杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

あしたのジョー

2015年04月30日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2011年2月11日公開 131分
2014年12月28日 TBS年末シネマ放送

昭和40年代の東京。下町のドヤ街でケンカに明け暮れ、荒んだ生活を送っていた矢吹丈(山下智久)にボクシングの才能を見出し惚れ込んだ元ボクサーの丹下段平(香川照之)。しかし丈は問題を起こして少年院へ。そこで出会ったプロボクサーの力石徹(伊勢谷友介)と拳を交えるが、力石の実力の前にぶちのめされ屈辱を味わう。力石の方も、丈の秘めた才能に気付き、互いにライバルとして激しく意識し合うようになる。丈は段平から届くボクシングの練習方法が書かれたハガキを読み、力石に勝つため体を鍛え始める。一足先に少年院を出た力石は、財閥令嬢で所属ジムのオーナー白木葉子(香里奈)の全面的な支援を受けてエリート街道をひた走る。対する丈は、段平がドヤ街に開いたオンボロジムで、打倒力石に執念を燃やし「クロスカウンター」を得意とするボクサーとなる。やがて、世界タイトルに手が届くところまで上り詰めた力石は、世界戦の前にジョーとの決着を望んだ。ジョーも力石と戦うためにプロボクサーになったと訴える。しかし2人の間には、キャリア・実力の差以上に、体重差の壁があった。力石は丈のいるバンダム級まで落とすため、過度の減量をして試合に臨むが・・・。


昭和40年代の伝説のボクシング漫画「あしたのジョー」の実写映画化です。
主演のヤマピーは役作りのためにプロボクサー並みのトレーニングをして約10キロの減量と体脂肪率を10%近く落とし、力石役の伊勢谷友介も実生活での減量や、水を求めるシーンにあたり数日前から殆ど飲まず食わずで撮影に臨んだということです。

昔漫画を読んだことはあります。(TV漫画の方だったかな
丹下を演じた香川さんの演技力の幅の広さに
力石役の伊勢谷さんも美男過ぎるけどキャラの雰囲気を掴んでいたと思います。
肝心の丈は・・・ハングリーさが足りないように感じるのは育ちの良さが出てしまうからかなぁ力石のようにもっとギラギラした渇望感のようなものを出して欲しかったぞ。

ボクシング自体は元々興味がないので、ファイトシーンについてはよくわかりませんでも互いに鍛えて撮影に臨んだだけあって、贅肉が削ぎ落とされた肉体は美しかった

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まほろ駅前狂騒曲

2015年04月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年10月18日公開 124分

まほろ市の東京郊外のまほろ駅前で便利屋を営む多田啓介(瑛太)のもとに中学時代の同級生・行天春彦(松田龍平)が転がり込んでから3年目。多田便利軒には相変わらずあくが強い客や奇妙な依頼が舞い込んでいた。ある日多田の元に、かつて行天が精子だけを提供して産んだ娘のはる(岩崎未来)を預かって欲しいと凪子(本上まなみ)がやってくる。はるの身元を隠して預かったもののすぐにバレ、子守を断固拒否する行天を何とかいいくるめたのも束の間、今度は裏組織の星(高良健吾)から、駅前で毎日のようにビラ配りをする怪しい団体HHFA(家庭と健康食品協会)の調査を依頼される。その協会は以前新興宗教団体で、代表の小林(永瀬正敏)と行天は幼馴染だった。さらに調べを進める多田たちだが、思わぬ形でバスジャック事件に巻き込まれ・・・。


三浦しをんの小説「まほろ駅前シリーズ」原作の映画第二弾です。
多田と行天のゆるゆるだけど息の合った関係は、冒頭のライター事件(ちょっとした悪戯)にも現されています。行天が多田に対してそこまで気を許しているという証拠でもあります。このエピソードはラストにも立場を変えて再び登場しています。

親が新興宗教に入れあげた挙句、暴力を振るわれていたというトラウマから、子供が極端に苦手(自分もかつての親と同じことをするのではないかという恐怖が底にあるようです)な行天は、はるが自分の娘と知ると猶更近づこうとしません。でも多田が留守にした夜、はるの方から接近され、恐る恐る一緒に眠るその姿が何だか愛おしく映ります。

完全無農薬を謳っているのにしっかり農薬使ってる事実を握った彼ら(散布現場のシーンもコミカル)ですが、両親がHHFAに入信していて農作業を手伝わされるのが嫌な由良(横山幸汰)から依頼されて、彼を連れ出したことから一騒動が持ち上がります。この時多田は一緒じゃなかったのよね~~行天と由良は逃げ出して丁度来合わせたバスに乗ったものの、車内には代表の小林がいました。(あれ?何故農園のある停留所で降りなかったんだ??)薬の売人のシンちゃん(松尾スズキ)も何故か拳銃を入れた鞄を抱えて乗っていたからややこしいさらにバスの間引き運転を疑う老人たちが突然バスジャックを始め更に大混乱の中、事件になるのを恐れたシンちゃんが逃げ出すのですが、肝心の鞄を置き忘れちゃう。その鞄を拾った由良君が、小林と行天の殴り合いの喧嘩にパニクって銃を発射し、それが行天に当たってしまいます。

怪我をした行天を病院に連れて行くためバスの進路を変更させた老人たちですが、警察は大捜査線を敷いて取り囲みます。いやいや、まずは怪我人の確認と手当でしょ??最後まで放って置かれる行天に突込みながら、あれ?これって重大事件なのか?の疑問が
(ついでに小林のナイフで行天の小指がまたも切断されてしまうのですが・・・
小林と行天の因縁もそれだけ?という物足りなさがありました。

ともかく、この事件で行天の性格(子供に対する恐怖心とか)がちょっとだけ変わったかも~

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寄生獣

2015年04月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年11月29日公開 109分
2015年4月24日 金曜ロードSHOW! 特別版 放送

ある日、人間の脳を乗っ取って肉体を操り、他の人間を捕食する「パラサイト」と呼ばれる謎の寄生生物が出現。平凡な高校生活を送っていた泉新一(染谷将太)も、そのうちの一匹に襲われる。しかし、脳を奪うことに失敗したパラサイトは、そのまま右腕に寄生し、自らを「ミギー」(声:阿部サダヲ)と名乗り共生を始める。自分の身に起こったことに驚愕する新一だが、次第にミギーに対して友情に近い感情を抱くようになる。やがて、彼の通う高校に教師・田宮良子(深津絵里)に寄生したパラサイトがやって来る。それを発端に他のパラサイトが次々と出現し、新一とミギーに襲い掛かる。


岩明均のコミックを実写化したSFホラー?サスペンスで二部作の前編です。
原作コミックは1990年代に発表されていますが、ファンにとって実写化は賛否両論になることが多く、この作品も同様に評価が分かれているらしい
個人的には原作は未読なので、ミギーと新一の友情物語のような感覚でした。

 人間の数が半分になったら燃やされる森の数も半分ですむのだろうか。人間の数が100分の1になったら垂れ流される毒も100分の1になるのだろうか。地球上の誰かがふと思った。みんなの命を守らなければ。

ミギーによるナレーションで始まり、ミギーが新一から切り離される戦いのシーンから彼の回想として物語が進むので、どうしてそういう展開になったのかは後編でという手法です。(これは劇場公開版では異なっているのかな?)

脳を支配されていない=人間の感情が残っている新一は、完全に寄生されている元人間たちと戦うことになります。その中には彼の母親も含まれています。母子家庭(原作とは異なるらしい)で育った新一にとって、幼い自分を守るために右腕に大火傷を負った母は特別な存在であり、その腕は母性の象徴です。そんな母の姿をした相手を殺せる筈もなく、あっけなく倒されてしまうのですが、ミギーが自分の細胞で蘇生させたことで、彼らは完全な共生体となります。

この事実は人間という生物を研究対象としている田宮の興味を引きます。彼女自身人間と交わって妊娠しており、身体の変化と共に感情(母性)を持つようになってくるのね。
転校生・島田秀雄(東出昌大)として現れた彼女の仲間も初めは人間と共存しようとしますが、正体がばれた途端コントロールを失い暴走して生徒に襲いかかるの。新一はGFの村野里美(橋本愛)を助けようと、ミギーと共生したことで生まれた驚異の身体能力を使って戦います。この頃には世間にもパラサイトの存在が徐々にわかり始めてきて・・・

もう一度母の姿をした寄生獣と戦った時も、やはり新一はとどめを刺せませんが、彼に最期の一撃を加えようとした敵の右手は新一を逸れます。理解できないという顔をしてミギーに倒される敵。脳まで支配している筈なのに、母の感情が残っていて、息子を守ったということかしら?理論的で感情を排した生物として描かれる寄生獣が、人間に関わることで感情が芽生える展開は後編でどういう結末を迎えるのか興味はあるけれど、やっぱりDVD待ちかな

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シンデレラ

2015年04月27日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2015年4月25日公開 アメリカ 105分

優しい両親の愛情を受けて幸せに暮らしていたエラ(リリー・ジェームズ)だったが、幼くして母(ヘイリー・アトウェル)を亡くしてしまう。「辛いことがあっても勇気と優しさを忘れないで」という母の教えを守り、優しい心を持つ女性へと成長したエラは、仕事で家を留守にすることが多い貿易商の父(ベン・チャップリン)の再婚も快く受け入れる。しかし継母(ケイト・ブランシェット)はエラの美しさを不愉快に思い、連れ子のドリゼラ(ソフィー・マクシェラ)とアナスタシア(ホリデイ・グレインジャー)よりエラを慈しむ夫のエラへの愛情に嫉妬する。夫が旅に出ると、継母はエラを屋根裏部屋に追いやり、やがて彼が旅先で急病に倒れ帰らぬ人となると、エラを召使い同然のにこきつかうようになる。寒さに耐えきれず暖炉の前で眠り、顔に灰をつけたまま働くエラを“灰まみれのエラ=シンデレラ”と呼んで大笑いする彼女たちの仕打ちに耐えきれず家を飛び出したエラは、森で“キット”と名乗る青年(リチャード・マッデン)に出会う。城で働く見習いだという彼と話すうち笑顔を取り戻したエラは、自分を理解してくれたキットに好意を抱く。実はキッドは王子だった。病気の父王(デレク・ジャコビ)は国と息子の将来を案じて政略結婚を勧めるが、キットはエラのことが忘れられない。エラを探すため、舞踏会で結婚相手を選ぶことに同意する代わりに、王侯貴族だけでなく国中の未婚女性を招待するという条件をつけたキッド。招待状はエラの家にも届き、ドリゼラとアナスタシアは有頂天で継母と出かけていくが、エラは亡き母のドレスを引きちぎられ城へ行くことを禁じられる。エラが希望を捨てかけた時、願いを叶えてくれるというフェアリー・ゴッドマザー(ヘレナ・ボナム=カーター)が現れ、魔法の杖でカボチャを馬車に、ネズミを馬に、トカゲを従者に、アヒルを御者に仕立て、エラの破れたドレスを美しいドレスに変えて光り輝くガラスの靴を与え「魔法が続くのは12時まで。楽しんでおいで」と城に送り出す。城でにキットが王子であることを知ったエラは、夢のようなひとときを過ごし、二人はお互いの気持ちを確かめ合うが、そのとき12時を告げる鐘の音が鳴って・・・・。


シャルル・ペローの童話『シンデレラ』をディズニーが新たに実写映画化しました。
平民の少女が王子様と恋に落ちて結ばれるという女の子の願望を形にしたファンタジーの不滅の名作の実写化とあっては観なくっちゃ(ちなみに昔のディズニーアニメのお姫様シリーズの方は絵柄が好みと合わないので殆ど観てません2000年を超えたあたりからの作品は好きなんですけどね。)

ファンタジーとはいえ、実写となると、生身の人間臭さがあちこち顔を出します。
父親が再婚したのは娘のためというより、自分が惚れてしまったから?で、いざ結婚したら派手好きで傲慢な性格に気付いてやっぱり死んだ妻が一番って。それじゃぁ継母だって面白くないわよね、とか。この点だけはちょっぴり同情しちゃうかも。

この継母の観察眼もなかなか鋭い。一目でエラの方が愛娘たちよりランクが上(容姿も性格も)と見破り、邪魔で仕方ない。夫の愛情もエラに向かいがちなのも忌々しい。だから夫が旅に出かけるとすぐにエラをいびり始めます。夫の死を知って彼女が真っ先に思ったのは「せっかく贅沢な暮らしが出来ると思っていたのにこれからどうすればいいのよ!!」なんだもの。節約のために使用人を解雇し、代わりにエラを召使のようにこき使いながら、舞踏会に着て行くドレスを新調できるだけの蓄えはあるんじゃないのぉぉ

エラが舞踏会に行きたがったのは森であった青年ともう一度会いたかったから。彼が王子だなんて全く思ってもいないのですが、あの時「殿下」と大尉(ノンソー・アノジー )は確かに言ってたぞ~!気付けよ

亡き母のドレスを破かれ悲しみに打ちひしがれるエラの前に現れたのはフェアリーゴッドマザー。コミカルなキャラが笑いを誘います。温室のカボチャを馬車に変えるなら大きさも考慮しろよ!とかそういえば後で温室はちゃんと直しておいたのかしらん?

でもこのシーンはまさにマジックファンタジー。ネズミやトカゲやアヒルが人間に変身する過程もCG技術あったればこそそしてエラのドレスのなんと優雅で美しいこと王子とのダンスでドレスの裾がふわりと翻るシーンは夢のよう
ダンスの振り付けも優雅さの中に現代的な味付けを加えた独特のもので目を引きました。

12時の鐘が鳴ってからお城を離れるまでの時間的感覚がどうみても秒単位じゃないのは置いといて、その短い時間の間に王様を感銘させる会話までするという離れ業にはびっくり魔法が解けそうなスリリングな追いかけっこも楽しかったです。

父王は自分の心のままに生きろと王子に告げて亡くなりますが、弱小国の将来を思う大公(ステラン・スカルスガルド)とガラスの靴の持ち主がエラだと気付いた継母が、残されたガラスの靴を手がかりにエラを探そうとする王子の邪魔をします。エラから靴を取り上げた継母が自分のいいなりになるなら返すと持ちかけるのですが、ここでエラははっきりと断るのです。それは自分のためではなく愛する王子を思っての勇気です。

探索の一行に紛れていた王子が、閉じ込められていたエラの歌声に気付いて、大公と継母の企みが失敗に終わりハッピーエンドを迎えるのはお約束通り。

ガラスの靴を履こうと踵を切ったりするような描写はなく、今までエラを苛めていた姉妹は彼女に謝りますが、継母は最後まで反省無し。エラはそんな彼女を赦すと言いますが、結局大公も継母たちも国から姿を消したという。

最近の実写版ファンタジーのプリンセスものは、王子に人間的な魅力が無かったのですが、今回はまさに正統派の王子様。背中に棒が入っているような姿勢の良さ、上品な身のこなし、バレエのタイツとは違ってもっこり部分が目立たない白い衣装も素敵
父親思いで国の将来のために自分の気持ちを犠牲にするべきか悩みますが、そんな彼の背中を押したのが当の父とエラの言葉でした。そして最後には自分で決断するの。それはまさしく王として成長した証でもありました。

本編の前に「アナと雪の女王」の続編となる短編が上映されています。
アナの誕生日を祝おうと一生懸命なエルサですが風邪を引いていて、くしゃみをするたびに小さな雪だるまが誕生し増えていき騒動になるの
でも最後は皆がお祝いしてくれて・・というお話。パーティの後、たくさんの雪だるまたちはオラフが氷のお城に連れていきましたとさ

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龍三と七人の子分たち

2015年04月25日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2015年4月25日公開 111分
2014年11月13日 試写会(新宿ピカデリー)参加

70歳の高橋龍三(藤竜也)は、元ヤクザの組長だが“鬼の龍三”と畏れ慕われた時代はもはや過去のもの。現在は家族にも相手にされず、社会にも居場所がなく、大企業で働く息子・龍平(勝村政信)の家に肩身の狭い思いで身を寄せながら「義理も人情もありゃしねぇ」と世知辛い世の中を嘆いている。そんなある日、オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに、元暴走族の京浜連合と因縁めいた関係になった龍三は「若いヤツらに勝手な真似はさせられねぇ」と、昔の仲間に召集をかける。集まったのは、若頭のマサ(近藤正臣)、はばかりのモキチ(中尾彬)、早撃ちのマック(品川徹)、ステッキのイチゾウ(樋浦勉)、五寸釘のヒデ(伊藤幸純)、カミソリのタカ(吉澤健)、神風のヤス(小野寺昭)の7人。どうせ先は長くないのだからと盛り上がった龍三たちは勢いで“一龍会”を結成、京浜連合をことごとく邪魔しまくるのだった。やがて京浜連合のチンピラたちは、調子に乗り始めたジジイたちを疎ましく思うようになり、一龍会vs.京浜連合の対立は龍三や子分の家族を巻き込み一大騒動へと発展していく……。(Movie Walkerより)


公開前の予告を観ながら「あれ~?これ知ってるぞ。原作読んだのかな?」と首を捻っていたのですが・・・思い出しました!!半年近く前にアンケート試写会で観たんだった何が上映されるかは開映までわからないというものでしたが、北野武作品と知って「またバイオレンスものか~~」とガッカリした記憶があります。でも本編観たらコメディタッチでじーさんたちが大活躍で楽しくて可笑しくて「北野さんてばこんなに面白い作品も作れるんじゃん」という感想に変わったんでした
それにしても半年近くも経ってからの公開なんて遅すぎ~~!
もしかして編集で変わっている部分があるのかもしれませんが、当時の記憶での感想です。

引退したヤクザの元組長と子分たちが世直しに立ち上がるという内容で、藤竜也を主演に、近藤正臣、中尾彬、小野寺昭ら平均年齢72歳のベテラン俳優陣が脇を固めています。
棺桶に片足突っ込んでいるような爺様たちという設定ですが、現実にも耳が遠かったり足元が覚束なかったりの方もいたようで、監督が面白おかしく製作裏話を紹介してましたね~

生活保護を受けていたり、介護施設に入っていたり、病院暮らしだったりと決して豊かではない老後を送る子分たち。龍三も父親がヤクザで肩身の狭い思いをした息子に白い目で見られていて、窮屈な生活を送っています。それぞれのキャラも強烈で、仕込杖や拳銃、五寸釘や剃刀を持ち歩き、この年になっても寸借詐欺をしていたり、右翼もどきもいれば、スティーブ・マックイーンに憧れている者も。(演じている品川徹さんは医師ものなどでは品格のある教授を演じたりしていて、そのギャップがまた楽しい)彼らが一龍会を結成した時の親分決めが前科の質と数というのも笑えます。

オレオレ詐欺でお金の代わりに指詰めをしようとしたり、龍三が女のマンションからネグリジェ姿で逃げ出す(監督自身の経験だとか)などのエピソードにも、会場から笑いが起こっていましたが、ネタ的には決して明るくも楽しくもない筈なのに、老人たちが一生懸命になればなるほどコメディになっていくのが面白かったです。

過去の仁義や筋の通し方なんて、今の若くずる賢い連中には疎ましいだけ。弱い者(素人・老人)を騙して私腹を肥やすなんて許せんとばかり立ち上がった老人たちのハチャメチャな立ち廻りは「そんなバカな~」な捧腹絶倒ものなのですが、若いやつらに一泡吹かせる彼らを見ていると何だか気分爽快になってきます。

なんせ、キャッチコピーが「金無し、先無し、怖いもの無し! ジジイが最高!!」「俺たちに明日なんかいらない!!」ですもんね

最後に〆てオイシイとこ持ってくのがマル暴の刑事(ビートたけし)ってそんなのアリか~~

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タイム・ハンターズ 19世紀の海賊と謎の古文書

2015年04月19日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年製作 日本劇場未公開 ロシア 100分

ロシア、モスクワ。ジャーナリストのディミトリ(マクシム・マトヴェーエフ)は、19世紀の米国に実在したロシア領・フォート・ロス(ロス砦)についての調査中、社内に保管された機密文書の中から、自分そっくりな似顔絵と謎の手紙を発見する。真実を探ろうと、カメラマンのフィーマと共にアメリカに渡り、現地の音響スタッフ・マルゴを加えて砦の跡地へと向かったディミトリだが、携帯に見知らぬアプリを見つけて不審に思いながら起動すると、突然、跡地が19世紀のロス砦に変化してしまう。そのアプリはタイムマシンだったのだ!タイムトラベルで真実を知ることができると喜ぶディミトリだが、いきなり現れた海賊に、マルゴと携帯電話を奪われてしまい・・・。


そもそもロス砦って何?状態。何故アメリカにロシアの砦があるのか、何故スペイン兵が出てくるのか頭の中は???なまま物語が進んでいくのだけれど、歴史背景がわからなくても、主人公がヒロインの救出のために海賊と闘うアクションアドベンチャーとして見る分にはそこそこ楽しめる・・・かも

で、ロス砦を検索したら・・・北カリフォルニアのボデガ湾近くに、ロシアによるアメリカ大陸の植民地化政策の前進基地として1812年に建設され、1841年まで維持されたらしい。この時代は各国が植民地を広げるのに熱心であり、ロシアの動向を気にしたスペインが、ラス・カリフォルニアス植民地を設立して対抗していたので、スペイン兵も登場するのね

ディミトリそっくりなロシア将校のクリモフ中尉は最初は飲んだくれの役立たず風ですが、いざ戦いとなったらきっちりやることはやる男として描かれています。(好みとしては彼の部下のナヒモフがイケメン)自分の存在意義に悩んでいたディミトリたちがこの過去への冒険で恋と生きる目的を見つけるという筋書きです。フィーマはスペイン人女性のルシアと、ディミトリはマルゴとそれぞれカップルに

ディミトリが調べていた資料の中の「デカブリストの乱」はロシア貴族による反乱事件で農奴解放やロシア革命に多大な影響を与えたとあります。中尉が率いる兵士たちも農奴であるのが興味深いところです。このまま砦が存続していれば、あるいは彼らは自由の身となって歴史が変わったかもしれないのね

中尉に協力して(謎の手紙はその時に使用された)海賊から砦を守ったディミトリたちですが、フィーマはルシアと共に生きることを選び過去に残ります。ところが現代に戻ったディミトリとマルゴの前にその二人と、冒頭に登場した謎の男が再び出てきて、彼の正体が未来からきたタイムハンターであり、彼らもまたその一員になることが示唆されるのです。そういえば、最初にいかにもなシーンがあったのですが、すっかり忘れてたよ

もっと(日本でも)有名な歴史的事件や場所が背景なら良かったのにな~~

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名探偵コナン 異次元の狙撃手

2015年04月18日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年4月19日公開 110分
2015年4月17日『金曜ロードSHOW!』放送

東京の街を一望できる高さ635mを誇るベルツリータワーのオープニングセレモニーに参加していたコナンたち。展望台からの絶景を楽しむ一同の目の前で、一発の銃弾が客の男の胸を撃ち抜く! すぐさま犯人追跡メガネで犯人を見つけたコナンは、女子高生探偵の世良真純やFBIに助けられながら必死に追跡するが、逃走するため手段を選ばない犯人に翻弄されて取り逃がす。狙撃ポイントには、一発の空薬莢とサイコロが置かれていた。
容疑者として浮上したティモシー・ハンターは、海軍の特殊部隊「ネイビー・シールズ」の元隊員で射撃の名手だったが、交戦規程違反が疑われて除隊していた。狙撃で死亡した男は、彼に高額の不良物件を売り付け破産の原因を作った男で、アメリカでも違反疑惑でハンターを執拗に追い回していた記者が狙撃されていた。捜査本部はハンターを最重要容疑者とし、今後彼に狙われる可能性のある3人の人物をリストアップした。
しかし、第二、第三の犠牲者が出る。なんと第三の犠牲者は一連の事件の犯人と思われていたハンターだった!日本で前例のない連続狙撃事件と、無差別殺人ではないかという憶測が飛び交い東京中がパニックに陥る中、第四の狙撃が行われようとしていることを突き止めたコナンは必死に狙撃を妨害しようとするが、逆に犯人に狙われコナンを庇った世良が撃たれてしまう。


原作で重要キャラの赤井秀一、世良真純、沖矢昴らが登場ということで、ファンには嬉しい一本だったのではないかと思いますが・・・誰それ??
まぁ、誰かわからなくても楽しめるのがこの作品の良いところですが。

コナン君のアクションはますます過激にヒートアップしてますなぁ。
普通の小学生がスケボーをあれほど乗りこなせないし、ボンドだってあんな危険なアクションできませんってば。アニメならではのスケール感ですね。

真犯人はハンターと関わりのある人物の中の誰かという予想は付きますし、能力的には「彼」なのよね
でも、私憤にかられての復讐で、何ら憎悪の対象にならない筈の女子供(世良やコナン)にも容赦ないやり方はかなり違和感があります。犯人像についてはもう少し同情の余地があれば良かったのにな。

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ナイトミュージアム エジプト王の秘密

2015年04月15日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2015年3月20日公開 アメリカ 98分

1938年、エジプト。遺跡の発掘現場で、考古学者の息子が地下墓地に転落。そこで光輝くファラオの石版〈タブレット〉が発見される……。現代のニューヨーク。アメリカ自然史博物館の夜警・ラリー(ベン・スティラー)は、新設されたプラネタリウムの祝賀パーティの準備で大忙し。晩餐会では満天の星座を見せながら“テディ”ことセオドア・ルーズベルト(ロビン・ウィリアムズ)が心を動かすスピーチを行い、大成功……のはずだった。ところが、テディがいきなり乱心、展示物の仲間たちまで乱入して大混乱となる。しかもパーティの後、仲間たちは何も覚えておらず、アクメンラー(ラミ・マレック)が倒れこんでしまった。どうやら展示物たちを動かしている魔法の石板に異変が起こったらしく、もし石版が滅びれば仲間たちは動けなくなってしまう。ラリーは前任の老警備員3人組を訪ね、その秘密を解く鍵が大英博物館にあると知る。高校生の息子ニッキー(スカイラー・ギソンド)と仲間たちを連れてロンドンへ向かったラリーは、女性警備員のティリー(レベル・ウィルソン)を騙し、なんとか大英博物館へ潜入するが、突如巨大なトリケラトプスの骨格標本に襲われる。そこに現れ彼らを助け出したのは、アーサー王伝説の騎士・ランスロット(ダン・スティーヴンス)だった。だがホッとしたのもつかの間、今度はオクタヴィウス(スティーヴ・クーガン)とジェデダイア(オーウェン・ウィルソン)のミニチュア2人組が排気口に吸い込まれ、危険なジオラマへと迷い込む。一方、ソウリュウの攻撃から辛くも逃げ出したラリーたちは、アクメンラーの父ファラオ(ベン・キングズレー)から石版の魔法の秘密を聞き出す。だがその時、ランスロットがニッキーを人質に取り、石版を奪ってロンドンの街へ逃走。それを追うラリーたちにはさらなる危機が待ち受けていた……。(Movie Walkerより)


真夜中になると展示物が動き出す博物館で起こる騒動を描いたアドベンチャーシリーズもいよいよ最終章。主要メンバーであるロビン・ウィリアムズがもういない(2014他界)のですから仕方ないのですよね。なかなか時間が合わず、春休みの公開からひと月近く経ってようやく見ることができました。吹替しかなかったのがちょっと残念ですが

石版の腐食が進めば、博物館の仲間たちはもう二度と動けなくなると恐れたラリーは、資料から手がかりを探すうち、発掘者である考古学者の息子が一作目で対決した老警備員セシル・フレデリックス(ディック・ヴァン・ダイク)だと知り、老人ホームに暮らす彼を訪ねます。
ガス(ミッキー・ルーニー)やレジナルド(ビル・コッブス)も一緒に暮らしているのね(ミッキー・ルーニーも撮影後に死去。エンドロールには彼とロビンへの追悼メッセージがありました。)石版の謎を知るアクメンラーの父であるエジプト王に会うため、彼が展示されている大英博物館へ、アクメンラーと石版の修復を装って入り込んだのですが、テディやジェド、オクタヴィウス、アッティラ、サカジャウィア、デクスター、それにラリーそっくりのネアンデルタール人のラーまでが着いてきていました。

ラーは自然史博物館長(リッキー・ジャーヴェイス)がラリーに似せて作ったという設定。ラリーとラーの掛け合いは漫才みたいで子供受けしそう。館長とラリーの丁々発止の関係も、博物館を愛するが故ということで、今回はタッグを組むことになります。

ニッキーを連れていったのは、大学に行かず一年を自分の好きなことに使いたいという息子とじっくり話し合う時間を取るため。今作ではアーサー王伝説の騎士ランスロットとの出会いを通して子供だったニッキーの成長も描かれます。ニッキーやラリーの思考は、日本では馴染まないし理解もされにくいと思うのだけれど、まぁ、浪人したと思えば許せるのかな

ランスロットは自分が架空の人物であるという認識はなく、「ドン・キホーテ」のような役回り彼が大真面目に語るほど、事情を知る者の笑いを誘う構成です。
お決まりの博物館の展示物(今回はトリケラトプスやソウリュウ(複数の頭を持つ巨大な蛇)、ガルーダ(動きも見た目も可愛らしくて)など)が動き出して大騒動が巻き起こります。ジオラマに迷い込んだミニチュア二人組がデクスターに助けられるシーンなどはおしっこネタが子供に大受けしそうだね

ファラオと会った一行は、彼が息子と死後も一緒に暮らすために石版を作ったことを知ります。石版に月の光を当てれば復活するとわかったのも束の間、この石版こそが探し求めていた聖杯だと勘違いしたランスロットが石版を奪って博物館からロンドンの町に出て行ったから大変。
トラファルガー広場のライオンが動き出したり、「キャメロン」を演じていたヒュー・ジャックマン(カメオ出演)との絡みがあったりでこちらもなかなか楽しい趣向。

すったもんだの末に、ラリーが仲間を助けるために必死な様子に心打たれたランスロットが石版を返し、月の光で見事に復活しますが、今度はファラオの想いを知った仲間たちが、アクメンラーが両親と暮らせるよう石版とともに博物館に残るよう進言するの

石版の復活時間やロンドンからNYへの移動時間が早過ぎるのは置いといて
仲間たちと最後の別れを惜しむラリーの姿に胸が熱くなります
今まで散々手こずらされてきたデックスが、ラリーに親愛のキスをする場面はとってもこのお猿さんの演技はまさに名優の域です

騒動の中でラーと恋中になった大英博物館の警備員のティリー(お世辞にも美女とは言い難いが)に石版の秘密を託したラリーは祝賀パーティーの騒ぎの責任を取って辞め、転職。そして三年後。大英博物館とのイベントで再び賑やかな夜が・・・
う~~ん、このシリーズ別の切り口で復活できそうね

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ビューティフル・クリーチャーズ 光と闇に選ばれし者

2015年04月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年11月30日公開 アメリカ 124分

サウスカロライナ州ガトリン。17歳のイーサン・ワイト(オールデン・エアエンライク)は、毎晩のように見る夢に悩まされていた。それは南北戦争の戦場で、彼を待つ顔の見えない女性の元へ行こうとするが、途中で命を落とすというものだった。そんなある日、謎めいた美少女レナ・デュケイン(アリス・イングラート)が転校してくる。彼女は町の資産家メイコン・レイヴンウッド(ジェレミー・アイアンズ)の姪だった。イーサンは、レナに惹かれていく。しかし、彼女は「キャスター」と呼ばれる魔術師であり、彼女の一族は16歳になる日に「光」か「闇」のどちらかに選ばれる宿命を背負っていた。レナの16歳の誕生日が迫る中、闇に堕ちたレナの母セラフィーは、世界征服の目的を果たすために町の実力者リンカーン夫人(エマ・トンプソン)の姿を借りてレナに近づく。それを阻止しようと、町の図書館司書エマ(ヴァイオラ・デイヴィス)やメイコンらも動き始めるが・・・。

カミ・ガルシア&マーガレット・ストールのヤングアダルト小説を映画化したものだそう。
たぶん、小説の方がもっと面白いんじゃなかろうか?

イーサンの母ライラとメイコンの間には昔恋愛感情があったようですが、イーサンはメイコンの息子ではないようです。親たちの関係については殆ど触れられていないけれど、小説ではどうなのかな?
映画ではイーサンの父は母の死後引き籠っているとの設定で全く登場しません。代わりに面倒を見てくれているのが司書のエマ。彼女は預言者であり、ライラと友人でイーサンを守って欲しいと頼まれていたようです。

イーサンの住むガトリンは南部の保守的な町。未だに差別意識や魔女を信じる空気が濃厚で、レイヴンウッド一族が悪魔崇拝者だと信じ、恐れと憎しみを持っているようです。レナの能力はまだ未熟で感情をコントロールできず、学校でも騒ぎを起こしてしまうのですが、まぁ15歳なんだもの、仕方ないよねでもその力が開花すれば、一族最強なので、闇に堕ちた母親が娘を手中にしようとあれこれ画策するわけです。

夢に現れる女性がレナにそっくりなことに気付き彼女に惹かれていくイーサンですが、実は二人はそもそも一族が魔力を持つようになった人物の生まれ変わりなようです南北戦争時代、レナの先祖である魔術師のジェネヴィーブが、銃で撃たれて死亡した恋人の兵士イーサンを生き返らせようと禁忌魔法を使ったことから闇に堕ちてしまい、その呪いが一族に降りかかってきたのです。男性は闇と光を自らの意志で選べるのに対し、女性はその本性により定められるというのがポイントかな

メイコンは二人を引き離そうと色々妨害しますが、逆に二人の仲を接近させてしまう、良くあるパターンねちなみに何故闇だったメイコンが光に転じてまで姪を守ろうとするのかについてもよくわからないままでしたが。
レナと姉妹同然に育ったリドリー(エミー・ロッサム)も闇に堕ちていて。セラフィーの指示で、イーサンの友人のリンク(トーマス・マン)を操り罠を仕掛けます。

呪いを解く方法を必死に探すリナは遂にそれを見つけますが・・・愛する人を殺すことがその答えと知り、彼女はイーサンの記憶を消してしまいます。彼を守るために出来るそれが最良の方法だったのです。

リナの誕生日は南北戦争をテーマにした学校イベントの日でもあるという設定。
リドリーに操られたリンクがイーサンを銃で撃ち殺すシーンは夢の内容と瓜二つ。リナは嘆き悲しみ闇に堕ちそうになりますが、実はメイコンがイーサンに姿を変えていたと知り、母と対決し彼女を破ります。愛する者を守るために、リナは自分の恋心を封じ、メイコンは自らの命を捧げるという自己犠牲を払ったことで、呪いは破れたのでしょう。
最強の力を手に入れたリナはこの時闇と光の両方を持つ者になっています。(瞳が片方ずつ異なることで表現されています。)

記憶を消されたイーサンとの仲は?というと、半年後、再び会話を交わした二人の間にはそれ以上の進展はありませんが、町を出ようとした時に目にした看板(リナとの思い出の場所)がきっかけとなり、彼は全てを思い出したようで・・・リナの瞳も元に戻ることから、二人の間の障害は取り除かれハッピーエンドになる予感

これって自己犠牲がテーマのキリスト教的な物語とも言える?

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映画ひみつのアッコちゃん

2015年04月12日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年9月1日公開 120分
2014年10月17日 金曜ロードSHOW!放送

小学生5年生の加賀美あつ子(アッコ)はなりたいものがい~~ぱいある元気な女の子。ある日、大事にしていたコンパクトが壊れて悲しむ彼女の前に、鏡の精を名乗る男が現れ、なりたいものになれるという魔法のコンパクトを渡して、秘密を誰かに知られたら、二度と魔法は使えないと注意して姿を消す。
コンパクトを使って大人になったアッコ(綾瀬はるか)は、ある日、化粧品会社のエリート社員・早瀬尚人(岡田将生)に声をかけられアルバイトをすることに。初めての仕事に失敗続きのアッコだが、尚人だけは彼女のアイデアを面白がって見方してくれる。そんな中、会社乗っ取りのピンチが訪れ、株主総会で乱闘騒ぎへと発展する中、アッコの発言が発端となってピンチを乗り切るが、乗っ取りが失敗に終わった組織の手で、工場に爆弾が仕掛けられる。それを知ったアッコは爆弾の存在を教えるため自らの秘密を晒してしまう。鏡も壊れて元の姿に戻れず途方に暮れて泣きだすアッコの前に再び鏡の精が現れ・・・。


子供の頃に見たアニメ放送から○十年。時代背景を現代に置き換えたオリジナルストーリーでの実写映画化です。10歳の小学生が22歳の女子大生に変身して巻き起こす騒動は、その思いが純真なだけに周囲の人間を動かしてもいくのです。綾瀬はるかの、心は小学女子のまま外見は大人というキャラの演じ方が可愛いですしかし心がささくれ立っている時に見ると「ケッ!!」と思うこともあるかもなので、心に余裕がある時に見ましょう

アッコが尚人に抱いていたのは大人の恋愛感情とは少し異なる気もしますが、好きな人のために頑張りたい、何とかしたいという気持ちは十分伝わってきます。商品開発に携わる彼のために、お化粧やお洒落が大好きという「普通の女の子」の感性が新しい技術(温度で色が変わるメイク用品の開発)のヒントになるという設定も自然でイイネ

鏡が壊れて元の姿に戻れなくなったアッコが、鏡の精に「もう一度鏡が使えるとしたら、何になりたい?」と問われた時、彼女は「私」になあれと念じます。偽りの22歳ではなく等身大の少女の自分を選ぶというのがミソそして10年後、彼女は尚人のいる化粧品会社の面接を受けています。(12年後なのに尚人の姿が殆ど変らないのが難ですが)彼らの時が再び流れ始めたというわけね


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マダム・マロリーと魔法のスパイス

2015年04月11日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
故郷を追われ、ヨーロッパで再起を果たそうと旅していたインド人一家が、南フランスの山間で車が故障し、修理のため町に立ち寄る。そこで空き家となったレストランを見つけた一家の父(オム・リー)は、インド・レストランを開くことを決意。一家の次男ハッサン(マニッシュ・ダヤル)は絶対味覚を持ち、料理名人だった亡き母から受け継いだ魔法のスパイスを操る天才料理人だった。しかし、わずか100フィート(約30メートル)道を隔てた真向いには、ミシュラン1つ星のフレンチ・レストラン“ル・ソール・プリョルール”があり、オーナーのマダム・マロリー(ヘレン・ミレン)は、最高のサービスと味を提供することに人生をかけていた。大きな音量で音楽を流し、強烈な匂いのスパイスを使った料理を出す“メゾン・ムンバイ”は、静かな雰囲気をぶち壊す、彼女の神経を逆なでする迷惑な存在だった。二人の対立は日増しに過熱し、市場での食材の奪い合いも起こる。窮地の一家を助けた縁でハッサンが想いを寄せるマルグリット(シャルロッテ・ルボン)は、ル・ソル・プルルールの副料理長で・・・。

小説の映画化だそうで、監督はラッセ・ハルストレム。ということは温かなヒューマンドラマだということよね。
オーナー同士の張合いによる若い二人の恋の障害がテーマの恋愛映画じゃなくて、差別的考えを持つフランス料理店のオーナーが、人種の違う家族に触れてライバルのインド料理店の息子が作る料理と出会い変わっていく姿(偏見を克服していく姿)が描いた現実的な寓話でした。

イギリス人女優のヘレン・ミレンが、頑固で偏見を持ったフランス料理店のオーナーを演じているのが何だか新鮮でした。フランス料理こそ洗練された料理だと自負しているマダムが、すぐ目と鼻の先にできた派手な装飾と大音量の音楽の煩く猥雑なインド料理店を目の敵にするのは、わからないでもありません。嫌がらせで市場の食材を買い占めたりするのは子供じみているけれど対するパパだって負けてない。仕返しに同じことをやっちゃうんだものそんな二人の意地の張り合いに、町長(ミシェル・ブラン)まで巻き込まれていい迷惑絶対的家長であるパパを兄のマンスール(アミット・シャー)を初めとする家族も止めることができません。

二人の争いが過熱する中、マダムの店のシェフのジャン・ピエール(クレマン・シボニー)(彼も差別主義者)が、インド料理店に放火をします。それを知ったマダムは、彼を叱責し解雇します。いくら偏見があってもやってはならない一線を超えたのですから当然よね

ハッサンとマルグリットは徐々に親交を深めていきますが、彼女の助言でマダムに彼の作った料理を食べてもらったことから、ハッサンはマダムの店で働くことになります。同じ料理人であるマルグリットは彼の才能に嫉妬も覚えますが、同時に応援もします。

フランス料理の基礎を学んだハッサンは、その能力を開花させ、店は念願だったミシュランの星を一つ増やすことになります。そしてハッサンはパリの有名な分子料理店で更なる修行をすることに。伝統を学んだあとは最新鋭の調理方法を学ぶということ?まるで化学実験室のようなパリの店は、どうみてもあたたかなインド料理とは相容れない気がするのだけれど・・・

そんなことを思いながら観ていると・・・あぁやっぱりね。な結末にホッ。

それぞれの店の雰囲気の違いや、マダムの服装の変化(初めはかっちりしたスーツ姿でしたが、徐々に女性らしいエレガントで柔らかな服に変わっていきます)などにも登場人物の感情の変化が投影されていて興味深いです。

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ぶどうのなみだ

2015年04月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年10月11日公開 117分

アオ(大泉洋)とロク(染谷将太)の兄弟は、父(大杉漣)から小麦畑と葡萄の樹を受け継いだ。ピノ・ノワールというぶどうを育て赤ワインの醸造に挑んでいるがなかなか思い描くようなものが作れず悩むアオを、ロクは複雑な思いで見ていた。ある日、二人の前にキャンピングカーに乗ったエリカ(安藤裕子)という女性が現れ、兄弟二人きりの静かだった生活が変化していく。(Movie Walkerより)


ワイン造りに情熱を傾けるドキュメンタリーまたは人情ものなのかと思っていたら全く違いました。どちらかというと不思議系ファンタジーかしらん

主人公のアオが全く笑わない。これは演じている大泉さんのキャラから考えるとかなり異質。その理由が、突発性難聴で職を失ったことからくる絶望感にあるようですが、だからといって彼が何故実家に戻り、家業の小麦作りではなくぶどう作りをすることになったのかがいまいちわかりませんでした。過去に亡き父が手掛けようとして失敗に終わったワイン作りを自分が成功させることで、父親を見返すという意図があったのかしら?

弟のロクとは一回りの年齢差があり、兄弟は適度な距離を置いて一緒に暮らしています。彼らの食卓はほぼ自給自足で賄われているようですが、プロの料理人並みのご馳走が並び、観ているだけでもお腹が鳴りそう

ちなみにアオは空の青、ロクは大地の緑から名付けられたようです。
若い頃、父のように土にまみれて生きることを拒み、好きな音楽(発端は父が教えてくれたハーモニカ)で身を立てることを選び父と決裂して家を出て行ったアオですが、病気でその夢を捨てざるを得なくなり失意のまま実家に身を寄せた彼が目にした、父の遺した一本のぶどうの木になった一房のぶどう。彼の新たな夢を見つけた瞬間ということなのでしょう。

ある日、兄弟の前に突然キャンピングカーを運転して現れた穴掘り娘エリカ。最初は何をしているのか不明でしたが、やがて彼らの距離が縮まるにつれ、アンモナイトを探しているのだと判明します。彼女とその母親(江波杏子)との過去の確執とエピソードが発端になっているのです。

分かり合えぬままに逝った父との関係に対する後悔がエリカへの助言となるシーンがそれを受け入れて母を受け入れることができたエリカはアオに贈り物をして、兄弟の前から姿を消します。彼女の掘った深い穴の中にも伸びていたぶどうの根。人は独りじゃない、どこかで誰かと繋がっているのだということにアオが気付くシーンでもあります。

彼らの周囲の人々も一風変わっていて、警官のアサヒさん(田口トモロヲ)、郵便配達人の月折さん(前野朋哉)、父の友人だった床屋さん(きたろう)、近所に住むリリさん(リリィ)は、忙しない都会ではさぞや生きにくいだろうと思われる人々です北海道の空知という舞台設定が登場人物たちの不思議加減によく似合っています。あんな風にゆったりした時間と大地の恵みの中に暮らせば、人間も熟成していくってことかなぁ

ワイン作りを諦めかけたアオもエリカの贈り物(リリさんや仲間たちの協力で出来たワイン樽)に再び立ち上がります。ロクの中にあった兄へのわだかまりも解け、笑顔を取り戻したアオがエリカと再開する頃には「これなら」と自信を持てるワインが出来上がり・・めでたしな結末

エリカやリリさんの衣装はフォークロア調で乙女ちっくな可愛さもありました。
(穴掘りにロングスカートが向いているかは別ですが
彼らが一つの楽団として野を歩く図はまさにメルヘンでした

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エイプリルフールズ

2015年04月06日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2015年4月1日公開 120分

2015年4月1日エイプリルフール。1年に1度だけ嘘をついていいこの日、街は朝から様々な嘘で満ち溢れていた……。〈イタリアンレストランでの大惨事〉対人恐怖症の清掃員・新田あゆみ(戸田恵梨香)は、一夜限りの関係を持った天才外科医・牧野亘(松坂桃李)に妊娠を告白。エイプリルフールの悪い冗談と掛け合わない亘に業を煮やし、亘のいるイタリアンレストランへ向かう。その頃、亘は美貌のキャビンアテンダント・麗子(菜々緒)とランチデート中。“フロアで起きることは私の責任です”がモットーの接客係(ユースケ・サンタマリア)とオーナーシェフ(小澤征悦)は、今日も爽やかに業務をこなしていたが……。〈ロイヤル夫妻の休日〉櫻小路夫妻(里見浩太朗&富司純子)は、ショッピングや初めてのハンバーガーショップ、ゲームセンターでお忍びデートを満喫中。だが、案内を任されたリムジン運転手(滝藤賢一)やハンバーガーショップ店長(古田新太)、アルバイト女子(木南晴夏)など周囲に驚異を与えるばかり……。〈不器用な誘拐犯〉昔気質のヤクザ・宇田川勇司(寺島進)は、小学生の少女・理香(浜辺美波)を誘拐するが、その一部始終を多くの人に目撃されていた。あまりにも不器用な犯行の上、身代金の要求もしなければ脅しもしない。そんな中、理香の母・絵里子(山口紗弥加)は犯人の似顔絵を見て絶句する……。〈占い老婆の真実〉過去にトラウマを抱えた刑事・小野(高嶋政伸)は、不運続きの救急隊員(岡田将生)から除霊師の老婆(りりィ)が大金を巻き上げている現場に踏み込み、連行する。取り調べ中、友人のオーナーシェフから人質事件が起きたと通報があるが、毎年エイプリルフールに嘘をつかれているので小野は全く取り合わない……。〈42年ぶり涙の生還〉11歳の時、父親と漁に出て遭難、行方不明になっていた男(生瀬勝久)がムジャンガ島で発見され、42年ぶりに帰国し、神社への参拝を1日も欠かさなかった幼馴染(千葉雅子)と涙の再会を果たすが……。〈僕は宇宙人〉ブラスバンド部に所属する宇宙好きの中学生(浦上晟周)は、いじめが原因で不登校になるが、何気なく見たホームページで自分が宇宙人だと確信して、宇宙船との交信に全精力を傾ける……。〈ある大学生の行末〉松田(窪田正孝)と梅田(矢野聖人)は、同じ大学へ通う友人同士。特に何をするわけでもなく、いつも二人でつるんでいた。そんなある日、梅田はずっと抱えていた思いを松田に告白。友人だった二人の関係を壊してしまう可能性もある事実だったが、それを超える真実が松田から告げられ……。そしてエイプリルフールの1日の終わり、全ての嘘が絡み合い、最高の奇跡を起こす……。(Movie Walkerより)


年に1度だけ嘘をついても許されるエイプリルフール。確かに子供の頃はけっこう盛り上がったイベントでしたが、最近では冷ややかに無視な感が強いのですが
でもこの物語はその「嘘」に振り回される人々を描いた群像劇です。
Xマスや大晦日、バレンタインなどを題材に数々作られてきた群像劇のエイプリルフールバージョンですね。

セックス依存症の自称天才外科医を演じた松坂君は日頃の好青年を封印して嫌なヤツをこれでもかとばかり「真面目」に演じています。嘘付きと知りながらその嘘に縋った対人恐怖症の妊婦が巻き起こす騒動がメインですが、彼女が何故トカレフ(銃)を持っていたのか?それは誘拐犯のエピソードで登場するヤクザが関係してくるのね。やたらと場を仕切りたがる接客係のウザさは演じるユースケのキャラにとてもはまっていて相乗効果があるし、鷹揚なオーナーシェフのとぼけた感じも面白かったです。彼の友人である刑事が取り調べた占い婆がインチキ詐欺師とも言い切れない真実を言い当てる力があったり、レストランの客の温厚そうな紳士の正体が刑事と因縁がある者だったり、その客の正体がばれるきっかけになった事故に占い婆の客の救急隊員が関わっていたり・・・。何重にも張り巡らされた人物相関図を一つ一つ確認するのも観た後のお楽しみかもしれません。

自分でも本心がわからなくなっていた最低男の亘ですが、破水したあゆみの出産を助けることで、彼の中で何かが変わります。そしてその時レストランにいた客たちも・・。チャラ男だった彼が一瞬本物の医者の目になるシーンがでした。

誘拐エピソードでは犯人が娘の実父で、ある決意を遂行する前に一目娘に会いたい一心で起こした事件でしたが、彼女がなさぬ仲の家庭に孤立感を強めて非行に走っていることを知り、何とか彼女の気持ちを変えようとする姿が、(元妻の言葉を借りるなら)バカだけど、愛情に溢れていました。彼の舎弟がまた殴られてもぼこられても忠犬の如く従うのが健気過ぎて泣けます

娘の義父が「ロイヤル夫妻~」編でリムジンの運転手として登場していて、嘘を真に受ける単純さと正直さが目を引きます。夫妻は実は皇室とは無関係の普通の人で、妻の病気が治らないと知った夫がせめて思い出になる一日をプレゼントしようと思いついた嘘でしたが、妻の方は自分の病状を自覚していながら夫の嘘に乗っていたという。これまた心に響く愛の物語になっています。ちなみに、レストランの客のカップルが彼らが楽しみにしていたコーラスグループのメンバーで、彼らの不在が夫婦の思い出作りに一役買うことにもなります。

「涙の生還」で登場する男女はエイプリルフール用の嘘番組の俳優たちという設定。一見本筋とは無関係な話のようで、実は男の方が亘の相手のCAの麗子のパートナーだったというオチが待っていました。ついでにいうと、麗子もCAではなくキャバ嬢だったのね

エピソードとしてはどうでもいいけれど、インパクトがあったのが、学生の二人の顛末。ハンバーガーショップやラーメン屋で次々追い払われ、部屋でまったりするうち思いついた梅田の「俺、ゲイでお前が好きだ」という嘘を真に受けて自分もと告白した松田は、たまらず彼を押し倒し衣服を剥ぎ取ります。焦る梅田。嘘だと言ってももう遅い!そしておそらくはこの後気付いてしまった自分の心の中の真実。笑えるけどこれも一件落着なんだよね。それにしても窪田君、この役どうして引き受けたんだよ~~引き受けてくれてありがとう~~

いじめから不登校になり、占い婆のHPに書かれた「嘘」に騙されて自分は宇宙人だと信じ込んだ中学生が、地球で思い残したこと(いじめっ子への仕返し)をやり遂げたことで変わるかに見えた彼の日常は、ラストでもう一度ひっくり返ることになるのですが、これこそがこの作品の壮大は嘘なのかも。

笑いの中にじんわり泣ける逸話が散りばめられ、嘘のオンパレードだけど、最後はしっかりハッピーなのが心地よかったです。

2015年12月19日、レンタルDVDで二度目の鑑賞はほぼ窪田君の出演部分のみリピート。
SP版には撮影舞台裏が特典映像で収録されているらしいけど、もちろんレンタル版には無し。
そこだけ見たいために購入を迷うイタイ自分に呆れる

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トリック劇場版 ラストステージ

2015年04月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年1月11日公開 112分
2015年1月25日 日曜洋画劇場放送

ある日、上田(阿部寛)は貿易会社・村上商事社員の有田と加賀美慎一(東山紀之)から、海外の秘境・赤道スンガイ共和国でのレアアース採掘事業に伴う現地住民の立ち退きを進めるため、彼らが信望する呪術師(水原希子)のトリックを見破ってくれたら研究資金を提供すると持ちかけられる。上田は、自称天才マジシャンの山田奈緒子(仲間由紀恵)を誘い、初めて海外へ飛び立つが……。


お馴染みのミステリーコメディの劇場版第4作でシリーズ完結編とのこと。マレーシアでのロケもしシリーズ初の海外ロケです。

依頼の説明を受けている最中に呪いをかけられたという有田が目の前で変死したことと、研究費に目が眩んだ上田は、TVのどっきり番組に乗せられて恥をかき、アパートの家賃を滞納して困窮していた山田に、目的を伏せたまま声をかけます。何故か事件の捜査ということで矢部(生瀬勝久)たちも派遣されてくるのですが、現地に向かう途中、上田が背中にできた発疹に瀕死状態となり、呪術師の元に運ばれて一命をとりとめます。しかしその後、一行に呪いがかけられ、まず資源開発者の川島が、次に医師の谷岡が変死するのです。

現地に来て以来、巨大な火球が村の上空で大爆発する夢を見てうなされていた山田ですが、遂に呪術師のトリックを見破ります。しかし、呪術師は谷岡から撃たれた傷が悪化して死んでしまい、彼女の本当の役割に気がついた山田は、現地に残って呪術師の後を継ぐことを決意するの。洞窟の奥に書かれた壁画を見た山田は、地中から吹き出すガスが上空で引火して大爆発を起こすことを食い止めるために、呪術師が犠牲になって村を救うというのが本来の役割だったことを知ったのです。上田の説得を振り切り、ガスを引火させて地中で大爆発を起こして村を救った山田は消息を絶ちます。ちなみに、一連の変死事件は、加賀美が呪術師と共謀した犯行で、現地の人々を不当に扱い苦しめた横暴な被害者たちへの復讐でした。

この映画の本当の意味での醍醐味は、この時の二人の別れのシーンと一年後に設定されたラストでしょう。シリーズの熱心なファンではなかったので気付きませんでしたが、1話とラストシーンがリンクしているんだそうな。
科学賞授賞の席上で、本物の超能力者に賞金を譲ると宣言した上田の本心は、山田にもう一度会いたいという思いです。そんな彼の気持ちを奈緒子の母は察していたから感謝の言葉をかけたのですね。そして再び巡る二人の出会いのシーン。
(その前に何気なく挟まっていた記憶を失った女性が発見されたとのニュース報道が、ここで伏線として生きてきます)

くだらなくてばかばかしくて、でもとっても楽しいシリーズでしたが、最後はしっかり締めてくれたね

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LUCY/ルーシー

2015年04月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年8月9日公開 フランス 89分

ごく普通の生活を送っていたルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、ある日、BFのリチャード( ピルー・アスベック)に騙されマフィアの闇取引に巻き込まれてしまう。ボスのMr.チャン(チェ・ミンシク)から下腹部にCPH4という新種のドラッグの入った袋を埋めこまれて運び屋にされるが、体内でドラッグが漏れ出すアクシデントが起き、彼女の脳は突如覚醒し始める。CPH4には通常10%までしか活用できない人間の脳の潜在能力を極限まで高める作用があったのだ。
Mr.チャンの事務所に乗り込んだルーシーは、他の運び屋の行く先の情報を手にする。フランスのデル・リオ刑事(アムール・ワケド)に協力を要請して運び屋を逮捕させて全てのCPH4を手にしたルーシーは、脳科学の権威であるノーマン博士(モーガン・フリーマン)に会いにいく。そこへMr.チャンと仲間がドラッグを取り返そうと襲ってきた時、遂にルーシーの脳が100%覚醒して・・・。


ハリウッドじゃなくて、リュック・ベッソン監督のフランス映画だったのね~~

ごく普通の生活をしていたら、あんなに危ない目に遭うこともなかったのでは?という疑問は置いときましょう
一週間前に知り合った男の頼みなんて初めから聞く耳を持たずにさっさと逃げたら良かったのですが、強引に巻き込まれた挙句に腹にヤクの入った袋を埋め込まれて運び屋にされたのが不運の始まり。さらに腹を蹴られて体内に漏れたことが彼女の運命を変えてしまいます。

しかし、このマフィアのキャラが何ともへんてこりん。外見は日本人のようにも見えるけど韓国人の設定で、それなのにインテリアはどう見ても中国系なんだよなぁまぁ、フランス人からすればアジア系はどこの国も同じに見えるんだろうね

能力(脳力)が覚醒して、初めにするのは復讐?と思ったらボスは生かしておくって詰めが甘い。最後のボスキャラ対決のために取っておいたのかと思ったらこのボス、意外とあっさりやられちゃうしな。
人間の領域を超えていく過程で、人間臭い感情も浄化されるってことかしらん。

覚醒度20%で驚異的な言語能力を獲得、40%では電子媒体を自由に操り、遂には時間を遡ることさえ出来てしまう。一方で痛みを初めとする人間的な感情を失っていくルーシーですが、デル・リオ刑事に思い出のキスをするのは最後の感情の発露ということでしょうか。

『トランセンデンス』と同様、人間の領域を超えた者は人間を滅ぼす存在ではなく、よりよい世界を構築しようと努めるという結末は、それこそ人間の願望なのかもね。膨大な知識が一つのメモリースティックに収まるのかはまた別問題ですが

進化の始めの類人猿の名前がルーシーだということにも重大な理由があることがラスト近くで判明します。時こそが進化の鍵だというのですから、ここに帰結するのも納得かも。

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