杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ジョバンニの島

2014年02月26日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2014年2月22日公開 102分

1945年。10歳の淳平(声:横山幸汰)と7歳になる寛太(声:谷合純矢)の兄弟は、父・辰夫(声:市村正親)や祖父・源三(声:北島三郎)とともに、北方四島のひとつ、色丹島に住んでいた。彼らの暮らしは、敗戦とともに一変した。ソ連軍が島を占拠し、島の人々は住処を失う。島は混乱に陥るが、それでも両国の子どもたちは国の違いを超えて仲良くなり、純平はロシア人のターニャ(ポリーナ・イリュシェンコ)に惹かれるようになる。そんな中、島の防衛隊長を務める辰夫がシベリアの収容所に送致され、兄弟は樺太へ行くことに。寒さと飢えに苛まれながら、兄弟は再び家族がひとつとなることを願い続ける……。(Movie Walkerより)

日本音楽事業者協会(音事協)創立50周年記念の長編アニメーションです。北方四島における実話をもとに、ソ連軍の進駐によって引き起こされる島民たちの過酷な運命が描かれます。
映画の音楽が妙に耳に馴染むと思ったら・・思い出しました!!これってさださんの音楽だ~
そういえば去年、コンサートに行った時に話が出てたような・・・。すっかり忘れてたけど、この映画だったんだ~!さすが、ファンの嗅覚鈍っちゃいないなとちょっと自画自賛

兄弟の亡き母の愛読書が宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」。息子たちの名前も登場人物であるジョバンニとカムパネルラにちなんでいるの敗戦直前には兵隊さんは山中に潜伏していて島民の守りは防衛隊長である兄弟の父が責任者でした。空襲警報は鳴るけれど比較的のどかな島の暮らしが描かれます。しかし終戦後、状況は一変します。普通、戦争が終われば平和がやってくるはずなのに代わりにやってきたのはソ連軍でした。彼らは島の人々の住居を奪い、金目のものを奪います。とはいえ島の人々もあれこれ知恵を絞って貴重品を隠すのですが奉公人のみっちゃん(柳原可奈子)ら若い女性たちは身を守るために本土へ逃げます。ソ連軍の駐留により、学校の教室も二分されますが、基本的に子供たちに国境の垣根はありませんから、やがて二つの国の子供たちに友好的交流が広がっていきます。

兄弟の叔父・英夫(ユースケ・サンタマリア)は真面目な辰夫と正反対の要領の良い人物として描かれます。島を逃げ出した島民の家から品物を持ちだして本土に渡って売り捌き米を買うなど抜け目がありませんが、兄弟には優しい叔父さんです。大好きな機関車の玩具を持ってきてくれ、それが縁で純平たちはターニャと親しくなるのです彼女の家の夕食に招かれてご馳走に喜ぶ姿や、ターニャへ淡い恋心を抱くなど、束の間の平和が訪れます。

しかし、日本軍の隠していった食糧を売り捌こうとした英夫が原因で辰夫が捕まり収容所へ送られると、島民たちも強制的に島を出されます。漁師である彼らの祖父はこの命に従わず、海を死に場所と決め、佐和子先生(仲間由紀恵)に兄弟を託して島に残るのでした。しかし本土へ向かった筈の船は樺太へ。兄弟は初めて本物の機関車を目にして無邪気に喜びます。やがて寒さと飢えの中で衰弱し病気になった寛太は、英夫から父が「隣の収容所」にいると聞くと会いにいこうとします。兄弟は貨物車に忍びこんで父の元へ向かいます。英夫と佐和子先生が彼らを追って駆け付けます。実は佐和子は辰夫が好きで、英夫は佐和子が好きなんだな大人の複雑で微妙な感情もさり気なく描かれていました。ソ連兵に見つかり英夫が囮になる場面で彼の男気が伝わってきました。朝鮮人の女性に助けられ、何とか父と会うことができたのも束の間、ソ連兵に見つかり連れ戻される途中で、寛太が天に召されてしまいます。冒頭で50年ぶりに島を訪問する様子(佐和子:八千草薫・純平:仲代達矢)が登場するので、兄弟がどうなるのかは予測出来ていたのですが、それでもこのシーンでは涙を抑えることができませんでした
日本への引き上げ船に乗る日、冷たくなった寛太を生きているかのように背負う純平と「銀河鉄道の夜」の情景が重なりまた涙

折々に流れる「銀河鉄道の夜」の幻想的な映像が素晴らしいです。

場面は現代に戻り、島を訪れた純平たちのあの時出来なかった卒業式が行われます。
現地に暮らすロシア人たちとの交流会の席で純平はターニャの孫娘に声をかけられます。(彼女は数年前に亡くなっていました。)父が捕まった時、約束を破って告げ口したと誤解した純平が破った、彼女を描いた絵をターニャは大事に持っていました。純平は孫娘に「銀河鉄道の夜」の本を渡します。

戦争の酷さは、名も無い市井の人々の生活をも根本的に破壊してしまいます。
ある日突然故郷を奪われ二度と帰れない人々の姿と、原発事故で故郷を追われたフクシマの人々の姿が重なって見えました。
人々を守るために国があるのであって、国のために人々が生きているのではない。そのことを為政者にはよくよく考えて欲しいです。戦争がいかに愚かで悲しく深い爪痕を残すものかを今一度胸に刻みたいと思いました。

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偽りの人生

2014年02月22日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年7月12日公開 アルゼンチン・スペイン・ドイツ合作 117分

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで結婚8年目の妻クラウディア(ソレダ・ビジャミル)と暮らす医師アグスティン(ヴィゴ・モーテンセン)の心には、ぽっかりと穴があいていた。裕福で安定した暮らしをしながらも、公私共に決まりきった日常に耐え難い息苦しさを感じていたのだ。そんなある日、長らく音信不通だった一卵性双生児の兄ペドロ(ヴィゴ・モーテンセン)が突然訪れ、末期癌に蝕まれた自分を殺すようアグスティンに懇願する。突然の申し出に困惑するアグスティンであったが、ふとしたきっかけでペドロを殺害してしまう。だがアグスティンは、自分が死んだことにしてうりふたつの容姿のペドロになりすまし、人生をやり直そうと考える。ブエノスアイレスから北へ30km程のデルタ地帯、少年時代を過ごした生まれ故郷ティグレに帰り、ここで彼は新たな人生をスタートさせるつもりだった。しかし、ペドロが闇の犯罪に関わっていたことが判明、アグスティン自身も犯罪へと巻き込まれていく。やがて、アグスティンの死に疑問を抱くクラウディアや彼に疑惑の眼差しを向ける幼馴染み、そして心を惹かれていく女が絡み、嘘と真実、因縁と運命が交錯していく……(Movie Walkerより)


ヴィゴの新作だったのですが、楽しそうな内容ではないので劇場鑑賞は見送りましたが正解だったかな。

一卵性双生児でそっくりな外見ですが、性格は全く異なるアグスティンとペドロ。幼馴染のアドリアン(ダニエル・ファネゴ)といつもつるんでいたけれど、気が合っていたのは兄とアドリアンで、アグスティンは弱虫と二人から見下されていたようです。故郷を捨て医者となって成功したように見えるアグスティンですが、心は空虚。子供を望む妻に押し切られ養子をもらう一歩手前でやっぱり無理、親にはなれないと言いだし部屋に閉じこもる姿はまるで駄々をこねる子供です。まぁ、自分を嫌いな人間が子供を愛し受け入れるなんてことができるわけがないんだけどさ。

そんな夫に見切りをつけ出ていく妻にホッとしているあたりが実に情けないそんな時にやってきた兄は末期がんに侵されていて殺してくれと言います。当惑するアグスティンでしたが、発作的に兄を殺してしまいます。仮にも医者ならとてもそんな行動は取れないと思うのだけどアグスティンの中の狂気というか兄に通じるならず者の要素を垣間見るシーンです。また、死を望んだ筈の兄の方もいざ殺されるという場面では必死に逃れようとする。これはもう生存本能というしかないか?まぁ、医者の弟に殺してくれと言ったら普通安楽死だろって気もしますから、不本意だったに違いないのですが

兄になりすまして別の人生を手に入れる筈だったのに、兄が関わっていた誘拐犯罪のせいで追い詰められていく姿はまさに「罪と罰」
養蜂をしている兄の手伝いをしているロサ(ソフィア・ガラ・カスティリオーネ)に年甲斐もなく惹かれていく姿も何だかなぁそもそもアグスティンは目の前の障害から逃げ出す生き方しかしてこなかったんじゃないかしらん?

どんなに外見が似ていても性格までは変わらないから、近しい人には直に正体がばれてしまうのも当たり前。妻は呆れて見放しますが、ロサは正体を知りつつ彼の優しさに惹かれていきます。二人の女性の対照的な反応が面白いです。あぁ、だから彼はロサに惹かれ彼女を守ろうとしたのかなぁ

物語の流れの中でよくわからなかったのは、名付け親んのアドリアンを崇拝していた筈のルーベン(ハビエル・ゴディーノ)がアドリアンにとどめを刺したことです。

結局仲間割れの挙句に負傷して死んでいくアグスティンですが、彼は最期に本当に愛する者のために生きることができてきっと幸せだったのだろうと思いました。

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こいわすれ

2014年02月21日 | 
畠中恵(著) 文藝春秋(発行)

江戸町名主の跡取り息子・高橋麻之助が親友とともに様々な謎と揉め事に立ち向かう「まんまこと」シリーズ第三弾です。(あらすじは出版社HPより)

・おさかなばなし
秋も深まった本所で、堀川沿いにある江戸七不思議の一つ「置いてけ堀」から堀の主の声が聞こえたと噂がたつ。「魚を置いて行けと言われた」「子が行方不明になった」「河童と出くわして店の掛け売りの金を持って行かれた」等々。そんな噂の堀に落ちたのが八木清十郎。水に濡れ、風邪で伏せった清十郎を見舞う悪友、高橋麻之助と相馬吉五郎。清十郎が何か隠しているのを感じた二人は、再び向かった夜のお堀で身なりのよい商人に出会う。寿ずから懐妊を知らされ喜ぶ麻之助たちは真相にたどりつけるのか。

川越の商人・七国屋の「置いてけ堀」で行方知れずになった息子が、江戸の「置いてけ堀」で見つかる筈もありません。息子の死を受け入れられずに常軌を逸した主に付き合わされる手代の岩吉が、ストレス解消のはけ口に盗みを働いていたというのが河童の正体でした。何とも切ない話ですが、妻の妊娠を知らされたばかりの麻之助にとっては七国屋の心情(親心)がわかるような気がしたことでしょう。また、そもそもの「堀の主」の正体は侍で、姉が意に染まぬ結婚をすることに苛立ち、憂さ晴らしに人を驚かして喜んでいたことも突き止めます。弟の行動を怪しんだ姉が、想い人である清十郎に相談したことから今回の騒動が始まったというわけでした。

・お江戸の一番
近頃江戸で流行るもの『番付』。相撲のみならず『美人』から『温泉』に『酒』まで順位付けされていたが、ある番付が江戸の二人の男を怒らせることになる。かたや花橘連に属する狂歌師にして吉原の楼主、宇利鶴。かたや朱雀連に属する旗本で画家の長谷如亭。双方に関わりを持つ、清十郎と吉五郎に頼まれ、大岡裁きを買って出た麻之助の秘策は、柳茶屋の看板娘、おれんを巻き込んで、江戸一の盛り場、両国橋界隈を大混乱させることに――。

おれん相手に懸想した宇利鶴と長谷如亭の意地の張り合いから起きた騒動は、麻之助が提案した勝負に乗った双方の連が両国での催し物小屋に入った客の木戸銭で優劣を決めることになります。互いに工夫を凝らしての催し物は大盛況となるけれど、同じような他の連の者のやっかみを買いトラブルも起こります。挙句、肝心のおれんはボディガード役の若者と良い仲に狂歌や絵も、江戸の娯楽で庶民の楽しみだったことが窺えるような楽しい催しの描写がです。

・御身の名は
“町名主、麻之助様へ”高橋家に突然届けられた差出人不明の手紙。艶っぽい女文字を父宗右衛門や清十郎にからかわれるが、待ち合わせの上野を訪ねるとそこには誰もいない。やがて詫びの手紙が届き、再び待ち合わせ場所を訪ねる麻之助。続くすっぽかしに吉五郎たちは、おなご狸にばかされたのではと軽口を叩くが、そこへ八木家支配町の金のちょろまかし、消えた文の謎などあやしいことが重なって、事件は意外な展開を見せる。

お寿ずの幼馴染のお高は、自分の方がまともに暮らして禄高の高い武家に嫁いで幸せな筈だったのに、子が出来ず夫が他所で産ませた子供を引き取らねばならない状況が我慢ならず、散々勝手をした挙句町人に嫁いだお寿ずに子が出来、幸せそうなのが許せずに嫌がらせをします。これって完全な逆恨み。挙句に手紙の差出人が自分だと知った男(八木家支配町の金のちょろまかしはこいつが犯人)に脅迫されると、お寿ずに自分が麻之助の浮気相手で、立て替えたお金を返せと迫るのだから始末に悪いこういう身勝手な人はどんな時代にもいるんだねぇ。

・おとこだて
両国橋袂の茶屋でのんきに談笑する清十郎と麻之助。その目の前を侍らしき男が走り抜け、貞吉、そして吉五郎がそのあとを追っていった。そこへ逃げたはずの侍が戻ってきて、麻之助の団子をつまみあげると風のように走り去った。その後吉五郎に団子代を請求しにいった麻之助は、武家の妻女をたぶらかして金をとるという事件を書いたよみうりと、その犯人が貞吉たちであるという噂を聞かされる。噂を追ううち、麻之助は夏三郎という部屋住みの三男坊にたどりつく。

姉のみやが暴力夫に嫁いで不幸な様子に胸を痛めた弟が、友人の夏三郎と相談し、敢えて不貞の噂を流して離縁される計画を思いついたというのが事件の真相でした。この時代、離婚にあたっては持参金を返さなければならないのですが、貧乏な武士の家ではそれができない=離婚に応じないという状況が発生するわけです。持参金は捨てても離縁したかったみやは、離婚の原因が妻の不貞にあれば持参金は返さなくて良いという点を利用したというわけ。しかも、金に困った夫が自分が祖母からもらった高価な櫛を狙っていることを知り、色男に貢いだと不貞の証拠の一つにしてしまうあたりは知恵の差勝負あり!です

・鬼神のお告げ
富くじ興行でごったがえす湯島天満宮の境内。麻之助と清十郎は駒吉と名乗る男が、自分は三尸(さんし)のお告げで今回の大当たりの札を手に入れたと話しているのを耳にした。三尸とは、庚申の夜に寝ると、その人の身の内から逃げ出るという鬼神で、駒吉はそれを捕まえて、当たり札を聞き出したという。突き止めの当たり札は六百両。人々の興奮が頂点に達した時、駒吉がその札を手にしていた。その後、三尸のお告げは富くじだけではないという噂が広がり、麻之助の身辺にも思いもかけないことが起きる。

お告げじゃなくって、やっぱり~~!なからくりですが、犯人の動機がねぇ
自分の私利私欲ではなくても、やはり手段は間違ってますよ
麻之助のピンチを救う吉五郎ってば、さすが武士~~
事件は無事解決するのですが、妊娠後、少しずつ具合の悪くなってきていたお寿ずがとうとう・・おそらくは妊娠中毒症と思われ・・・この時代、産後の肥立ちが悪いという表現でくくられていますが、まさに出産は命がけ。生まれてすぐに逝った子は女の子。目の前の幸せが一気に崩れ去ってしまった麻之助です。思えば第一話からこの展開が予感される話だったような

・こいわすれ
身内の不幸に打ちひしがれ、糸の切れた奴凧と呼ばれてるようになった麻之助。清十郎とあてもなく神田川の柳橋あたりを歩いていると、突如麻之助は駈けだし、橋から落ちかけた娘を助けようとしたが、あえなく二人は川へ落ちていった。麻之助が助けようとしたお千夜は名門の料亭、北国屋の一人娘。麻之助ら三人はその接待を受ける。当主、北国屋正兵衛は娘の縁談を破談にした暦の話を始める。江戸では暦屋十一家のみが、幕府より許しを得て暦を売っているはずなのだが――。正兵衛に頼まれた麻之助らは、暦売りを調べ出す。

大店の一人娘お千夜が惚れた相手は古着屋のぱっとしない店の店主でした。可愛い娘が苦労しないように、持参金をたっぷり積んで話がまとまったのに、暦に書かれていた方角が悪いからと古着屋の方から破談を申し入れてきたのです。お千夜はあれこれ調べるうちに自分の本当の気持ちに気付いてしまいます。それが橋から落ちかけた原因でした。川に落ちた二人を船頭たちが助けますが、実は船頭の妹が古着屋と恋仲だったのを横から大店の娘に攫われたと憤慨して付け回していてその場にいたのです。そしてその妹こそが破談を狙い暦に手書きで方角の事を書いたのでした。でもでも・・・肝心の古着屋は超マザコン男だった!!大店風を吹かせられてはたまらないと(本心は息子を取られたくないのね)暦を幸いに難癖つけて破談にしたかったのです。母に逆らおうともしない古着屋を前に、娘たちは互いに視線を絡ませます。言葉にしなくても娘たちの気持ちが男から離れたことがはっきりわかる場面です。

妻を亡くして以来、「大丈夫」が口癖だった麻之助にお千夜が「大丈夫って言い続けなくてもいいと思うの」と話しかけたことで、麻之助のピンと張りつめていた気持ちが緩みます。思い出になるのが恐くて泣けなかった彼が、ようやく妻の死に向い合うことができたのね。

今回はお気楽な麻之助にとって随分辛いことになりましたが、お寿ずの又従姉妹のおこ乃が13歳となりどんどんお寿ずに似てきて、どうやら二人の関係もすぐにとはいかないでしょうけれど、気になる存在になっていくのかなというのが救いでもあります。

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ザ・ナショナル・トレジャー/ドラゴン神殿の秘宝

2014年02月20日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
ロシア 103分 劇場未公開

エルビス・プレスリーを愛する新人ミュージシャン・キリルは、そのいい加減な性格から、誤って海軍の入隊手続きにサインしてしまう。なんとか誤解を解き、入隊を逃れようとするキリルの前に謎の老人が現れ「君こそが唯一の希望」と言って宝の地図を渡す。徴兵逃れのためにとりあえず地図に書かれた都市カザンに向かうことにしたキリルだが・・・。


ファンタジーは好きだけど、玉石混交なこの世界、今回は石を掴んでしまったま、タイトルからして某娯楽大作の真似っこだし、想像はついてたんだけどね。ロシア製作ですが、かなりアメリカの影響受けまくってますのでその辺を突っ込みながら観るのは面白いかも。

出だしから何年前だよ??というロカビリー青年キリルが登場。彼が主人公なのね
女に弱い彼が美人にサインをねだられ安易に書いたらそれが入隊志願書だった入隊希望者が減少している軍の詐欺まがいの禁じ手だぁね一年消えない追跡可能なバーコードを埋め込まれたキリルは、何とか誤解を解こうとするけれど、そのどさくさの最中に変な爺さんから宝の地図を渡され、とりあえずその地を目指すことにします。これって現実逃避じゃん

お宝が眠るのは歴史から忽然と消えたカザン王朝が誇る伝説のドラゴン神殿で湖の底にあることがわかります。龍が守る、世界の支配をも可能とする力を持つというお宝は、実は黄金じゃなくて命の水なの。ん??どこかで聞いたような設定だなぁ。(『パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズに出てきた命の泉と同じじゃんそうか!世界の果てはカザンだったのか!!ってんなわけない

軍のお偉いさんに怪しげな女医や宇宙オタク(幼少時のトラウマらしい)、お宝ハンター?の美女一味に宝の番人の孫娘まで絡んで進む物語はあくまでチープな作り
命の水を飲んだキリルは腕のバーコードは消え、水中でも溺れず見事生還します。でも改めて今度は自分の意思で入隊って・・ありえなくね??思いっきり政府に気を遣った結末。しかもインド映画のように突然歌って踊りだすに及んでは何を伝えたいのか首を傾げてしまいました。それに命の水には確か不老不死の効用もあったんじゃなかったっけ?キリル君、この先の人生大丈夫なの?とは余計なお世話ね。
ロシアに滅ぼされたカザン王朝のお宝伝説は実際ロシアで語り継がれているそうですが、こんなB級映画にしちゃってええんかい?


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エージェント:ライアン

2014年02月19日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2014年2月15日公開 アメリカ 106分

ウォール街の銀行員とCIA情報分析官の二つの顔を持つジャック・ライアン(クリス・パイン)。ある日、モスクワの投資会社チェレヴィン・グループの不審な動きを掴み上官ハーパー(ケヴィン・コスナー)にエージェントの現地派遣を要請するが、ライアン自身による調査を命じられる。監査を装いモスクワへ飛んだライアンだが、チェレヴィン(ケネス・ブラナー)の差し向けた警護員が襲い掛かってきて・・・。


ライアンは、英国留学中に9.11事件の報道を見て軍隊に入り、アフガニスタンでの任務中に仲間を助けて負傷し除隊します。この冒頭の紹介エピソードで彼の熱い愛国心が伝わる演出そんなライアンに目を付けたCIAのハーパーが彼を分析官としてスカウトするのリハビリを手伝ったインターンのキャシー(キーラ・ナイトレイ)と恋仲になっているライアンですが任務上真実は伝えていません。ここまでが前振りね。

一方でロシアの実業家ヴィクトル・チェレヴィンと内務大臣の密会で、ロシアがアメリカに経済戦争を仕掛けることがわかります。どうやらヴィクトルはアメリカに強い恨みがあるようで、息子アレクサンドルを潜伏工作員としてアメリカに送りこんでいるようです。

チェレヴィンの会社の不審な金の流れを掴んだライアンは現地に調査員を派遣するよう進言しますが、彼自身が行くことを命じられます。事務方の分析官が危ない仕事をすることは通常ではない筈ですからハーパーがはなから彼をエージェントにしたかったのだと想像が付きますね。

ロシアに到着早々、チェレヴィンから送りこまれた刺客の警備員に襲われ、身を守るために彼を殺してしまったライアンはうろたえます。スパイ経験ゼロなのに突然現場の最前線へ放り込まれたんだから動揺もするよね。否応なくスパイの任務に就かざるをえないライアンの前に、浮気を疑ってキャシーが現れたものだからたまりません。本当は結婚したら打ち明けるつもりだったと正体を告白する彼にキャシーは浮気じゃなかったことを喜び、自分も手伝うと言いだすの。この時点では彼女はまだ事の深刻さを本当には理解していないのね

キャシーに気を引かせておいてチェレヴィンの情報を盗む場面や、拉致されたキャシーを助けるために車を疾走させる場面はスリルがありました。それにしても電球をあんなふうに使うなんて

テロ攻撃でドルの大暴落を狙っていること、実行日が翌日であることを突き止めたライアンたちは急ぎアメリカに戻ります。その機上でテロの場所を特定するために頭脳をフル回転させて推理するライアンには素人スパイの面影はもうありません。得意の経済分野の分析ですからまさに水を得た魚のよう

アレクサンドルがウォール街での爆破を狙っていると突き止めた彼ライアンは、格闘の末テロを未然に防ぐことができました。失敗したチェレヴィン(肝臓がんで余命もなかったというオチ)は大臣に消され、ライアンは大統領に賞される姿で終わるラストはいかにも俺様アメリカ的な結末です。

ライアンは初めからエージェントだったわけではなく、この事件を通してエージェントになった、ということですね。

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ローマでアモーレ

2014年02月15日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年6月8日公開 アメリカ・イタリア・スペイン  101分

イケメンのローマっ子と婚約した娘のもとへやってきた元オペラ演出家、恋人の親友で小悪魔的な魅力を振りまく女優に恋した建築家の卵の青年、純朴な新婚カップルの宿泊先に現れたセクシーなコールガール、ある日突然、大スターに祭り上げられた平凡な男など、それぞれの人物が織りなす恋模様をユーモアたっぷりに描き出す・・。


イタリアで織りなす恋愛群像劇かと思って選んだのだけど・・・ウディ・アレンが出てる~~何か嫌な予感・・は当たった。彼の作品だったのね私とこの監督の相性はかなり悪いのです伝えたいことがよくわからないというか、意図をわざとはぐらかしているというか・・・。
ローマの青年と恋に落ちた娘、田舎からハネムーンで出てきたカップル、平凡な中年男、恋人の親友を好きになった青年。4組のカップルの話が交互に描かれます。軽いコメディ仕立てなんだけど、屈託なく笑えないんだな~これが。

ローマ観光中に弁護士ミケランジェロ(フラヴィオ・パレンティ)と恋に落ちたアメリカ人のヘイリー(アリソン・ピル)は両親ジェリー(ウディ・アレン)とフィリス(ジュディ・デイヴィス)を呼び寄せて、彼の両親に会わせます。物語としては、娘たちより父親のジェリーの変人ぶりが際立っていました。
引退した売れないオペラ監督であるジェリーはミケランジェロの父ジャンカルロ(ファビオ・アルミリアート)が葬儀屋であると知り渋い顔ですが、彼がシャワーを浴びながら歌うカンツォーネの美声に惚れこみ、何とか彼をプロデュースして売り込もうとします。普通に歌うと素人ですが、シャワーを浴びている時はプロ並みなため、舞台にシャワー室を設置するという手法で成功するのだけれど、イタリアでの評価はジャンカルロに集中し、ジェリーの演出は酷評されるのところがジェリーはイタリア語がわからないためその酷評を知らずにニコニコというオチ。精神分析医であるジェリーの妻はそんな夫を冷静に分析しながらも上手に立てています。これも一つに夫婦のあり方だね
一方ジャンカルロはオペラの舞台に立つという夢が叶ったことで満足し、きっぱり葬儀屋に戻ると宣言するのです。それは自分の仕事と家族を大切にする故、なのね 

ハネムーンでローマを訪れたアントニオ(アレッサンドロ・ティベリ)とミリー(アレッサンドラ・マストロナルディ)。上流階級の叔父から仕事を紹介され田舎からローマに移り住む予定でしたが、ミリーが野暮ったい髪型を何とかしようと美容室に行こうとして迷子になってしまいます。携帯は落とすしホテルへの帰り方もわからなくなって途方に暮れていた時、撮影中のベテラン俳優ルーカ・サルタ(アントニオ・アルバネーゼ)と出会ってランチに誘われるの。普通、夫が心配してるだろうなとか早く戻らなきゃという思いが強いと思うんだけど、ホイホイ着いてってホテルの部屋までって・・いくら彼のファンでもテンションあがり過ぎじゃないのぉ?そこに拳銃を持った強盗や彼の妻が現れたりの一騒動の後、あろうことかその泥棒とベッドイン。そりゃないだろ~~
でも夫の方も、手違いで部屋に送られてきたコールガールのアンナ(ペネロペ・クルス)にベッドに押し倒されたところを親戚一同に見られ、妻と誤解されてしまいます。そのままランチやパーティにアンナを連れていくはめになるのですが、田舎者のアントニオはセレブな雰囲気に馴染めないのですが、アンナはそのセレブの殿方たちの殆どと「お知り合い」の仲なのが笑えます。おまけにアントニオに「経験」の手ほどきまで
この夫婦どうなっちゃうの?と思ってたら夫は都会(ローマ)での仕事を諦め田舎に帰ることを決意し、妻もあっさり納得。逆に絆が深くなるってのはイタリア流?

妻ソフィア(モニカ・ナッポ)と子供2人の家族4人で暮らす平凡な中年男レオポルド(ロベルト・ベニーニ)は、ある日突然有名人としてその一挙手一投足の全てがメディアの注目を集める存在となってしまいます。戸惑い混乱するレオポルドでしたが、人気者の生活に慣れると美女にもモテモテの日々を楽しむ気持ちも生まれます。しかしプライバシーのなさに嫌気が差し、元の生活に戻りたいと願っていたある日、世の中の注目が別の平凡な男に移ると、初めは喜んでいたレオポルドは、逆に不安になり自分が有名人だったことを必死に周囲に訴えるの。でも誰も相手にしてくれません。そんな彼を妻は優しく家に連れ帰るのでした。
彼女にとっては有名人の夫より以前の平凡だけど家庭的な夫の方がずっと好きだったのよね
それにしても何故彼が突然有名人になったのか?世間やメディアの気紛れを揶揄しているとしても納得できないぞ

アメリカ人有名建築家のジョン(アレック・ボールドウィン)は、建築家の卵のジャック(ジェシー・アイゼンバーグ)と出会います。ジャックはジョンが30年前に住んでいた部屋で恋人のサリー(グレタ・ガーウィグ)と暮らしていました。ところがサリーの親友で売れない女優のモニカ(エレン・ペイジ)が現れて次第に彼女に惹かれていくの
サリーはモニカのことを「どんな男も魅了する小悪魔」と表現しますが、そんな危ない子を恋人に近付けるなんてバカだよな~~というのが正直な感想。ダメと言われたら逆のことがしたくなるのが人間だもの結局モニカの魅力に負けてしまったジャックはサリーと別れてモニカと旅に出る計画を立てるのだけど、モニカに映画出演の話が来ると彼女はすっかりそちらに気を奪われ、ジャックはあっさり振られてしまいます。この話の中でジョンはジャックの相談相手としての役割を与えられていますが、ジョンの存在自体が現実ではないような??というか、ジャックはジョンの若き日の姿なのでは??

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インポッシブル

2014年02月14日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年6月14日公開 スペイン・アメリカ 114分

2004年末、マリア(ナオミ・ワッツ)とヘンリー(ユアン・マクレガー)は、3人の息子と共にタイにやって来る。トロピカルムードあふれる南国で休暇を過ごすはずだったが、クリスマスの次の日、彼らは未曾有の天災に巻き込まれる。一瞬にして津波にのみ込まれ、散り散りになった家族はそれぞれの無事を祈りつつ再会への第一歩を踏み出す。シネマトゥデイより


スマトラ島沖地震後に発生した津波に遭遇した一家の実話を基に描いた作品です。
東日本大震災の津波の記憶がまだ薄れていない中でこの作品を観るのはちょっと勇気が要りました。
実際、マリアと長男のルーカスが津波に流されるシーンはとても迫力があり、彼らの怪我の描写も生々しくて思わず目を瞑ってしまったところもありました。家族が全員助かったことは知っていたので、そういう意味では安心して観られたけれど、こんな状況で無事だったことはまさに奇跡ですね

マリアは漂流する中で足と胸に大けがをします。幸い島の人々に助けられ病院に運ばれますが、そこは野戦病院のような状況で、体力の弱っているマリアは生死の境を彷徨います。衰弱していくマリアの容体が物凄く痛々しくて見ているのが辛かったなぁ。
流されて「ママ!助けて!!」と叫んでいたルーカスでしたが、この状況の中で助け合うことや自分が出来ることをすることを学んでいきます。二人が助けたダニエル坊やが父親らしい人に抱かれて幸せそうな様子を目にしたルーカスが、手術前の母にそのことを教えるシーンで彼の成長が伝わってきました。

一方ヘンリーは次男のトマス、末っ子のサイモンと一緒に助かりました。行方不明になった妻と長男を探すため、彼はトマスにサイモンの面倒をみるようお願いします。まだ幼いトマスには荷が重い責任だし、父親としてはまずこの子たちを守ることが先決な気もするんだけど
ホテルの客が身を寄せ合う中で、携帯を失くしたヘンリーの願いを冷たく拒否する人もあれば、そっと差し出す人もいて、人の善意の温もりにほろりとするシーンもありました。

マリアが収容された病院に辿り着いたヘンリーですが、二人を見つけることができません。ところが父親の姿を目にしたルーカスが後を追いかけ、バスで移動中のトマスやサイモンと出会い、そこにヘンリーも駆け付ける・・・このシーンはちょっと出来過ぎな感もありますが、何しろ実話ベースですからケチをつけてはいけませんね

恐ろしい津波の濁流シーンと対照的なのが、津波の前にホテルで家族が休暇を楽しむ平和な様子です。特に空に灯籠を飛ばすシーンは幻想的な美しさに溢れていました。そういえばディズニーアニメ『塔の上のラプンツェル』でも似たようなシーンがあったっけ

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ラッシュ プライドと友情

2014年02月12日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2014年2月7日公開 アメリカ 123分

性格もレーススタイルも相反するF1レーサー、ニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)とジェームス・ハント(クリス・ヘムズワース)が激しい首位争いを繰り広げていた1976年。ランキング1位だったラウダはドイツ大会で大事故に遭遇し、深いけがを負う。復活は無理だと思われたがわずか6週間でレースに復帰し、日本の富士スピードウェイでのシリーズ最後のレースに臨む。


「マイティ・ソー」に続きクリス君の作品です特に意識したわけじゃないけど続いてしまったな。F1に特に興味があるわけではないのですが、予告が面白そうだったので観たくなりました。
レース場の臨場感溢れるエンジン音や観衆のざわめき、華やかなF1の世界を楽しめる作品です。

時速300kmを超えるスピードレースの世界で頭角を現す二人の対照的な天才。
ハントは自由奔放な性格で女性にもスタッフにも人気があります。遊び好きのプレーボーイで今が良ければという享楽的思考の持ち主。車のメカニックにはあまり関心はないけれどハンドルを握ればその車の性能を100%引き出すことのできるテクニックを持っています。対するラウダは事前にコースの徹底的なリサーチを行い車の整備にも強い職人型のドライバーです。論理派で人生設計もしっかり考えていてストイックな性格ですが、その分周囲から浮いてしまう傾向も。

二人が出会ったのはF3時代ですが、新人のラウダにハントが攻撃的なアタックを仕掛け、ラウダがクラッシュしたことで二人の間にライバル意識が生まれます。ラウダは交渉力を武器にF1チームに加入し、ハントもスポンサーのヘスケス卿の後押しでチームを設立しF1参戦を果たします。やがてフェラーリに移籍したラウダが75年のワールドチャンピオンとなります。一方ハントはヘスケス卿(クリスチャン・マッケイ)が資金難で撤退するとマクラーレンに移籍、妻と離婚するといった波乱を乗り越えラウダを追い上げていきます。

スーパーモデルのスージー(オリヴィア・ワイルド)と華やかな結婚式を挙げたハントに対し、ラウダはマルレーヌ(アレクサンドラ・マリア・ララ)と地味婚です。
レースの順位にもムラがあるハントと確実に勝率を挙げていくラウダ。本当に何もかも正反対の二人ですが、レーサーとしての実力は認め合っていました。

世界一危険なサーキットであるニュルブルクリンクで、悪天候を理由に中止を訴えたラウダをハントらが押しきって決行したレースで、ラウダがクラッシュし重傷を負います。しかし事故からわずか42日後に彼は復帰するの。「俺のせいだ」と謝るハントに「そうだな。だが君の勝利する姿に生きる闘志が湧いた。僕をここに戻したのも君だ」と答えるラウダ。まさにハイライトシーンですラウダの復帰会見で、心無い質問をした記者をハントが殴りつける場面があるのですが、これこそ男の友情だよね

離婚して吹っ切れたハントと違って、ラウダは結婚で愛する者を得たことでレースへの不安を感じるようになります。迎えた最終決戦の地、富士スピードウェイは豪雨に霞む悪天候でした。二人のポイント差はわずか3点。ずぶ濡れでスタートしたレースは波乱含み。命知らずなハントはタイヤが擦り切れても諦めず最後まで走り通しますが、ラウダは途中棄権します。彼の中に不安・恐れ・迷いや打算があったことは確かで、でもその結果を受け入れる覚悟もありました。自分の選択に悔いはないと妻に話す彼は夫として、社会人として立派だと思います。ただ、やはり魅力的なのは感情豊かで今を生きる感のあるハントの方かなぁ。

結局このレースでの勝利で76年はハントが逆転してチャンピオンになります。エンドロールではその後の二人の人生が語られますが、それもいかにもこの二人らしい対照的なものでした。

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ラストスタンド

2014年02月09日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年4月27日公開 アメリカ 107分

かつてロサンゼルス市警察の敏腕刑事だったレイ・オーウェンズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、第一線を退きメキシコとの国境に近い田舎町ソマートンで保安官として静かな生活を送っていた。ある日、行きつけのダイナーのウェイトレス・クリスティ(クリスティアーナ・ルーカス)から毎朝牛乳を配達してくれるパーソンズ(ハリー・ディーン・スタントン)が来ないので安否を確認するよう頼まれ、副保安官のジェリー(ザック・ギルフォード)とサラ( ジェイミー・アレクサンダー)が見に行くと、パーソンズの死体を発見する。レイとフィギー(ルイス・ガスマン)も駆け付けるが、そこへFBIのバニスター捜査官(フォレスト・ウィテカー)から電話が入る。移送中の極悪犯が仲間の助けで脱走し、時速400キロのシボレー・コルベットZR1を駆り、最新鋭の兵器を持つ仲間とFBIを振り切って国境越えを図り逃走中という知らせだった。パーソンズを殺した犯人を追って不審な集団を発見するが攻撃を受け、ジェリーが死亡してしまう。逃走犯が麻薬王のコルテス( エドゥアルド・ノリエガ)と知ったレイは彼らが町を通ると予測し、武器オタクのディンカム(ジョニー・ノックスビル)やジェリーの親友フランク( ロドリゴ・サントロ)らと共に、旧式の銃器を手に迎撃の準備を整える。

題名の「ラストスタンド」は最後の砦という意味だそう。
FBIは良いとこ無しな展開です。人質となったエレン・リチャーズ捜査官(ジェネシス・ロドリゲス)はコルテスに買収されて内部情報を提供していた悪女だし、田舎町の保安官と見くびった態度のバニスターの指示は後手に回るだけだしね
軍隊並みの武器を装備したコルテスの仲間は、町外れの国境に橋を架けちゃってます。そのために邪魔な農場主を懐柔しようとして、失敗すると情け容赦なく殺してしまうの。いかにも田舎の頑固ジジイといった風情のパーソンズさんが死んだのはそういうわけです

かつて麻薬捜査で優秀な活躍をみせたレイは、ダイナーに寄ったトレーラーの運転手たちが自分を避けたことに不審の目を向け、パーソンズが殺された真相もすぐに見破ります。
FBIの追手が間に合わないと知ると、自分たちだけで町を守ろうとします。
とはいえ、普通に戦っても勝ち目はありません。が・・ここで武器オタクなディンカムが役に立つのよね銃器マニアの彼は「武器博物館」と称して数多くの武器を保管しており、お気に入りには名前まで付けています。中世の騎士の剣や盾、日本の兜なんかも揃ってて、殺伐となりがちな闘いにユーモアを与えていました。

フランクは昔は人気の陸上選手だったのが落ちぶれてしまっているのですが、その理由は描かれず、親友のジェリーの代わりにあっさり副保安官になっちゃって、元カノのサラとも良い感じって、少しお手軽過ぎないですかぁ?ま、美男のロドリゴ君だから許しちゃうけど

町長(ティトス・メンチャカ)が駐車禁止ゾーンに止めた愛車シボレー・カマロ ZL1。これもけっこうなマシンですので、当然クライマックスのカーチェイスで使われます。その結果ボロボロになっちゃうのよね~~車に罪はないけど町長にはちょっとイイ気味
町の住人たちもなかなかとぼけた味を出してました。危険だから逃げろと言われたダイナーの店主や常連のじーさんたちはカウンターの奥にこそ引っ込んだものの呑気に会話してるわ、アンティーク店?の一見ひ弱そうなおばーさんは店に入った脱走犯の仲間を撃ち殺すわ・・・西部劇の世界観丸出しですね

そして何よりシュワちゃんだからこそのキャラであり、成立するお話ってことですね

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ときぐすり

2014年02月08日 | 
畠中恵(著) 文藝春秋(発行) 

「まんまこと」シリーズ第四弾
女房のお寿ずと娘のお咲を亡くし、しばらくは魂が抜けたようだった麻之助だが、町名主・高橋家の跡取りとして、もめごとの裁定の仕事は待ったなし。幼馴染で親友の八木清十郎と相馬吉五郎の助けもあり、少しずつ回復していく・・・。


・朝を覚えず
妻のお寿ずを亡くして一年経ち、それなりに日々を送ってはいるが、本来の姿には程遠い麻之助。そんなある日、清十郎から眠り薬をめぐる騒ぎの相談を受ける。太源という若い医者が処方した薬の効能が、飲んだ人間によっておそろしく違うその理由を知るため、麻之助は、我が身で試すことにしたのだが・・・。

薬の効能を貧乏人で試すというその不届きな行為を「人が人を大事だって思う気持ちにつけ込んで、下司なことをするんじゃねえよ」と啖呵を切る麻之助にスカッとしますが、自分で試しちゃダメでしょ

・たからづくし
町名主としての職と立場と責任のすべてを放り出し、突然姿を消した清十郎を捜す麻之助と吉五郎だが、吉五郎は盗賊の追跡でも忙しく、清十郎を探すことに専念できない。加えて両国の貞から、仲間の男たちを袖にする謎の武家娘の事情を探ってほしいと頼まれた麻之助は、清十郎が遺した書き損じから、あることをひらめく。

吉五郎の追う事件と清十郎の失踪には繋がりがありました
いつも女の方から惚れられるばかりの清十郎が珍しく自分から惚れてしまった女性は、美しい武家の娘でした。町名主の妻としては美しさは逆に騒動の元となり、まして身分高い旗本に嫁ぐことになる娘とは縁が結ばれることもないとわかっていても・・辛いよねぇ清十郎。

・きんこんかん
両国の貞が三人の手下を連れて相談ごとにやってきた。両国橋詰めの盛り場で最近小さな店をそれぞれ開いた三人の娘(おきん・お紺・お寛=きんこんかん)が、ただ一人の同心だけに秋波を送っているその相手が吉五郎だという。しかし吉五郎にはまったく身に覚えがなくて・・・。

突然三人の娘から好意を寄せられて困惑する堅物の吉五郎ですが、娘たちは店を持たせてもらうために吉五郎の歓心(といっても恋じゃなくて誰のお菓子が美味しいかの判定)を買おうとしていたのでした。勝手に吉五郎を使って商売しようと企み、あわよくば娘たちの誰かを妾にしようとした島松屋を懲らしめようと、友思いの麻之助が一計を案じます島松屋以外が得をしたこの顛末は愉快
吉五郎のお舅さんになる相馬様って一筋縄でいかないキャラですねぇ

・すこたん
菓子を食べるとき大切なのは、皿か、それとも茶か? 瀬戸物問屋と茶問屋の跡取り息子同士の、なんとも下らない裁定をすることになった麻之助。調べると背後にはある茶屋娘を巡る恋の争いがあった。二人によくよく因果を含め、争いを終わらせた麻之助だが、しばらくすると二人の間にはまた争いごとが起きてしまった。今度の諍いにはいわくつきの娘「緒すな」との縁談と高額の持参金をめぐる複雑な事情が絡んでいた。今度の裁定は前回のように簡単にはいかず、さらに「緒すな」本人が麻之助の屋敷に直接やって来て――争いの結末はいかに?

仲が良かった二つのお店が、同じ町内になった途端に関係が悪化。近所になったことで自分の方が色んな意味で上だと思いたい主人どうしの鍔迫り合いが始まった。息子どうしが始めた恋の争いは麻之助の裁定で収まったものの、今度は大店の我儘娘の嫁入り話と化けてしまってさぁ大変。あまりの我儘ぶりに戦々恐々となる両家の息子たちは互いに譲り合う始末ですが、そんな中であっさり娘のハートを射止めたのは、普段何の役にも立たない別の傾きかけた商家の跡取り息子だったというな~~んも考えずにありのままを見る方が幸せを掴むのかもね

・ともすぎ
悪名高い高利貸し・丸三が高橋家にやって来た。聞けば最近の吉五郎の様子がどうもおかしいという。調べると吉五郎は舟に乗り、足繁く市谷御門へ通っているらしい。麻之助と清十郎、丸三も市谷御門へ赴くが、そこは武家屋敷の塀が延々と並ぶばかりの武家地。途方に暮れる三人を吉五郎に引き合わせたのは村井新左衛門という武家だった。吉五郎がここに通う理由を新左衛門から聞かされた三人は、考え違いに恐縮する。その後丸三は吉五郎のためにある賄賂事件を調べ始めるが、そのさなかに行方知れずになってしまう。丸三はどこに消えた?

高利貸しと恐れられ、これまで友の一人もいなかった丸三にとって、麻之助たちは初めてできた大事な大事なお友達。「たからづくし」では清十郎のことを親身になって世話したけれど、今回は吉五郎のために奔走します。ところが自分の身内に賄賂事件に関わる者がいて、命の危険に曝されてしまうの。彼を救ったのも麻之助たち。友情に年は関係ないね

・ときぐすり
高い木から降りられなくなった高橋家の飼い猫・ふに。それを助けたのは北国から江戸にやって来たばかりの十四歳の滝助だった。滝助はこれからどうやって暮らせばいいか麻之助に訊くが、これまで盗賊の手下だったという滝助が簡単に仕事につけるはずがない。そして本当に滝助は盗賊と切れているのか? とりあえず麻之助は滝助を糊売りの老婆・むめに預け、袋物師の数吉親方の世話をさせることに。ときが過ぎる中、いつしか支えあうようになるむめ婆・滝助・数吉親方。しかしある夜、盗賊の若頭が滝助のもとにやって来て――どうする滝助!

時薬(じやく)とはお坊さんが午前中に食べて良いものの意だそうですが、滝助は時が薬になるという意味に解釈し、間違いだと分かった後もその考えが気に入っていたと話します。その言葉に連れ合いや息子を亡くしたむめや数吉、最愛のお寿々を亡くした麻之助の心に浸みていくのです

滝助は盗賊たちの飯炊きに過ぎず、悪事は働いていなかったのですが、盗賊と関わりのあった者を世話するというのはなかなかに気を遣う厄介事の筈。でも麻之助にかかると、これが何だか妙に穏やかな結末に導かれるのがです。敢えて盗賊たちを長屋に呼び寄せたことで、長屋の住人たちにも滝助は使い走りで罪びとではないと周知させることになるあたりは細やかな気配りの賜物ですもの捕り物では吉五郎の颯爽とした姿が描かれていて、この三人、日頃は飲み食い喧嘩に明け暮れているようで、やるときはやる!!って感じね

麻之助のお寿々を亡くした心の痛みも、ようよう癒え始めたのかもしれませんね

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パシフィック・リム

2014年02月08日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年8月9日公開 アメリカ 131分

2013年8月11日、太平洋の深海の裂け目から超高層ビル並の巨体をもった怪物が突如出現し、サンフランシスコ湾を襲撃。「KAIJU」と名付けられたその怪物によって、わずか6日間で3つの都市が壊滅する。人類は存亡をかけて団結し、環太平洋沿岸(パシフィック・リム)諸国は英知を結集して人型巨大兵器「イェーガー」を開発。KAIJUとの戦いに乗り出す。それから10年が過ぎ、人類とKAIJUの戦いは続いていたが、かつてKAIJUに兄を殺され戦列から離れていたイェーガーのパイロット、ローリー(チャーリー・ハナム)は、環太平洋防衛軍 のスタッカー司令官(イドリス・エルバ)に乞われ再び立ち上がることを決意。日本人研究者の森マコ(菊地凛子)とコンビを組み、旧型イェーガーのジプシー・デンジャーに乗り組むが・・。


ギレルモ・デル・トロ監督による謎の巨大生命体と人類が開発した人型兵器との壮絶な戦いを描いたVFX作品です。日本の怪獣映画へのオマージュなのか、劇中の敵生命体の呼称が「カイジュウ」なんだよね

芦田愛菜ちゃん出演で話題でしたが、元々「怪獣映画」は好みじゃないので劇場鑑賞はパスしてDVD発売を待ってレンタルです戦闘シーンは実写版エヴァンゲリオンみたいな感覚で観ました。人型巨大兵器の中にシンクロするパイロットが乗りこむ様式はまさにエヴァンパイロットは二人だけどねとすると敵生命体は使徒かい?
パイロット二人の相性が合わなければならないので親子、兄弟の組み合わせが殆どですが、ローリーとマコの共通点は愛する家族を敵に殺されていること?必然性がイマイチ理解できなかったなぁ

泣く演技が絶賛されたという愛菜ちゃんの登場シーンは数分のみで、これじゃ上手いのか下手なのかもわかんないぞどうやら東京のどこかの街らしいのですが、車のナンバープレートはアメリカそのものだし、看板も日本語になってない。細かい設定もちゃんとしようよ~~監督
スタッカー司令官が初期のイェーガー搭乗で被爆し末期癌に侵されている設定は原発事故のあった日本からヒントを得たのかしら、などと勘ぐってしまいました

最新型のパイロットのチャック(ロバート・カジンスキー)がやたら生意気で挑戦的なので、これは後々彼がローリーたちに助けられて力を合わせるようになるんだろうと思ってたら・・・大筋では当たってた
ローリーが最後に捨て身で敵陣に飛びこむのも予想してたけど生還してハッピーエンドはさすがヒーローは不死身な7ハリウッド映画邦画なら主役といえど犠牲的精神で特攻・玉砕だったかもあ、その代わりがスタッカーとチャックということなのね

怪獣オタクの生物学者ニュート(チャーリー・デイ)と数理学者のハーマン(バーン・ゴーマン)は共にドイツ人ですが性格も正反対で気が合わず犬猿の仲という設定。怪獣の生態を探るため、自ら怪獣の脳にドリフトしたニュートは重大な真実を知ることになるのですが、同時に他の怪獣に自身の存在を嗅ぎつけられることにもなります。一方数理的見解から怪獣の出現頻度や間隔を割り出したハーマンは撃退策を提示しますが、ニュートが知った真実の検証と補足のため、彼と一緒に二度目のドリフトをするの。
イェーガーに乗り戦うパイロットたちが主軸ですが、科学的アプローチを試みる二人のサブストーリーも面白かったです。
ニュートが敵生命体の「脳」を手に入れようと接触するハンニバル・チャウ(ロン・パールマン)は闇商人のボスで光りもの大好きな強烈キャラ。怪獣に呑みこまれても腹を切り裂いて出てくるツワモノでした。


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マイティ・ソー ダーク・ワールド

2014年02月05日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2014年2月1日公開 アメリカ 112分

NYでの『アベンジャーズ』の戦いから1年。ロンドンで原因不明の重力異常が発生し、これを調査していたソー(クリス・ヘムズワース)の恋人で天文物理学者のジェーン(ナタリー・ポートマン)は、宇宙滅亡を導く鍵となる“ダーク・エルフの力”を自らの身体に宿してしまう。異変に気付いたソーは、ジェーンを救うべく、アスガルドへ彼女を連れて行くが、そこにダーク・エルフを率いるマレキス(クリストファー・エクルストン)が現れアスガルドが危機的状況に追い込まれる中で母フリッガ(レネ・ルッソ)を喪ってしまう。ソーは、最後の手段として、血のつながらない弟ロキ(トム・ヒドルストン)に協力を求め、ロキも自分を愛してくれた養母の復讐のため共闘を受け入れるが・・・。果たしてジェーンの身体から“力”を取り出し、ダーク・エルフによる地球の侵略を回避することはできるのか?そして、ロキの真の目的とは…?運命の戦いの舞台は、ロンドンへ──。


「マイティ・ソー」(2011)の続編で「アベンジャーズ」(2012)から1年後が舞台です。

重力異常の原因は、5000年に一度の惑星直列の影響ってことかしら?どこかで聞いたような?と思ったらアンジー主演の「」に似たような設定が出てきたっけ
マレキスは宇宙が誕生する以前の闇の時代の生き残りで、パワーが最大限になる惑星直列の時をソーの祖父ボーに邪魔されたことを恨んで復讐の時を窺っていました。たまたま重力異常を調べていたジェーンが異次元に迷い込みその力を体内に宿したことから、事態が動き出します。彼女に宿ったパワーを奪うため、マレキスはダーク・エルフの軍勢を率いてアスガルドを襲います。この時ジェーンを守ろうとした王妃フリッガはマレキスに殺されてしまうの。

「パワー」はジェーンの生命エネルギーを貪るのでこのままでは彼女も危ないし、壊滅的な被害を受けたアスガルドも二度の襲撃には持ちこたえられないってわけで、ソーは父の命令に背いてロキの力を借りてでもマルキスを倒そうと企てます。アスガルドや父王のためではなく、自分を愛してくれた母のためにロキは手を組むことを承諾します。
地下牢で幻影を見せるロキはラストへの前振りなんだよね~~
邪神と評されるくらいですからソーも仲間たちもハナから彼を信用してません。それではロキが可哀想なんて思ってしまうのですが、最後までみると甘かった自分に気付かされるという巧妙な演出でした。

ソーは相変わらずマッチョで誠実なイイオトコ。ジェーンとの超遠距離恋愛は王道ストーリーなんですが、どうも陰ある男性に惹かれてしまう私としては今回はロキ押しマザコンに始まる家族コンプレックスの塊で、知的だけど悪魔的策謀の持ち主の彼は良くも悪くも裏切ってくれるので最後の最後まで目が離せません

コミカルな要素も随所に盛り込まれ、ジェーンの助手ダーシー(カット・デニングス)と彼女の助手のイアン(ジョナサン・ハワード)のやりとりや、ジェーンの求婚者リチャード(クリス・オダウド)の役回り、ロキが変装したキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)とソーの会話がクスっと笑えます。ところでジェーンの師エリック・セルヴィグ博士(ステラン・スカルスガルド)の全裸(解放)趣味は前からでしたっけ?それから・・異次元からやってきた生物もちゃんと元の世界に戻していってくれ~~

今作ではオーディン(アンソニー・ホプキンス)の老いが目立ってきました。あのラストでは彼がどうなったのかわからずモヤモヤが残りました。次回に期待を持たせますね。

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危険なカンケイ

2014年02月02日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
BeeTV恋愛ドラマシリーズ

「神島商事」で働く地味で目立たないOLの楓(深田恭子)。そんな彼女の前に現れたのは、中途入社してきた謎多きエリート社員・修司(福士誠治)。多くの女子社員が羨望の眼差しを向ける中、楓は修司に違和感を感じる。そんな折、修司の上司であり、「あおば銀行」頭取の息子でもある松永(吉沢悠)と「神島商事」社長令嬢・有紗(香椎由宇)の婚約披露パーティーが盛大に開かれる。しかし、この婚約は政略結婚で、大企業同士のある思惑が隠されていた・・・。そんな中、そこにいるはずのないドレス姿の楓がパーティー会場に現れる。“地味で目立たないOL”は楓の仮の姿、正体はある秘密を探る女スパイ。そして、そんな楓を目で追う修司。彼もまた、正体を隠して「神島商事」に潜入していた--様々な感情や思惑が交差する中、二人の運命が静かに動き出す。


妄想女子向けのドラマとして設定は申し分ありません。
MI6と公安、組織に属するエリートがそんな簡単に恋に落ちていいんかい
大企業の社長が「危ないこと」の最前線で自ら武器を使用するなんてありえないっしょ
突っ込みどころは満載なんだけど、妄想だと思えば腹も立たないしむしろ思いっきりその中に浸って自分がフカキョンになったつもりでスパイごっこを楽しめばいいのです奇麗なドレスや宝石、華やかなパーティも目の保養

我儘お嬢様の有紗のセリフもイイネ。籠の鳥が自由を得ても飛び方すらわからないもんねぇツンとすましたタカビー令嬢役がけっこう似合う香椎さんでした

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