杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

OVER DRIVE

2019年01月24日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年6月1日公開 104分

真面目で確かな腕を持つメカニックの兄・檜山篤洋(東出昌大)と、世界ラリー選手権へのステップアップを目指す天才ドライバーの弟・檜山直純(新田真剣佑)。篤洋の助言を無視して、無謀で勝気なレースを展開する直純はラウンドごとに篤洋と衝突を繰り返し、いつしかチームにも険悪なムードが漂い始めていた。ある日、直純の新しいマネジメント担当として、ラリーの知識がまったくない場違いな遠藤ひかる(森川葵)がやってくる。そんな彼女を待ち受けていたのは、檜山兄弟の確執に秘められた過去、そしてチーム全員を巻き込む試練だった。(映画.comより)

 

ラリーに生きる兄弟のお話。「オーバードライブ」とは変速比が1.000の直結ギヤより小さい数字の変速比を示す用語らしいですが、それって結局どういう意味?? でも大丈夫、「モータースポーツに関心がないカップルが見ても楽しめる青春映画」(監督談)に仕上がってますから

世界ラリー選手権(WRC)は世界最高峰のラリー競技。その登竜門であるセイコーカップラリーシリーズで熾烈な優勝争いを繰り広げるのが、檜山兄弟の属するスピカレーシングファクトリーと新海(北村匠海)率いるシグマ・レーシングです。新海は自分の走りにしか興味のない直純と正反対のタイプで、常に冷静に状況を判断し、オフの時間もチームメンバーと共に車のメンテナンスをするようなドライバーです。

素行の悪い直純のマネジメント担当としてやってきたひかるですが、元々ゴルフ担当だった彼女は新たな仕事に対する情熱もなく、レースの知識皆無で、完全に場違いな存在でした。しかし、兄弟の確執やレースにかけるチームの情熱を知るにつれ、次第に変わっていきます。レースのことを何も知らない観客は、ひかると共にこの世界に入っていく感覚を共有できますね。

冒頭で、小高い丘からマウンテンバイクで下る兄弟の子供の頃の一コマが流れます。そのゴールに待つ一人の少女が兄弟の間のわだかまりとなっていることが次第に明らかになっていきます。二人ともヒナという少女に惹かれていましたが、彼女が想っていたのは兄の篤洋の方でした。ヒナに告白して断られた直純は、思わず兄には別に好きな人がいると嘘を言ってしまい、直後にボストンに留学したヒナは事件に巻き込まれて亡くなってしまったのです。彼女の死の原因が自分の嘘にあるという自責の念が直純の無謀さに繋がっていたというわけです。篤洋の方も、勇気がなくて彼女に思いを告げることができないまま終わってしまったという負い目があったようです。

最終戦を前にリタイアを余儀なくされた兄弟は、彼らの出発点であり分岐点となった浜辺で過去を清算します。逆転優勝のため、未完成のターボチャージャーの使用を決意した篤洋に、7年前の事故でドライバー生命を絶たれた直純のナビゲーターが賛意を示すシーンが良かったな (実はこの事故の時の原因にも篤洋が関わっていて、彼の自信のなさの遠因でもあったという

ところが、僅差で新海を追う直純は、前を走っていた車の事故に巻き込まれてクラッシュ、コース脇の湖に水没してしまうんですね もうダメだと諦めかけた直純に篤洋が「待ってろ、すぐに直してやるから」と。くぅぅ~~泣かせるねぇ

奇跡の復活を遂げ、優勝する直純。まぁお約束ではありますが、ここは素直に喜びましょう

とさそして、日本を離れる前日。兄弟は「あの丘」から子供の頃のように自転車を走らせるのでした・・・うん、まとまったな

お台場。五箇山・群馬・富士・北九州など日本各地の公道ラリーの様子は迫力満点で、出来ればスクリーンで観たかったな


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MEG ザ・モンスター

2019年01月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年9月7日公開 アメリカ 113分

大陸から200キロ離れた海洋研究施設から、潜水した探査船が未知の海溝を発見。しかし、喜びもつかの間、船は未知の海域で消息を絶った。潜水レスキューのプロ、ジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)は、救助に向かった先で、生物学の常識を超えた“モンスター”=MEGと遭遇。しかし、その恐怖は単なる始まりに過ぎなかった。船を破壊し、研究施設を壊滅させたMEGは、陽光まばゆいビーチをも恐怖に陥れようとしている。ジョナス率いる海洋エキスパート・チームは、この危機をどう乗り切るのか?人類は、果たしてこの脅威から逃げ切ることができるのか⁉(公式HPより)


未知の深海で生き延びていた太古の巨大ザメ「メガロドン」に襲われる人々のサバイバルを描いた海洋パニックアクションです。ジョン・タートルトーブ監督はパニック映画を撮るのは初めてとか そう思うと確かにパニクる人々の登場シーンは少な目で、ジョナスたちの活躍の方に重きが置かれている作品でした。

「ジュラシックワールド」にも登場した200万年前に絶滅したとされる、体長23メートル、体重20トンにも及ぶ巨大ザメのメガロドンと闘うのは、「エクスペンダブルズ」「ワイルド・スピード」シリーズなど陸では敵なしのジェイソン・ステイサムです 盛りは過ぎたといえ、鍛え上げられた肉体美と、年齢関係なく女性に対する優しさは相変わらずの萌えポイントでした。

海洋研究所の所長のジャン博士(ウィンストン・チャオ)が中国人、ヒロインはその娘スーイン(リー・ビンビン)で、メガロドンと遭遇し犠牲になるのは日本人のトシ(マシ・オカ)という設定に、製作資金の出所(ハリウッドの勢力図)を連想してしまいます

マリアナ海溝より深い場所を発見した探査チームが、最新の潜水艇で幻想的な深海の世界に入っていく設定で、海底の下に更なる深海世界が広がるという発想は面白かったですが、思ったほど「幻想的」でもなかったというか、案外普通だったかな

ジョナスは、チームのメンバーに元妻のローリー(ジェシカ・マクナミー)がいたため、レスキューの依頼を引き受けます。彼は以前、仲間を見捨てざるを得なかったことがあるのですが、その原因が巨大サメにあったことを誰も信じてくれず、仕事から遠ざかっていたという過去があります。 Drヘラー(ロバート・テイラー)はジョナスに不信感丸出しでしたが、やがてメガロドンの存在がはっきりすると、潔く自分の非を認め協力するようになるのね

ローリーを助け、愛が復活?と思ったら、あれれ・・スーインの方ですか 彼女の娘のメイイン(ソフィア・ツァイ)はめちゃくちゃ可愛かったけど、これが20世紀ならヒロインは間違いなくローリーの方よね

メガロドン相手の海中戦は観ているだけでも大変そうでしたが、実際撮影もかなり過酷だったようです。

予告編にも登場する海辺のパニックシーン(ここでも中国人の子供と母親が登場してます)では、そもそも水深の浅い浜辺に巨大サメが襲ってくるってどうよ??とも思いましたが・・だってくじらより大きいんでしょ

我らがステイサム・・違ったジョナスが、メガロドンの腹を「ルパン三世」の五右衛門のように切り裂き、目を突き刺すシーンがカッコ良かったです 最後は同じサメ属に食われるメガロドン。因果応報ですな 

人間が侵してはならない領域というのは確かにあるんだと思ってしまいますが、今作でも研究所のスポンサーのモリス(レイン・ウィルソン)がその野心故に悲惨な最期を遂げます。欲の前に人間はなんと弱いものでしょうか

ジョナスの友人であるマック(クリフ・カーティス)、腕にタトゥー満開のジャックス(ルビー・ローズ)、気の弱いウォール(オラフル・ダッリ・オラフソン)、陽気なDJ(ペイジ・ケネディ)といった探査チームの個性的なメンバーとの掛け合いも面白かったです

女子供にめっちゃ優しいステイサムを愛でるという楽しみ方もある作品でした


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マスカレード・ホテル

2019年01月23日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2019年1月18日公開 133分

都内で3件の殺人事件が起こり、すべての事件現場に残された不可解な数字の羅列から、事件は予告連続殺人として捜査が開始された。警視庁捜査一課のエリート刑事・新田浩介(木村拓哉)はその数字が次の反抗場所を示していると解読し、ホテル・コルテシア東京が4番目の犯行場所であることを突き止める。しかし犯人への手掛かりは一切不明のため、警察はコルテシア東京での潜入捜査を決断する。新田はホテルのフロントクラークとして犯人を追うことになり、コルテシア東京の優秀なフロントクラーク・山岸尚美(長澤まさみ)が彼の教育係に任命される。次々と現れる素性の知れない宿泊客たちを前に、刑事として「犯人逮捕を第一優先」に掲げ、利用客の仮面を剥がそうとする新田と、ホテルマンとして利用客の仮面を守ろうとする尚美は、お互いの立場の違いから幾度となく衝突を繰り返すが、共にプロとして価値観を理解し合うようになっていき、二人の間に不思議な信頼関係が芽生えていく。そんな中、事件は急展開を迎え、追い込まれていく警察とホテル。果たして、仮面(マスカレード)を被った犯人の正体とは……。


東野圭吾の小説「マスカレード」シリーズの第1作「マスカレード・ホテル」の実写映画化です。

とにかく豪華な出演陣と、普段見ることのできないホテルの裏側を楽しみながら、謎解きのスリルを味わえました。

小日向文世・梶原善・濱田岳・前田敦子・笹野高史・高嶋政宏・菜々緒・生瀬勝久・宇梶剛士・田口浩正・勝地涼・松たか子・鶴見辰吾・篠井英介・石橋凌・渡部篤郎・・・誰がどの役かすぐにわかった人もいれば、どこに出てたっけ?という人も

クレームをつけて部屋のグレードアップを狙う客や、備品を盗んだと思わせてホテル側の謝罪を目論む客、夫の浮気現場を押さえるために一芝居打つ妻、新田に恨みを抱いて難癖をつける男など、次々と起こるトラブルへの対処を通して新田と尚美の間に信頼関係が生まれていくんですね~ (だからといって、刑事が事件の内容を話しちゃうのは不味いんじゃないかなとは思っちゃいますが疑うのが仕事の刑事と、信じることが前提のホテルマン。相反する立場の二人が、犯人を捕まえ、ホテルの利用客を守るという共通の目的で結ばれ、信頼関係を築いていく物語でもあります。

犯人は、判明してみれば、「あ~~~!!」と思う人物。確かに思いっきり怪しい登場でしたが、犯人に結び付くことなく一旦は退場するんですね~~。でもちゃんと伏線は張られていたことが明らかになります。でもその動機は明らかに逆恨みだよ ちなみにその人のファンなら声や話し方だけでもわかってしまうかも (ついでに、可能性が複数あるなら刑事たちが手分けして急行すればいいんじゃない?とも思ってしまった。ちょっとあざとい演出 事件解決後のエピソードも食事シーンは良いとして、マスカレードの妄想は蛇足な気がします。)

木村君のいかにもホテルマンっぽいこざっぱりした髪型が新鮮 二人の立ち姿や仕草の美しさも見どころです

エンドロールに「明石家さんま」と出てきたけれど・・・え??どこに出てたの??


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ちはやふる 結び

2019年01月21日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年3月17日公開 128分

いつも一緒に遊んでいた、幼なじみの千早(広瀬すず)・太一(野村周平)・新(新田真剣佑)。家の事情で新が引っ越してしまい、離ればなれになってしまうが、高校生になった千早は、新にもう一度会いたい一心で、太一とともに仲間を集め、瑞沢高校かるた部を作った。「新に会いたい。会って『強くなったな』と言われたい。」創部一年目にして、全国大会に出場した瑞沢かるた部だったが、千早は個人戦で史上最強のクイーンに敗れ、さらに強くなることを部員たちと誓った。あれから二年―、かるたから離れていた新だったが、千早たちの情熱に触れ、自分も高校でかるた部を作って、全国大会で千早と戦うことを決意する。一方、新入部員が入り、高校三年最後の全国大会を目指す瑞沢かるた部だったが、予選を前に突然、部長の太一が辞めてしまう。動揺と悲しみを隠せない千早…。千早、太一、新は、再びかるたで繋がることができるのか?(公式HPより)
 
 

末次由紀のコミックの実写映画化で、「ちはやふる 上の句」「ちはやふる 下の句」の続編になります。

3年生になった千早たちは、花野菫(優希美青)、筑波秋博(佐野勇人)ら個性派揃いの新入生たちに振り回されながらも高校生活最後の全国大会に向け練習に励みますが、新に告白された千早がこれを受けると誤解した太一がかるた部を辞めてしまいます。(おいおい!

千早と一緒にいたいためにかるたを続けていた太一にとって、目標がなくなってしまったということですね。加えて東大理Ⅲを狙う彼は成績不振に苦しみます。これも恋の悩みが原因だけどね 予備校で一人残り机に向かい、シャーペンの芯を何度も折るシーンは、彼の心の迷いを端的に表現していました。

太一は競技かるた界の名人・周防久志(賀来賢人)に対局を挑み、彼から心の強さを学び成長します。周防が名人位を退こうとしている理由も後に明かされます。

一方新は団体戦で千早たちと戦おうとかるた部を創設します。このメンバーが個人戦でも我妻伊織(清原果耶)ら上位に並ぶ面々

新目当てで入部した菫も、個人主義だった筑波も次第に瑞沢高校かるた部の仲間として成長していきます。

千早のためだけではなく、自らのかるたへの情熱に気付いた太一も加わり、決勝戦ではフルメンバーでの息詰まる熱戦の末・・・という展開。

気になる新への千早の返事はまぁ予想通りというか、わかってないというか 青春あるあるな結末ですな

この作品で競技かるたの存在を知った身としては、かるたにかける情熱や気迫、集中力に息を呑み圧倒されることしばしばでしたが、コメディ要素も多々あり、新入生獲得のため、本気を抑えていた千早が筑波相手に全力を見せて入部希望者から引かれてしまったり、和菓子好きな周防に太一が振り回されたり、スノー丸に夢中な詩暢の行動などなど、かなり笑えました。 (詩暢ちゃんってばどんどんコメディエンヌになってるぞ

ラストは瑞沢高校かるた部の顧問となった千早が映し出されます。クイーンにもなっていると 映画は完結編なので、高校卒業後のことはまた別ということですね。


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コップ・ベイビー ネタバレあり

2019年01月16日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年製作 ロシア 93分

潜入捜査に失敗した組織犯罪課のクロモフ警部は、占い師の呪いによって環境課に勤めるオレグ巡査部長の赤ちゃんと体をすり替えられてしまう。元の体に戻す為には三合会のチェン 通称“ドラゴン"と呼ばれる、最も危険な犯罪組織のボスを捕まえなければならない。
頼れるのはドジなパパだけ。2人で力を合わせて、不可能なミッションを遂行することはできるのか―


凄腕の捜査官クロモフが、占い師の呪いでドジな警官の息子のバーニャと入れ替わるというとんでもない展開・・いやこういう魂が入れ替わるシチュエーションはけっこうあるよな 大人の心を持った赤ちゃんが活躍する点では、アメリカのアニメーション作品の「ボス・ベイビー」を連想させますね。 ロシア映画だけど、発想はアメリカっぽいぞ

赤ちゃんなのに渋い声と仕草というギャップは面白いです。彼に翻弄されるパパ・オレグはドジでおまぬけな警官かと思いきや、純粋で愛情深いキャラでした。単純バカじゃ、有能なクロモフとコンビは組めないものね

呪いを解くために犯罪組織のボスを追う二人でしたが、ボスの正体はクロモフの元婚約者でした。結婚式当日にドタキャンされた彼女は深く傷つき、彼に復讐を誓い犯罪に手を染めた・・らしいいや、それって二人の職業上どうなのよ クロモフの呪いとは逃げていた自分自身と向き合うことだったというオチは案外深いかも 

事件が無事解決し、クロモフとバーニャの魂も無事元に戻ってめでたしの結末はコメディならではのハッピーエンド。オレグとクロモフの間には信頼&友情が生まれ、新たなバディの出来上がりというオマケつきのエンディングです。

新鮮味はないけれど、コメディとしては普通に楽しめました。あくまで普通、ね。


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アントマン&ワスプ

2019年01月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年8月31日公開 アメリカ 118分

元泥棒でバツイチのヒーロー、アントマンことスコット・ラング(ポール・ラッド)は、2年前にアベンジャーズの戦いに参加したことがきっかけで、いまはFBIの監視下に置かれ、自宅軟禁の日々を送っていた。あと3日でFBIの監視から解放されるという日、スコットの前に、アントマンのスーツの開発者であるハンク・ピム博士(マイケル・ダグラス)と、博士の娘のホープ・ヴァン・ダイン(エバンジェリン・リリー)が現れ、2人が極秘に進めていたある計画に協力するよう要請される。そんな彼らの前に、ピム博士の研究技術を狙い、壁をすり抜ける謎の敵ゴーストが現れ……。(映画.comより)


 マーベルコミック原作の「アントマン」シリーズ第2作です。今作ではホープの母で先代ワスプのジャネット・ヴァン・ダイン(ミシェル・ファイファー)が登場しています。

電子顕微鏡でも見ることが困難な極小の「量子世界」からスコットが生還した事実を目の当たりにした博士とホープは、量子世界に取り残された母を救う可能性に光明を見出します。その技術とラボを狙うのは、武器ディーラーのソニー・バーチ(ウォルトン・ゴギンズ)と量子世界の干渉を受けて不安定な存在となってしまったゴースト=エイヴァ(ハンナ・ジョン・カメン)や博士の以前の同僚ビル・フォスター(ローレンス・フィッシュバーン)です。そこにFBIの監視も加わり、三方敵の状態でのミッション遂行を余儀なくされるアントマンの活躍が描かれます。

今回、スーツの大きさ調節機能の不具合で、体長1.5センチどころか、数十メートルの巨大ロボサイズになっちゃいますが、それって逃れようもない事実として一般市民の目に晒されたわけで・・・でもそこはスルーされちゃうのね

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』には登場しなかったアントマン。理由は「自宅謹慎」と語られてました。キャプテン・アメリカ派の彼は、地下活動をせずに司法取引をして、FBIの監視下での自宅軟禁を選択していたのね。彼が何より守りたいものは、世界じゃなく愛娘や愛するホープやルイス(マイケル・ペーニャ)ら仕事仲間だったというのが、極小サイズのヒーローがらしいし、人間らしくて親近感を持てます。

伸縮自在なアントマンとワスプの戦いはコメディタッチなので楽しめます。ラボの入ったビルや逃走用の車もミニサイズになったり元に戻ったり。こんな発明本当に出来たら凄い便利だよな~~

エイヴァを救おうと手を貸しているビルですが、ピム博士への対抗心もあり、動機がイマイチはっきりしないというか、中途半端な存在になっているのが惜しかったかも 

量子世界の描き方が独特ですが、顕微鏡下の微生物や万華鏡を思わせる点では独創性にやや難ありだったかな

冒頭のスコットが娘のために作った遊び(泥棒じゃん)や、監視装置を付けた巨大アリがお留守番をしていたり、ラボで働きアリがせっせと仕事してたり、ルイスたちが意外と活躍してくれたり、自白剤ネタも楽しかったです。

エンドロールの後に登場するのは量子世界に取り残されるアントマンと忽然と消滅したヴァン・ダイン一家のシーン。え???と思ったけれど・・・そうか!!サノスが全宇宙の生命体を半分消す指パッチンをした瞬間ってことなんですね

つい忘れていましたが、「アントマン」シリーズではあるけれど、「アベンジャーズ」シリーズとも確実に繋がっているわけで・・・これは次回作(どのシリーズになるのかな?)にまたまた期待してしまいますね。


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人生はシネマティック!

2019年01月11日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年11月11日公開 イギリス 117分

1940年、第二次世界大戦下のロンドン。連戦連勝のドイツ軍からの絶え間ない空爆にさらされている街は、男性が次々と徴兵され、女性や子供、老人ばかりが残されていた。そんな中、イギリス政府は国民を鼓舞するために戦意高揚映画(=プロパガンダ映画)を日夜製作していた。ある日、コピーライターの秘書カトリン(ジェマ・アタートン)が、徴兵されたライターの代わりに書いた広告コピーが情報省映画局の特別顧問バックリー(サム・クラフリン)の目に留まり、彼女は新作映画の脚本家としてスカウトされる。彼女が描くのは、双子の姉妹が父親の漁船で海にこぎ出し、「ダンケルクの戦い」でドイツ軍の包囲から撤退するイギリス兵士を救う物語だった。新しい職に就いたカトリンは、スペイン戦争で足を負傷し、空襲監視員を務めながら画家の夢を諦めきれずにいる夫エリス(ジャック・ヒューストン)との暮らしを守るため、なんとしても映画の仕事を成功させることを決意する。 情報省映画局からの出向する形で制作会社ベイカー・プロでの執筆がスタートしたカトリンは、バックリーとパーフィット(ポール・リッター)の3人の共同で脚本化に挑戦する。だが滑り出しから、情報省のフィル・ムーア(レイチェル・スターリング)に呼び出しを食らってしまう。姉妹が乗る船ナンシー号のエンジン故障の場面が、英国の威信を傷つけるから脚本を直せと要求が入ったのだ。脚本のペアを組むバックリーからも容赦のないダメ出しをされ、厳しい検閲や政府の要望がある度に衝突しながら、脚本は進んでいった。やがてスタッフや役者が決まり、いよいよデヴォンでの3週間のロケが始まるが、監督はノンフィクションの経験しかなく、出足から不安がいっぱい…。出演者のひとり、アンブローズ(ビル・ナイ)は、かつて刑事ドラマシリーズで人気を博したプライドを捨て切れない落ち目の俳優だった。そんな彼も、戦争の空爆でエージェントのサミー(エディ・マーサン)を亡くし、代わりにその姉のソフィー(ヘレン・マックロリー)が新しい代理人として、アンブローズに新境地を開かせようと奮闘していた。製作陣の足並みが揃わない中、軍部からの横やりが入る。アメリカの参戦を促すため、無理矢理に追加のキャスティングが決まったのだ。勇敢なアメリカ人を演出するため、アメリカ人パイロット、カール・ランドベック(ジェイク・レイシー)が加わることになったが、彼は演技経験が全くないズブの素人。そこでカトリンは、アンブローズを何とか説得して演技指導を頼むことに成功する。出演者たちで何度もリハーサルを繰り返しながら、少しずつ絆を深めて撮影は進んでいく。カトリンにとっても、映画作りは確実にやり甲斐のあるものになっていた。バックリーとも仕事をしていく中で、互いに親しみと好感を抱くようになる。そんな2人の情熱が、脚本にも次第に表れていった。自分が活躍するシーンを増やしたいアンブローズのわがままに付きっきりになっていたカトリンだが、ロンドンで個展を開いた夫のもとに帰るため撮影現場をあとにする。いつしか特別な存在となっていたバックリーと書き上げた脚本も、完成に近づいた。だが、撮影も終盤に差し掛かったころ、ロンドンは大規模な空爆に襲われる。破壊しつくされた街に打ちひしがれるカトリンだが、それでも最後まで映画を完成させようとあきらめずに奮闘する。しかし、最悪なことに、カトリンたちの前には最大の困難が待ち受けていた…。はたして脚本は完成し、映画を国民に届けることはできるのか――?(公式HPより)


第2次世界大戦中のイギリス・ロンドンで、映画製作に情熱を注ぐ人々を描いたヒューマンドラマです。

戦時中の国民の戦意高揚のためのプロパガンダ映画の製作ということで、自国の威信を傷つけてはいけないとか、アメリカに参戦してもらおうと受けも気にしなくてはいけないとか、政府や軍の横やりは入るし、ベテラン俳優の機嫌もとらなきゃいけないしで、トラブルが続出。そのたび脚本も二転三転する中で、決して諦めずに奮闘するヒロインたち映画人の姿が描かれます。

ビル・ナイ演じるアンブローズがとってもチャーミング 昔の栄光を引きずる落ち目の俳優が、ソフィーやカトリンとの出会いによって新たな境地を拓く様子が好ましく映ります。ド素人のアメリカ人パイロットの演技指導役が意外にはまっているんです ソフィーの忌憚のない、それでいて優しさを感じさせる物言いに好感が持てます。次第に彼女に惹かれていくアンブローズのその後の関係も気になるところ

劇中劇を織り交ぜながら進む物語は、軽妙洒脱でウィットに富んだ台詞に溢れています。明日の命の保証もない戦時中にあっても、逞しく前を向いて生きようとする人々に逆に力づけられる作品です。また当時の撮影風景が描かれているのも興味深かったです。

カトリンの夫(実は正式な夫婦ではなかったことが後で判明)は、妻は自分の従属物と考えるような人物でした。カトリンが脚本の仕事にのめり込むほどに二人の心は離れていき、夫の不貞を目撃したことで決定的な別れが訪れます。その一方で次第に惹かれあうカトリンとバックリー(眼鏡外すとイケメン)。脚本を通して彼らは心を通わせていくんですね 互いに認め合い愛せる人とやっと心が繋がった矢先に突然の悲劇 え~~?ハッピーエンドじゃないのかよ!とカトリンじゃないけどしばし呆然としちゃいましたよ 

傷心を抱えながらも完成した映画を劇場で観るカトリンでしたが、観客の様子に手応えを感じます。そして彼女の次の仕事は空襲監視員(エリスがしていた仕事ですね)を題材にした映画の脚本です。愛する人との別離を経て、カトリンは脚本家としての新たなスタートを切ろうとしている、これは希望に満ちた結末と言えるよね。


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ボヘミアン・ラプソディ

2019年01月11日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年11月9日公開 アメリカ 135分

1970年代初頭のロンドン。音楽に傾倒するファルーク・バルサラ(ラミ・マレック)は、インド系移民の厳格な父と折り合いが悪く、自分のルーツを嫌い「フレディ」と名乗っていた。ある晩、バンド「スマイル」の演奏に惚れこんだ彼は、メンバーでギタリストのブライアン・メイ(グウィリム・リー)、ドラマーのロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)に声をかけ、脱退したヴォーカリストに替わってヴォーカル兼ソングライターとなり、ベーシストのジョン・ディーコン(ジョセフ・マッゼロ)を加えて新生バンド「クイーン」をスタートさせる。アルバムを自主制作する様子を見たEMIのジョン・リード(エイダン・ギレン)にスカウトされ、ポール・プレンター(アレン・リーチ)をマネージャーにした彼らは、デビューを果たし、世界各国でのツアーに出る中、「マーキュリー」と改名したフレディは、交際していたメアリー(ルーシー・ボーイントン)にプロポーズする。

EMIの重役レイ・フォスターから「キラー・クイーン」の路線踏襲を命じられた彼らは反発し、オペラをテーマとしたロック・アルバムを製作するが、「ボヘミアン・ラプソディ」のシングルカットを認められず対立。フレディ自らラジオに出演して独占放送し大ヒットとなり、スターダムを駆け上っていく中、フレディは自身のセクシャリティに気付きメアリーに告白する。彼の本心を察していたメアリーは、彼はゲイだと指摘し距離をおくようになる。孤独を深めるフレディは、パーティー三昧の生活に溺れ、メンバーとの確執が増して、高額のソロ活動契約を結んだことをきっかけに、決定的に仲間割れしてしまう・・。

 

「クイーン」のボーカルで、1991年に45歳の若さで逝ったフレディ・マーキュリーを描いた伝記ドラマです。クイーンの現メンバーのブライアン・メイとロジャー・テイラーが音楽総指揮を手がけ、劇中の楽曲には主にフレディ自身の歌声を使用しているそうです。監督は「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガー。

特に「クイーン」のファンではないけれど、一度は耳にしたことのある名曲たち、「ボヘミアン・ラプソディ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」などの名曲誕生の瞬間や、「ライブ・エイド」での圧倒的なパフォーマンスの再現をスクリーンで体験できるのが最大の魅力です。

正直、フレディの出自も知りませんでしたが、彼は自分の出自を嫌い、イギリス風に改名していたんですね 更に自身のアイデンティティに悩んだことなど強いコンプレックスを抱えた人物だったということも初めて知りました。実際彼がバイだったのかゲイだったのかはよくわからなかったけれど、メアリーのことは本当に愛していたように描かれていて、苦しみから逃れるかのように遊びまわる姿が何だか切なく見えました。そんなフレディに取り入ってソロ活動をさせた人物として悪役扱いなのがポールですね そもそも、フレディがアイデンティティに目覚めるきっかけを作ったのも彼になっているし ライブエイドの件を取り次がなかったのも彼。

紆余曲折を経て、フレディがメンバーの元に戻り和解する場面と、疎遠だった父親との和解の場面は感動的に作られています。

フレディは日本贔屓だったということで、映画の中で、彼の自宅には着物や浮世絵、神社札などが飾られている様子が映されています。ナイトガウン代わりに着物を羽織ったりしてるんですね

足と手のリズムを活かした「ウィ・ウィル・ロック・ユー」など、個々の曲の誕生するきっかけ話も興味深かったのですが、やはりクライマックスのライブエイドの出演場面は圧倒的でした。映画館の座席にただ座っているだけでも、頭の中ではライブ会場にいるかのような感覚に陥ることができました。 公開からかなり日が経っての鑑賞(しかも自発的ではなく誘われてのね)でしたが、やはりスクリーンで観て良かったなぁと思える作品でした


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エタニティ 永遠の花たちへ

2019年01月06日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年9月30日公開 フランス=ベルギー 115分

19世紀末、フランス。色とりどりの花々が咲き誇り、樹木が茂る広い庭のある邸宅で、両親から深い愛を受けて育ったヴァランティーヌ(オドレイ・トトゥ)。17歳になった彼女は、先方からの希望でジュールと婚約するが、考えた末に解消する。しかし、ジュールは諦めず、そんな彼の純粋さに惹かれたヴァランティーヌは結婚を決意する。6人の子供たちに恵まれ、満ち足りた人生を送っていたヴァランティーヌに、生まれて間もない赤ん坊が亡くなるという、初めての不運が襲い掛かる。それを機に、まるで手にしたものが奪われるように、結婚20年目を迎えた年にジュールが急逝する。夫を失った悲しみが消えることはなかったが、子供たちの中に宿る夫の存在をふと感じるたびに、心が癒されるのだった。ところが、第一次世界大戦が始まり、一番上の双子の息子たちが徴兵される。まもなくヴァランティーヌは、同じ日に2通の戦死通知を受け取る。母は息子たちの最後の顔さえも見ることは叶わなかった。そんなヴァランティーヌを静かな幸せで満たしてくれたのは、二人の娘たち、マルゴとエリザベットの成長だった。だが、そのエリザベットも病のために若く美しい命を散らす。暗雲に覆われた日々に、息子のアンリ(ジェレミー・レニエ)が、明るく暖かな光を届けてくれる。両家の親が望んでいた、幼なじみのマチルド(メラニー・ロラン)との結婚を決めたのだ。その輝きも、マルゴが修道院へ入ることを決めた時に翳りを見せるが、やがて初めての孫を抱く喜びが、再びヴァランティーヌを元気づける。マチルドには、互いに“幸せでいてほしい”と心の底から願う親友がいた。ガブリエル(ベレニス・ベジョ)という姉妹同然に育った従姉妹だ。ガブリエルは親同士が決めた相手、シャルル(ピエール・ドゥラドンシャン)と結婚する。最初はうまくいくか不安に駆られていたガブリエルだが、まだ愛していないが、愛は学ぶものであり、君を愛し続けると約束すると率直に語るシャルルの誠実さに、安らぎと情熱を見出していく。マチルドとアンリ、ガブリエルとシャルルは同じ建物の部屋に暮らし、毎日のように行き来していた。ヴァランティーヌも、失った娘たちに代わって、マチルドを実の娘のように可愛がり、その親友であるガブリエルも受け入れる。それぞれの子供たちも増えていき、さながら大家族のような賑やかで心躍る日々が続いていく。だが、光が輝けば影もまた強くなり、胸踊る出会いの後には、切ない別れが訪れる。──ヴァランティーヌとその愛しい家族たちの運命が、激しく動こうとしていた──。(公式HPより)


運命に翻弄されながらも世代を超えて命をつないでいく女性たちの姿を描いたドラマということですが、彼女たちの環境があまりにも恵まれていたからか、どうしても他人事にしか映らなかったのがなんだかな~~ 登場人物たちのセリフが極端に少なく、ナレーションで進む物語は淡々と進んでいきます。こういう手法は引いて観られるという利点はあるけれど、個人的にはあまり好きじゃないので、そのせいもあるかな。

初めに「あるブルジョワ一家」と紹介された通り、その暮らしぶりはウサギ小屋の日本人の平均的な家庭と比べるべくもありません。彼女たちの夫の仕事もよくわからなかったし、夫亡きあとの暮らしぶりも変わらないので、働かなくても生活していけるということなのでしょう。当時は子沢山が当たり前で、妻は何度もの出産を繰り返しています。死産を含め、子供が早世してしまうのもよくあることだったようです。

結婚し子供を産み育てるのが女の幸せとされた時代に生きたヒロインの生き方を否定する気はありません。親の決めた相手でも互いに慈しみ愛し、寄り添うことができた彼女たちは、たとえ悲しい別れが待っていたとしても、十分幸せに生きたと思えるから。一人の女性として、出産の喜びや愛する人を喪った悲しみは共感できました。

「男女が共に生きることを誓い何かを作り上げて行く夫婦間の愛に対する賛歌だ」とトラン・アン・ユン監督が解説していますが、音楽とナレーションと美しい映像が紡ぐ上質で豊かな人生賛歌の作品となっていることは認めざるを得ないかな。

彼女たちが暮らす屋敷や庭、装飾品や衣装の美しさ、生まれてくる赤ん坊たちの愛らしい様子はまるで絵画を見ているかのようでした。

そう!絵画だと思えばストーリーはさほど重要ではないのかもね。


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星を追う子ども

2019年01月06日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2011年5月7日公開 116分

2019年1月1日放送(テレビ朝日)

山間で育った少女アスナ(声:金元寿子)は、母と2人暮らし。ある日、父の形見の鉱石ラジオから聴こえてきた不思議な唄を耳にしたアスナは、その曲が忘れられなくなる。そんな時、彼女は“アガルタ”と呼ばれる地下世界から来た少年シュン(声:入野自由)に出会う。心を通わせる2人。シュンはこの世界の素晴らしさを知るが、アスナの前から突然姿を消してしまう。もう一度シュンに会いたいと願うアスナ。その目の前に、シュンと瓜二つの少年シン(声:入野自由・二役)が現れる。そして、もう1人。若い頃に亡くなった妻との再会を切望し、アガルタを探すアスナの学校の教師モリサキ(声:井上和彦)も2人の前に姿を見せる。彼らの前に開かれるアガルタへの扉。3人はそれぞれの想いを胸に、伝説の地へ旅に出る……。(Movie Walkerより)


「秒速5センチメートル」と一緒に録画されていたのでついでに観たのですが・・・ジブリへのオマージュ強すぎ

アスナに懐く猫のミミはナウシカのテトそっくりだし、モリサキはまるでムスカだし、クラヴィスのペンダントも「ラピュタ」の飛行石じゃん

そもそも話の展開が雑。アスナの父が何故クラヴィスの欠片を持っていたのか、シュンが地上に来た目的や、アスナがモリサキについてアガルタに行こうと思ったのかなどなど、納得のいく説明になっていません。

モリサキ先生が亡き妻を蘇らせるためにアガルタにある生死の門を目指すというのは一貫していましたが、目的のために手段を選ばずなあの「選択」には呆れてしまうぞ。 結果、代償を払ったのは当然として、生き続けることが償いになるのかな?

8年前の作品ということで粗削りなのは否めない作品でした。


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秒速5センチメートル

2019年01月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2007年3月3日公開 63分

2019年1月1日 放送(テレビ朝日)

互いに思いあっていた貴樹と明里は、小学校卒業と同時に明里の引越しで離ればなれになってしまう。中学生になり、明里からの手紙が届いたことをきっかけに、貴樹は明里に会いにいくことを決意する(第1話「桜花抄」)。やがて貴樹も中学の半ばで東京から引越し、遠く離れた鹿児島の離島で高校生生活を送っていた。同級生の花苗は、ほかの人とはどこか違う貴樹をずっと思い続けていたが……(第2話「コスモナウト」)。社会人になり、東京でSEとして働く貴樹。付き合った女性とも心を通わせることができず別れてしまい、やがて会社も辞めてしまう。季節がめぐり春が訪れると、貴樹は道端である女性に気づく(第3話「秒速5センチメートル」)。


「言の葉の庭」の新海誠による2007年公開の劇場作品で、ひかれあっていた男女の時間と距離による変化を全3話の短編で描いた連作アニメーション。主題歌は山崎まさよし「One more time, One more chance」

タイトルの「秒速5センチメートル」とは、舞い散る桜の花弁(または雪)が地面に向かって落ちる速度のことと説明されています。
観る前は、少年少女の淡い初恋物語程度に思っていたら全く違っていました。

第1話では、貴樹が明里に会いに行きますが、空模様は雨から雪に変わり、先の波乱を予測させます。そもそも平日の学校帰りの夜に彼女の住む駅で待ち合わせるってどうよ!って話なんだけど。
彼の住む小田急線沿線から埼京線、宇都宮線、両毛線を乗り継いで岩舟駅がゴールなのですが、「中学生が一人で行くには遠く、大人にとってはたいしたことがない距離」という絶妙の位置なんですね。予め調べた行程の時刻表はしかし、雪のため遅延しダイヤが乱れて役に立たず、携帯を持っているわけでもないので連絡手段もなく、ただひたすらに待つしかない貴樹の孤独が恐いほどに伝わってきます。
4時間以上遅れてやっと着いた駅の待合室にそれでも明里は待っていてくれました。(その時点で親が心配してるだろ?とか思ってしまう大人な自分)駅舎を出て交わした初めてのキス。一晩過ごした小屋(凍死するだろ?とかまたまた親への連絡はどうした?とか余計な考えが浮かんでしまいますが)で、尽きることなく二人は語り合います。
 
第2話の「コスモナウト」は、“cosmonaut” ソ連の宇宙飛行士を指す単語らしい。最初に登場する草原は地球じゃないどこか、一緒にいる女性の顔ははっきりしません。ここでは高校生になった貴樹に想いを寄せる花苗の視点で語られていくのですが、東京の大学を受験するというのでてっきり明里と続いていると思っていたけれど、彼の打つメールは「宛先のない=届くことのない」ものです。卒業前、花苗は貴樹に告白しようとして彼との間に超えられない距離を感じ諦めてしまいます。彼の想像の中で、一緒にいる女性の顔はラストでは明里になっています。つまりまだ彼は過去に囚われたままだということですね。
 
そして第3話。彼は社会人になっていますが、目的を見失い会社を辞めてしまいます。花苗とは卒業後もメールのやりとりがあったようですが、「1000通メールを交わしても心は1cmも近づけなかった」と言われています。花苗以外に三年付き合った彼女とも別れています。あれ~~?明里はどうした??と思っていると、彼女の方は新たな人生のスタートを切っているんですね 
 
はい、少年の頃の淡い恋が持続して成就するなんて、現実には殆どありません。あるとしたら互いに相当に努力が必要でしょう。
遠く離れた距離と時間が、彼らを引き裂いたとしてもそれは自然な結果です。その意味では明里は喪失を受け止め乗り越え、新しい道を拓いて進んでいます。でも貴樹の方は「あの頃」に囚われたままもがいているように見えます。
 
1話で登場する踏切の前で再びすれ違った二人。遮断機が下り、電車が通過したあと、貴樹の視線の先に明里の姿はありません。それが彼女の答えです。
 
う~~ん、深いなぁ。願わくば彼が今度こそ「あの頃」と決別できたら良いのに・・。
でも全編を通して、貴樹からは前に進もうとする生命力を感じられないんですよね~~ 自分の殻の中で閉じこもっているような今だ思春期のもがき続けている男の子のイメージでした。

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モンスター・ホテル クルーズ船の恋は危険がいっぱい?!

2019年01月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年10月19日公開 アメリカ 97分

365日ホテルで働きっぱなしのドラキュラ(声:山寺宏一)。 それを見かねたメイヴィス(川島海荷)は、家族旅行を提案。 行き先はモンスターご用達の豪華客船クルーズ! はじめは乗り気ではなかったドラキュラだが、 ミステリアスな船長エリカに出会い、 恋に落ちてしまう! 彼女に不信感を抱くメイヴィスは父を止めようとするが…。 ドラキュラの恋の行方はいかに!?(公式HPより)


妻を亡くし、一人娘のメイヴィスを男手一つで育ててきたドラキュラが、メイヴィスと人間の若者ジョナサン(藤森慎吾)が恋に落ちたことで大パニック。子離れできないドラキュラが、モンスターたちを巻き込んでの大騒動を巻き起こした一作目。メイヴィスとジョナサンがめでたく結婚し、孫のデニスの世話に奮闘するドラキュラが、大の人間嫌いの父・ヴラッドの登場で巻き起こる騒動を描いた二作目。に続く三作目は、ドラキュラ自身の恋模様を軸に、天敵であるヴァン・ヘルシングの陰謀に巻き込まれるモンスターたちがまたまた大騒動を繰り広げます。

 エリカの正体はヴァン・ヘルシングのひ孫で、復讐のためにドラキュラに近づくのですが、いつしか恋に陥るという展開

父親の恋に戸惑うメイヴィスを優しく諭すジョナサン。彼はヴァン・ヘルシングとの対決シーンでも活躍します

子供向けではあるけれど、大人もちょっと考えさせられる内容なのはシリーズを通じて変わっていないかな

変わらないといえば、ドラキュラの愉快な仲間たちも相変わらずのドタバタを演じてくれていて、それも楽しかったです

グレムリン航空のエピが爆笑もの。モンスターたちは当然だけどジョナサンも平気ってのはどうよ!だけどね


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