杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

レッド・スパロー

2018年07月31日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年3月30日公開 アメリカ 140分 R15+

事故によりバレリーナの道を断たれたドミニカ(ジェニファー・ローレンス)は、ロシア情報庁幹部である叔父のワーニャ(マティアス・スーナールツ)により、病気の母親の治療費を工面するためスパイの養成学校へ送られる。ハニートラップや心理操作を武器にミッションを遂行するスパイ=<スパロー>として鍛え上げられた彼女は、アメリカのCIA捜査官ネイト・ナッシュ(ジョエル・エドガートン)に接近し、ロシア政府内に潜むスパイの名を聞き出すという危険な任務を与えられる。接近したドミニカとナッシュは互いに惹かれあいながらも、それぞれのキャリアや忠誠心、国家の安全をかけてだまし合いを繰り広げていく。


元CIA局員という経歴を持つジェイソン・マシューズによる同名小説が原作です。

スパイというとボンドやハントのような体を張ったアクションシーンを想像してしまいますが、こちらは同じ体を張るといっても色仕掛け。女の武器を使って相手を誘惑しコントロールする心理戦でした。

とにかくスパイ養成学校の訓練内容がR指定そのもの。指導教官のブーシェ(メアリー=ルイーズ・パーカー)の指導内容は過激で個人の人間性を否定し国家に命を捧げることこそが第一義と叩き込みます。まさに洗脳です。こんなことを国を挙げて行っているなんて おっとっと・・これはアメリカ発のロシアスパイ映画ですから、ロシアが悪者になるのは当たり前ですね。

ドミニカの怪我は彼女を妬んだバレエ団の同僚が仕組んだものですが、その事実を暗に気付かせたのは叔父。ということはそもそもが彼の仕組んだ周到な罠ということですか

自らネイトに素性を明かし、助けを求めてみせて、ドミニカの真意はどこに?なスリリングな展開は目が離せませんが、拷問シーンはグロくて目を背けたくなりました

答えはラスト近く、アメリカとの密通者の正体がわかってからスパイの引き渡し場面です。

ドミニカは「復讐」を果たしたんですね


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劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命

2018年07月30日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年7月27日公開 127分

地下鉄トンネル崩落事故から3か月後、旅立ちの時が迫る藍沢たち。
その旅立ちが「別れ」を意味することに気づきながらも、彼らは10年間を共にした互いへの思いを抱えたまま、日々を過ごしていた。しかしそんな彼らの思いに構うことなく、出動要請が入る。 
成田空港への航空機緊急着陸事故と、東京湾・海ほたるへの巨大フェリー衝突事故という、「空」と「海」を舞台にした未曽有の大事故が連続発生。史上最悪の現場に、彼らはいかに立ち向かうのか。そしてその先に、答えはあるのか―。(東宝hpより)

 

リアルな医療・災害・事故現場の描写や主人公たちの成長と絆の人間模様を描いた連続ドラマの映画化です。先日TV放送されたスペシャル版だけでも見ていたらなお楽しめますが、ドラマを見ていない人でも大丈夫なようにか、冒頭でこれまでのざっくりしたあらすじの紹介がありました 

藍沢耕作(山下智久)、白石恵(新垣結衣)、緋山美帆子(戸田恵梨香)、冴島はるか(比嘉愛未)、藤川一男(浅利陽介)のオリジナルメンバーに加え、2nd シーズンから彼らを見守る椎名桔平、3rdシーズンから登場の名取颯馬(有岡大貴)、灰谷俊平(成田凌)、横峯あかり(新木優子)、雪村双葉(馬場ふみか)、新海(安藤政信)も勢揃いしています。劇場版からの参加は新田真剣佑、かたせ梨乃他。
シリーズ最大のスケールで描かれる大規模災害と、そこに巻き込まれた患者たちが織りなす人間ドラマに涙し、10年という時を共にして多くの困難に立ち向かい支え合ってきた5人のそれぞれの明日は・・鑑賞後の満足感もばっちり

藍沢登場シーンは成田空港での航空機緊急着陸事故現場。ここで助けられた富澤未知(山谷花純)は末期のスキルス性胃がんを患っていました。ブライダル健診で癌が発見されたという悲劇的設定ですが、一度は去った婚約者(新田真剣佑)が再び現れ愛を貫くという展開はベタだなぁと思いながらもやはり涙腺を刺激されてしまいます

藤川と冴島に譲られた結婚式会場での未知たちの控室の会話も泣かされます。吐血して運び込まれた救命治療室で未知がはるかに話しかけるシーンでは彼女の薬指に光る結婚指輪。こういう演出も憎いですね

海ほたるでの事故現場では、車中でパイプが突き刺さった男性の処置シーンが緊迫感大です。ペアンがてんこ盛りの処置シーンは圧巻です。ここでは、男性の息子が疎遠だった父親との確執や複雑な胸中が語られ、それは同時にアル中の母親(かたせ梨乃)に苦しめられてきた雪村の心境に重なっていきます。 

続いて救助に向かった船内で、漏電に気付き雪村を庇った藍沢が感電して転落、肺挫傷を負いICUに。

灰谷が発見し救助したものの脳死状態となった14歳の患者のエピソードはミスリードを誘っているのかな?本人署名の臓器提供カードがあっても15歳以下は親の同意が必要なんですね悩んだ末に息子の「最期の」意思を尊重しようと承諾した両親の前に、橘医師(椎名桔平)が臓器提供を受けて元気になった自分の子供を連れてきて、心臓の音を聴かせます。いやいや、それは子供にとってどうなの?と思ったけれど、子供自身が自分がどんな状況で、どんな愛で生かされているのかを知ることができて良かったと答えるんですね~~。ちょっと出来過ぎだけど、やっぱりシーンです。

ま、主人公が死ぬわけないんで藍沢先生は奇跡的に復活!

ラストは藤川と冴島の病院出の結婚式 未知の夫(彼の指には2つの指輪が・・・あぁ彼女はもう亡くなってるんだなぁと)や緋山と交際中の緒方も参加しています。(親は?そっちは改めてするのか??親の立場でついつい突っ込みたくなるけど

ここでは田所医師から藤川に宛てた、これまた涙もののハガキが読まれるんですね~~ ちなみにエンドロールで他の4人へのハガキも読まれるという趣向でした)

ドクターヘリを前にした5人。藍沢のセリフはちょっとクサイけど、バッチリ物語を締めてくれました。

フェロー達の成長も描かれ、レギュラー5人はそれぞれ進む道が分かれても強い絆で結ばれていることが明示されるラストでした。

いや~~こんなに涙腺を刺激されるとは思っていませんでした。席は夏休みのせいか人気のせいか、8割方埋まっていましたが、泣けるシーンになるとガサガサ音立てる子供がいて心の中でどついてました


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セントラル・インテリジェンス

2018年07月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年11月3日公開 アメリカ 107分

高校時代はスーパースターだったが、今はしがない中年会計士のカルヴィン(ケヴィン・ハート)。そんな彼に突如、当時おデブでいじめられっ子だったボブから20年ぶりに会いたいとの連絡が。しぶしぶ会いに行くと、彼の前に現れたのは、マッチョな肉体へと変貌を遂げていたボブ(ドウェイン・ジョンソン)の姿だった!しかも実は彼はCIAで、濡れ衣を着せられ組織から追われる身のため、どうしてもカルヴィンに助けてほしい、と言う。なぜか一緒に逃げるはめになったカルヴィン。果たして彼を信じていいのか?そしてボブは一体何者なのかー??(公式HPより)


アクションスターとコメディ俳優、実力派の二人がバディを組んだアクションコメディです。

元いじめられっ子のボブは毎日6時間の筋トレで逞しいマッチョに変身しCIA捜査官になりましたが、全校生徒の前で恥をかかされた時に唯一助けてくれたカルヴィンを親友と信じ助けを求めてきます。一方高校時代はスーパースターで人気を独占していたカルヴィンは後輩に出世の先を越されるしがない会計士でくすぶっていました。突然現れたボブに振り回されて、これまでの平凡な生活が一転、スリルとサスペンスに満ちた逃避行に無理やり巻き込まれてしまいます。

空気の読めないボブとテンパってるカルヴィンの噛み合わない会話が面白い そもそも、カルヴィンは根が優しい良い奴なので、振り回されながらもカルヴィンを信じて助けちゃうんですよね

事件の黒幕が誰かとか、どうしてボブが追われているのかといった謎解き要素もありますが、まずは二人の珍道中に注目です。

自分に自信が持てずくすぶっていたカルヴィンが、ボブと行動を共にする中で、本当に自分が欲しいもの、したかったことに気付いていくという展開。最後はハッピーエンドなのも後味が良いです。


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リセット 決死のカウントダウン

2018年07月25日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年2月14日公開 中国 105分

物理研究所の上級研究員でシングルマザーのシアティエン(ヤン・ミー)は、長年、過去に戻るタイムリープ装置の研究に尽力していた。ある日、ついに生体組織を110分だけ過去に遡らせる事に成功。更なる研究のための追加資金も確保するが、そのニュースにより、一人息子ドウドウが誘拐されてしまう。犯人のツイフー(ウォレス・フォ)は、ドウドウの命と引換えに重要な研究データを要求。だが、シアティエンはその指示に従ったにも関わらず、ドウドウの命は奪われてしまう。息子の命を取り戻すため、シアティエンは未完成の装置を使い、決死の覚悟で110分前の過去に遡るのだが……(MovieWalkerより)


ジャッキー・チェンプロデュースの、息子の命を救うために過去へタイムリープしたシングルマザーの戦いを描いたSFアクションスリラーです。

パラレルワールドが実証された世界が舞台。IPT研究所とNEXSUS社がタイムトラベルの研究で覇権を争っているという前提があります。IPT研究所の人体実験で、異なる時空からやって来た被験者が殺し合いを始めたため、NEXSUS社から情報を奪おうとするんですね。ツイフーはドウドウを拉致してシアティエンを脅すの。

同じ人間が同一時間に存在することはタイムワープの禁忌と思ってたけど、この作品ではパラレルワールドの設定のせいか3人も同時に存在しちゃってる~~ そして、彼女たちはタイムリープする度性格が異なっていく、というか狂暴になっていくんですねそりゃ、目の前で何度も息子が殺されたら怒りMAXにもなるってもんですが

女は弱し、されど母は強し!を地で行く作品です

シアティエンは息子の死を何としても阻止したくて未完成の装置を使って何度も過去に遡り、犯人と激しい格闘の末に息子を守り抜きます。好い人然とした人物が実は・・というのはありきたりですが、真犯人の動機はあまりにも身勝手な嫉妬による逆恨みでした ジャッキーにしては暴力的で救いのない内容ですが、ヒロインが息子のために取った行動については理解できる気もします。

未完成の装置ですから欠陥が生じます。狂暴になっていくのもその一つですが、細胞の再構築の不具合で二番目、三番目は短命になっているんですね。愛する息子のために狂暴な三番目を殺した二番目は自らをも抹殺する。これぞ究極の愛?

ドウドウ役の子、台詞は台本通りなんだろうけど、ただ泣きわめくだけで途中からちょっとウザく感じてしまいました


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ダウンサイズ

2018年07月25日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年3月2日公開 アメリカ 135分

ノルウェーの科学者によって人間の身体を縮小する方法が発見され、身長180センチなら13センチにまで小さくなることが可能になった。人口増加による環境、食料問題を解決する「人類縮小200年計画」が立ち上がり、一度小さくなれば二度と戻ることはできないが、それでも各国で小さくなること(ダウンサイズ)を選ぶ人々が徐々に増えていく。アメリカのネブラスカ州オマハでストレスフルな生活を送る、どこにでもいる平凡な男ポール・サフラネック(マット・デイモン)は、少しの蓄えでも裕福で幸せな生活が遅れるという縮小された世界に希望を抱き、ダウンサイズを決意。しかし、土壇場で妻のオードリー(クリステン・ウィグ)が逃げ出してしまう。ポールは縮小された人間たちの世界で、ひとり寂しい生活を送ることになり、自暴自棄になるのだが……。


人類が縮小可能になった未来社会を舞台にした社会風刺ドラマです。てっきり北欧あたりの製作で、マットが主演してるのかと思ってしまった それくらいハリウッドの娯楽作とテイストが異なってたってことです。

人口増加に伴う数々の問題の解決策として研究開発された人類縮小計画が現実となった世界。本当は外科医になって母を含めて病気に苦しむ人を助けたかった作業療法士のポール。結婚しても妻が望むようなマイホームは現実には厳しい彼は、身近にダウンサイズした友人がいたことで、俄然興味を持ちます。今持っている資産でも豪邸に住んでリッチな生活が送れると説明されて妻も乗り気になるんですね。

財産を処分し、家族友人に別れを告げ、移住先のレジャーランドで最終意思確認も済んでいよいよダウンサイズです。全身の毛を剃って、腸内洗浄し、体の金属(歯の詰め物など)を外す処置の様子はコミカルではありますがちょっと不気味 無事にダウンサイズして目覚めたポールに「お腹空いたでしょ?」と看護士が持ってきたのが実寸大のクラッカーって、まんま受け狙いです

ところが、隣で一緒に目覚める筈のオードリーの姿がありません。頭髪と眉毛を半分剃られたところで彼女は我に返って逃げ出したというわけ。そりゃないでしょ~~

妻好みの豪邸も彼女がいないのでは住む意味がないんです。小さくなっても、今までいた世界との行き来は自由で、飛行機もファーストクラスの移動です。でも妻との関係はもう修復不可能で遂には離婚に。ダウンサイズしたことを後悔するポールは、友人といても、シングルマザーとディナーをしても、隣人のドゥシャン(クリストフ・ワルツ)のホームパーティで踊り明かしても心は空虚です。

ダウンサイズした人々に対する普通の人々の感情も何やら不穏になっていきます。不動産の資産価値は下がるし、税金を払わなくて良いダウンサイズの人たちの分が普通サイズの人たちの負担になる・・そりゃ不満でしょうとも(それなら皆がダウンサイズすればいいのに大多数の人々はその選択をしないのです。何で?)ダウンサイズを政治利用するなど悪用の問題も発生。女性活動家のノク・ラン・トラン(ホン・チャウ)はその犠牲者です。

ドゥシャンの部屋の掃除婦として現れた彼女が以前TVで見たニュース(政治犯としてダウンサイズ処置をされ、密入国の際に片足を失ったただ一人の生き残り)の女性だと気付いたポールは親切心から義足の不具合を直してあげようと声をかけます。

ところがノクさん、とっても独断的で言葉は命令口調。病気の友人を助けろと無理やり連れていかれた彼女の住まいは貧民街でした。小さくなっても貧富の差ってあるじゃん!(あれ?でも小さくなるにも費用が掛かるんじゃなかったっけ?元々貧しい人はそもそもダウンサイズ出来ない気がしますが)彼女の義足を過って壊してしまい、償いに手伝いをさせられることになったポール。彼女に振り回されて病気や貧しい人たちの手助けをさせられているうちに、ポールの表情に輝きが戻ってきます。人助けは彼の性に合ってるのね。

ある日、ドゥシャンから初めてダウンサイズした人々に会いに行こうと誘われたポールにノクは「私も行く!」と。実はダウンサイズを発明した博士が彼女のニュースを知って自分の発明が彼女を不幸にしたのではと悩み手紙を出していたという

このシーン、本当はノクから解放してあげようとドゥシャンが気を利かせて提案した筈が、一緒に行くはめになったというものですが、ゴーイングマイウェイなノクに困惑するドゥシャンやポールの表情がちょっと笑えます。

初めは図々しいアジア人のイメージだったノクですが、本当は困っている人を放って置けない優しい女性であることがわかってくると、その外見までが何だか可愛く見えてくるという不思議。ポールと一線を越えたあとの髪をほどいた後ろ姿がとってもでした。これが欧米女性だとけっこうガタイも対等だったりするけれど、彼と並ぶとアジア女性の華奢さがより際立ちますね

一行は船でノルウェーに向かうのですが、ミニサイズで一体何年かかるんだ?という疑問は愚問かしら この船旅の映像はなかなか美しいです。

途中で合流した博士から北極からのメタンガスの流出(これも伏線としてニュース映像が挿入されてました)により人類の滅亡が近いことを知らされます。村に着いてみると、「最初の人々」は更に地下にシェルターを作って移動しようとしていました。まるでノアの箱舟みたい。ポールは彼らと行こうとしますが、ノクは拒みます。

ドゥシャンにとっては「まだ先の話」であり、今の生活を楽しみたいからなのですが、ノクは人々を救いたいという気持ちの方が強いのです。同じ拒否でも二人の理由は180度違うのが何だか可笑しかったな。

シェルターで生きることを選んだポールを見送りながらドゥシャンは「彼はこれまでずっと挫折してきたから今度も~」とノクに言います。案の定、自分にとって何が一番大切なのかに気付いたポールが戻ってくるんですね。 ドゥシャンのセリフがなければ美談なのに、この一言でギャグになってる もちろん良い意味でね

体が小さくなっても人間社会は同じような構図と営みが続くだけ。今まで周囲に流されて(自らを妥協させて)生きてきたポールが最後に自ら将来を選び取る決断をするというある種ロードムービーみたいなお話でしょうか。


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ニューヨーク、愛を探して

2018年07月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年1月13日公開 アメリカ 92分

ニューヨーク・マンハッタンに住む女性写真家リグビー(セルマ・ブレア)は、人気ロックバンドのイケメンリーダーに写真の腕前を認められ、彼らのツアーに仕事で同行しないかと誘われる。ところが、既婚男性との長年の不倫関係を解消した今ごろになって妊娠していることが判明、彼女の心は揺れ続けていた……。そんな彼女がカメラのファインダー越しに近所のアパートを隠し撮りしていたスナップショットには、様々な人たちの人生が刻みこまれている。母と娘、年の離れた姉と妹、そして義理の母と娘。彼女たちそれぞれが事情を抱え、選択を迫られていた……。(MovieWalkerより)

 

リグビーは、予期せぬ妊娠をしたことで、今までカメラ越しに外に向けていた視点を自分自身に向けることになります。人生の転機を迎えるわけですが、彼女が撮り続けたスナップショットが彼女自身に生き方を決める力を与えてくれるのね。

彼女が隠し撮りしていた女性たち、下着デザイナーのジョージナ(ミラ・ソルヴィノ)は仕事も順調で、恋人の人気モデルのセバスチャンともうまくいっています。でもある日届いた1通のメールによって、辛い過去と向き合うことになります。

母親を亡くしたばかりのレベッカ(クリスティーナ・リッチ)は、姉のベス(コートニー・コックス)こそが自分の本当の母親だったと知らされ衝撃を受けます。許せないと怒るレベッカでしたが、隠すしかなかった親の事情を知り、これまで母と思っていた祖母からの手紙を読んで、改めて家族について考えるのです。

ジョージナに新作ブラの特集を依頼したファッション誌の編集長ニーナ(シャロン・ストーン)は反抗的な娘のレイラ(アレクサンドラ・ダニエルズ)に悩んでいました。でもレイラは白血病の親友トリシアのために、自らがデザインしたドレスを母親の力を借りずにプレゼントしたかったんですね。トリシアが亡くなった時、レイラは自分を生んでくれた本当の母親に会いたいと思い手紙を出すのです。(ニーナとの血縁関係はないことがここで明かされます。)そしてその母親は実は・・・

ニーナと同じように干渉過多な母(スーザン・サランドン)の家を飛び出したゲイル(エヴァ・アムリ)ですが、婚約者の「ニューヨークでケーキショップを開く」という夢を応援しつつも不安がこみ上げてきます。思わず母に電話すると・・・エヴァはスーザンの実の娘なんですって

さて、仕事と育児の両立は無理だと、一度は中絶することに決めたリグビーですが、手術の当日に心が乱れてしまいます。

一人で生きることの不安、子供を持つことへの不安、自分の母親との関係などなど、悩みを言葉に出すことで、彼女は自分がどうしたいのかに気付くのね。そんな彼女を担当医が励ましてくれます。この担当医、めっちゃイケメン、おまけに左手の薬指にしていた指輪は患者と一線を越えないためのフェイクなんだって そして半年後・・・出産したリグビーは彼と一緒に疎遠だった母の元を訪ねるんですね~~

いずれも母と娘の関係を描いたエピソードですが、母の愛ってやっぱり凄い!それがウザかったり過干渉になったりすることはあっても基本は娘のことを想ってのことですから そしていつか娘は母の想いに気付き受け継いでいくのです。

まぁ、現実は綺麗ごとばかりじゃないですが、映画の中くらいいいじゃない


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ブラックパンサー

2018年07月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年3月1日公開 アメリカ 134分 

アフリカの秘境にありながら、世界の誰もが創造出来ないような最新テクノロジーをもつ<超文明国ワカンダ>。ここには世界を変えてしまうほどのパワーを持つ鉱石<ヴィブラニウム>が存在する…。突然の父の死によって王位を継いだティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)は、この国の“秘密”を守る使命を背負うことになる。ヴィブラニウムが悪の手に奪われると、人類に未来はない――。“秘密”を狙う敵に立ち向かうのは若き国王。漆黒の戦闘スーツをまとい、ブラックパンサーとして戦うティ・チャラは、祖国を……そして世界を守ることができるのか?(公式HPより)


ヴィブラニウムが悪用されることを防ぐため、代々の国王は、世界各国にスパイを放つことで秘密を守り通してきたようですが、冒頭で前国王である父のティ・チャカが、その秘密を暴露しようとした弟のウンジョブを殺すというシーンが登場します。(名前も顔も似ているので、初めは時代が飛んでいることに気付かなかった私)ウンジョブはスパイとしてアメリカで暮らすうち、同じアフリカを故郷に持つ黒人が白人社会に虐げられている現実に憤り、彼らを解放しようと過激派組織に組みしてヴィブラニウムを盗み出したということで、やり方は間違ってるけど志には多少同情する点があるんですよね。

この時まだ少年だったエリックは後に秘密工作員となりキルモンガー(マイケル・B・ジョーダン)の異名をとるようになって、父を殺した前国王への復讐のため、武器商人のユリシーズ・クロウ(アンディ・サーキス)と組んでヴィブラニウムを盗み出そうとするんですね。まぁ、わけもわからず肉親を殺されたら復讐心が芽ばえるのも当然ですけど。

超文明国なのに、王位継承の儀式はアフリカの秘境ならさもありなんというめっちゃ伝統的?な様式でした

ブラックパンサーの超人的能力はある植物の成分がもたらすパワーということで、儀式のときにはそのパワーを消して本来の能力・体力に戻すらしい 挑戦者に打ち勝って国王になったティ・チャラですが、父親が叔父を殺し、その事実を隠していたことを知り動揺します。更に王国に乗り込んできたエリックに王位継承権を主張され、儀式で敗れてしまうの。

でも、元カノのナキア(ルピタ・ニョンゴ)に助けられ生き返ったティ・チャラはこれまで距離を置いていたジャバリ族のエムバク(ウィンストン・デューク)の協力もあり(敵の敵は味方という図式です)、エリックを倒して世界に彼らの文明を分け与えるという選択をしましたとさ。 他国を圧倒する科学技術がありながら、表向きは発展途上国を装い、他のアフリカ諸国が白人に虐げられているのを黙認してきたこれまでの政策への疑問がそうさせた?世界のパワーバランスを変え、他国の攻撃を受ける恐れを考慮しながらなお、世界の平和のために敢えて火中の栗を拾うというわけですね。

いや、それでめでたしとはならないでしょ 国連?で演説するティ・チャラを「何いってんだ?この未開の地の王は」と鼻で笑っているような各国のリーダーたちがラストではね。 思いっきり楽天主義な夢物語ですねまぁ、漫画の中くらい、そういうお話もあっていいかぁ

ティ・チャラの妹シュリの開発した戦闘スーツは敵の攻撃パワーを吸収し放出出来る優れもの。親衛隊の戦闘能力も高くて美しいので見応えあります。CIA捜査官エヴェレット・ロス(マーティン・フリーマン)も登場しブラックパンサー側でそれなりに活躍してくれます。

それにしてもワカンダの科学技術の凄さと国民生活のギャップが・・・


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ジュラシック・ワールド 炎の王国

2018年07月13日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年7月3日公開 アメリカ 128分

前作でハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスとT-REXが激闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」を有したイスラ・ヌブラル島に、火山の大噴火の兆候が表れ、恐竜たちの生死を自然に委ねるか、あるいは危険を冒してでも救い出すか、人間たちは判断を迫られていた。そんな中、恐竜行動学のエキスパートのオーウェン(クリス・プラット)はテーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)とともに、恐竜たちを救うべく行動を開始するが、その矢先に島の火山で大噴火が発生する。

 

シリーズ14年ぶりの新作として2015年に公開された「ジュラシック・ワールド」の続編です。

恐竜たちの生死を決める会議で熱弁をふるっているのはマルコム博士じゃありませんかお得意のカオス理論、懐かしいな~~と感慨に耽る暇もなく、ジュラシックパーク創設者・ハモンドのかつてのパートナーだったロックウッド老(ジェームズ・クロムウェル)の依頼で、例によって不本意ながらイスラ・ヌブラル島に連れて来られたオーウェンたち。(こりゃ何かあるぞと思って観てると、恐竜保護にしては随分とものものしい装備の傭兵?たちに不安はますます高まります。

案の定、彼らは恐竜たちを保護するためではなく、捕えてオークションで高値で売るために来ているんですね。

シリーズの最初から、夢を描くあまり人間の善悪を正しく見分けられない金持ちと、その夢に付け込んでぼろ儲けを企む悪人の構図は変わっていませんでした。それにしても、もう少し島での冒険があるかと思いきや、いきなり噴火してしまうんだもの。予告で流れる映像が島での見どころの殆どだったというのはいかがなものかと

再会も束の間、傷ついたブルーは仲間の獣医師のジア(ダニエラ・ピネダ)と囚われてしまいます。島から命からがら逃げだすことに成功し、同じ船に乗り込んだオーウェンたちは、ブルーの手当をしながら機会を待ちます。(この時、Tレックスの血を輸血するのだけど、それでまた何らかの進化?が出てきたりして)噴火の島で岸壁に追い詰められた草食恐竜のブラキオサウルスが哀し気な鳴き声を発するシーンは切なかったなぁ

後半はロックウッド邸での最恐ハイブリッド種・インドラプトルとの攻防がメインとなりますが、手に汗握るハラハラドキドキ・・は確かにありますが、これはまるで恐竜ホラーばりの演出。小さな子供に見せられるのか?? 特にメイジーを狙って忍び寄るインドラプトルのシーンは怖かった~~

ロックウッドの10歳の孫娘のメイジーは、ロックウッド財団の運営を任されているイーライ(レイフ・スポール)の企みを知って逃げ出す途中でオーウェンたちと出会い行動を共にしますが、彼女は実はロックウッドの亡くなった娘のクローンだったという衝撃の真実が明かされます。

ロックウッドがハモンドと袂を分かったのは彼が娘のクローンを作ったことに起因しているんですね。人は愛するあまりに道を外してしまう。ここにも切ない真実がありました。

インドラプトルを創ったのはシリーズでお馴染みのヘンリ・ウー博士(B・D・ウォン天才)。彼もまた自分の研究にしか興味関心のない人間。科学者としては優秀でも、人類に何をもたらすかに考えの至らない浅はかさは否めないですね。逃げ足は速い彼は、今回も大事な研究材料をしっかり持ちだした様子。次の作品でも彼のハイブリッド種が登場するのかな?

オーウェンたちの窮地を救ってくれたのは・・・そう!ブルーです。

地下に充満するガスに苦しむ恐竜たちを前に、扉を開けるか見殺しにするか選択を迫られる大人たち・・はい、普通は扉開けません。開けられませんよね、その先に何が待つか想像できるから。

でもメイジーは扉を開けるボタンを押しちゃうんです。クローンの自分も恐竜たちも今まさに生きていることに変わりはないというその主張は正しいけれど、人類の未来を想えば恐ろしい間違いとも言える。

館から解き放たれた恐竜たちは地上にその住処を見出します。大地を闊歩するTレックスや空を飛ぶプテラノドン、海中にはモササウルスの巨大な影が・・ブルーもオーウェンの元から去っていきました。それはまるで巣立ちのような別れのシーン。再び会議に呼ばれたマルコム博士は、人間と恐竜の共存の時代が来たと告げ「ようこそ、ジュラシックワールドへ」と。さてさて、続編はどうなることやら人類は生き残れるのか?

個人的には島から恐竜を脱出させる方に時間を割いて欲しかったなぁと思うのですが、三部作だそうなので、次に続けるためには仕方なかったのかな。どちらもちょっと中途半端な印象があったのが残念。そして世界観はかなりダーク

やっぱり第一作が傑作過ぎた


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カンフー・ヨガ

2018年07月08日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年12月22日公開 107分 中国=インド

中国・西安市の博物館に勤務する名高い考古学者ジャック(ジャッキー・チェン)は、同じく考古学者でヨガの達人でもあるインド美女のアスミタ(ディシャ・バタニ)から歴史に隠された失われた財宝探しを持ちかけられる。約1000年前にインドと中国の間で起きた混乱の中で消えてしまった財宝を探すため、中国、インド、ドバイ、アイスランドと世界を巡っていく。


ジャッキー・チェンが演じるのですから、主人公のジャックは考古学者だけどカンフーの達人という設定。その彼が、インドをはじめ世界各国を股にかけた冒険を繰り広げるアクションアドベンチャーとなっています。

宝探しには地図がつきもの。地図に導かれ鍵となる「シヴァの目」を巡る争奪戦にジャックの助手シャオグァン(レイ)やアスミタの助手カイラ(アミラ・ダスツール)も加わります。彼女たちの正体が明かされ、宝を狙うランドルー(ソーヌー・スード)一味との攻防は既視感がと思ったら「インディ・ジョーンズ」に似てるのよね

お金かけてるな~~感満載のドバイでのライオン(本物)を乗せたままのカーチェイスが楽しい(ライオンは車降りた途端に吐いてるしドバイでは王室からフェラーリ・ランボルギーニ・ベントレー・ブガッティ・マクラーレン・オートモーティブの特注車など70台が撮影用に提供されて、市内の道路を封鎖してカーアクションシーンを撮影した(ウィキより)んだそうな もうね~~このシーンしか覚えてないくらい

お宝の正体は宝石の類ではなく1000年前の医学に関する文献というのもけっこうツボ

そしていつのまにかラストシーンとなり、インド映画に倣い皆でダンス・ダンス・ダンス ジャッキーも歌って踊って楽しそうです。それだけで、ま、いっか~~!


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アンダー・ザ・ウォーター

2018年07月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年1月6日 88分 スウェーデン・デンマーク・フィンランド合作

2095年、温暖化による海面上昇で、大陸のほとんどが海に沈み、動植物の多くが“塩病”で絶滅した。真水が貴重品となり人類の滅亡も間近に迫る中、ある女性科学者の研究にわずかな希望が見いだされる。彼女は海水を真水に変える研究を完成させたと言われていたが、その内容を発表しないまま2017年に飛行機事故で他界していた。研究結果を入手するよう政府から密命を受けたファン・ルン大尉(カーステン・ビィヤーンルン)は、特殊技術で生み出された自らの分身“QEDA”を2017年にタイムスリップさせる。しかし、分身が過去に辿り着き、女性科学者に接触した直後、通信が途絶えてしまう。果して、そこで何が起こったのか……?人類は生き延びることができるのか……?過去に送り込むが……。


大地のほとんどが海に沈んだ地球を救うべく過去にタイムスリップした男の奮闘を描いた北欧製SFサスペンスとのことですが、奮闘??していたの?

タイムスリップしたのは本人じゃなくて分身(でも当人であることに変わりないわけで)。感覚で繋がっている筈なのに切れてしまって慌てたルン大尉は、分身を連れ戻すため自身も過去に行くわけです。実はこの女性科学者は大尉の祖母なんですね 

2017年で知ったのは、彼の世界ではとっくに失われている自然や動物の生き生きとした様や、雨に打たれる感触。分身が繋がりを断ちこの世界に留まっている理由は察しましたが、それで歴史が変わることは許されないんです。「彼」を縛り上げ拘束しておいて自らが分身に成り代わって修正を試みるものの、事態は最悪な結末を迎えます。本来は彼女が一人で搭乗する筈だったのに娘(大尉の母になる存在)も一緒に乗ってしまったの。即ち、大尉自らもその娘をも消してしまうということなんですね。

未来(2095年)を救う筈の計画は自らの存在を歴史から葬り去る結果になってしまうという結末は救いがないけれど、作品自体は一篇の詩のような穏やかで絵画的な色を感じました。ハリウッド作品とは全然違う感覚ですね。


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