杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ペコロスの母に会いに行く

2017年04月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2013年11月16日公開 113分

長崎で生まれ育った団塊世代のサラリーマン、ゆういち(岩松了)は、「ペコロス」(小さな玉葱の意)のようなハゲ頭の持ち主。漫画を描いたり、音楽活動をしながら、父さとる(加瀬亮)の死を契機に認知症を発症した母みつえ(赤木春恵)の面倒を見ていました。迷子になったり、汚れた下着をタンスにしまったりするようになった母を、ゆういちは断腸の思いで介護施設に預けることにしますが・・・。

 

漫画家・岡野雄一が、自分が経験したことをヒントに描いたエッセイコミック「ペコロスの母に会いに行く」「ペコロスの玉手箱」が原作のヒューマンドラマです。親の認知症という重いテーマに向き合いながらも、全編ほのぼのした笑いに溢れていました。

ゆういちの息子のまさきも祖母を気にかけ、優しく面倒を見ていましたが、次第にみつえの症状は悪化していきます。

もう亡くなっている夫のためにお酒を買いに行こうとしたり、駐車場でずっとゆういちの帰りを待っていたり(近所で砂かけ婆と子泣き爺と噂されているのに爆笑)、果てはタンスの引き出しに汚れた下着を山のように詰め込んでいるのを発見して、ケアマネージャーに施設に入れることを勧められるの。施設=姥捨て山的な気持ちが捨てきれないゆういちですが、このままでは共倒れと悩んだあげくに決断します。

入所の日、不安げなみつえを振り切るように置いて車を出すゆういちとまさきの表情が何とも切ないです。

このグループホームの入所者の面々はなかなか明るく個性的です。女学生に戻ってしまったまつは息子の本田(竹中直人)のことを忘れてしまっています。洋二郎は若い職員の胸を隙あらばお触りそんな癖のある老人たちに常に明るく優しく接する職員たちには観ていて頭が下がります。こんなアットホームな施設なら入ってもいいかな~~なんて思ってしまう。

他人事と笑っていたゆういちですが、やがてみつえが彼のことを忘れる日がやってきたとき、彼は本田の気持ちを我が事として初めて理解し、本田に謝罪します。これをきっかけに二人の間に友情(連帯感?)が生まれます。同じような境遇の同志がいるってそれだけで心強いんじゃないかな

徐々に施設に慣れていくみつえの頭の中は、幼い頃の日々(体の弱かった妹のたかよや幼馴染のちえこ)や、夫との結婚生活の思い出に戻っていきます。昨日今日の出来事は忘れるけれど、昔の事は不思議と覚えているものなんだそうですね。(若き日のみつえは原田貴和子、その夫を加瀬亮が演じています。)原爆や幼馴染の不幸な境遇、夫の酒乱など決して穏やかとは言えない人生を歩んできた彼女の過去が映し出されます。苦しい事も沢山あったけれど、幸せだったあの遠い日の思い出は、みつえにとって大切な忘れられない記憶なのでしょう。

ある日、ゆういちの提案でランタンまつりを見に出かけた際、みつえが迷子になってしまいます。懸命に探すゆういちにまさきから眼鏡橋の上で見つけたと連絡が入ります。そこは幼なかったゆういちがかつて迷子になった場所でした。みつえの横には夫とちえこ、たかよが寄り添っています。(彼女の頭の中の情景)嬉しそうに微笑む母の姿を見て、ゆういちは「ぼけるのも悪いことばかりじゃない」と思うのですが、見ているこちらもうんうんと思わずうなずいてしまいました


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シン・ゴジラ

2017年04月26日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年7月29日公開 119分

ある時、東京湾アクアトンネルで崩落事故が発生。首相官邸で開かれた緊急会議では、地震や海底火山の噴火など事故原因をめぐって議論が紛糾する。そんな中、内閣官房副長官の矢口蘭堂は、海底に正体不明の巨大生物が生息し、それが事故の原因ではないかと推測するが……。

 

「ゴジラ FINAL WARS」(2004)以来12年ぶりの東宝オリジナル「ゴジラ」です。14年のハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」ゴジラを上回る、体長118.5メートルという史上最大のゴジラがフルCGでスクリーンの中を闊歩する姿は壮観です。(とはいえ、DVDなので部屋の19インチ画面ではあるけれど)公開時、けっこう話題となっていたけれど、天邪鬼な私は逆に足を運ばなかったのです。ゴジラ自体に興味はないけれど、ストーリー展開はなかなか面白くて、これならやはり劇場で観ておけば良かったかなとちょっと後悔しちゃいました。

登場人物たちの早口の長セリフや、次々と切り替わる場面のテンポの良さに既視感、どこかで見たような・・・エヴァ??と思ったらやっぱり・・総監督・脚本が庵野秀明氏でした

ちなみに登場人物は矢口(長谷川博己)、内閣総理大臣補佐官・赤坂(竹野内豊)、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)らメインキャストの他、総勢328人。野村萬斎がゴジラのモーションキャプチャーアクターをしています。

ゴジラの描写が、最初は「芋虫?ツチノコ?」ってな印象だったのですが、「ドラゴンボール」じゃないけれど、どんどん進化して行って、最後はお馴染みのあの姿になるのが面白かったですしかも体内核分裂なんてとんでもない進化形になってるし

自衛隊の武器じゃ歯が立たなくて、アメリカさんが出張ってくるのもある意味リアルしかも最後は他国が勝手に対策決めちゃって日本に核爆弾って・・・ありえね~~・・があり得るかもと思ってしまう今日この頃

政府の偉い人たちがちゃんと議論して、対策考えて、行動して・・・というのは、フィクションだけれど、実際もあのくらいテキパキと事を運んで欲しいと切に希望します。不眠不休で日本のために頑張る登場人物たちは立派ですが、ほんと、頼みますよ~現実の関係諸氏。

とはいえ、あんな事態になったら庶民はその他大勢の烏合の衆と化し、ただただ逃げ惑うしかないんだろうな

この手の怪獣映画やマーベルコミックの作品でも、ヒーローたちの活躍とは逆に、倒壊するビルや走る閃光の下、あっけなく死んじゃうその他大勢がいることもまた事実。劇場ではヒーロー側の視点で楽しみますが、現実は…と思うとなんだかな~。


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Mr.ホームズ 名探偵最後の事件

2017年04月25日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年3月18日公開 イギリス=アメリカ 104分

豊かな緑に囲まれた海辺の家でミツバチの世話をしながら、穏やかな晩年を送っているシャーロック・ホームズ(イアン・マッケラン)。だがホームズには、死ぬ前にどうしても解かなければならない謎があった。30年前、優秀な助手にして記録係のワトスンが結婚してホームズのもとを去った日、ケルモットという男(パトリック・ケネディ)から奇妙な調査依頼が舞い込んだ。彼の妻アン(ハティ・モラハン)が音楽教師の開く怪しげなレッスンで、亡くなった子供たちと“会話”しているというのだ。ホームズが尾行を始めると、彼女は夫の筆跡を偽造した小切手で預金をおろし、薬局で毒性の強い薬を購入する。夫の殺害計画かに見えた事態はしかし思わぬ方へ転がり、ホームズは人生最大の失敗を犯して引退に追い込まれ、事件は未解決となってしまった。推理のカギを握る日本への旅から帰国したホームズは、家政婦のマンロー夫人(ローラ・リニー)の息子で10歳のロジャー(マイロ・パーカー)に探偵の資質があることを見抜き、彼を助手にいよいよ捜査を再開するのだが──。(公式hpより)

 


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ホットロード

2017年04月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2014年8月16日公開 119分

7月15日放送 金曜ロードSHOW!

望まれて生まれてきたわけではないと知り、心を痛める14歳の和希(能年玲奈)は、学校でも周囲と打ち解けられず孤独を抱えていた。そんなある日、転校生のえり(竹富聖花)に誘われて行った夜の湘南で暴走族「Nights(ナイツ)」の春山(登坂広臣)に出会い、不良の世界に居場所を求めるようになる。次第に春山への思いを募らせていく和希だったが、Nightsのリーダーとなった春山は敵対するチームとの抗争に巻き込まれていく。

 

「別マ」で1986~87年に連載された、紡木たくのコミックの実写映画化。主題歌は「OH MY LITTLE GIRL」(尾崎豊)

「あまちゃん」でブレイク直後の出演だった能年玲奈(現:のん)と映画初出演だった登坂広臣の初々しいコンビの青春物語ですが、連載から四半世紀が過ぎての映画化だそうですが、どうりで時代が・・・な印象を受けたわけだ

そういえば、織田裕二ファンだった頃に「湘南爆走族」も観たっけな(江口洋介も出てたっけ)確か同じ時代の物語ですよね。あの頃はそれなりにわくわくして観たものですが、和希のママ(木村佳乃)と鈴木(小澤征悦)の関係に理解持っちゃうほどすっかり大人になった身には青臭さがどうにも・・・

春山が和希ママに「おばさんこいつのこと嫌いなの?もしそうなら俺がもらってっちゃうよ」と言うと、「あげないわよ、誰にも!親が自分の子嫌いなわけないじゃないの!」とママが答えるシーンが良かったなこの時初めて和希は母親の自分への愛情を感じたんですものね。


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ヒロイン失格

2017年04月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2015年9月15日公開 112分

9月30日放送 金曜ロードSHOW!

幼なじみの同級生・寺坂利太(山崎賢人)に思いを寄せる女子高生の松崎はとり(桐谷美鈴)は、利太のヒロインは自分だとずっと思い続けてきた。ところがある日、利太が同じクラスの地味な女子・安達未帆(吾妻三輪子)に告白されて付きあうことに。意外な展開にはとりが焦りを感じる中、学校イチのモテ男・弘光廣祐(坂口健太郎)がはとりに興味を抱きはじめる。

 

「別マ」連載された幸田もも子の同名コミックの実写映画化ということで、思いっきり少女漫画の世界です。

山崎賢人、坂口健太郎という若手人気俳優が演じているのもファンには嬉しいでしょうね。

「私が好きな人」と「私を好きな人」の間で揺れる乙女心が、時に不細工に、時にチャーミングに描かれていて、恋に一生懸命なヒロインの若さが眩しい作品でした。

感想それだけ?って感じですが・・・

利太の心の動きがイマイチよくわからんかったな~~


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奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ

2017年04月22日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年8月6日公開 フランス 105分

貧困層が暮らすパリ郊外のレオン・ブルム高校の新学期。様々な人種の生徒たちが集められた落ちこぼれクラスに、厳格な歴史教師アンヌ・ゲゲン(アリアンヌ・アスカリッド)が赴任してくる。
「教員歴20年。教えることが大好きで退屈な授業はしないつもり」と言う情熱的な彼女は、歴史の裏に隠された真実、立場による物事の見え方の違い、学ぶことの楽しさについて教えようとする。だが生徒達は相変わらず問題ばかり起こしていた。ある日、アンヌ先生は、生徒たちを全国歴史コンクールに参加するように促すが、「アウシュヴィッツ」という難しいテーマに彼らは反発する。ある日、アンヌ先生は、強制収容所の生存者レオン・ズィゲルという人物を授業に招待する。大量虐殺が行われた強制収容所から逃げ出すことができた数少ない生き証人の悲惨な状況を知った生徒たちは、この日を境に変わっていく―。 (公式HPより)

 

中心となる生徒の一人マリック役のアハメッド・ドゥラメ自身の体験をもとに、学校から見放された問題児たちの集まるクラスが、ベテラン教師の情熱によって次第に変化していく様を描いた作品です。

フランスは多種の移民が暮らしているという社会背景があります。落ちこぼれクラスが舞台なので、劣等生たちの学校や社会に対するやり場のない怒りの他に、生徒同士の民族・宗教的対立も描かれます。そんなまとまりのないクラスをアンヌ先生は全国歴史コンクールの入賞という目的に向かって結束させていくのです。

最初は課題の「アウシュヴィッツ」というテーマ(ナチス政権下のユダヤ人やロマ族の弾圧)は難しすぎると生徒から不満が噴出します。けれどネットや本、強制収容所の記録が保存してあるミュージアムの見学を通して、茶化した言動も影を潜め、彼らの中でどんどん学習意欲が高まっていきます。その最大のきっかけは強制収容所の生き残りのレオン・ズィゲルの証言です。彼の話す恐怖と希望の体験、ホロコーストの記憶は生徒たちの人生をひっくり返すインパクトがありました。バラバラだった彼らが、自主的に情報を集めてまとめあげるためのグループ分けをしたり、コンクールが終わったら犠牲者への追悼の白い風船を飛ばそうと発案するあたりはかなり感動的です。

歴史を学ぶということは真実を知るということであり、自らの意思で考えることの大切さを教えることこそが教育なのだとこの映画は突きつけてきます。自国の歴史に蓋をして無かったことにするのではなく、その汚点をしっかり見つめて未来に過ちを繰り返さないという強い意志を持つことこそが平和への道だと思うのだけど・・・翻って私たちは彼らに胸を張れる教育を受けてきたかしら?


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グランドフィナーレ

2017年04月22日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年4月16日公開 イタリア・フランス・スイス・イギリス合作 124分

世界的にその名を知られる、英国人音楽家フレッド(マイケル・ケイン)。今では作曲も指揮も引退し、ハリウッドスターやセレブが宿泊するアルプスの高級ホテルで優雅なバカンスを送っている。長年の親友で映画監督のミック(ハーヴェイ・カイテル)も一緒だが、現役にこだわり続ける彼は、若いスタッフたちと新作の構想に没頭中だ。そんな中、英国女王から出演依頼が舞い込むが、なぜか頑なに断るフレッド。その理由は、娘のレナ(レイチェル・ワイズ)にも隠している、妻とのある秘密にあった──。

 

アルプスの高級ホテルを舞台に、老境のイギリス人作曲家の再生を描いたドラマですが・・・この手の作品は好き嫌いが分かれるところかな。私は×でした。 そもそも音楽に造詣の浅い身に、その世界観は遠すぎた~~

ただ、映像は美しかったです。撮影の場はスイス、ヴェネチア、ロンドン、ローマで、そのうち大部分がアルプス山脈のふもとのサナトリウムを改築した古いホテルが舞台となっています。優雅でゆったりした時間の流れが感じられ、人生の終末にこんな場所でのんびり過ごせるのは至福だろうな

タイトルの「フィナーレ」は人生最後という意味ではなく、歳を重ねてもなお先に進むことが出来るという人生賛歌なのです。

女王の依頼を頑なに拒むフレッドですが、ホテルに滞在するジミー(ポール・ダノ)や少年など様々な人との出会いを通して自らの過去を振り返り、現実を悩み、明日への希望を見出していくのね。

女優役でジェーン・フォンダも出演しているのが感慨深いです


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美女と野獣

2017年04月21日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2017年4月21日公開 アメリカ 130分

魔女に呪いをかけられ、醜い野獣の姿に変えられてしまったひとりの王子(ダン・スティーブンス)。魔女が残した一輪のバラの花びらがすべて散る前に誰かを心から愛し、愛されることができなければ、永遠に人間には戻れない。呪われた城の中で希望をなくし失意の日々を送っていた野獣と城の住人たちの前に、美しい村娘ベル(えま・ワトソン)が現れる。聡明で進歩的な考えを持つ彼女は、閉鎖的な村人たちに馴染めず、傷つくこともあったが、自分の価値観を信じ自分らしくまっすぐに生きていた。初めは粗野で乱暴だと思っていた野獣の実は優しく繊細な心に気づいていくベルだったが・・・・。

 

ディズニーアニメ「美女と野獣」の実写映画化です。実はアニメはちゃんと観たことがないので比較はできないのですが、おそらくは内容も変わっていないのだろうなと勝手に想像しながら観ました。正直、2014年の仏版(ベル は レア・セドゥ、野獣 / 王子 は ヴァンサン・カッセルが演じました)の方が好みです。今回、ベルは一人っ子の設定なのも違和感あります。でもディズニーアニメに親しんでいる人ならきっと満足できるんじゃないかな? ちなみに初日初回(字幕版)とはいえ、平日なのに8割の観客数はヒット作と言えるのでは

ベルに言い寄るガストン(ルーク・エバンス)は村一番のハンサムだけど、知力より腕力自慢の自惚れ屋。妻は夫に従って子育てと家事だけしてればいいというような典型的な昔風の価値観の持ち主です。ベルが絶対に好きにならないタイプの男性よね彼女に拒絶されてもしつこく付きまとい、恋敵となる野獣を殺そうとする悪役です。 ル・フウ(ジョシュ・ギャッド)はガストンの友人で、彼の忠実な子分でもありますが、本来は善人。ガストンの行き過ぎた振る舞いを宥める役回りですが、城の襲撃の際、彼に見捨てられたことで逆に見限るのね

さて、外見の美しさに囚われ、本質を見ようとしなかった傲慢な王子が魔女に呪いをかけられ醜い野獣に姿を変えられたのは自業自得ですが、城の使用人たちが家具や食器に変えられたのは・・・王子の振る舞いを見ているだけだった(正さなかった)罰という意味合いなのかな。それでも彼らが王子を好きなのは、本来が優しい気質であることを知っているからなんですね

生真面目な執事のコグスワース(イアン・マッケラン)は置時計、お喋りな給仕頭のルミエール(ユアン・マクレガー)は燭台、メイドでルミエールの恋人のプリュメット(ググ・バサ=ロー)は羽箒、料理番のポット夫人(エマ・トンプソン)と息子のチップ(ネイサン・マック)はティーポットとティーカップ、オペラ歌手のマダム・ド・ガルドローブ(オードラ・マクドナルド)は衣裳箪笥、マダムの恋人のマエストロ(スタンリー・トゥッチ)はピアノに変えられていますがそれぞれが非常に個性的ですこの辺はアニメと一緒かな

父・モーリス(ケビン・クライン)の身代わりに城に残ったベルですが、徐々に野獣の優しさに気付いて行きます。野獣の方も外見の美しさだけではないベルの聡明さを好ましく思い始め、召使たちの後押しもあって二人の仲は近づいていくのです。予告にも登場するダンスシーンはドレスの美しさも効果的でとても素敵です

ガストンに撃たれ瀕死の野獣に駆け寄りキスすると・・・その前に・・魔女は意外な姿で登場しているのねそもそもモーリスが城に行くよう仕向けたのも彼女だろうし、彼を助けた時点で何となくその素性が想像できちゃいましたなんだ~けっこう良い魔女じゃん

魔法が解けたあと、コグスワースの「時計のままでいたかった」という嘆きは笑えるツボなのですが、村人たちと再会した召使たちが旧知の仲だったということは・・・あれ?長い時が流れていたんじゃないの?

映画のもう一つの楽しみ、アラン・メンケンの名曲の数々は音楽に疎い私でも聞いた事のある曲ばかり。映画を観終わっても頭の中で「美女と野獣」のフレーズが延々繰り返されていました


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グレートウォール

2017年04月17日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2017年4月14日公開 中国=アメリカ 103分

金と名声のため、強力な武器を求めて世界中を旅して万里の長城へ辿り着いた、傭兵ウィリアム(マット・デイモン)は、そこで巨大な地響きとともに圧倒的な数で迫りくる謎の生物に遭遇する。それは、饕餮と呼ばれる、人間の欲深さを罰するため60年に一度現れる伝説の怪物で、万里の長城が築かれた最大の要因だった。饕餮が長城を超えて都に迫れば、国の滅亡はおろか、人類すべてが食いつくされてしまう。それを阻止すべく中国の戦士たちが長城に集結していた。ウィリアムは彼らの戦いを目の当たりにし、その気高い自己犠牲の精神に心動かされ、自分の目的のためでなく世界を守るために戦うことを決意するが・・・。

 

チャン・イーモウ監督のアクション大作です。

舞台は長城。60年に一度現れ、幾度となく中国を襲ってきた伝説の怪物・饕餮(とうてつ)の大襲来を食い止めるべく築かれたという設定です。中国軍は、強さと工学知識を兼ね備えた猛虎軍団“虎軍”、鷲のごとく鋭い矢を放つ射手隊 “鷲軍”、歩兵と騎兵の混合部隊で機動力自慢の“鹿軍”、接近戦を得意とする“熊軍”、鶴のように舞い華麗に敵を駆逐する“鶴軍”からなる五軍で構成され、鮮やかな色分けがされていて、オリンピックの開会式の華やかさを彷彿とさせます 完璧に統率された戦闘スタイルは芸術的です。特に鶴軍の華麗な舞は圧巻でした

馬賊に追われ逃げ込んだ長城でウィリアムと相棒のトバール(ペドロ・パスカル)はバラード(ウィレム・デフォー)という男と出会い、火薬(武器)を手に入れて一緒に逃げようと誘われます。

初めは賛成したウィリアムですが、シャオ将軍(チャン・ハンユー)やリン司令官(ジン・ティエン)ら兵士たちが、揺るぎない信頼関係で結ばれ、命がけで国を守り戦おうとする姿に接し、自らの戦う意義を見出していきます。

相棒のトバールは他所の国のことより、自分たちの成功を優先させようと考え、一度はウィリアムと袂を分かつのですが、結局友情が勝って共に戦うことになるのもでした。逆にあくまで自分の利益に拘ったバラードは自業自得な最期でした

ウィリアムとリンはより戦士としての友情で結ばれているのでラブの入る要素は少なかったかな

敵役となる饕餮はグロテスクではあるけれど、どこか愛嬌のある姿をしていますとはいえ、人間を蹴散らし食らう姿はやっぱりグロかった(しかし、普段はどこに潜んでいるんだろ?地下?)彼らの弱点は磁石で、近づけると動きが止まるってのが?だけど、ま、い~んじゃない女王を頂点とした生態は蜂を連想させますね。

多大な犠牲を出して捕まえた饕餮を都に運ぶ帝の特使の奢りや、平和ボケした宮廷の高官たちの様は、人間の普遍的な弱さの投影に見えました。


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ラスト・ウィッチ・ハンター

2017年04月15日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年9月30日公開 アメリカ 106分

倒した魔女の呪いで不死になったコールダー(ヴィン・ディーゼル)は、中世の時代から800年、ある組織のために魔女ハンターとして戦い続けていた。そんなコールダーを、“ドーラン”と呼ばれる神父が見守り続けていたが、36代目ドーラン(マイケル・ケイン)が何者かに殺害される。37代目を継いだ新ドーラン(イライジャ・ウッド)とともに犯人を探すコールダーは、先代ドーランの死が800年前に殺したはずの魔女の女王(ジュリー・エンゲルブレヒト)によるものと知り、復讐を誓うが……。

 

お気に入りのヴィンちゃんだし、魔女退治だしと選んだ作品ですが、やっぱりB級感は否めません

女王の復活は人類滅亡を意味するというわけで、何としても阻止したいコールダーは、現代の魔女クロエ(ローズ・レスリー)と共に戦いに挑むわけです。ちなみにクロエはドリームウォーカー(他人の夢に出入りできる)です。あれ?その能力がどう絡んでくるんだったっけ?

ダークファンタジーではありますが、それほど激しいアクションがあるわけじゃなく、身近な裏切りに遭うという意外性はありましたが(イライジャ君ってば、そっち側かい)わくわくするほどの面白さはなかったかな

せっかく良い俳優さん揃えてるのにちょっと残念。

女王は全身泥か何かで覆われてきちゃない雰囲気。演じている女優さんが可哀相に思えたわ


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ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出

2017年04月14日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年6月4日公開 イギリス 97分

1945年5月、6年間続いた戦争が終わるヨーロッパ戦勝記念日。国を挙げてのお祝いの夜に、お忍びでバッキンガム宮殿をあとにするエリザベス王女(サラ・ガドン)と妹のマーガレット(ベル・パウリー)。付き添いが目を離したすきに、マーガレットはバスに飛び乗り、エリザベスも妹を追って街に飛び出していくが……。

 

エリザベス女王が19歳の王女時代に、非公式に一夜の外出を許された実話を基に、次期女王としての自覚と覚悟の芽生えを描いた作品です。国王をルパート・エベレットが、王妃をエミリー・ワトソンが演じています。

1945年5月8日は第二次世界大戦で連合国軍がドイツに降伏文書調印をさせた日。この日の夜ふたりの王女は非公式の外出をジョージ6世に許されたのです。戦勝記念日の祝祭で目にしたものや感じたことの余韻が、若いエリザベスに大きな影響を与えたことに着目した監督は、王女が宮殿を抜け出て民衆の世界へ入り込んだ逆さまのお伽話を作り上げたのね。

まず王女たちが出かけたのは、ホテルリッツです。王妃は娘たちの安全を考慮し、ここで貴族たちとのパーティーでお茶を濁そうとするのですが、当然若い娘にとって魅力的な会ではありませんので、妹のマーガレットが抜け出してしまいます。エリザベスは妹を連れ戻そうと追いかける途中でジャック(ジャック・レイナ―)と知り合い、彼に協力を請います。

トラファルガー広場、バッキンガム宮殿前、カーゾン・クラブ、ソーホー、テムズ川べり・・・夜の街は祝勝ムードに包まれ華やかで陽気なお祭り騒ぎ。国王のスピーチに感銘する周囲の民衆をよそに批判的なジャックに苛立つエリザベスですが、誰もが戦争で大切な人やものを亡くしていることや戦後の生活の保障もないことに気付いて行きます。空軍兵のジャックは戦う意義を見出せず脱走を決意していました。エリザベスは兵士や労働者たちの暮らしに思いを馳せます。

王女たちの護衛に失敗した将校たちの行動がコミカル。そもそも護衛の任務中に娼婦としけこむなんて、いかに戦勝ムードに酔っていたからといってもありえないでしょ 妹王女の振る舞いも奔放過ぎですが、酔っていたからという言い訳と無邪気と言える天然さでコメディエンヌ的役回りを果たしていました もちろん事実を大胆に脚色して面白くしているのでしょうけど

憲兵にジャックが捕まった時、彼女は自らの身分を明かします。嘘をつかれたことに腹を立てるジャックに「自分も普通の人になってみたかった」と詫びるエリザベス。ジャックは彼女を自分の家に案内します。そこには彼の老いた母が国王への敬意とともに、つましく暮らしていました。その後、ジャックは宮殿で国王一家と朝食を共にします。エリザベスは父王に彼は戦線で活躍した英雄と紹介し、空軍基地まで彼を送り、無許可外出を「特別任務」だったとして不問にさせるのそれは彼女なりのお礼だったのかな。ジャックにとってもこの一夜は人生を変えるものになったのでしょうね。


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LION ライオン 25年目のただいま

2017年04月10日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2017年4月7日公開 オーストラリア 119分

1986年、インドのスラム街で暮らす5歳の少年サルーは、兄と仕事を探しにでかけた先で停車中の電車で眠り込んでしまい、家から遠く離れた大都市カルカッタ(コルカタ)まで来てしまう。そのまま迷子になったサルーは、やがて養子に出されオーストラリアで成長。25年後、友人のひとりから、Google Earthなら地球上のどこへでも行くことができると教えられたサルーは、おぼろげな記憶とGoogle Earthを頼りに、本当の母や兄が暮らす故郷を探しはじめる。

 

インドで迷子になった5歳の少年が、25年後にGoogle Earthで故郷を探し出したという実話の映画化です。

とにかく5歳のサル―の可愛いことったら

兄ちゃんの手伝いをして貨車に積まれた石炭を盗んで売ったお金で牛乳を買うような貧しい生活ながら、大好きな母ちゃんの愛に包まれて幸せに暮らしていたサル―ですが、 ある時、兄ちゃんの仕事探し(電車の車両の椅子の下に落ちている小銭を拾う?)に無理やりくっついていきます。それは彼なりにお手伝いをしたかったから。でも幼いサル―は眠くなってしまい、困った兄ちゃんは駅のベンチで待っているように言います。夜更けても戻ってこない兄ちゃんを待って停車中の車両で眠り込んでしまったサル―は遠く離れたカルカッタまで運ばれてしまうの。

幼いサル―は家族の名前も生まれた街の名も言えず、言葉も通じません。(最後に明かされますが、彼は自分の名前さえ間違って覚えていました。)浮浪児狩りや、親切にしてくれた女性に売られそうになるなどの危機をくぐり抜けた彼はやがて施設に収容され、そこからオーストリア人夫婦の元に養子に出されます。インドで親の無い子供は多く存在し、悲惨な人生を歩む者も多い中、彼はとても恵まれていたと言えます。

養母のスー(ニコール・キッドマン)と養父のジョン(デビッド・ウェンハム)はとても良い人たちで、申し分のない両親となり、愛情いっぱいにサル―を育ててくれました。後に迎えた弟(もう一人の養子)も同じ茶色の肌のインドの子でしたが、精神状態が不安定で自傷行為を繰り返し養母を困らせます。

やがて成長し、大学に進み恋人ルーシー(ルーニー・マーラ)を得て幸せな生活を送るサル―(デヴ・パテル)でしたが、ある時友人からGoogle Earthを使って故郷を探せることを教えられ、インドの家族への想いに駆られます。

仕事も投げ出し、記憶に残る駅の給水塔を頼りにPCに没頭するサル―。自分が幸せな生活を送るほどに募るインドの家族への想いに押し潰されて行く姿が切ないけれど、彼にとって、人生を取り戻して未来への一歩を踏み出すためにどうしても必要なことなのですね。

遂に記憶に残るあの給水塔を見つけたサル―は養父母にも話して、ようやく25年ぶりに故郷に足を踏み入れます。懐かしい情景が目の前に現れますが、家は朽ち果て人の住んでいる気配はありません。失望する彼の前に一人の老人が現れ・・・

実は兄はあの夜別の列車に撥ねられて亡くなっていました。でも母は何年もサル―を探し続け希望を捨てていませんでした。あの日言えなかった「ただいま」をサル―はようやく告げることができたのですね。


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ふきげんな過去

2017年04月09日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年6月25日公開 120分

北品川の食堂で暮らす女子高生・果子(二階堂ふみ)の前に、18年前に死んだはずの伯母・未来子(小泉今日子)が突然やって来た。ある事件を起こし、前科持ちとなってしまった未来子の登場に、慌てふためく家族。そして、果子は自分の部屋に図々しく居候する未来子にいら立ちを隠せなかった。退屈に思われた果子の夏が、自分が本当の母親だという未来子の出現によって、特別な夏へと変わっていく。

 

劇作家・前田司郎のオリジナル脚本による監督作品ということで・・・まぁたしかに劇場タイプの話だな正直、ストーリーに意味なんてあるの?という感じでつまらなかったです。こういうの好き嫌いが分かれるね。

タイトルの「ふきげんな過去」は常に苛立ち仏頂面している「不機嫌な果子」でもあり、置き去りにした過去(果子)と未来(未来子)の対決という図式でしたが、それ自体が何かあざとい気がして好きになれなかったな。

毎日が死ぬほど退屈だけど、どこか逃げ出して他に行くということもできないジレンマ。これって高校生くらいの時に誰しも少なからず経験する感情だとは思います。 商店街の喫茶店に来る謎の青年・康則(高良健吾)に惹かれたのは、彼がどこか他の人と違っていたからで、もしかしたら自分を知らない世界に連れて行ってくれそうな気がしたからかな。

祖母(梅沢昌代)が営む食堂はエジプト風料理屋という設定なので、開店前は母サトエ(兵頭公美)やいとこのカナ(山田望叶)とテーブルに置かれた大量の豆を剥きながらの会話が頻繁に登場しますが、父タイチ(板尾創路)は常に蚊帳の外。存在感は限りなく薄いの

未来子は実は果子の実の母親です。爆弾事件を起こして前科者となり行方をくらましていた彼女の突然の帰宅に慌てふためく大人たちを冷ややかに見つめる果子。本当の母親だと告げられても「わかってた」と素っ気ない態度を取ります。そんな果子に爆弾作りを教える未来子。(おぃおぃ)実験してカナが怪我してもさほど動じない、というかカナ自身が動じてないなんなんだよ~この家族

「なんで死んだの」と問う果子に「あんたと同じでつまらなかったの」と答える未来子。

でも本当は「なんで自分を捨てたの?」と問いかけたかったんだよね。

未来子と康則の関係は爆弾作りで繋がっているようだけれど、これもよくわからん

未来子と康則が一緒にいるのを見て感情が激した果子が傘で未来子を刺してしまったあとに「ガムテープ」はないでしょさらに「犬の糞」ときては・・これってコメディなの?

ワニの話も、ラストで現実になるあたりがまさに不条理感ありありで、こういう投影の仕方ってやっぱり理解不能な私でした。 


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ウォークラフト

2017年04月08日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年7月1日公開 アメリカ 123分

滅びゆく故郷を捨てて安住の地を求めるオークの戦士たちが、平和な王国アゼロスに侵攻を開始した。人間たちは自分たちの国を守るため、オークとの全面戦争を決意。一方、人間との戦いに疑問を抱く1人のオークが、戦争を阻止するためある決断を下す。

PCゲーム「ウォークラフト」シリーズの実写映画で監督はダンカン・ジョーンズです。この手の剣や魔法のファンタジー作品ではついつい「ロード・オブ・ザ・リング」と比べてしまうのですが、元がゲームということを知らずに観てもなかなか楽しめる作品でした。映像的にも超大作と遜色なかったです。

舞台はレイン王(ドミニク・クーパー)が治めるアゼロス王国。王妃の兄であるローサー(トラビス・フィメル)は王の側近で軍司令官です。

オークたちは荒廃した故郷を捨て新たな土地を求めていました。彼らを率いるグルタン(ダニエル・ウー)はフェルと呼ばれる邪悪な魔法の力で人間界へのゲートを開き侵攻を始めます。族長のデュロタン(トビー・ケベル)は身重の妻と共にその先兵となって人間界へやってきます。(フェルに操られているオークは緑色をしていて、その魔力に侵されていないオークは泥色をしています。)

彼らの侵略にいち早く気付いたのが見習い魔法使いのカドガー(ベン・シュネッツァー)。ローサ―と共に守護者メディヴ(ベン・フォスター)の元を訪れ異変を知らせるの。この時カドガ-は謎の存在に導かれてある本を手にします。王の命で森を探索した彼らはそこでフェルの痕跡を見つけますが、潜んでいたオークの襲撃を受けます。メディヴの魔法で危機を逃れた彼らはこのときガローナ(ポーラ・パットン)というオークを捕えますが彼女は肌の色と牙を除けば人間と同じ容姿をしていました。(オークと人間のハーフなんですね)

オークたちは人間の村を次々と襲いゲートを開くための生贄として彼らを生け捕りにします。グルタンのやり方に疑問を持つデュロタンは、氏族を守るために人間と手を組もうとしますが、仲間の裏切りに遭い計画は失敗してしまうの。グルタンに決闘を申し込んだデュロタンは卑怯な手を使われて殺されてしまうのです。オークの決闘は神聖なものとして位置づけられていますが、フェルに歪められているグルタンはそれを穢してしまうのです。

実はグルタンを操っていたのはフェルの力に取り込まれたメディヴだったのです。彼は国を守ろうとして逆に邪悪な魔法に溺れてしまったのでした。それを知ったカドガーはローサ―と共にメディヴを倒します。最後に正気に戻ったメディヴは力を振り絞って人間のためにゲートを開けます。

しかしメディヴの死でゲートが閉ざされてしまい、戦いの場に留まっていた王は窮地に追い込まれ、ガローナに自分を殺して手柄を取りオークとして両種族の橋渡し役になるよう命じます。そのようなこととは知らず王の元へ向かったローサ―は王の亡骸に刺さった剣(王妃がガローナに与えた信頼の証)を見つけ彼女が裏切ったと思ってしまうの。息子を殺したオークに決闘を申し込まれたローサ―は彼を殺して王の亡骸と共にその場を後にするのでした。この時もグルタンはローサ―を殺そうとしますが、さすがに神聖な決闘をこれ以上穢すことはオークたちが許しませんでした。

敵役として描かれるオークですが、彼らの中にも勇者の心を持つものがいたり、人間やエルフ族やドワーフ族が必ずしも一枚岩ではなかったりするのが面白いところです。邪悪な魔力に取り込まれるメディヴはサルマンに重なって見えちゃいますが、カドガーが成長して守護者の役割を果たしていきそうなあたりはガンダルフとも言えそう

ローサ―とガローナの間に生まれた愛の行方や、デュロタンの息子の行く末も気になります。

ちゃんと続編が出来ますように!絶対観るから(たぶんDVDだけど)


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