2018年11月23日公開 アメリカ 134分
アメリカからイギリスに戻ってきたニュート(エディ・レッドメイン)は、アメリカ合衆国魔法議会が捕らえた強大な魔法使いグリンデルバルド(ジョニー・デップ)が逃げ出したことを知る。恩師のダンブルドア(ジュード・ロウ)から特命を受け、パリに向かったニュートは、仲間の魔法生物たちとともにグリンデンバルドの行方を追う。(映画.comより)
本当は初日初回に鑑賞しようと目論んでいましたが諸事情で今日になってしまった でも期待通りの満足感のある作品でした
魔法動物学者ニュート・スキャマンダーの冒険を描いた「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」から続く物語の二作目です。予定ではシリーズは5部作となっているので、まだまだ序盤ですね ちなみにニュートの出身寮は「誠実」「勤勉」のハッフルパフです。今作は世界中の魔法動物についてまとめた「幻の動物とその生息地」(ハリーの時代にはホグワーツの教科書に指定されていますね)を出版してまもない頃のお話です。
前作に比べてダークな展開となる本作は『ハリー・ポッター』シリーズでも描かれてきた魔法使いとマグル間の差別や偏見が広がっていく内容になっています。特にクライマックスでグリンデルバルドが演説するシーンが圧巻。彼は予知された光景として第二次世界大戦の近代兵器が街を破壊する様子を見せつけるのですが、その中にはホロコーストや原爆のキノコ雲も登場します。マグルの愚かしさや危険性を説くことで魔法使いの優位性を押し出し、マグルへの偏見や憎悪を煽るのです。ヒトラーの優性思想を彷彿とさせて背筋が寒くなります。そして彼に賛同した集会の参加者たちがこの思想を広めるべく各地へ散っていく・・・次回作はより険悪な空気が増幅されそう
冒頭で、グリンデルバルドは信望者の内通(前作でティナの上司だった男)の助けを借りて移送途中に逃亡します。今作のダーク感を協調するかのような迫力あるシーン展開でした。
あ、前作に引き続きティナ(キャサリン・ウォーターストン)と妹のクイニー(アリソン・スドル)、ノーマジのジェイコブ(ダン・フォグラー)、クリーデンス(エズラ・ミラー)も出ています。
死んだ筈のクリーデンスが実は生きていて、彼がこの先の物語を大きく左右する人物になっていくようです。ラストでグリンデルバルドがクリーデンスの身元を示唆するシーンはちょっとした動揺を引き起こしました。
ニュートがリタ・レストレンジ(ゾーイ・クラビッツ)と破局していたことは前作でクイニーが心を読んだ時に観客にも示されましたが、ニュートの兄のテセウス(カラム・ターナー)と婚約していたというのにもびっくり!でもリタが本当に愛していたのはどっちなの?という疑問を掻き立てる展開にも胸が騒ぎました。クイニーが禁じられたノーマジ(ジェイコブ)との恋愛を成就させたいという想いをグリンデルバルドに利用され、純粋であるがゆえに間違った道に踏み込んでしまうのは悲しかったです。(心を読めるクイニーがグリンデルバルドの心は読めなかったのか、恋は盲目!で曇らせたのかは不明ですが)
また、衝撃的だたのはナギニ(クローディア・キム)の登場です。ナギニってあのヴォルデモードが分霊箱にした大蛇ですよね。
実はナギニはもとは人間の女性だったということが明かされます。「マレディクタス」(“血の呪い”を持ち、最終的には自らの意志に関係なく、永遠に動物の体に囚われたままになる者)という悲劇的な宿命を持つ彼女が、養母から虐待されて育ち、強大な魔力を内に秘めた「オブスキュラス」となったクリーデンスに心を寄せたのも自然な成り行きでしょう。
グリンデルバルドとの戦いをニュートに丸投げしたダンブルドア
・・実は青年時代のダンブルドア(トビー・レグボ)とグリンデルバルド(ジェイミー・キャンベル・バウアー)は「お互いに闘わない」という“誓い”を立てていたのでした
でも今回愛しのニフラーちゃんがその「約束」の元をちゃっかりグリンデルバルドから盗んじゃったので、次回からはダンブルドアも活躍してくれそう
ダンブルドアといえば、ホグワーツで若きニュートに闇の防衛術を教えるシーンが登場するのも楽しみの一つです。また若きマクゴナガル先生も出てきます
ニュートが恐れていたのは「事務職」というのにクスッとしました。この時リタが恐れていたもの(白いものにくるまれた物体)はよくわからなかったのですが、自分が犯してしまった間違いの哀しい結果だったことが終盤で判明します。レストレンジ家は純血の家系ですが、家系図にも女性は名前も載らない男尊女卑の家なのね。
彼女の孤独は自分へ課した罰のようにも思えました。
もう一つのお楽しみは、「賢者の石」に名前の出てくるニコラス・フラメル(ブロンティス・ホドロフスキー)の登場です。パリのニコラスの自宅の棚の中できらりと光っている賢者の石も出てきてテンション上がっちゃいました
魔法動物も、ベビー・ニフラーやボウトラックル、ケルビー、オーグリー、ズーウーなどが出てきます。日本の妖怪の河童まで出たのはちょっと笑っちゃいましたが
グリンデルバルドは前作では終盤までジョニーじゃなかったけれど、今作ではほぼ出ずっぱりでニュートより存在感があったような
ジョニーファンとしては、次回作以降の活躍も楽しみです。(でも美青年の若きグリンデルバルドとダンブルドアの物語も見たいかも
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