2014年6月28日公開 インド 134分
シャシ(シュリデヴィ)は、2人の子どもと多忙なビジネスマンの夫サティシュ(アディル・フセイン)のために尽くすインドのごく普通の主婦。“ラドゥ”というお菓子を贈答用に販売するほど料理上手な彼女の悩みは、家族の中で自分だけ英語ができないこと。夫からは対等に扱われず、年頃の娘は学校の三者面談に来ることも恥ずかしがる始末。事あるごとに家族にからかわれて傷つき、やり場のない不満を抱えていた。そんな彼女にある日、ニューヨークに暮らす姉のマヌ(スジャーター・クマール)から、姪の結婚式を手伝ってほしいとの連絡が入る。家族より一足先に1人でニューヨークへ行くことになったシャシだったが、英語ができないためにカフェでコーヒーすら注文できず、店内をパニックに陥らせてしまう。打ちひしがれた彼女の目に飛び込んできたのは、“4週間で英語が話せる”という英会話学校の広告だった。家族はもちろん、マヌたちにも内緒で通学する決意を固めるシャシ。学校では、世界中から集まった英語が話せない生徒たちと出会うが、その中には、カフェで失敗した際に助けてくれたフランス人男性ローラン(メーディ・ネブー)もいた。ロランが自分に好意を抱いていることを知ったシャシは、長い間忘れていたときめきに戸惑いながらも、仲間とともに順調に英語を学んでゆく。やがて、夫に頼るだけの専業主婦から1人の人間としてのプライドに目覚めた彼女は、自信を取り戻し始める。家族が遅れてニューヨークにやってきた後も、密かに通学を続けていた。だがある時、授業を受けている間に幼い息子がケガをしてしまう。母親としての自覚や責任感に欠けていると自分を責めたシャシは、卒業を目前に学校へ通うことを諦めてしまう。それでも学校の仲間たちは、彼女を一緒に卒業させようと協力していたが、最終試験の日程が姪の結婚式と重なってしまい……。(Movie Walkerより)
これは世界中の専業主婦たちから熱い支持を受けそうな映画ですいえ、専業主婦ならずとも、ごく平凡で取り柄が無いと思いこんでいるすべての女性への心強いエールです。
料理上手で家族に尽くすことが自分の勤めと信じてきた平凡な専業主婦のシャシですが、自慢の料理は家族にとっては「当たり前」に供される日常で、お菓子の販売も夫には趣味の範囲内としてしか認めてもらえません。家族の中で自分だけが英語ができないことを、ことあるごとにからかわれて傷ついていますが、家族はそのことに全く気が付いていないのです。長女の学校の面談で担任の英語教師との会話をヒンドゥー語でお願いして、下手なジョークを言ったことを娘に後で怒られるエピソードは、娘が思春期で反抗的な態度を割り引いてもやっぱり傷つくと思うわ
そんなある日、NYに住む姪の結婚が決まり、手伝いのために渡米することになったシャシは不安で一杯。
(一か月以上前から手伝いに行くってのも凄いが)空港で必要な手続きの英語を話すだけで精一杯の彼女の様子は、そのまま自分に重なり、身につまされました。機内でユーモアのある乗客男性に救われ励まされてNYの姉一家と無事会えたのにホッとしたのも束の間、今度はカフェで言葉が通じず大失敗をしてしまいます。何もかもが気忙しい都会のカフェでありがちな光景だけれど、当事者にとっては辛い経験よね彼女にとって、この時目にした「4週間で英語が話せる」という広告はお釈迦様の蜘蛛の糸であり溺れる者の藁であったのかもしれません。
自ら電話をかけ、慣れない土地で迷いながらも英会話学校に辿り着いた彼女の行動力に敬意を表します。
教室ではカフェで助けてくれた男性と再会します。フランス人の彼はシャシに一目惚れで積極的にアプローチしてきますが、シャシにとっては(自分への賛辞に一瞬胸がときめくことはあっても)教室の仲間でしかないのよね変に彼と進展があったりするよりよほど現実的で好ましい展開です。
一度は諦めた最終試験を受けることにしたシャシですが、当日息子の悪戯でアクシデントが起こって行けなくなってしまいます。けれど、ラーダ(結婚する姪の妹の方。シャシが英会話学校に通っていることを知る彼女の味方)の機転で試験を終えた仲間たちと先生が式に招待されるの
宴の席でのシャシの英語のスピーチは結婚する二人への最高の贈り物となります。同時に夫や子供たちも自分たちがシャシを軽んじていたことに気付いて反省するのです
帰りの機内で「NYタイムズ」と言いかけて「ヒンドゥー語の新聞」を頼んだシャシは、以前の控えめな妻の顔ですが、その内面や夫の彼女を見る目はきっと以前とは違っているのでしょう
インド映画らしくダンスシーンも登場しますが、どちらかというと控えめな感じなのも良かったです
シャシ(シュリデヴィ)は、2人の子どもと多忙なビジネスマンの夫サティシュ(アディル・フセイン)のために尽くすインドのごく普通の主婦。“ラドゥ”というお菓子を贈答用に販売するほど料理上手な彼女の悩みは、家族の中で自分だけ英語ができないこと。夫からは対等に扱われず、年頃の娘は学校の三者面談に来ることも恥ずかしがる始末。事あるごとに家族にからかわれて傷つき、やり場のない不満を抱えていた。そんな彼女にある日、ニューヨークに暮らす姉のマヌ(スジャーター・クマール)から、姪の結婚式を手伝ってほしいとの連絡が入る。家族より一足先に1人でニューヨークへ行くことになったシャシだったが、英語ができないためにカフェでコーヒーすら注文できず、店内をパニックに陥らせてしまう。打ちひしがれた彼女の目に飛び込んできたのは、“4週間で英語が話せる”という英会話学校の広告だった。家族はもちろん、マヌたちにも内緒で通学する決意を固めるシャシ。学校では、世界中から集まった英語が話せない生徒たちと出会うが、その中には、カフェで失敗した際に助けてくれたフランス人男性ローラン(メーディ・ネブー)もいた。ロランが自分に好意を抱いていることを知ったシャシは、長い間忘れていたときめきに戸惑いながらも、仲間とともに順調に英語を学んでゆく。やがて、夫に頼るだけの専業主婦から1人の人間としてのプライドに目覚めた彼女は、自信を取り戻し始める。家族が遅れてニューヨークにやってきた後も、密かに通学を続けていた。だがある時、授業を受けている間に幼い息子がケガをしてしまう。母親としての自覚や責任感に欠けていると自分を責めたシャシは、卒業を目前に学校へ通うことを諦めてしまう。それでも学校の仲間たちは、彼女を一緒に卒業させようと協力していたが、最終試験の日程が姪の結婚式と重なってしまい……。(Movie Walkerより)
これは世界中の専業主婦たちから熱い支持を受けそうな映画ですいえ、専業主婦ならずとも、ごく平凡で取り柄が無いと思いこんでいるすべての女性への心強いエールです。
料理上手で家族に尽くすことが自分の勤めと信じてきた平凡な専業主婦のシャシですが、自慢の料理は家族にとっては「当たり前」に供される日常で、お菓子の販売も夫には趣味の範囲内としてしか認めてもらえません。家族の中で自分だけが英語ができないことを、ことあるごとにからかわれて傷ついていますが、家族はそのことに全く気が付いていないのです。長女の学校の面談で担任の英語教師との会話をヒンドゥー語でお願いして、下手なジョークを言ったことを娘に後で怒られるエピソードは、娘が思春期で反抗的な態度を割り引いてもやっぱり傷つくと思うわ
そんなある日、NYに住む姪の結婚が決まり、手伝いのために渡米することになったシャシは不安で一杯。
(一か月以上前から手伝いに行くってのも凄いが)空港で必要な手続きの英語を話すだけで精一杯の彼女の様子は、そのまま自分に重なり、身につまされました。機内でユーモアのある乗客男性に救われ励まされてNYの姉一家と無事会えたのにホッとしたのも束の間、今度はカフェで言葉が通じず大失敗をしてしまいます。何もかもが気忙しい都会のカフェでありがちな光景だけれど、当事者にとっては辛い経験よね彼女にとって、この時目にした「4週間で英語が話せる」という広告はお釈迦様の蜘蛛の糸であり溺れる者の藁であったのかもしれません。
自ら電話をかけ、慣れない土地で迷いながらも英会話学校に辿り着いた彼女の行動力に敬意を表します。
教室ではカフェで助けてくれた男性と再会します。フランス人の彼はシャシに一目惚れで積極的にアプローチしてきますが、シャシにとっては(自分への賛辞に一瞬胸がときめくことはあっても)教室の仲間でしかないのよね変に彼と進展があったりするよりよほど現実的で好ましい展開です。
一度は諦めた最終試験を受けることにしたシャシですが、当日息子の悪戯でアクシデントが起こって行けなくなってしまいます。けれど、ラーダ(結婚する姪の妹の方。シャシが英会話学校に通っていることを知る彼女の味方)の機転で試験を終えた仲間たちと先生が式に招待されるの
宴の席でのシャシの英語のスピーチは結婚する二人への最高の贈り物となります。同時に夫や子供たちも自分たちがシャシを軽んじていたことに気付いて反省するのです
帰りの機内で「NYタイムズ」と言いかけて「ヒンドゥー語の新聞」を頼んだシャシは、以前の控えめな妻の顔ですが、その内面や夫の彼女を見る目はきっと以前とは違っているのでしょう
インド映画らしくダンスシーンも登場しますが、どちらかというと控えめな感じなのも良かったです