杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

魔笛

2008年03月31日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年7月14日公開 イギリス 139分

第一次世界大戦下の塹壕で、若い兵士タミーノ(ジョセフ・カイザー)は毒ガスに命を狙われ気絶する。それを救ったのは夜の女王の侍女を務める三人の従軍看護婦だった。タミーノの前に現れた夜の女王(リューボフ・ペトロヴァ)は、さらわれた娘パミーナ(エイミー・カーソン)の救出を依頼し、彼に魔法の笛を託す。タミーノは兵士パパゲーノと共にザラストロ(ルネ・パーペ)の城砦へと向かい、そこでパミーナを見つけた。二人はすぐに恋に落ちるが、タミーノは愛を成就するため、困難な試練に立ち向かうことになる。

モーツァルトの音楽劇「魔笛」の映画化。若い男女の恋物語を中心に進んでいく物語は、モーツァルトも会員だったフリーメイソンの教義や、ゾロアスター教の善悪二元論(だから途中で『夜の女王』と『ザラストロ』の善悪が入れ替わるのね)をも盛り込んだ内容となっています。

映画では、舞台を中世から第一次世界大戦下のヨーロッパに移し、平和への祈りを前面に出したメッセージ性の強さが目を引きます。

オペラとしての「魔笛」は全く知らなかったのですが、映画の中で聴く歌曲の数々の中に「あ、聴いたことがある!」と思ったものもあるのにちょっと驚きました。
例えばパパゲーノとパパゲーナの歌とか
パパゲーノの場面はコミカルでとても親しみやすいなぁ。

趣味的にはファンタジックな中世のお姫様と王子様の方も観たいなぁ。
実際にオペラ界で活躍している方々が出演、歌っているということで、歌の方は素人目にも文句なく素晴らしいと思いました。

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さだまさし アコースティックコンサート

2008年03月29日 | ライブ・コンサート他
3月29日(土曜)
会場:渋谷CCレモンホール
開演17:09 終演20:04

久しぶりのアコースティックコンサートでした。
メンバーは石川さん・倉田さん・宅間さん。
丁度宅間さん側の席だったので

コンサートが始まる前にどこぞのオジサマがステージに登場。
「え?誰??」・・・・渋谷区長さんでした
この日の某新聞朝刊のコラムでさださんの「転宅」を取り上げていたことに触れた挨拶だったのですが・・・区長さん、タイトルは「転居」じゃなくって「転宅」ですよ!と内心突っ込むファンの視線に気付いたのか気付かなかったのか

・案山子
・無縁坂

オープニングトークはもちろんこの区長さんの話に突っ込みを入れつつ温かくフォローしたのでした。
この日の読売新聞に先日起きた一家無理心中殺人事件を取り上げて、「転宅」の歌詞の中の『人生は潮の満ち引き~』を引用したコラムが載ったのだそうです。

ここで突然メンバーに向かい
「じゃ、転宅やろっか」
慌てるスタッフ・・・譜面がね・・・

・関白宣言
で繋いでおいて

・転宅
もしっかり聴かせてくれました。流石スタッフもバックもプロ!

借家住まいの時の「赤いバラ」からお父様の骨折・入院話に続き

・窓
・眉山

ここで4月から始まるTVドラマの宣伝もしっかり入ります

ハワイの話から
・パイナップル・ヒル
・サクラサク
・春爛漫

西サモア諸島のゴ○話はびぇ~~!!でした(^^;

・北の国から
・秋桜

千春は今やキタキツネというよりオットセイだなどと笑わせ
「北の~」製作秘話へ移った時、再現フィルムよろしく
「ここでギターが・・あれ?石川さん??いない・・・」
トーク中に席を外した石川御大が焦って戻ってくるのをのけぞって爆笑してた宅間さん、しっかり見てますよん。
ハプニングを楽しめるのもライブの醍醐味です♪

・都忘れ
・賢者の贈り物

最後の挨拶の後

・道化師のソネット
・修二絵

Ac 風に立つライオン

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ツォツィ

2008年03月27日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年4月14日公開 イギリス=南アフリカ 

南アフリカ、ヨハネスブルクのスラム街に暮らすツォツィ(プレスリー・チュウェンヤガエー)は、仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返していた。ある日、高級住宅街にやってきた彼は車を運転していた女性を撃って逃走。やがて、強奪した車の後部座席に生後間もない赤ん坊がいることに気づいたツォツィは、赤ん坊を紙袋に入れて自分の部屋に連れ帰るが……。(シネマトゥデイより)

南アの社会派作家、アソル・フガードの同名小説が原作で、ツォツィは不良を意味する言葉だそう。アパルトヘイトがもたらした弊害により、今も貧困と差別に苦しむ人々が多い南アの現状の一端を鋭く切り取った作品ともいえるのかしら?

ツォツィは、自分の本名も過去も封印して一人社会の底辺を生き抜いてきた少年。一見無謀で粗野で「品性」もないように見える彼が、無垢な赤ん坊と出会うことで、忘れようとしてきた過去や「愛情」を思い出していく。
その姿はまさに愛に飢えた少年でしかなく、ぶっきらぼうな行動の下の優しさが見えてくるのだ。

それまでの空虚で荒んだ生活や外界への怒りといった負の感情でぎらついていたツォツィの目が、赤ん坊と対峙している時は穏やかで優しく切ない。赤ん坊のために選んだ行動が彼を未来へ誘ったのかどうか、結末は観るものの判断に委ねられている。

特典映像ではこの結末にあと二通りの解釈(バージョン)を加えている。
泣き出した赤ん坊のためにミルクを取り出そうとしたツォツィが警官に誤解されて撃たれ死亡するものと、逃げ出すものの2バージョンだ。
監督が選択したように、やはり本編の観客に答えを預けるような終わり方が私もお一番良かったのだと思った。
どんな状況でも未来(希望)はあった方が救いになるもの。

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マイ・ブルーベリー・ナイツ

2008年03月26日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2008年3月22日公開 フランス=香港  95分

恋人の心変わりで失恋したエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、元恋人の家の向かいにあるカフェに出入りするようになる。毎晩、ブルーベリーパイを用意してくれるオーナー、ジェレミー(ジュード・ロウ)と話すことで、徐々に慰められていくエリザベス。しかし、どうしても終わった恋を引きずってしまう彼女は旅に出る決心をする。(シネマトゥデイより)

香港のウォン・カーウァイ監督といえば、独特な世界観と演出法で知られ、難解という先入観で敬遠していたのですが、ハリウッド俳優を起用し、全編英語作品ということで興味を持ちセレクト。

ジュード・ロウ演じるカフェのオーナーの優しさと秘めた過去の恋、リズが旅先で出会う過ぎ去った愛に束縛された夫婦や人間不信のギャンブラー(ナタリー・ポートマン)との出会いを通して愛すること、信じることとは何かを悟り、ゆっくりと癒えていく彼女の心の傷と新しい恋への予感が、押し付けないリアルさで観客に迫ってくるような作品でした。

ジェレミーのカフェの「鍵の入った瓶」とそれにまつわるエピソードも物語のキーワードになっています。

カメラ視点での敢えてぶれを持たせた映像など、ハリウッド監督のものとはどこか違う雰囲気と手法なのも、新鮮に映りました。
うん・・・意外と良いかも、ウォン・カーウァイ作品♪

上映後暫くして突然フィルムが止まり「火災発生」のアナウンス。しかし誤報とわかり再度続きから上映。オーナーがリズを慰めるちょっと「いい」シーンがぶつ切りになってしまったのが残念。
冷静に座って待ってた私たち観客って偉いのか鈍いのか・・(^^;
本物の火事じゃなくて良かった~~!
お詫びに無料鑑賞券が出ることになったのはラッキーでした。

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ボーン・トゥ・キル

2008年03月22日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
1996製作 韓国 110分 アクション&バイオレンス

キル(チョン・ウソン)は暗黒街の組織から冷酷な殺し屋として育てられた青年。ハーレーに乗り冷蔵庫に現金を入れ、孤独を慰めてくれるのは猿のチチだけ。そんな彼が唯一気になるのが、向かいのアパートに住む歌手志望のホステス・スハ(シム・ウナ)だった。ある夜、泥酔して倒れていた彼女を家まで送ったことから、二人は急接近するのだが……。

幼い時鉄道自殺しようとした母親の手を振り切って逃げて、暗黒街のボスに拾われたキルは生来優しい心を持つナイーブな人間で、冷酷さと純粋な優しさを併せ持つキルをチョン・ウソンが瑞々しい演技で魅せます。
我儘で女王様的物言いをするスハ役は『八月のクリスマス』のシム・ウナ。

基本的には冷酷な殺し屋と歌手志望のホステスの悲恋物語にバイオレンスが加味された、韓国映画お得意のパターン。
結末もその意味では納得だけれど、二人に感情移入してしまうと「そんなぁぁ(泣)」ということになります。

まだ若いウソンのアイドルっぽい容貌と傷つきやすく純粋なキルというキャラに母性本能をくすぐられ、ベッドシーンは妙にリアルで照れます。
ウソンは2006年の「デイジー」でも非常な殺し屋を演じていますが、2作を比べてその成長(と映画の規模)を感じるのも良いかも♪

それにしても韓国の組織は銃を使わないんでしょうか?
殺しは基本ナイフ、金属パイプで殴るって・・・かなり痛そう(^^;
あれ?デイジーはスナイパーだから・・うーーん???時代の違い?

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UDON

2008年03月21日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年8月26日公開 134分
 
一流コメディアン目指してN.Y.に渡り、挫折した松井香助(ユースケ・サンタマリア)が故郷・香川に舞い戻ってくる。製麺所を営み、日々黙々とうどんを打ち続ける父親に冷たくあしらわれた香助は、親友・庄介(トータス松本)の紹介でタウン情報誌「さぬき」に職を得て、編集者の恭子(小西真奈美)らと共に香川名物のさぬきうどんのコラムを企画する。やがて空前のうどんブームが巻き起こるのだが・・・

脳天気で部活的ノリの主人公たちに見えて、実はそれぞれに将来を冷静に見つめてもいる姿にドキっとさせられたりもする。
たまには回り道もいいんじゃない?と思えるかも。

ちょい役でけっこう豪華多彩な出演者なのだが、「サマータイムマシン・ブルース」繋がりだったりするのね。(香川で撮影)

せっかく父親と和解出来そうだったのに突然の別れには驚いたが、「雪の夜に真夏のシーン」=父との魂の触れ合いに繋がっていくんですね。

その父の跡を継ぐのかと思ったら、そうきましたか!なラストですが、「キャプテンUDON」がアメリカで受けるとはちょっと思えなかったりもして・・・(^^;

香川の風景と、さぬきうどんの美味しそうな画が食欲をそそります。
観賞後に無性にうどんが食べたくなりました。

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プレステージ

2008年03月20日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年6月9日公開 アメリカ 130分

19世紀末のロンドン。若く野心に満ちた奇術師のロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベイル)は、中堅のミルトン(マイケル・ケイン)の助手をしていたが、ある夜、舞台の事故でアンジャーの妻ジュリアが亡くなってしまう。原因はボーデンの結んだロープが外れなかったことで、これを機に二人は敵対するようになる。結婚し新マジック「瞬間移動」を成功させたボーデンへの復讐のためアンジャーは・・・

タネや仕掛けのないことを観客に確認させる「プレッジ」、パフォーマンスを展開する「ターン」、そして最後に予想を超えた驚きを提供する「プレステージ」の3つから成り立つというマジックの世界。その華やかな「プレステージ」の裏側を描いた作品。

とはいえ・・・・それはないんじゃない?の結末のネタばらしは予想外というよりSFチック。そんなのマジックでも何でもないよ~~と思ってしまった。

華麗で洗練されたパフォーマンスを魅せるアンジャー(ヒューははまり役だな♪)と無骨なトリックメイカーのボーデン。もし二人が力を合わせたら素晴らしいショーが展開されただろうに、実際は互いの才能を妬み、足の引っ張り合いをしているんだから、何だかやりきれない気分になってしまう。

所詮、二人にとっては愛する女性も心の真ん中を占めているわけではないのも気になる。彼らにとってはマジックが全てなのだから。

そもそも脱出マジックの失敗原因になったロープ結びは、明らかにボーデンの企み(それが一種の冒険・自己PRのようなもので悪意はなかったにせよ)に見える。妻を殺されて復讐心の塊となったアンジャーに初めは同情の気持ちを持つが、次第にエスカレートするそのやり口に、どんどん気持ちが引いてくる。

マジックに科学的要素を加えたこの映画の重要人物にニコラ・テスラが登場する。デビッド・ボウイが演じているというのも話題になったようだ。だからといって、あまりにも現実離れした着想なんですが・・。

また、二人のマジシャンの間で翻弄される?オリヴィア役はスカーレット・ヨハンソン。

とにもかくにも、それはマジックのネタでも何でもないんじゃない?というオチのつけ方が気に食わないゾ(^^;

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僕はラジオ

2008年03月20日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2004年9月25日公開 アメリカ 109分

1976年、アメリカ・サウスカロライナ州アンダーソン。ハナ高校アメフトチームはハロルド・ジョーンズ(エド・ハリス)コーチの指導のもと、猛練習に励んでいた。そんな中、たびたび練習場の周囲をうろついている黒人青年(キューバ・グッディングJr.)が気に掛かっていたジョーンズは、チームの生徒が些細なことで彼を苛めたことがきっかけで、彼に練習の手伝いを頼む。練習を手伝い始めた彼(知的障害を持ち、いつも独りでショッピングカートを押していた)は、片時もラジオを手放さないことから“ラジオ”というニックネームで呼ばれるようになり、皆に溶け込んでいったかに思えたが・・・。


スポーツ専門雑誌の記事(実話)を基にした知的障害の青年とアメフトのコーチの間の友情を描いています。

障害のある「黒人」青年を、自分の職であり生きがいであるコーチという立場を捨ててまでも守ろうとするその理由は後半、愛娘へ語りかける展開で明らかにされます。当時は「障害」や「人種」への差別がまだ根強く残っていたと思われるのですが、コーチだけでなく、校長や部員たち(初めは苛めていた子が最後にはラジオを受け入れていく場面もあります)の寛容さも描かれています。

単に青年を美化するのではなく、純粋ゆえに単純に騙される姿や苛めや偏見、同情の目で見られる現実にも目が向けられ、それゆえにコーチが青年との間に築いた友情の重さが際立ちます。

コーチの家族にも、アメフトのことや部員たち、さらにラジオのことばかりを考えて家庭をともすればないがしろにする夫・父に対しての理解と愛情の深さに驚きと感銘を禁じえないです。もし私が娘だったらぐれちゃうかも(^^;

この作品のエド・ハリスってヴィゴ・モーテンセンに少し雰囲気が似てます。
目の印象かなぁ~~知的で澄んでる感じ・・

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ノーカントリー

2008年03月19日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2008年3月15日公開 アメリカ 122分

メキシコ国境に近い砂漠で狩りをしていたルウェリン・モス(ジョシュ・ブローリン)は、裏取引がこじれて死体の山が出来た現場を通りかかり、大量のヘロインと200万ドルの現金を発見する。危険を承知で大金を奪ったモスを追い詰めていくのは非情の殺し屋アントン・シガー(ハビエル・バルデム)。一方、厄介な事件に巻き込まれたモスを救うべく老保安官エド・トム・ベル(トミー・リー・ジョーンズ)も追跡を始めるのだが・・・。

本年度のアカデミー作品賞、監督賞、助演男優賞に輝いた作品ということで、他に観たいものもなかったためにチョイスした作品。
基本的にこういう不条理モノは苦手な人間の感想です。

舞台は1980年の西テキサス。これだけでも十分に現代のスピード感とは隔絶されている。西部劇を思わせる銃が主役の作品でもある。アメリカ側からメキシコへの出国は簡単過ぎる位なのに、その逆はメチャ厳しい事情とか、ベトナム帰りへの世間の評価などもしっかり取り込まれているのが興味深い。

そもそも麻薬がらみのキナ臭い金と知って持ち逃げする方がどうかしてる。この点で追われる男への共感度はかなり低くなる。

さらに金を取り戻すために雇われた男ときたら、常識が通じない変人で、彼流のルールに外れた者は容赦なく消していく。しかも武器ときたら高圧ボンベ付きの家畜用スタンガンなのだ。人間を超越したかのような理不尽で残虐な殺し屋の、しかし髪型ときたらマッシュルームのおかっぱ頭なのだから、笑っていいのか怒るべきか迷うところだ。ハビエル自身、この髪型には相当嫌悪感があったらしい(笑)

この二人を追う(追うというほど積極的でもないのが、予告のイメージと違ったかも)保安官は、昔ながらの法と正義を信じるやや時代遅れの男として描かれているようだが、事なかれ主義の現実派に見えてしまう私って(^^;
どうも顔とセリフから、俳優自身が出演している缶コーヒーのCMが頭に浮かび、「変な宇宙人」に見えてきてしまって困った。

一番共感出来たのが、コインで運命を逃れたラッキーな雑貨屋の店主にだったりするのが可笑しかった自分。

作品全体が不気味で不条理なのにどこかユーモラスな空気を携えている。
この辺が評価された所以の一部でもあるかもしれないなぁ。

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殯の森(もがりのもり)

2008年03月14日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年6月23日公開 日本=フランス 97分

奈良県東部の山間地の旧家を改装したグループホーム。入所者のしげき(うだしげき)は、33年前に亡くした妻・真子の想い出と共に静かな日々を過ごしていた。そこへ新しく介護福祉士の真千子(尾野真千子)がやってきた。彼女は子どもを亡くし夫と別れた事で心を閉ざして生きていた。そんな二人ある日森に迷い込んで・・・。

33年という時間に意味がある。死者が仏に還る年数なのだ。亡くした妻を想う認知症のしげき(うだしげき)と、幼子を亡くした真千子が、森を彷徨い“喪の仕事”をすることで共鳴し合うドキュメンタリータッチの映像は非常にシンプルで美しく、12歳の坂牧春佳の弾くピアノ演奏と相まって、生と死”を考えさせる効果を高めている、・・・・らしい。(^^;

でもどうにもかったるいというか、意味がよく掴めないというか・・・
これ、フランスとの合作なのね。どうりで・・
人によってはとても優れた作品だと思うのかもですが、観る側に解釈を委ねるような作品はやっぱり苦手だ~~!録画で十分。劇場で観たら寝るか途中退出だったな

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バンテージポイント

2008年03月13日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2008年3月8日公開 アメリカ 90分

スペイン・サマランカでテロ撲滅サミットに出席するアシュトン米大統領(ウィリアム・ハート)が広場で何者かに狙撃された。シークレットサービスのバーンズ(デニス・クエイド)、同僚のテイラー(マシュー・フォックス)、TV中継をしていたプロデューサーのレックス(シガニー・ウィーヴァー)、サマランカ市警のエンリケ、ビデオ撮影をしていたアメリカ人旅行者のハワード(フォレスト・ウィッテカー)など鍵を握る目撃者は8人。それぞれ異なる立場から見た視点の先に見えてくる真実とは・・・。

1つの事件を異なる8人の視点から何度も繰り返し見せる手法は、初めのうちはやや退屈で冗長な印象もあるのですが、真実の発端が見えてきたカーチェイスのあたりから俄然スピード感が出て、ハラハラドキドキさせてくれます。

一人の視点からだけでは解けない疑問や謎が複数の視点を合わせることで見えてくるのが斬新。
ただ、犯人側の動機についてはあまり触れていないのが少し残念。

ハワードと彼が助ける少女のエピソードが結局はこの事件の大きなキーポイントになるのもヒューマニティを感じます。

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エリザベス

2008年03月12日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
1998年製作 

16世紀のイングランド。国内で旧教カトリックと新教プロテスタントが争う中、女王メアリー(キャシー・バーク)はプロテスタントを弾圧、新教派のエリザベス(ケイト・ブランシェット)もロンドン塔に投獄されてしまう。しかし、女王の病死により1558年、エリザベスに王位が継承される。新しい女王に、フランスのアンジュー公(ヴァンサン・カッセル)やスペイン王との結婚話が持ち上がるが、エリザベスには恋人のロバート(ジョセフ・ファインズ)がいた。国内の財政は苦しく、スコットランドとの戦争にも敗れるが、エリザベスは新教派のウォルシンガム(ジョフリー・ラッシュ)を味方につけ国を新教に統一することを決定。これに怒ったローマ法王は旧教派のノーフォーク卿(クリストファー・エクルストン)に密使を送る。ウォルシンガムはスコットランド女王メアリー(ファニー・アルダン)を暗殺し、ロバートが妻帯者であることを告げ、意を決したエリザベスは密使とノーフォーク卿ら旧教派を一網打尽にする。愛に破れ祖国と生きることを決意したエリザベスは、人々の前で「私は国家と結婚します」と宣言するのだった。

「エリザベス ゴールデンエイジ」公開に合わせて放送されたものを録画していたので、改めて観直してみました。
たしか、公開当時劇場観賞していた筈。

ケイトが若い・・って10年前だもの、当たり前だが(^^;
ジェフリー・ラッシュも・・・
ヴァンサン・カッセルの女好き&女装好きなフランス王弟が実に似合ってるのがちょっと可笑しくもありました。
ダニエル・クレイグも出てたんですね~~~(驚)

若いエリザベスが恋に別れを告げ、自らが英国の母となることを決意するまでが鮮やかに描かれていたのだな~~と再確認。

「ゴールデン~」でも登場する、侍女たちを従えての宮廷の様子(事情)はあまり変わっていないのね。
ロバートとのダンスのシーンが数度登場するけれど、初々しい一度目、女王となり自信と輝きを持ち始めた頃の二度目、決別を秘めた三度目と場面毎にエリザベスの成長が感じられる構成に感じられました。

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グイン・サーガ118 クリスタルの再会

2008年03月10日 | 
栗本薫 著  ハヤカワ文庫

タイスを脱出したグイン一行は、それぞれの思いを胸にパロに入った。クリスタルでグインはリンダと再会を果たすが、リンダの喜びとは裏腹に、グインの記憶が戻ることはなく、タイスでの負傷の手当てとともに、ヨナによって催眠術を使った記憶の治療が開始された。ところが、リンダの手がグインに触れたとき《何か》が起こり、二人は通常の人間には見えるはずのない、時空を超えた世界をかいま見る驚異に遭遇するのだった。 (あらすじより)

やっと振り出しに戻ったというか・・・期待していた記憶の回復は肩透かしだけれど、本来グインがどこぞの星の王族の追放者であるということを思い起こさせるような描写もあり、新たな扉が開かれる予感の118巻でした。

個人的にはヴァレリウスのグインへの述懐やら苦言やら媚びやらが美味しい。
総じて「面白いヤツ」なんだもの。
出来れば外伝でヴァレちゃんを主人公に一本書いて欲しいなぁ。

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TAXI4

2008年03月06日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年8月25日公開 フランス 91分

タクシー運転手のダニエルと刑事のエミリアンのお騒がせコンビにも、それぞれ息子が誕生し共に穏やかな日々を過ごしていたある日、マルセイユ警察に“ベルギーの怪物”と呼ばれる凶悪犯の護送という重大な任務が課せられた。ドタバタしつつもなんとか犯人を署まで連行したマルセイユ警察の面々だが、犯人一味の工作とエミリアンのドジにより、凶悪犯に逃亡されてしまい…。

エミリアンのドジ加減もスピード狂のダニエルもちっとも変わっていないので、すぐに前作の世界に入り込めます。

今回、ダニエルのTAXIはベースをプジョー407に変更し、スタイリッシュな造りになり、シリーズ最速の312.8km/hの性能を誇ります。高速道路でのスピード違反はもはやお約束のエピソードの一つです。純白のマシンがカンヌやモナコを走る様子は絵になるね。

ほんのちょっとだけど、賢くなった?エミリアンに比べ、ジベール署長のおバカぶりにはさらに磨きがかかった様子。署員も署長に負けず劣らずおバカな面々で、署内で「葉っぱ」を吸う始末(^^;マルセイユに住んでこの警察の面々には絶対お世話になりたくないもんです。

今回、二人の息子が登場し、親より賢そうな子供たちに期待したのに、さほどの出番もなく終わってしまったのが残念。
ダニエルの義父である将軍はすっかり好好爺と化してたのも愛嬌。

ハチャメチャだけど、楽しいフランス映画の最たるものです。

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いつか眠りにつく前に

2008年03月05日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2008年2月23日公開

重い病に倒れた老女アン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は、長女コニーと次女ニナ(トニ・コレット)と夜勤の看護婦に見守られ、自宅のベッドで静かに人生の最期を迎えようとしていた。混濁する意識の中で口走る「ハリス」という初めて聞く名前に動揺する娘たち。アンの意識は、40数年前の夏の日にさ迷いこんでいた。親友ライラ(メイミー・ガマー)の結婚式でブライズメイドをするため、別荘を訪れたアン(クレア・デインズ)は、ライラの弟のバディ(ヒュー・ダンシー)と再会する。さらに一家のメイドの息子で、今は医者をしているハリス(パトリック・ウィルソン)との出会いがあった・・。

人生の終末を前に、たった二日で終わってしまった恋を思い返す老女アン。断たれた恋、果たせなかった偉大な歌手になる夢への切ない甘さと後悔に苦しむ老女の姿を強烈に印象付けるヴァネッサの演技が凄いです。そんな彼女を看病しながら自分たちの人生を見つめ直す娘たち(コニーは主婦・母としての自分の中の鬱屈した苛立ち、ニナは人生や愛に対する臆病さ)の方は比べるとやや弱いかな(^^;

アンとライラが惚れるハリスは、「それほどの男」とは思えないのですが、逆にだからこそ若い時の恋の情熱とそれがもたらした悲劇を強く印象付けることに寄与しているのかもしれません。

劇中でバディがハリスにキスするシーン、これが釈然としないのね。バディの想いが果たしてどちらにあったのか、効果として観客を迷わす目的なのか、それともバディがアンに触れて嫌われることを恐れるあまりなのか・・
そもそもバディが姉の結婚に反対する理由からして説得力に欠ける気がします。
とても繊細な性格だということは伝わるんだけど(^^;

ストーリー自体はありふれていますが、1950年代の衣装(特にライラのドレスは清楚&可愛い雰囲気に溢れていて好き)や結婚式前後の暮らしぶりを楽しむことができたのは良かったです。

老いたライラを演じているのはメリル・ストリープ。
若いライラと似てる女性を探してきたものだな~と観てたけど、この二人って実の母子なんですね。またアンの長女コニー役のナターシャ・リチャードソンはヴァネッサの娘ということで、二組の親子共演でもあります。

夜勤看護婦役のアイリーン・アトキンスやライラの母役のグレン・クローズなど、とにかく年を経た大女優たちが頑張ってます。

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