聖なる杖”を作る大役を与えられたティンカー・ベルは親友のテレンスの協力のもと、杖作りに励みます。ところが、あれこれ細かく世話を焼くテレンスに苛立ちが募り、ある日喧嘩した弾みに杖と大切な月の石までも壊してしまいます。妖精の粉を生み出す月の石がなければ、妖精たちは魔法の力を失い滅びてしまう・・・窮地に立たされたティンクは、壊れた月の石を元に戻すため、願いを叶えるという伝説の「インカンタの鏡」を探す旅に出るのですが・・・。

『ティンカー・ベル』シリーズ第二弾です。
今回のテーマはずばり「友情」

相変わらず短気でそそっかしいティンクですが、前作と比べて我慢することをちょっとだけ覚えた様子・・・と思ったら、あらら・・やっぱり爆発しちゃった
でも、あんな風に脇からあれこれうるさく口を出されたら、それが親切心からとわかっていてもティンクのように煩わしい気持ちになっちゃうだろうなぁと思うけど

月の石を元に戻すための冒険に出るためには、一日分の妖精の粉だけでは足りません。喧嘩中のテレンスにも本当の理由を言えないし・・・。考えた末にティンクは得意の物作りの才能を発揮して綿毛の気球を作ります。

冒険の旅の途中では、小さいけれど勇敢なホタルのブレイズが仲間に加わります。
初めは邪魔にしていたティンクですが、やがてブレイズの存在を心強く思い、友情が生まれます。

彼らが遭遇した危機の一つ「トロールの橋」に出てくる二人のトロールは一応悪役ではありますが、何だかにくめないキャラでした。悪いと思ったら心の底から「ごめんなさい」と謝り、許し合うことを観客に伝える、友情の大切さを教える良い教材になっていました。

鏡を見つけたものの、月の石を元に戻すことは出来ず途方にくれるティンクを助けたのは、彼女を心配して追いかけてきたテレンスでした。
友情を取り戻したティンクは素晴らしい閃きで杖を作り上げます。
そうだね一つより二つ、三つ・・沢山あればより効果が得られるんだねめでたしめでたし

秋のネバーランドの美しい風景も良かったし、ティンクのピーターパン風衣装も冒険に出かけるには相応しい服装だったかな

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インフォーマント!

2010年05月27日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年12月5日公開 アメリカ 108分

1992年、イリノイ州にある大企業アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社(ADM)で働くウィテカー(マット・デイモン)は33歳の若さで重役となり、工場をまかされ、家庭も円満だった。ところが工場でウィルスが発生した際に日本企業のスパイから脅迫を受けたと報告した事から、FBIが介入してくる。録音機を取り付けに来た捜査官に、ウィテカーは会社が違法な価格協定を行っていると内部告発をするのだが・・・。

原作はカート・アイケンウォルドの小説。 1990年代に実際に有った国際価格カルテル事件を元にしていて、ADM社や味の素など、事件に関わった実在の企業や人物が実名で登場しています。DVDジャケットが物語りの核心をついていて良い出来。

10kg以上も増量して役に挑んだマット・デイモンの容姿はいかにも善良な市民然として見えます。
告発しなくても将来を約束されているエリートなのに、何故?という疑問は次々に周囲を振り回す彼の言動から薄々察しがつくけれど、こいつ、とんでもない嘘つき男なんだねぇ。
その一見何の悪意も害意もなさそうなキャラに、FBI捜査官も会社の役員達も妻までもがすっかり騙されてしまうのです。

まるで小さな子供が自分に注目を集めたいがためにつく嘘のように、彼自身がすっかり自分の嘘に取り込まれている様子なのがかえって不気味な気がしました。
でもこういうヤツって大なり小なり確かにいるよね

う~~ん、これもあんまり笑えんかった

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イングロリアスバスターズ

2010年05月26日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年11月20日公開 アメリカ 

1944年6月、ナチス占領下のフランス。三年前に家族をナチス親衛隊の「ユダヤハンター」ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)に虐殺されたユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)は、映画館主となりミミューと名を変えて復讐の機会を狙っていた。ドイツ軍の英雄フレデリックに言い寄られ、彼の出演作であるナチスのプロパガンダ映画のプレミア上映の話を持ち込まれたことで、彼女は計画を実行に移そうとする。一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉(ブラッド・ピット)率いるアメリカの秘密特殊部隊は、次々とナチス兵を血祭りにあげていたが、このプレミア上映会の情報を掴み、映画館の爆破計画を画策する。女スパイのブリジッド(ダイアン・クルーガー)と接触を図り劇場に潜り込んだ彼らだったが、ランダ大佐に捕まり、ある取引を持ちかけられて・・。

クエンティン・タランティーノ監督作の戦争映画ですが、予告から受けたコメディタッチとは異なり、三者三様の欲望が絡み合う生臭い映画でした。

プロパガンダ映画のプレミア上映に集まるナチス高官の抹殺を企むのは“イングロリアス・バスターズ”だけではありません。自らの映画館に火をつけてナチスを道連れにしようと企むユダヤ人映画館主ショシャナも目的は同じですが、彼らは互いにその存在を知らずに動いていきます。またこれを阻止しようと動いているはずのランダ大佐にも思惑があります。

バスターズはドイツ兵に対し、レイン中尉の先祖のアパッチ族に倣って頭皮を剥ぐという残虐さで恐れられているのですが、このシーンは愉快とは言い難いものがありました

準主役級でもあっさりと殺されちゃうドライさは好きな人には受けるのでは?

本筋とは関係ないけれど、ブリジッドとドイツ兵たちのカードゲームが面白かったな。

ミミュー(ショシャナ)に言い寄るフレデリックというドイツ兵が、初めは純情な青年に見えたのが次第に自惚れた英雄気取りの鼻持ちならない男の正体を顕すエピソードが、バスターズよりよほど人間的な本質を描いているように思えました。

公開時に、上映開始後1時間以内に退席した観客には鑑賞料金を返却するという「面白さタランかったら全額返金しバスターズ」キャンペーンをしてたけど、実際に退出した人はどのくらいいたんだろう? 個人的にはレンタルで十分でした
好きな映画じゃないけれど、戦争の本質的な姿を描いたという意味では秀作なのかも。

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方恋

2010年05月23日 | 
さだまさし 著
ストーリーセラーVol.3(2010 Spring 小説新潮5月号別冊)

石橋南はTV局の下請けの小さな制作会社に勤務する30代の独身女性。取材で現場を駆け回る製作スタッフという仕事に小さな自負と迷いを感じています。
そんな彼女の携帯に、ある土曜の早朝かかってきた一本の電話は、赤坂警察署から「シモダヒロヒコ」という男性のひき逃げ事故死の連絡でした。全く心当たりのない男性の死に無理やりに関わらされて当惑する南ですが、その後に起きた秋葉原の連続無差別殺人の現場に遭遇したことが、彼女の心の中に大きな変化を・・・。

ある日突然見知らぬ男性の死を告げられ、あたかもその男性の関係者のように思われるという筋書きに、不条理さと疑心とある種の興味を掻き立てられ、掴みはバッチリ。そんなヒロインの視線で読み進めるうちに、秋葉原の無差別殺傷事件が生々しく映し出されます。現場の異様さは、ジャーナリストとしての彼女のちっぽけな使命感を吹き飛ばし揺るがします。一人の人間として何が出来るか、命の重さって何だろう?そんな疑問が、南同様浮かんできます。またそれとは対照的な悪意無き群衆の興味本位の姿の描写には背筋が凍りつくような不気味さを感じました。

心が折れそうな南の元に、今度は「シモダ」の弟から通夜への出席を請う連絡が入ります。
事の真実を確かめたくて出かけた彼女を待っていたのはあたかも婚約者を迎えるような遺族の熱い想いでした。そして思いがけない真実に不快感と戸惑いを隠せない南へ渡された12通の手紙の束・・・。

この手紙がね~~泣けます。不器用で愚直なまでに一途な想いに打たれます。彼の行為の善悪はともかくとして、南がそれを赦せるだけの誠実さを感じるからです。

小説の最後に南は大声を出して泣き出すのですが、それは「永遠の方恋」に苦しんだ「シモダ」の想いを確かに理解した証でもあったのでしょうか。

秋葉原での異様で緊迫した情況が「動」としたら、通夜や手紙は「静」。この対比が見事です。ヒロインの言葉遣い(内面の描写)を敢えて醒め加減でぞんざいにすることで、彼女の心の動きが逆に生き生きと浮き出て見えるようでした。

さだファン仲間の友人に借りたこの雑誌は計7人の著者の読みきり書き下ろし作が入っていますが、さださんの小説が断トツに長編 アルバム製作の傍ら、時間に追われて書いた作品とは思えない力量に脱帽です。

(他)沢木耕太郎 『男派と女派』
   近江史恵 『ゴールよりももっと遠く』
   湊かなえ 『楽園』
   有川浩 『作家的一週間』
   米澤穂信 『満願』
   佐藤友哉 『555のコッペン』
   
こちらはまた日を改めて読もうっと。

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ヤング@ハート

2010年05月22日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2008年11月8日公開 イギリス 108分

アメリカ・マサチューセッツ州の小さな町で活動するコーラス隊“ヤング@ハート”。世界各地で公演を行うメンバーは平均年齢80歳の老人たちで、彼らは年に1度のコンサートに向けてソニック・ユース、ボブ・ディラン、トーキング・ヘッズなどの曲の練習を重ねていく。そんな中、コンサートまでの6週間の間に、メンバーにはさまざまなことが起こるが……。シネマトゥデイより

平均年齢80歳のおじいちゃん、おばあちゃんが歌うのはクラシックやスタンダードではなく、ロックやR&Bの曲ばかり。
冒頭、ロンドン公演で92歳の花形スター・アイリーンが歌うザ・クラッシュの“Should I Stay Or Should I Go”にいきなりパンチをくらいます。

映画はコンサート前の6週間彼らに密着して、リハーサルの様子やプライベートを追うというドキュメンタリー。はい、うっかりしてました。私の苦手なドキュメンタリーでした

申し訳ないけど早送りとながら観で何とか最後まで回しました・・・。
内容は良いんだと思う・・・好きな人なら・・

フィクションを加えて誰か一人に焦点を当てたストーリー仕立てならきっと楽しめたんだろうけど・・・私にはNGでした

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あなたは私の婿になる

2010年05月20日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年10月16日公開 アメリカ 108分

ニューヨークの出版社で編集長として辣腕をふるうマーガレット(サンドラ・ブロック)40歳。その暴君ぶりから社内では密かに魔女呼ばわりされていた。ところがカナダ国籍の彼女がうっかりビザ申請を怠っていたことから、ある日突然国外退去を告げられてしまう。せっかく築いたキャリアを失う窮地に立たされた彼女は、咄嗟に絶対服従のアシスタントで28歳のアンドリュー(ライアン・レイノルズ)と結婚すると言ってしまい・・。

古典的ラブコメですが、それなりに面白かったです。あくまでそれなり

タイトなスーツとピンヒールで武装したバリバリのキャリアウーマンのマーガレットは、「プラダを着た悪魔」の鬼編集長を連想させます。
キャリア維持のために偽装結婚を思いつく彼女も、昇進の餌に食いつくアンドリューも、初めは自分の利益だけを考えています。しかし、アンドリューの故郷で彼の家族に囲まれて過ごした数日の間に心境の変化が・・・というお決まりパターンだけど、だからこそ素直に共感できることも。

でもね~~小さな頃に両親を亡くしたマーガレットが、アンドリューの家族と過ごすことでそのぬくもりを思い出すのは良いけれど、だからといってわざわざ結婚式最中に謝罪&とんずらしなくても・・・と思うけどねぇ 40にもなって周囲へ与える影響の大きさをまるっと忘れてるってのもいかがなものかと。

アンドリューが地元を捨てたのは父親との確執と都会の編集者への憧れというお嬢さん的動機というのもねぇ・・今流行りの草食系男子ですかぁぁ

で・・あの二人、実家に帰るの?このままNYで暮らすの?

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25th まさしんぐWORLD2010

2010年05月19日 | ライブ・コンサート他
NHKホール 
開演18:10 終演21:30

で開場が遅れ、入場まで時間がかかりました。
でも、コンサートは、あるテーマに沿った選曲とトークで大変感慨深いものになりました

まずはチキンガーリックステーキのステージから

・夢ばかりみていた
・風がきれい(NHKみんなのうた)
・スリラー
・また会えるかな また会えるね

続いて玲子さん
・夢伝説
・優しさに包まれたなら(ユーミン)
・ハッピーハッピーバースデー

10分の休憩を挟んでまっさん登場。


・案山子・・・津和野(お父様の戦友会)の風景が原点
・惜春・・ 長江話からお金が貯まるとすぐ使ってしまう(墓→会社→島→映画)
・邪馬台

・転宅・・・誰だって転ぶ時はある。まず立ち上がることから・・。
・薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク

・茨にもきっと花咲く・・・恩師の話。エールの贈り方

・その橋を渡る時・・・親父の夢はみない・・夢で犬に説教された
・私は犬に叱られた

「弟と犬」の話は明日か?
池袋「さだまさし博覧会」シークレットライブのお知らせ。
おみくじ「大凶」が当たりとネタバレ(^^;

・戦友会・・お父様の怪我の話

・銀杏散りやまず
・精霊流し

お別れの挨拶

・生生流転

AC(白のパンツとTシャツに着替えて)
・風に立つライオン

お父様を偲ぶ曲やトークが中心だった今回のわ~るどコンサート。
ファンばかりのいわば身内みたいな客層だからこそですね。

個人的には宅間さんのピアニカが久々に聴けたのが嬉しかったです♪

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パリより愛をこめて

2010年05月19日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2010年5月15日公開 フランス 95分

駐仏アメリカ大使館員リース(ジョナサン・リス・マイヤーズ)には、CIAの見習い捜査官として諜報活動に従事する裏の顔があった。いつかはエージェントとして華やかな活躍を夢見て仕事に勤しむ彼の新たな任務はワックス(ジョン・トラヴォルタ)のパートナーになること。ところがこの相棒は推理力も腕力もピカイチ、口よりも先に銃を撃つ危険な男だった・・・。

原案リュック・ベッソン、監督ピエール・モレルの『TAXi』『96時間』コンビ作。

過激で行動派な敏腕捜査官ワックスと、繊細で知性派の新米捜査官リースという対称的な二人がバディを組む構図はありがちではあるけれど面白い。汚い言葉や過激で問答無用な銃撃戦や暴力シーンが殆どなのに、軽妙なユーモアセンスが散りばめられているので、暴力苦手なのに楽しめるという不思議な映画です。

よくある麻薬捜査かと思わせてその実は、来仏するアメリカ要人の爆弾テロによる暗殺計画に行き着くのね。リースの婚約者キャロリン(カシア・スムトゥニアク)は作品に華を添える存在だけど、彼女の正体については早くから観客にはバレバレなのは意図されたことなんだろうなぁ仕掛けられたハニートラップは指輪とエレベーターでピンと来たけど 後始末はそうくるか!でした

お国柄故の複雑な事情もあるでしょうけど、アジアや中東の軽視感といい、派手な銃撃戦やカーチェイスといい、よく国際問題にならんなぁと思うんですが

抜群の推理力と腕力だけど口より先に銃が出る危険な男ワックスのハチャメチャぶりが小気味良かった~!
チェスの名人で数ヶ国語を操るリースは洗練されているけど、実は銃で人を撃ったこともない新米エージェントのリースへの気遣いも伝わってきて、ただの暴力男ではない大人の深みを感じさせてくれました。

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クヒオ大佐

2010年05月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年10月10日公開 

米特殊部隊ジェットパイロットのジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐(堺雅人)と名乗る男は、その華麗な経歴と流暢な日本語で次々と女性を落としてきた。しかし彼の正体は稀代の日本人結婚詐欺師だった。弁当屋の女社長・しのぶ(松雪泰子)を篭絡しながらも、博物館学芸員の春(満島ひかり)や銀座のホステス・未知子(中村優子)にも手を出す彼だったが、ある日しのぶの弟・達也(新井浩文)に正体がばれて・・・。

「母はエリザベス女王の妹、父はカメハメハ大王の末裔」などと語り数々の女性を騙した、実在の結婚詐欺師がモデルの映画です。

大佐は客観的に見てるといかにも怪しいヤツ。何故こんな胡散臭い男に女はコロッと騙されるのか?と思いながら見ていましたが、「私は女の望むことをしてあげただけ」と何のためらいもなく言う大佐の姿を見ているうちに、これは一方的な結婚詐欺というよりは、女性側にも進んで騙されたい、夢を見たい気持ちがあったからこそ成立した話なんだなぁと思えてきました。可笑しさと哀しさは表裏一体なのね。

一方、銀座で働くホステスからすれば、大佐の嘘は初めからお見通しの上でその上前をはねようとする強かさの前では大佐など相手にならない感じで笑えました。
それはまた、姉が騙されていることを逆手に脅しをかける達也にも言えることで、狸と狐の化かし合いを擬人化したようなブラックな笑いを感じます。

堺さんの仮面のような笑顔が妙にキャラに合っていました。笑顔の表情でも目の奥は笑っていないんだよね~~

映画では冒頭、戦争の後方支援依頼をNO!と言えない日本政府を皮肉っていて、ラストでの米軍?による大佐の拉致にも繋げているようですが、これは蛇足じゃないかしらん

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風が強く吹いている

2010年05月12日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年10月31日公開 133分

高校時代に天才ランナーと呼ばれながらも、事件を起こして陸上から遠ざかっていたカケル(林遣都)。ひざの故障で陸上の道をあきらめた元エリートランナーにして、寛政大学陸上競技部のリーダーでもあるハイジ(小出恵介)は、そんなカケルを陸上競技部にスカウトし、ひそかに抱き続けていた箱根駅伝出場の夢を実現させようとする。(シネマトゥデイより)

箱根駅伝を舞台にした小説が原作。

一本のたすきを繋ぐ10名のメンバーは以下の通り。
ハイジ(清瀬灰二)小出恵介・・文学部4年生。第10区走者。チームリーダー。
カケル(蔵原走)林遣都・・社会学部1年生。第9区走者。天才走者。
キング(坂口洋平)内野謙太・・社会学部4年生。第8区走者。クイズ雑学王。
ニコチャン(平田彰宏)川村陽介・・理工学部3年生。第7区走者。最年長者。ヘビースモーカーだったが、駅伝参加へ向け禁煙する。映画に出てくる針金人形は煙草を吸いたい気持ちを紛らわせるために作り始めたもの。
ユキ(岩倉雪彦)森廉・・法学部4年生。第6区走者。3年時に司法試験に合格の知性派。
神童(杉山高志)橋本淳・・商学部3年生。第5区走者。地方出身で子供の頃のあだ名。
ジョージ(城次郎)斉藤祥太・・1年生。第4区走者。無邪気な性格。
ジョータ(城太郎)斉藤慶太・・1年生。第3区走者。ジョージの双子の兄。
ムサ(ムサ・カマラ)ダンテ・カーヴァー・・理工学部2年生。第2区走者。黒人留学生。
王子(柏崎茜)中村優一・・文学部2年生。第1区走者。漫画オタク。整った容姿。

陸上経験者が数人いるとはいえ、いきなり練習を始めて予選を勝ち抜き本番に出場っていう設定にはかなり無理を感じますが、そこはフィクションの世界と割り切って
10人もいると、各人のプロフィールや書き込みは平等ってわけには行かず、見せ場の駅伝シーンも殆ど省かれていて物足りなさはありましたが、まぁ無難にまとまっているかな

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追伸

2010年05月11日 | 
真保裕一 著  文藝春秋 発行

造船設計士の山上悟はギリシャに赴任するが、妻の奈美子は日本に留まり一方的に離婚を切り出す。真意を訝る悟との間で書簡が交わされていったある日、奈美子の祖父母の間で交わされた手紙のコピーが送られてくる。50年前、彼女の祖母は殺人の容疑で逮捕され、手紙には夫婦のみが知る真実が語られていた。

二組の夫婦の間の秘密が手紙という形で暴かれるミステリーですが、犯人を追う謎解きではありません。
祖母に良く似た孫娘の奈美子。二人の女の抱えた秘密が手紙のやり取りの中で明らかになっていくのですが、二組ともに、相手への真摯な想いが伝わってきて、直接会って話すより遥かに深い真実が語られているように思えました。

50年前と現代では、女性の立場や置かれている環境も異なりますが、原罪に対して頑ななまでに自分を苛む姿は二人に共通しています。ただ、それぞれの発端になった女の業に対しては頭では理解できても感情的には少しも共鳴できないけれどね
そういう意味では自分は奈美子の母と同じタイプの人間なんだろうなぁと感じました。

言葉を綴るという作業は、自分の心の中を覗き込み整理するという作業でもあり、手紙という手段は男女間の感情のもつれや行き違いを見つめ直すにはとても良いアイテムなのかもね。

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宅間久善マリンバコンサート2010

2010年05月08日 | ライブ・コンサート他
第一生命ホール 18:00開場

7分押しの18:37開演、終演は20:40頃でした。

去年のZepp Tokyoから一年ぶりの親子コンサート。
会場は勝どきから歩いて8分。動く歩道の先の晴海トリトンスクエアの中央部です。
まだ新しくて綺麗。帰りに見えた夜景も素敵でした。

始まりは『SINFONIA~交響楽~』軽く挨拶の後
『ありがとう』『MOONEYES』と続きます。

俺の選んだまさしベスト、と題して
『無縁坂』『防人の詩』『掌』『精霊流し』と一気に4曲。

MC入って一言「暗!」 ・・いえ、貴方が選んだんですが
善之くんも「暗!」とコメント。彼が好きな「まさしさんの曲」は妹がいるので『親父の一番長い日』とバークレー時代に良さがわかった『案山子』だそうです。
政彰くんはミーハーだけど『主人公』かな、と。

暗い曲ばかりじゃないと『春雷』演奏の後は今夜のメンバー紹介。
中林万里子(pf)村上広樹(dr)笹井BJ克彦(bs)、そしてまれぴ(個々の名前紹介なかったので後で兄弟コーナーでやってました) 
ジョン・レノン風な村上さんと笹井さんは身長も体重も同じという巨漢。
天パーだという村上さんのロン毛もですが、我が息子に近似な笹井さんに目が釘付け 演奏中は無表情なのに終わるとちょっとはにかんだ様に笑うその笑顔が可愛かった~~

ここからはまれぴのコーナーに。
『タイムラグ』、火サス(火曜サスペンス)こと『夕暮れ』宣伝を挟んで『カノン』

そしてお父様のソロ・・かと思いきや、ゲスト登場。
学生時代に室内楽で共に各地を回ったお姐さまピアニストさんが伴奏でクラシックコーナーになりました。『ショパンの幻想即興曲』『チャルダッシュ』

気難しそうなお姐さまかと見えたその人は、マイク持たせたら出るわ出るわの暴露話にパパたじたじです。狼少年ケンの例えはある年代以上の人にしかわからないかもですが、出会ってすぐのステージで「ボクちゃん一発やっちゃうから」とのたまったという話には御本人頭抱えてました。

ここでまたフルメンバーになり『祭り』を。
そしてまたまたゲスト登場。仏在住のシャンソン歌手ワサブローさんです。黒薔薇透かしのシャツに小粋なベルトがお洒落でした
『エトランゼ』(仏語)『疾風~ハヤテ~』(初演)『秋桜』(仏語)
彼が話すのは仏語かコテコテの京都弁のどちらかで、キャラも歌も独特の世界があります。
一緒に行った友人曰く「シャンソンって演歌(艶歌)だったんだ~~!」に妙に納得

ワサブローさん退場の後、『疾風』の原曲を演奏しましたが、見事に雰囲気が変わりますね。続いて『LAFANTASIA』お別れの挨拶の後、〆は『マイ・ファニー・ベティ』

そしてAc『胡桃の日』を「ボクちゃん一発やっちゃうから!」と(おお!ここでオチがつくのか

痛めた肩のこともあってか、今回は政彰さんがお父様の分もカバーしている構成だったような気がしますが、激しい曲から静かな曲まで、息のあった演奏を楽しんだ二時間でした。

終了後は握手会もあり、ワサブローさんも参加されていました。もちろん宅間パパもシックに決めてたよ
兄弟は色と型違いのTシャツ(前ドレープ、兄:黒、フード付き、弟フード無し白系)・・は素敵だけど・・お兄ちゃん、そのまっ黄っ黄のパンツは・・・
MCは誰より落ち着いて場慣れしてて優雅なんだけどなぁ
ま、カッコイイからいっかぁ~

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こいしり

2010年05月07日 | 
畠中恵 著  文藝春秋 発行

「あのね、この子猫達、化けるんですって」お気楽跡取り息子・麻之助に託された三匹の子猫。巷に流れる化け猫の噂は、じつは怪しい江戸の錬金術へとつながっていた!?町名主名代ぶりも板につき、絶妙の玄関捌きがいっそう冴えながらも、淡い想いの行方は皆目見当つきかねる麻之助。両国の危ないおニイさんたちも活躍するまんまことワールド第二弾。(「BOOK」データベースより)


『まんまこと』に続き、神田の町名主の跡取り息子・麻之助が、持ち込まれる数々の厄介ごとへ絶妙な裁定をみせます。

ついにお寿ずと夫婦になった麻之助ですが、その暮らしぶりは相変わらず。『こいしり』では、両国の盛り場で吉五郎が一暴れして逆に危ない兄さん方から慕われる始末。『みけとらふに』では新たなキャラとして3匹の猫が登場。これって「しゃばけ」の鳴家みたいな役割ね『百物語の後』ではラストで背中が寒くなるかも

『清十郎の問い』ではお由有とお寿ずの板挟みになり困り顔の麻之助に笑い、『今日の先』で気合を入れて遊ぶ筈がまたまた人助けをすることになり、『せなかあわせ』でようようお寿ずと打ち解けた本当の夫婦らしい関係になってきたって感じかな

麻之助の「ふに」の他にも清十郎が貰った「みけ」、吉五郎が貰った「とら」が活躍するお話も出来そうねこちらもシリーズ化していくのかな?

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孤高のメス 試写会

2010年05月06日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
有楽町朝日ホール 18:30開映
2010年6月5日公開予定

ある地方都市の市民病院に外科医・当麻(堤真一)が赴任してきた。病院は運営が大学病院に依存することで成り立っているため、大学から派遣された医師たちが大手を振りちょっと難しい手術は大学病院に送るだけで済ます悪しき体制が出来ていた。しかし当麻は淡々と目の前にいる患者を救うことに全身全霊を注いでいく。ある日、市長(柄本明)が病に倒れ、法律ではまだ認められていない脳死肝移植手術しか救う手立てがないという状況になる。当麻の決断は…? 


現職医師の大鐘稔彦の同名小説を基に、地方の市民病院に勤務する外科医が旧弊な医療現場で困難な手術に立ち向かうさまを描いた作品です。さしずめ実写のブラックジャックかな

浪子(夏川結衣)の葬式後、息子の弘平(成宮寛貴)が母の遺品整理をしていて古い日記を見つけるところから物語は始まるのですが、浪子の死因が職場(病院)で適切な処置を受けられずにたらい回しの上の急死ということがまず語られます。

そして場面は1989年に。外科手術もまともに出来ないような停滞し腐敗した現場に職業への情熱を失っていた浪子が当麻の登場でやる気とプライドを取り戻していく様子が語られていきます。

事なかれ主義の第一外科部長・野本(生瀬勝久)らの反発は、旧態依然とした悪しき医師の姿を思わせ、彼の杜撰な手術と隠蔽の結果患者が亡くなったことで対立した青木(吉沢悠)に米の病院の紹介状を渡す当麻に、人を見る確かな目を感じます。経営サイドからしか物事を判断しない事務長も、こういう病院ではお約束なキャラですね(^^;
ライバルの大学病院の医師(松重豊)との友情もさり気なく描かれてました。

一方、浪子の隣人である小学校教師の武井(余貴美子)と息子の誠との交流が平行して語られ、後半で誠が事故で脳死宣告を受けた際、命のリレーをしたいと懇願されて市長の手術が行われるのですが、この時の野本の妨害工作やマスコミの騒ぎ方もいかにもありそうな話。

リアルな手術シーンには息を呑みます。初めに映す手際の悪いぼんくら医師の手術シーンに比べて当麻のそれはスピード感のある見事な手技で、手術スタッフの動きにも良い意味の緊張感とリズム感が生まれていました。やる気を取り戻した浪子が必死に勉強して当麻と息の合った器械出しの連携プレーが出来るようになる様子が、何だか羨ましく感じるほど。

癌に侵された肝臓と健康な肝臓の様子の違いなどもとてもリアルで、思わず自分の肝臓の状態を気にしてしまったわ

日記を読み終えた弘平。場面が変わりどこかの地方病院。当麻と同じような大きなトランク。病院長の机には・・・・命と人の連鎖を感じさせる結末でした。

連休明けのせいか、地味な作風からか、会場の入りは残念な感じ
もったいない!娯楽作の派手さはないけど良い作品だよ~~。
原作はシリーズ化されているようなので、図書館で借りてみようかな。

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