杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

2013年01月30日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2013年1月25日公開 アメリカ 127分

インドのボンディシェリで動物園を経営していたパテル一家は、カナダ・モントリオールに移り住むことになる。16歳の少年パイ(スラージ・シャルマ)と両親、そして多くの動物たちは貨物船に乗り込むが、太平洋上を航行中、嵐に見舞われて船は沈没してしまう。ただ一人パイは救命ボートに逃れて一命を取り留めるものの、そのボートにはリチャード・パーカーと名付けられたベンガルトラが身を潜めていた。わずかな非常食で飢えをしのぎ、家族を亡くした悲しみと孤独にも耐えるパイ。そんなパイと一頭のトラとの227日間にも及ぶ太平洋上の漂流生活が始まった……。


ヤン・マーテルの小説『パイの物語』が原作。
映画に出てくるトラがほぼCGだなんて信じられないくらい
きらめく夜光虫の海から飛び上がるクジラのシーンを予告で観た時に「これはスクリーンで観ないと」と思ってしまったんだもんね 有名な俳優が出ているわけではないのと上映時間が合わなかったので字幕は諦めて吹替版にしましたが、その代わり2Dではなく3Dを奮発しましたが大正解。
神秘的な海とそこに生きるものたちの躍動感の息をのむ美しさに圧倒されます。夜の海に光るクラゲや空中を飛行するトビウオの群れ、ミーアキャットで埋め尽くされた島の描写は、過酷なサバイバルの現実をしばし忘れさせ、ファンタジーの世界へいざなってくれました。

でも・・・よ~く考えたらなんだかちょっと変。
船の難破時に船の底にいた動物たちがボートに乗り込むなんてそもそもありえないし、何カ月も漂流しているボートなのに奇麗過ぎるし、人食い島が出てくるに至っては・・・。
まぁ、ファンタジーなのだからと思って観ていたのですが、ラストで「あぁ、そういうことなのか」と納得。パイが経験した過酷な体験が、シマウマ・オランウータン・ハイエナ、そしてトラに置き換えられていたのですね
トラはもう一人のパイであり、孤独な漂流の日々にあって彼と敵対しまた支えでもあり・・う~~ん、深いなぁ


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セットアップ

2013年01月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年3月10日公開 アメリカ 85分

サニー(カーティス“50 Cent”ジャクソン)、ビンス(ライアン・フィリップ)、デイブ(ブレット・グランスタッフ)の3人は兄弟同然のワル仲間。そんな3人が、ダイヤモンドの配達人が乗った車を襲い、500万ドル分のダイヤモンドを強奪する。しかし、3人の友情もそこまでだった。ビンスはデイブとサニーを撃ち、ダイヤモンドを独り占めして逃走。デイブは死亡し、サニーは奇跡的に命拾いをした。なぜビンスは裏切ったのか?ビンスを捜し回るサニーに、ギャングのボス、ビグズ(ブルース・ウィリス)が目を留める。冷酷非情で知られるビグズだが、犬猿の仲のマフィア、ジョンRがビンスと手を組んでいることを知り、サニーを仲間に引き入れる。ビグズの手下ピーティ(ランディ・クートゥア)とサニーは200万ドルを奪う指示を受けるが、その帰りに立ち寄ったドラッグの売人の家で銃が暴発し、ピーティは死亡。ビグズがこの事故を信じないと考えたサニーは、死体を処分し、金を持って雲隠れする。さらに、ダイヤモンドの配達人が乗っていた車の女運転手ミア(ジェナ・ディーワン)がビンスの親戚だったことから、彼の居場所を突き止める。サニーが自分を捜していると知り、ジョンRに助けを求めるビンス。しかし、ジョンRはサニーと手を組んだビグズを恐れていた。身の危険が迫る中、ビンスは24時間以内に刑務所長に10万ドルを届ける必要に迫られる。彼が大金を必要とした理由は、服役中の父が獄中で殺されないように賄賂を払い続けるためだった。一方、一計を案じたサニーはビグズのもとへ出向き、ピーティを殺して金を奪ったのはビンスだと告げる。これによって、ついにギャングとマフィアが激突。その銃撃戦から逃げ出したビンスを追うサニー。親友を誰よりも大切に思っていたサニーと、家族のために親友を裏切ったビンス。果たして、2人の対決の行方は……?(goo映画より)


なんだろう?この既視感
何だか観たことあるような気がして仕方ない。お初な筈なんだけど別の映画に入ってた予告編を見たのかなぁ。

決して善人じゃない主人公だけれど義理人情には熱い奴邦画の極道モノにも通じるニオイがあるのね。ということは・・・好みのジャンルじゃなかった

冷酷なビグズ役をブルースが演じているのが意外でした。きっと楽しんで演じたんだろうなと想像するとちょっと笑えます

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少しだけおともだち

2013年01月28日 | 
朝倉かすみ 著 / 筑摩書房 刊

ほんとうに仲よし?ご近所さん、同級生、同僚―。物心ついたころから、「おともだち」はむずかしい。微妙な距離感を描いた8つの物語。 (「BOOK」データベースより)


新聞の書評を読んで興味を持って借りたものの、どちらかというとゆるい癒し系と思って読み始めたらいきなり「たからばこ」の結末で先制パンチ
いや、小さな女の子の目線で語られる内容にもしやというもやもやした不安はあったのだけど、そんな自分の予測が当たって欲しくないと思いながら読むのは辛かったです。

次の「グリーティングカード」は小学校からの友達との微妙な張り合いというかライバル意識が描かれています。どちらかというと主人公よりその友達の方が意識的に対抗心を燃やしていて、主人公はそれを割と客観的に見ているけれど、実は彼女も意識しているのねそのあたりの微妙さは案外覚えのある人が多いと思います。

「生方家の奥さん」は会社のお金を使い込んでいる主人公の話。子供の頃に近所に住んでいた生方家の奥さんが金遣いの荒さと借金で家を追い出されたことが主人公の人格形成に陰を与えています。結局自分を正当化してお金を流用する主人公もかの奥さんと変わりないのよね。まだしも奥さんの方が家族以外に迷惑かけてないだけましかもこういう罪を犯す人の心理がちょっとだけわかった気になります

「チェーンウォレット」は職場が隣り合わせの3人の娘がカラオケに行った時の話。
同じような年頃ではあるけれど、育った環境も生活も違う彼女たちの、一見仲良し風を装いながらも互いを値踏みし心の底をみせない付き合いがまさに女性同士という感じかな

「ほうぼう」は想像力豊かな主人公のお話と現実が読んでいる方もだんだんわからなくなってくるので、思わずもう一度読み返してしまいました。

「仔猫の目」は正直よくわからないまま実は同性愛者?な主人公が何を考えているのかが読み取れませんでした。それに比べて「C女魂」は爽やか系。学力的には大したことのないどちらかというと受け皿的高校に通う生徒たちが自分たちにも何かできないかと考えてベルマーク運動に取り組む姿勢に好感が持てます。何かに夢中になれる時代っていいね

「今度ゆっくり」は一番好きな作品。
図書館勤めの同僚から誘われてTV番組の観覧に行った主人公が、それまでの当たり障りのない付き合いから一歩踏み出して彼女と友達になろうと思う様子が描かれているのですが、50歳を超えた女性の不器用な歩み寄りに思えて微笑ましかったのです

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ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン

2013年01月27日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年4月28日公開 アメリカ

アニー(クリステン・ウィグ)はミルウォーキーに住む30代独身。開業した手作りケーキの店が潰れた上に、恋人にも捨てられるなど不運続き。母親のコネを頼った宝石店の仕事で何とか暮らす彼女の唯一の慰めは、親友リリアン(マーヤ・ルドルフ)の存在だった。ところが、彼女が突然の婚約宣言。ブライズメイド(=花嫁介添人)のまとめ役を依頼されたアニーはショックと寂しさを堪えつつ、大役を引き受ける。他のブライズメイドは、リリアンの従姉妹で3人の息子を持つリタ(ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ)、新婚のベッカ(エリー・ケンパー)、花婿の太めの妹メーガン(メリッサ・マッカーシー)、それに花婿の上司の妻ヘレン(ローズ・バーン)の4人。中でも、美人で金持ちのヘレンは何をやっても完璧でソツがない。そして訪れたドレス選びの日にハプニングが発生。リリアンを交えて、アニーお薦めのリーズナブルなブラジル料理店で会食後、ヘレン馴染みの超高級ブライダル・ショップに出かけた一行は食中毒に襲われてしまう。無事だったのは、料理を食べなかったヘレン1人だけ。さらに、ヘレンの提案で“独身最後のパーティー”をラスベガスで行なうことになるが、アニーは金欠の上に飛行機嫌い。ファーストクラスの皆と別れてエコノミー席にしたものの、恐怖心から酒を飲んで大暴れしてしまう。これが原因で、全員が途中で降ろされる羽目に……。ついにまとめ役をクビになったアニーは自己嫌悪に陥り、宝石店も解雇。アパートも追い出されて、母の家に転がり込む。やがて、花嫁に贈り物をする“ブライダル・シャワー”がヘレンの豪邸で行われるが、アニーの心を込めた手作りの品よりも、ヘレンからのパリ旅行に目を輝かせるリリアンにたまりかねたアニーは、ついに彼女と大喧嘩。果たしてアニーは友情を取り戻し、人生をやり直すことができるのか?そして結婚式の行方は……? (goo映画より)


来月公開の『バチェロレッテ』もブライズメイズものですが、その前にこれ観とこうかとレンタル。でもかなり下品な下ネタトーク満載なのはちょっと引きました
ただ、ベッドシーンにエロさが感じられない点は良かったかな

アニーはやることなすこと裏目に出てしまう人生どん底な女性。でもその原因は彼女自身の自信の無さにもありました。なのに全て他人のせいにしてしまって逃げているの。親友リリアンの婚約にショックを受けながらも彼女に任された花嫁付添人の大役に張り切るのですが、もう一人の「親友」ヘレンにライバル心剥き出しで張り合い、挙句リリアンと仲違いをしてしまうのです。
仲良しを取られたくないという気持ちはわかるけど、何とも大人気ないアニーの姿に

恋人との関係も体だけの都合のいい女状態に甘んじていることに対して自己嫌悪に陥っているのですが、そんな彼女に活を入れるのは無灯火で彼女を捕まえた警官ネイサン(クリス・オダウド)とメーガン。特にメーガンはそれまでの変わりものキャラとは違う一面を魅せてくれました。式の直前に失踪したリリアンを探すうちにヘレンとも和解し、最後はネイサンとなお約束的ハッピーエンドだけど、アニーへの評価が次第にしていくので素直に良しとしましょう。

アニーの作るカップケーキがとても美味しそうでした

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東京家族

2013年01月23日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2013年1月19日公開 146分

2012年5月、瀬戸内海の小島に暮らす平山周吉(橋爪功)と妻とみこ(吉行和子)は、子供たちに会うために東京へやって来る。だが品川駅に迎えに来るはずの次男の昌次(妻夫木聡)は、間違って東京駅へ行ってしまう。周吉はタクシーを拾い、郊外で開業医を営む長男の幸一(西村雅彦)の家へと向かった。長女の滋子(中嶋朋子)は不注意な弟に呆れ、幸一の妻、文子(夏川結衣)は歓迎の支度に忙しい。やがて周吉ととみこが到着、大きくなった二人の孫・実(柴田龍一郎)と勇(丸山歩夢)に驚く。そんな中、ようやく昌次も現れ、家族全員が久しぶりに夕食を囲むのだった。日曜日、幸一は勇を連れて、両親をお台場から横浜見物へと連れて行く予定だったが、患者の容体が悪化、急な往診に出かけることになる。周吉ととみこは、滋子の家に泊まりに行くが、美容院を経営する滋子は忙しく両親の相手ができず、夫の庫造(林家正蔵)が駅前の温泉へと連れ出す。滋子に頼まれ、昌次は両親を東京の名所巡りの遊覧バスに乗せるが、自分は疲れて居眠りをしている。帝釈天参道の鰻屋で、周吉は、舞台美術の仕事をしている昌次に将来の見通しはあるのかと問いただす。昔から昌次に厳しい周吉、昌次はそんな父が苦手だった。その頃、滋子は幸一に、お金を出し合って二人に横浜のホテルに泊まってもらおうという提案をする。横浜のリゾートホテルの広い部屋で、ただ外を眺める周吉ととみこ。周吉はネオンに輝く観覧車を見て、結婚する前に二人で観た映画「第三の男」を懐かしむ。寝苦しい夜が明け、周吉ととみこは2泊の予定を切り上げて、帰ってきてしまう。そんな両親に、商店街の飲み会があるので今夜はいてもらっては困ると言い放つ滋子。周吉は同郷の友人、沼田(小林稔侍)宅へ、とみこは昌次のアパートへ行くことにする。久しぶりの母親の手料理を美味しそうに食べる昌次。その時、母に紹介しようと呼んだ恋人の間宮紀子(蒼井優)が現れる。昌次はボランティアで行った福島の被災地でひと目惚れしてプロポーズしたことを、とみこに打ち明ける。一方、周吉は、沼田に宿泊を断られた上に泥酔、周囲に大迷惑をかけていた。幸一の家でようやく落ち着いたところに、とみこが上機嫌で帰ってくるが、突然倒れてしまう……。(goo映画より)


小津安二郎監督の「東京物語」をモチーフに、設定を現代に置き換えて家族の絆を描いた山田洋次監督の作品です。2011年12月公開予定でしたが東日本大震災により公開が延期されたことに伴って脚本にも変更が加えられたとか。昌次と紀子が震災のボランティアで知り合ったというエピソードがそうだね

年老いた両親の上京に、東京見物に連れて行ってあげたい気持ちはあるけれど、自分たちの生活に手一杯な子供たちの姿に自分を重ねて観る人も多いのではないでしょうか
故郷は既に遠い地になっていてそこにはもう生活の基盤もない彼らにとって、両親もまた「遠くにありて思う」存在であり、孝行したい気持ちはあってもついつい自分の生活を優先させてしまうのは仕方ないことかもしれません。いや、そういう風に自分が正当化したいだけなのかも。

狭い子供たちの家ですることもなくぼんやりと日を過ごす両親の姿はちょっと切ないです。
横浜のホテルの高層階の部屋でも彼らはすることがなくただ窓からの景色を眺めているだけ。
ハイカラなホテルのベッドは彼らに居心地が良かったとは思えません。
あからさまに邪険にされているわけではないけれど、子供たちとの溝に薄々気づいている老いた両親は、用事を済ませて家に帰ろうと話します。ホテルを早々に引き払ったことを長女に非難され、今夜は泊まってくれるなと言われて急遽別行動を取ることになった二人ですが、父の方は当てが外れて我慢していた酒も入りそれまでの鬱憤も加わりひと騒ぎ
一方母は行く末を心配していた末っ子が思いがけず素晴らしい伴侶を得そうなことに大いに安心して晴れやかに長男宅に帰ってくるの。
この時の昌次や紀子との会話がとても優しく穏やかな空気を醸し出していました。
きっとあの一夜は母にとって最高に幸せな時間だったのだと思います。

母の急死で家族は島の実家を訪れます。長男長女は早々に自分の日常に戻って行きますが、昌次と紀子は父の面倒を見るため数日島に残ります。無口な父に嫌われているのではと戸惑う紀子に父からの思いがけない感謝の言葉がかけられます。病室や屋上のシーンも泣けましたが、ここでまた泣かされることに 
でも大丈夫。島の隣人は父を家族のように親身に気にかけてくれている。血の繋がった子供たちだけが家族なんじゃない、島では皆が家族のように暮らしているんだね
子供たちの甘えや狡さも血が繋がっているからこそであり、逆に他人だからこそ、優しさ温かさを素直に受け止められることもあると改めて感じさせる作品でもありました。

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テッド

2013年01月21日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2013年1月18日公開 アメリカ 106分

1985年、ボストン郊外。誰にも相手にされない孤独な少年・ジョンは、クリスマスプレゼントでもらった唯一の話し相手であるテディベアと、本当の友人になれるよう天に祈りを捧げる。翌朝、ジョンの祈りは通じ、魂が宿ったテディベア“テッド”はジョンに「一生親友だよ」と約束する。しかし、やがて奇跡は日常となり、少年は大人へと成長する……。それから27年。ジョン(マーク・ウォールバーグ)はいつまでも青春時代から脱却できないダメ男に成長、テッドも見た目は可愛いテディベアのままだが中身だけが成長し、いまや下品なジョークと女の事で頭がいっぱいの中年テディベアに成り下がっていた。少年時代の約束通り、親友として今日も自宅ソファーで自堕落で低モラルな毎日を送るジョンとテッド。そんな中、ジョンは4年間付き合っている彼女ロリー(ミラ・クニス)から、自分かテッドのどちらかを選ぶよう迫られ、テッドから自立することを決意するが……。(goo映画より)

命が宿ったテディベアと、大人になりきれない男との友情を描くファンタジーコメディですが、R指定なのよね そりゃ、下ネタ連発、マリファナ吸引あり、デリヘル嬢と乱痴気騒ぎをする場面は、いかに外見が可愛らしいテディベアでもお子様には見せられませんわアメリカでは『ミッション~/ゴースト・プロトコル』『MIB3』を超えるミラクルヒットですが、日本での評判も上々らしい。下ネタの内容は日本人受けするとは思えなかったけど、時代は変わったのか?それともよほど宣伝上手なのか?どっち
(とはいえ、個人的には好きなタイプの映画です。何しろ新年一発目に『東京家族』を押しのけて選んだくらいですから

冒頭でファンタジックに幕を開けた「奇跡」も時が経てば「日常」になるというシュールな展開がまず笑えます。唯一無二の親友のテッドと一緒に育ち、今や35歳の外見は立派な大人でも中身はガキのままなジョンは、仕事よりテッドと吸うマリファナや『フラッシュ・ゴードン』のビデオを見てダラダラと過ごすことが好き。いまだに雷が恐くてテッドと一緒じゃないと眠れないしこんなジョンにキャリアウーマンの過ぎた彼女がいる不思議。それなのに交際4年でいまだに結婚する決意もできないってんだから

ロリーの忍耐も交際4年目の記念日の晩に起こしたテッドの醜態で遂に切れて「あたしとテッドどっちを取るの!!」状態に。こうしてテッドとジョンは離れて暮らすことになるのですが、生活態度は変わらなかったテッドに誘われたらずる休みしちゃうし、ロリーとの約束も守れず遂にロリーとの関係修復不可能に。
そして事件は起こった・・。

テッドとジョンの喧嘩はアクション映画さながらのど迫力ですが、撮影現場を想像するとちょっと笑えるかも。だって相手無しでのアクションですものね。
テッドを誘拐する父子も相当変なやつでした。でも子供を殴って良いのか、ジョンこの辺もR指定の理由か

展開事態は単純で結末も予想がつくのだけれど、そうとわかっていても笑ってちょっとしゅんとして、男同士の友情に胸が熱くなって・・・良い意味で王道のファンタジーになってます。
昔の映画の小ネタも多々あり、それらを知っている人には凄いツボにはまるのではないかと思うのですが、残念ながら『フラッシュ・ゴードン』知らないんだな、私
でも比較的新しい作品のネタではしっかり笑わせてもらいました
ノラ・ジョーンズはともかく、テイラー・ロートナーまで出てくるんですもの


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フライペーパー! 史上最低の銀行強盗

2013年01月20日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年6月16日公開 アメリカ 88分

閉店間際の銀行の慌ただしい店内に一人の男が現れる。男はトリップ(パトリック・デンプシー)と名乗り、窓口係のケイトリン(アシュレイ・ジャッド)に大量の小銭の両替を頼む。そこへ、突如銃を持った銀行強盗が現れるが、よく見るとハイテク装備に身を包んだ三人組とラフな格好の二人組に分かれていた。互いに状況が理解できず、動揺する二組の強盗。そこへ銃声が響きわたり客の一人が射殺される。一触即発の状況に陥り、緊張感が銀行内に広がったその時、トリップが両強盗団に「一方は金庫、もう一方はATMが目的なのだから、相手の事は気にせず自らの計画に集中すればいい」と突拍子もない提案をする。彼の発言を支持した両強盗団は、自分の計画を完遂することだけに集中するが、事態は更におかしな方向へ・・・。


二組の強盗が同時に同じ銀行を襲うというまずありえないシチュエーションから始まる物語は、どの登場人物も胡散臭くみえてきます。
特にお喋りでところかまわずチョロチョロと動き回るトリップが一番怪しいの
イケメン俳優なのにこんな役引き受けていいのか?というか・・・軽過ぎです

ピーナツバターとジェリーの二人組はどうみても間抜けなお笑いコンビ。ハイテク三人組の方もマスクを取れば素顔は二人組と似たりよったりのアホ。これに銀行員や客が加わるのだけど、彼らが次々と殺されていく筋書きは、どこに辿り着くんだろうと思わせて・・結局何故殺されたのかいまいち理解できなかったんですが

爆破や銃撃シーンはそれなりに迫力あるのに行動がコメディなのでちぐはぐな印象が拭えませんでした。最後のオチもなんだぁなぁ。
そもそも銀行強盗ランキングなんて存在するのかい

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ハンガー・ゲーム

2013年01月19日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年9月28日公開 アメリカ 142分

最先端都市キャピトルと12の隷属地区で構成される独裁国家パネム。この国で毎年1回開催されるハンガー・ゲームは、かつて隷属地区で起こった反乱への制裁的イベントだった。12地区それぞれの12~18歳の若者から、男女1人ずつ計24人をプレイヤーとして選出し、最後の1人になるまで戦わせるのだ。一部始終が国中に生中継され、裕福なキャピトル市民の極上の娯楽でもあった。第74回ハンガー・ゲームのプレイヤー抽選会で、第12地区のカットニス・エバディーン(ジェニファー・ローレンス)は、不運にもくじに当たった妹プリムローズ(ウィロー・シールズ)に代わり自ら志願する。男子のプレイヤーに選ばれたピータ・メラーク(ジョシュ・ハッチャーソン)と共にキャピトルに連れて来られた二人は、専属スタイリストのシナ(レニー・クラヴィッツ)や、教育係ヘイミッチ(ウディ・ハレルソン)の指導の下、生き残りのための厳しいトレーニングに打ち込み、スポンサー獲得のための外見を整える。サバイバル術や武器の使い方を学びながら互いの力量を探り合う24人だが、優勝候補は第2地区代表で幼少からゲームに勝つための特殊訓練を受けてきたプロの冷酷非情なケイトー(アレクサンダー・ルドウィグ)だ。
大会初日に半数近くが殺される中、狩猟やサバイバル技術に長けたカットニスは無傷で隠れることに成功していたが、大会本部の策略で窮地に立たされる。ケイトーたちと行動を共にしていたピータに裏切られたと感じたカットニスだったが、第11地区出身のルーに助けられて、二人は共闘することになる。ルーに妹の面影を見出したカットニスは束の間の安らぎを得るが、ルーが殺されてしまう。11地区の怒りを抑えゲームを盛り上げるために、同じ地区同士が生き残った場合は2人共勝者として認めるとルールが変更されたことを受けて、カットニスは負傷したピータを見つけて、観客やスポンサーの好感を誘うため、ピータへの恋慕を装う。遂に最終生存者となった二人に、さらなる劇的な展開を期待した主催者が前言を翻すが、その意図を察したカットニスは・・・。


スーザン・コリンズの原作小説「ハンガー・ゲーム」の映画化です。原作は三部作で映画も続編が順次公開の予定。
いくら見せしめとはいえ、24人の少年少女たちが殺し合う様をTV中継するゲームというのは逆に反感を増幅させるんじゃないかと思うのだけど・・・。
ただ、殺し合い自体を強調するのではなく、カットニスの成長や恋を前面に出している点は好意が持てます。ゲームに勝ち残るためと割り切って、民衆の支持やスポンサーを得るためのイメージ戦略やプライバシーの演出をするのも現代的といえるでしょう。

森の中で行われるゲームそのものは、似た環境で育ったカットニスにとっては有利かもしれません。けれど自然を装うこのゲームこそ、高度な技術で演出されたキャピトルの管理下にあるのです。いつまでも隠れていて戦いに加わらないカットニスを追いこむために火災を起こしたり、最終段階で獣を作り出したりする様子はまさに未来的な画です。ヘイミッチの立てた「恋人同士」を装う作戦は主催者にとっても民衆受けする娯楽要素でしたから、ルール変更もありだし、最終的に勝者を一人にしようとするのもその方が受けると踏んだから。まさに彼らはゲームの駒としか見なされていないのです。

過去の大会優勝者であるヘイミッチは、初めは飲んだくれのやる気のないオヤジ風でしたが、カットニスの中に勝者の才能を見出してからは、彼女のために有益なアドバイスを与えスポンサー獲得のための知恵を授けます。ルールの再変更に毒の木の実での心中という策で抵抗し勝利を納めたカットニスに対して、公衆の面前で体制に歯向かった反逆者としてマークされたことを忠告するヘイミッチですが、彼の過去なども続編でもっと明らかにされるのかな?


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魔法の恋に落ちたら

2013年01月14日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年 アメリカ 劇場未公開 90分

親に言われるままの人生に我慢できなくなったケイト(クリスティーナ・リッチ)は、就職面接の最中にスーツを脱ぎ替え飛び出してしまう。彼女の本当の望みは舞台女優になることだった。大学でアメフトのスター選手のウィル(オーウェン・ベンジャミン)は、単位取得のための出席日数の誤魔化しを教授(セドリック・ジ・エンターテイナー))に頼みに行き彼を怒らせてしまい、ペナルティとしてルネサンス祭り(中世の生活を当時のコスチュームをして疑似体験するイベント)で3週間働くよう命じられる。
ウィルは教授の友人である女王(アン=マーグレット)から雑用係を命じられ、同じく平民階級になったケイトや彼女の友人のジョー(ルイーズ・グリフィス)やラスティ(マシュー・リラード)と出会い親しくなっていくが、貴族役のランスはウィルを毛嫌いし何かと意地悪をするのだった。祭りの最終日に貴族側と平民側それぞれがパフォーマンスを披露し、その結果で翌年の貴族役が決まるのだが、ランス(クリス・ワイルド)は、芝居のうまいケイトと組んで来年も貴族になろうと企み・・・。


ルネサンス祭りという設定=中世の衣装に惹かれてレンタルしたけれど、これ以前に観たことありました(^^;ビデオでだったかなぁ。だからあらすじは丸わかりでしたが

ウィルはスター選手にありがちな自分主義の楽天家のスポーツバカです。一度も出席していない講義の単位を貰おうとしてルネサンス文学の教授を怒らせてしまい、罰として祭りのスタッフに強制参加させられます。オタクな遊びとバカにしていたウィルですが、進級するためには単位が必要で仕方なく教授や女王に従います。

ウィルの面倒を見ることになった先輩格のラスティは、魔女のマチルダにある呪い(下ネタ)をかけられ何とか呪いを解こうとウィルを巻き込み奮闘するのだけど、今時本物の魔女がいると思うこと自体無理があるなぁ
ウィルがケイトと仲良くなったことで彼に敵愾心を燃やすランスは事あるごとに意地悪をしますが、これも大の大人がやるようなことじゃない。
物語自体が、子供受けするような他愛のない遊びの延長のような内容なので、ここは深く考えずに下ネタを含めて楽しんじゃうのが正解かも

小柄なクリスティーナと長身のオーウェンのキスシーンは、身長差カップルの手本になるかもね

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リンカーン弁護士

2013年01月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年7月14日公開 アメリカ 119分

ミック・ハラー(マシュー・マコノヒー)は黒塗りの高級車リンカーン・コンチネンタルの後部座席を事務所代わりにし、常にいくつもの案件を抱えている敏腕弁護士として活躍している。少々強引な手も使いつつ軽い刑でおさまるよう司法取引を成立させ、麻薬売人や娼婦といったアウトサイダーたちを助けている。元妻で検事のマギー(マリサ・トメイ)や彼女との間の娘とは良好な関係を保ち続けている。ある日、保証金立替業者ヴァル(ジョン・レグイザモ)から、資産家の青年ルイス・ルーレ(ライアン・フィリップ)が女性を殴打したとして近々立件されるとの情報を得る。金になると目論んだミックは拘留中のルイスと面会し、保釈手続きを取る。保釈後、案件にまつわる調査を依頼することもある親友の私立探偵フランク(ウィリアム・H・メイシー)とともにルイスと再び会い、事件について詳しく聞く。ルイスは当日夜、バーで知り合ったレジーナという26歳の女性に誘われるまま彼女の自宅を訪ねたが、着いた途端に背後からレジーナに頭部を殴られ失神し、近所に住むゲイのカップルに取り押さえられたと話し、賠償金目当てとした計画に自分ははまったと主張する。しかしフランクが入手した捜査資料によると、レジーナは知人のふりをして自宅を訪れてきたルイスに突如暴行され、首にナイフを当てられながらも瓶で彼を殴り命からがら逃げたと証言している。ルイスの話に違和感を感じたミックはいつものように司法取引でまとめようと提案するが、ルイスは無罪を主張。翌日、バーの監視カメラの映像からレジーナがルイスを誘惑する姿が確認され、彼女が売春婦であることもわかる。この重要証拠を手に担当検事ミントン(ジョシュ・ルーカス)に起訴を取り下げるようもちかけるが、現場にルイスの所有する血まみれのナイフが発見されており彼による暴行事件だと確信していることを告げられる。そして顔の右半分に怪我を負ったレジーナの写真を見たルイスは、4年前の事件と非常に似ていることに気づく。それは、女性がレイプされた揚句に惨殺されるというもので、容疑者マルティネス(マイケル・ペーニャ)の弁護を担当したミックが無罪を主張する彼に無理矢理罪を認めさせ、司法取引を行い終身刑となった。マルティネスに面会しに行ったミックがルイスの写真を見せると、彼をバーで目撃したと話す。ルイスが4年前の殺人事件の真犯人で、今回も同様にレジーナを殺そうとしていたのではないかと疑うミック。しかし弁護士には秘匿特権があるため、依頼人を告発することができない。その夜、ミックを訪ねてきたルイスはドナ殺しを認め、脅しにかかってきた。それは単なる脅しではなく、裁判が始まるや、フランクが殺される。殺害にミックの自宅から盗まれた銃が使われフランク殺しの最重要人物となったミックは、ルイスの無罪を勝ち取るために法廷で戦わざるをえない状況になる。そして裁判は進み、被告側優勢の様相で最終弁論に突入する……。(goo映画より)

マイクル・コナリーの同名小説が原作です。

離婚はしているけれど別れた妻や娘との関係は良好だし、金儲けのためにあくどい商売をしているのかと思ったら「疑わしきは無罪に」という主義を持っている案外良い奴だったという

高額の報酬に釣られて引き受けた案件が、過去に扱った事件の犯人と繋がっていたという筋書きは、弁護士故の守秘義務に縛られて身動きがとれなくなったハラーの、何とももどかしく悔しい気持ちに同調して観てしまいます。ルイスという男の異常さが際立つ展開にやりきれない鬱憤が積もってくるのですが、逆転の秘策で窮地を脱するラストでようやく溜飲が下がりました

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アサシン 暗・殺・者

2013年01月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
アメリカ 108分
2012年9月24日 午後のロードショー(テレ東)

警官殺しで死刑の判決が下ったマギー(ブリジット・フォンダ)は、政府秘密組織の一員ボブ(ガブリエル・バーン)により、秘密工作員としての道を歩まされることになる。情緒不安定で暴力的なマギーに、情操教育係のアマンダ(アン・バンクロフト)は微笑むことから教え始め、2年数カ月後、美しく変身したマギーは、ボブと初めて組織の外にディナーに出かけるが、そこで渡された箱の中身は装填済みの短銃で、この外出は暗殺者としての最後のテストだった。テストに合格したマギーは、クローディアという名と、ニーナというコードネームを与えられ過去を捨てて都会で暮らすことになる。そこで写真家J・P(ダーモット・マローニー)と出会い恋をするが、組織は彼女に次々と暗殺指令を出す。やがてある任務の途中、ミスを犯したマギーを掃除人と呼ばれる殺し屋ヴィクター(ハーヴェイ・カイテル)が狙い・・・。


1990年フランス映画の『ニキータ』のハリウッドリメイク版です。HDD録画なので吹替版ですが、こういうのはやっぱり字幕がいいなぁ内容的には元作の方が良いかも

愛に飢え薬に溺れて自暴自棄に生きてきた少女が、暗殺者としての道を選ばざるをえなくなるのですが、やがて成長し愛を知った彼女が自分の運命に絶望しながらも生きる道を必死に求める姿がいじらしく映りました。(不良少女が美しく洗練された女性に変身するという筋書きは『マイ・フェア・レディ』みたいだけど
彼女のボブに対する気持ちは父親に対する愛情に近い気がしますが、初めて自分のことを気にかけ面倒を見てくれた人への思慕と、彼に裏切られたと感じるいくつかの場面で見せる哀しみや寂しさが伝わってきます。

愛する人の前でも過去と素性を隠さねばならないのは若いマギーにはとても辛いことであり、望まぬ殺人をしなければならないのも重圧だったでしょう。自分を始末しようとした殺し屋を退けた彼女はJ・Pに自分が工作員であることを告白し姿を消します。残されたJ・Pとボブの会話と、組織にマギーは死んだと報告するボブの姿に彼らのマギーへの愛が感じられました。

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僕達急行 A列車で行こう

2013年01月09日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年3月24日公開 117分

のぞみ地所の営業マン・小町圭(松山ケンイチ)は大好きな音楽を聴きながら車窓から景色を眺めるのが無上の喜び。一方、小さな町工場コダマ鉄工所の跡取り・小玉健太(瑛太)も無類の鉄道好き。ふとしたきっかけで出会った2人は、すぐに友達になる。マンションの建て替えで住まいを失った小町は、“トレインビュー”の見えるコダマ鉄工所の寮で暮らすことになるが、やがて九州支社に転勤することに。九州支社では、地元大手企業ソニックフーズ社長・筑後(ピエール瀧)をなかなか口説き落とせず、のぞみ地所は苦戦していた。ところが、社長も鉄道ファンだったことから、小町や小玉と意気投合。事態は一気に好転する。仕事も趣味も順調そのもの。これに対して、恋の方は思ったように進展せず、2人は途方に暮れていたが……。

のんびりした性格の二人は女性に対してはからきしですが、只の鉄オタというわけではありません。小町は腕の良い営業マンだし、小玉には確かな技術があります。小町は会社の方針に批判的な意見を会議で発言したことが社長の目に留まり、新風を期待して九州支社に転勤となるのですが、周囲が左遷と受け止める中でも本人は九州の鉄道に乗れると至って嬉しそうなのが微笑ましいというか邪気がないというか。転勤先でもすぐに職場に馴染みます。そんな小町を、見合い相手の大空あやめ(松平千里)に断られ傷心の小玉が九州に訪ねてきます。二人がローカル線の旅先で知り合ったのが筑後社長。互いの素性を知らぬまま同じ鉄ちゃんとして意気投合し、やがて仕事の上でも大切なパートナーになっていくの。事業を拡げたい筑後社長が資金繰りに苦しむコダマ鉄工所の技術を買い、新工場用地をのぞみ地所が用立てるという三方得な展開ですが、問題はその予定地の地主がうんと言わないこと。小玉を振った見合い相手の父親がその地主という事実も判明するけれど、直接の要因は小町が誠実に地主に向き合ったからなんですね

小町は大震災時に知り合ったOLのあずさ(貴地谷しほり)や社長秘書のみどり(村川絵梨)の好意を感じつつも一歩踏み出せないでいましたが、小玉の手助けであずさとちょっと進展が。でもまだゴールは遠そうだけど。

鉄オタという趣味で結ばれた者同士のディープな関係ですが、当人たちは至って素朴で純粋なので観ているとほのぼのとした気持ちにさせられます。演じる松ケンと瑛太のキャラにも合っていました。
映画に登場するのは20路線、80車両モデルにも及ぶとか。鉄道ファンにはたまらない映像ではないかしら。登場人物や会社名にも特急、急行、快速の列車名が付けられています。

森田芳光監督の作品との相性はあまりよくないのですが、遺作となったこの作品は好きです。

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ゴースト もういちど抱きしめたい

2013年01月06日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2010年11月13日公開 116分
2011年11月23日 金曜ロードショー放送(日テレ)

若くして成功を収めた女実業家の星野七海(松嶋菜々子)は、誕生日パーティーの帰り道に公園で陶芸を学ぶ韓国人キム・ジュノ(ソン・スンホン)と出会い恋に落ちる。しかし2人の幸せな生活が始まった矢先、七海は事件に巻き込まれ命を落とす。自分の亡きがらを抱きしめて泣くジュノのそばを離れられず、ゴーストとして現世に留まることを選んだ七海だが、 彼女の事件はジュノをも巻き込もうとしていた。


『ゴースト ニューヨークの幻』の邦画リメイクで、男性ではなく女性のほうが死んでしまう設定になっています。主題歌「アンチェインド・メモリー」は平井堅が歌っています。霊媒師役は樹木希林が演じています。ストーリーは単純で、真犯人もすぐに想像がつくけれど、純愛ものですからそんなことを気にしてはいけないのね

七海が自分の会社の不明なお金の流れに気がついた時点で「あぁ、これが理由か」とわかってしまうけど、未春(鈴木砂羽)がヤクザ(橋本さとし)を使うやり方や、ジュノを巻き込んだアーケードでの騒ぎなどは安易過ぎてちょっと興醒めでした。未春と七海のそれまでの信頼関係や未春が借金を作った理由などの背景をもっと入れたら深みが出るのにね。あれではただの身勝手な性悪女ですもん。そもそも日本の警察、そこまでおバカかしらん?
悪人は地獄へ、善人は天国へという結末も定型的でした。

もちろん、七海とジュノの穏やかな中にも確かな愛情シーンを楽しむのが本筋ではあるけれど、見所は芦田愛菜ちゃん演じる少女のゴーストとの絡みや、希林さんの個性的な霊媒師の演技ですね隣家のおばさん役で白川由美が1シーンだけ登場してました。実はこの作品も塩漬け状態のHDDの中から消化のために選んだものなので、今恋愛ものにはさほど興味を持たない故のちょっと辛口な感想です。センチメンタルな晩秋の夜だったら、素直に浸れたかも

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ジェーン・エア

2013年01月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年6月2日公開 イギリス=アメリカ

両親を亡くしたジェーン・エアは、引き取られた伯父も亡くし、その妻と息子のいじめに遭う。寄宿学校では教師たちから虐げられるなど孤独で不遇な幼少時代を経て、ジェーンは前向きな心と自由な生き方を追求する。学校卒業後、ジェーン(ミア・ワシコウスカ)はソーンフィールド館の家庭教師となる。屋敷の主の姿を見ぬまま3カ月が経ったある日、見知らぬ男の馬を驚かせて落馬させてしまう。その男こそ、屋敷の主ロチェスター(マイケル・ファスベンダー)だった。気難しげなロチェスターはジェーンに横柄な質問を投げかけるが、ジェーンはありのままに素直に答える。深く知りあううちに、互いの感性や人間性に惹かれあう二人。そしてロチェスターはジェーンに求婚、彼女もそれに応える。幸せの絶頂にあった結婚式の当日、ジェーンはロチェスターには屋敷に幽閉された妻がいることを知る――。 (goo映画より)


文芸作品の映画化です。従来の耐える女性像から一歩踏み出して、自立を目指し広い世界を夢見る女性として描かれているのが新鮮です。
それでも時代を映す階級制度は厳然としてあります。身分違いの壁はしかし、ジェーンが元々は裕福な階層の出身で、後に親族から莫大な遺産を受け継ぐこともあり、全くの平民とは言えないのですが

横柄で気難しいロチェスターと心を通わせる過程がセリフからは良く伝わって来なかったのが少し残念。これは当方の理解不足を棚に上げると邦訳の力不足もあるかも
館の家政婦頭であるフェアファックス夫人(ジュディ・デンチ)が娘を慈しむようにジェーンに接する様に母性を見、逆になさぬ仲のリード夫人(サリー・ホーキンス)の胸中も少し理解できるような気がしました。「従順で素直な子」ではなかったジェーンに自分の本音を見透かされるような恐さがあったのかもと想像すると、確かにジェーンのような子は疎ましかったことでしょうから。

ロチェスターの結婚は彼の父親が財産目当てで決めたもので、貴族階級では普通のやり方のようですが、彼の妻は激情型の女性で後に発狂します。それでも精神病院の劣悪さを知り敢えて館に幽閉することを選んだのです。彼は自らの運命を呪っていましたがジェーンとの出会いで再び希望を見出すのです。でもジェーンに何も告げずに結婚を急いだのはやはり失敗ですよね。

真実を知り館を飛び出し彷徨うジェーンを助けてくれたジョン牧師(ジェイミー・ベル)が、ジェーンが受け継いだ遺産を分けてもらった後で様子が変わります。彼はジェーンに求婚するのですが、その横柄で威圧的な物言いに腹立ちを覚えながら、これが聖職者の本音かぁと納得する部分もありますいや、当時の男性の本音といった方がいいのでしょうか。
この時彼女は自分が本当に愛し共に生きたいのは誰かということにはっきり気付くのです。ジェーンを呼ぶ声(おそらく彼女の内なる声)に導かれて彼女はロチェスターの館を訪れますが、火事でロチェスター夫人が亡くなり、ロチェスター自身も盲目になったことを知ります。映画はジェーンがロチェスターと再会したところで終わりますが、互いの気持ちを確かめ合った二人は末永く共にいるだろうことを確信させてくれるのでした

当時のドレスや上流階級の暮らしぶり、養護院の劣悪な環境なども興味深い作品です。

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ICHI

2013年01月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2008年10月25日公開 

仕込み杖を持ち、逆手一文字の居合剣の達人・離れ瞽女の市(綾瀬はるな)は、生き別れたある人物を探し放浪していた。ある日、市が荒くれ男たちに襲われそうになったところに浪人の十馬(大沢たかお)が通りかかる。助けに入った十馬だが逆に市に助けられる。彼は武家の剣術指南役の跡取りとして生まれたが、幼い頃に母を傷つけたトラウマから、刀を抜くことができなくなっていた。ある宿場町で、白河組の虎次(窪塚洋介)に勘違いされ用心棒として雇われることになった十馬。万鬼(中村獅童)率いる万鬼党から、白河組の宿場は狙われていたのだ。幼い小太郎(島綾佑)を挟み、二人は互いの過去の傷を重ねて心を通いあわせていくが、万鬼党の襲撃により虎次の父・長兵衛(柄本明)が息子を庇って命を落とし、市も傷つき万鬼に監禁される。十馬は市を救出し、白河組と万鬼党の最期の闘いが始まる。ようやく刀を抜くことができた十馬は、万鬼と相打ちになる。満身創痍で駆けつけた市は万鬼にとどめを刺すが・・。


時代劇のダークヒーローである「座頭市」といえば勝新太郎が思い浮かぶ。新しくは北野武だがどちらも観たことはない。それが女版とあっては最初から選外だったが、去年の新春映画枠でTV放映されていたのをやっと解凍した具合
あら、大沢たかおに中村獅童が出てるじゃないですか。これは案外いけるかもと期待が出てきました

盲目故に辛酸をなめてきた市にとっての唯一の支えは、居合剣を教えてくれ可愛がってくれた師匠を探すこと。そして自分の父親かどうか確認することでした自分の身は守れるが、周囲とは交わろうとしない彼女の頑なに閉ざした心を融かしていくのは刀を抜けない(その理由には若干無理があると思うけれど)浪人の十馬です。真剣は抜けなくても木刀ならかなりの腕前の十馬は、ラストの万鬼との対決までは腰抜け侍然としているので、対決時の鮮やかな剣さばきが映えます

逆に前半はとてつもなく強い市が、万鬼との戦いで捕えられて以降、ただの女になってしまうのがいただけないと思ってたら、十馬が倒れた後はしっかり復活してました
万鬼に探していた男が既に病死していると聞かされ、絶望の淵を彷徨う市の心を繋ぎとめたのは十馬のひたむきな愛情でした。悪を倒して十馬とハッピーエンドなんてことは最初から期待してませんが、とりあえずは希望の持てる終わり方なのは嬉しいね。

もしかして彼女の探し求めていた男=座頭市ということかしらん一種のオマージュになっているのかもです。ともあれ暗闇の中で一条の光を見出した市ですので、続編だってありな終わり方ですが・・・作品の評価は総じて低いようなので無理かな。
無表情な市はキャラ故ですが、迫力不足は否めないですね
でも、表向きはへなちょこ侍だけど実は強い、でも優しい十馬役の大沢さんも、相変わらず奇天烈な獅童君も共に役に合っていたので、個人的にはOKでした。

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