杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

モンテーニュ通りのカフェ

2009年04月27日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2008年4月26日公開 フランス 106分

若き日をパリで過ごした祖母(シュザンヌ・フロン)の思い出話に憧れ、田舎町からパリにやってきたジェシカ(セシール・ド・フランス)はパリ8区のモンテーニュ通りにあるカフェで“ギャルソン”の仕事を始める。劇場や高級ホテル、ブティックなどが並ぶ界隈に立つ店にやってくるのは、今まで会ったこともないセレブばかり。女優、ピアニスト、舞台や映画の関係者、美術収集家といった客たちを、ジェシカは興味深く観察し始める。

華やかな世界の住人たちも、その成功に満足しているわけではなく、それぞれに悩みや葛藤を抱えています。TV女優としてのキャリアに満足出来ずにいるカトリーヌ(ヴァレリー・ルメルシェ)。美術収集家・グランベール(クロード・ブラッスール)は息子のクリストファー(フレデリック・グランベール)の心配をよそに自らの人生を見つめ直すためこれまでの収集品を全て競売にかけようとしています。著名なピアニストのジャン=フランソワ(アルベール・デュポンテル)の願いは、本当に音楽を必要とする人々の前で演奏することですが、妻に言い出せずにいます。

そんな彼らと接点を持つのがジェシカであり、彼女の純真で人生への好奇心溢れる姿が、いつしか彼らの人生をも幸せな方向に導いていくのが観ていて微笑ましく映りました。彼女の目を通して描かれる人間群像劇はさしずめ邦画版「ザ有頂天ホテル」というところかな。もう一人、劇場管理人の存在も光ってます♪

小粋で温かいフランスお得意の佳作でした。

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イノセント・ゲリラの祝祭

2009年04月26日 | 
海堂尊 著 

東城大学医学部付属病院不定愁訴外来の責任者で、万年講師の田口公平は、いつものように高階病院長からの呼び出しを受けていた。高階病院長の“ささやかな”お願いは、厚生労働省主催の会議出席。依頼主は、厚生労働省役人にてロジカル・モンスター、白鳥圭輔。名指しで指名を受けた田口は嫌々ながら、東京に上京することを了承した。行き先は白鳥の本丸・医療事故調査委員会。さまざまな思惑が飛び交う会議に出席した田口は、グズグズの医療行政の現実を知ることに・・・・・・。

『田口・白鳥シリーズ』の第四弾です。舞台は桜宮市でも東城大でもなく、厚生労働省の一検討会の議場ということで、そこには殺人もサスペンスもありません。

医療事故を調査するための独立した組織創設の検討を目的とした「医療事故調査委員会創設検討会」といえば聞こえはいいけれど、実際は世間の目を誤魔化すうわべだけの会にしたい魂胆がミエミエで、そこに解剖至上主義の教授や司法・法曹の思惑が絡んでいく様は、現実もかくやというリアリティを感じさせてくれます。

シリーズの中で繰り返し登場する「エーアイ」が本作では堂々の主役。
著者はこれを書きたいがために、これまでのシリーズを展開したのかと思うほど、徹頭徹尾官僚の内部を辛辣にえぐりだす筆致は、田口風に言えば「少々げんなり」な感もあるのだけれど・・・

田口先生の雀荘仲間である島津・速水、そして今回の切り札として登場する彦根、デジタルハウンドドッグの異名を持つ加納警視正、バチスタ事件の被害者遺族に「螺鈿迷宮」で活躍の別宮記者など、それぞれの作品に散りばめられた人物たちも満を持しての再登場というところかな。

気になるのは檜山シオンの正体と、「北」の事件に潜入した姫宮の活躍。これは次回作以降のお楽しみかな。

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ファウンテン 永遠につづく愛

2009年04月25日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年7月14日公開 アメリカ

医師のトミー(ヒュー・ジャックマン)は最愛の妻イジー(レイチェル・ワイズ)を死の病から救うため、新薬の開発に没頭していた。運命を受け入れたイジーは、残された時間を少しでも夫と過ごしたいと願うが、薬の完成を焦るトミーは彼女を遠ざけてしまう。そんな中、イジーは「私の死後、あなたが完成させて」と書きかけの本をトミーに託す。それはトミーの前世とおぼしき中世スペインの騎士が、愛する王女のために、永遠の命を授けるという<ファウンテン(生命の泉)>を探す物語だった…。

現代と過去、未来という3つの次元での愛を描いたファンタジーということなのだけど、根底にあるのはアダムとイブがその実を食べて楽園を追われた知恵の木と生命の泉という創世記の話。

現代のトミーとイジー、中世(過去)のイザベル女王とトマスの話はともかく、未来の宇宙船の男トムをどう解釈すれば良いのかが難解。わかったようなわからないような・・特典映像を見てもやっぱりよくわからないままでした(^^;

レイチェルが綺麗だな~というのが一番の感想だったりします。特にイザベルの扮装が素敵♪

また、知恵の木の復活を象徴する金色の世界の美しさは見事。死は生の始まりというラストも興味深いです。

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ある侯爵夫人の生涯

2009年04月22日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年4月11日公開 イギリス/イタリア/フランス 110分

18世紀後半のイギリス。スペンサー家令嬢ジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)は、17歳で名門貴族デヴォンジャー公爵(レイフ・ファインズ)に嫁ぐ。美しく聡明なジョージアナはたちまちロンドンっ子の人気を集めるが、肝心の夫は男子の後継者をもうけることにしか興味がなく、愛のない現実を突きつけられる。社交界の華として人々の羨望を集めながらも孤独が募るジョージアナが唯一親友として心を許したのはエリザベス(ヘイリー・アトウェル)だったが・・・

この作品を観ようと思ったのは、ヒロインが故ダイアナ元妃の生家であるスペンサー家の実在のご先祖様だったから。
名門貴族に生まれ、17歳でデヴォンジャー公爵に嫁いだジョージアナの華やかでスキャンダラスな結婚生活を描いた歴史ドラマという点では彼女に批判的な思いがあったのですが、観終わっての感想はそれとはちょっと違うものになりました。

女癖の悪い夫の浮気に苦しみ、母(シャーロット・ランプリング)に苦悩を訴えても「男子を産むことが全ての解決になる」と諭される始末。親友と信じたエリザベスにも裏切られ深く傷つくさまは同情を禁じ得ない。

けれど、女性には相続権も選挙権も無い当時の時代背景を加味すると、エリザベスの行いを全面的に責めることが出来ないんだなぁ。侯爵を挟んだ奇妙な三人の共同生活はジョージアナが死ぬまで続き、彼女の遺言によりエリザベスは侯爵と再婚するんだから、そうさせた事情というものを映画のエピソードはさりげなく提示していたと思うわ。

ジョージアナにチャールズ・グレイ(ドミニク・クーパー)との不倫を取り持ったのもエリザベスで、妊娠したジョージアナに付き添ってもいくのです。子供という存在の前に、一人の女性としてより母であることを選択したジョージアナがグレイとの子を諦め手放したことはなんか納得いかないんだけど、これも夫の社会的圧力を考えればどうしようもない選択だったんでしょう。

では侯爵はどうしようもない悪人・不人情な夫だったかというと、どうも愛情表現が下手なだけで、妻に対しても男子を産む道具としてだけ考えていたというよりは、彼なりに妻を愛していたのではないかという節が感じられました。

コスプレものが得意なキーラの強い意志を感じさせる演技も好ましく、豪華な丁度やファッションも楽しめて、コスプレ歴史モノ大好き人間にはまずまず満足♪

ただ、ジョージアナの不倫相手グレイはもう少し美男俳優が良かったなぁ(なんかMrビーンに似てるんだもん)

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夢見る黄金地球儀

2009年04月18日 | 
海堂 尊  著  東京創元社 出版

首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ一億円。その名も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金をはめ込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそり置かれているだけとなった―はずだった。が、ある日を境にトラブル招聘体質の男・平沼平介の日常を一変させる厄介の種へと変貌する。八年ぶりに現れた悪友が言い放つ。「久しぶり。ところでお前、一億円欲しくない?」かくして黄金地球儀奪取作戦が始動する。二転三転四転する計画、知らぬ間に迫りくる危機。平介は相次ぐ難局を乗り越え、黄金を手にすることができるのか。(「BOOK」データベースより)

「医学のたまご」の主人公の悪友陽介のお父さんが今回の主人公です。
この物語では陽介はまだファミコンに夢中の小学生。
他に「ナイチンゲール~」でお馴染みの小夜子と○○青年も登場し、作者の桜宮わーるどの住人の繋がりにまた展開が見られるのも楽しいところです。

故郷創生資金って、そういえばあったなぁ(笑)
あの当時に住んでた○○市では、そういえばどんな使い方してたんだっけ?さっぱり覚えてないんですが(^^;今回の定額給付金や10年くらい前のナントカ金は個人に支給だから覚えてるんだけど、それでも右から左に消えてしまうのは必定でしたが。

降りかかった災難(しかも役所の悪意ではめられた)を払うのは当然という理屈で見たら、泥棒だって立派な世直しってわけで、無理やりな理由付けもすとんと落ちて、奇想天外な計画も主人公の職業と環境なら有りだしと、全体的にコメディタッチな軽妙さ(この作者の強力な隠し味だね。)もあって、面白く読了出来ました。

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医学のたまご

2009年04月17日 | 
海堂 尊 著  理論社 発行

僕は曾根崎薫、14歳。歴史はオタクの域に達してるけど、英語は苦手。愛読書はコミック『ドンドコ』。ちょっと要領のいい、ごくフツーの中学生だ。そんな僕が、ひょんなことから「日本一の天才少年」となり、東城大学の医学部で医学の研究をすることに。でも、中学校にも通わなくっちゃいけないなんて、そりゃないよ…。医学生としての生活は、冷や汗と緊張の連続だ。なのに、しょっぱなからなにやらすごい発見をしてしまった(らしい)。教授は大興奮。研究室は大騒ぎ。しかし、それがすべての始まりだった…。ひょうひょうとした中学生医学生の奮闘ぶりを描く、コミカルで爽やかな医学ミステリー。 (「BOOK」データベースより)

2022年の「東城大学医学部付属病院」を舞台に、ひょんなことから医学生として医学の研究をすることになった中学生が論文捏造問題に巻き込まれ奮闘する様子が描かれています。

全体に漂うユーモアはこれまでのシリーズでお馴染みの飄々とした可笑しさがあり、グッチーこと田口先生もちらっと出てくるし、「ナイチンゲールの沈黙」で登場した何人かが再び登場しているのも懐かしさと一種の安心感を与えてくれます。
懐かしのハイパーマンバッカス(漫画のキャラ)も再び・・

主人公が中学生ということで、文章もジュニア向けかと思うほど平易なのに、内容は大学教授の権力欲に絡む論文捏造といったヘビーなもの。主題は大人でも子供でも自分の行動には責任を持たなければならないってことかな。

薫君を助けてくれるのは同級の優等生の二人、ガリ勉の三田村君と幼馴染の美智子ちゃん。トリオというのも青春物語の定番だな~
もう一人、苛めっ子の平沼雄介は「夢見る黄金地球儀」の主人公の息子だぞ☆

一見優しいけど実は権力欲と保身の塊の藤田教授のキャラはいかにも大学教授にいそうなタイプに見える、というのがそもそも大いなる偏見と言うヤツかもしれないけど(^^;ほんとやなヤツ

助手の桃倉さんとスーパー高校生(飛び級入学)の佐々木君も薫君の危機に心強い味方となりますが、この佐々木君の後に明かされるアツシという名前、そしてレティノという目の癌からある事件の登場人物のその後だということに気付いたときにはもう山場を越えていたんだなぁ(汗)

もう一人、薫君のパパである曽根崎伸一郎はゲーム理論の世界的権威ということで、二人の親子関係も付かず離れずの良い距離です。

各章ごとのパパの格言がなかなかいいわ♪
・世界は呪文と魔方陣からできている
・扉を開けたときには勝負がついている
・初めての場所でまず捜すべきは身を隠す場所だ
・エラーは気づいた瞬間に直すのが最速で最良だ
・ムダにはムダの意味がある
・閉じた世界は必ず腐っていく
・名前が立派なものほど中身は空っぽ(藤田教授)
・悪意と無能は区別がつかないしつける必要もない
・一度できた流れは簡単には変らない
・世の中で一番大変なのはゴールの見えない我慢だ
・心に飼っているサソリを解き放て
・道は自分の目の前に広がっている(薫)



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マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと

2009年04月16日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年3月27日公開 アメリカ 118分

共にジャーナリストのジョン(オーウェン・ウィルソン)とジェニー(ジェニファー・アニストン)は、結婚を機にミシガンから温暖なフロリダへ引っ越し、新生活をスタートさせた。子育ての予行演習とジェニーの誕生日プレゼントにラブラドール・レトリーバーの、“マーリー”を飼いはじめた二人だが、マーリーは手に負えないやんちゃ坊主だった。雷にパニクるわ、家具を噛みちぎるわで、訓練学校でもサジを投げられ、退校させられてしまう。けれど、二人とやがて生まれてきた子供たちは、そんなマーリーに手を焼きながらも、人生の喜びを味わい、かけがえのない日々を過ごしていく…。

友人に誘われて池袋で鑑賞。
公開から時間が経っているので一日二回上映になってて客席も余裕あり。

ヤンチャなマーリーの躾けには確かに失敗しているけれど、お互いに愛情を持って接し、気遣う場面には素直に気持ちも寄り添えました。

自分でもペットを飼っている人なら、より心情が理解できるのでしょうね。やはりマーリーが息を引き取るエピソードではあちこちで鼻をすする音が聞こえてきました。

また、マーリーが犬ではなく、人間の子供だったとしてもあてはまる物語だと思います。若夫婦が子供を持ち、育児に振り回されながらも自分のやりたいことに向き合い、互いを労わり合い、子供を慈しんで共に成長していく。これは普遍的な家族の営みだものね。

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死神の精度

2009年04月10日 | 
伊坂幸太郎 著  文藝春秋 出版

「俺が仕事をするといつも降るんだ」 クールでちょっとズレてる死神が出会った6つの物語。音楽を愛する死神の前で繰り広げられる人間模様。『オール読物』等掲載を単行本化。(「MARC」データベースより)

・死神の精度・・苦情処理係りの女性とクレーマーの話
・死神と藤田・・死ぬことより負けることに恐怖を感じているヤクザの話
・吹雪に死神・・吹雪の洋館での殺人事件の話
・恋愛で死神・・ブティック勤めの男性と彼が恋した女性の話
・旅路を死神・・少年時代に誘拐された過去を持つ殺人犯の男性の話
・死神対老女・・死神の正体に気付いた老女の話

映画化されたことから興味を持ち、鑑賞を逃しているのでまず本を読んでみようかと図書館に予約したらけっこう早く手元にきました。

「仕事」をする時はいつも雨という雨男の死神は素手で人間に触れるとその人の寿命を一年奪ってしまうらしい(^^; 調査対象となる人間の前に現れて最後の一週間を共にし、相手の死の可否を判定するのが彼のお仕事です。相手によって死神の外見・年齢も変りますが、大体は好男子な設定なのはご愛嬌。

人間の感情とは異次元の感覚を持っているから、ターゲットに同情したり義憤にかられたりというような「人間的」な対応をするわけでもなく淡々と「死」のGOサインを出していくのです。相手によってはもう少し「人情味のある判定」をしても良いんじゃない?って思うエピソードもあるけれど、そもそも人じゃないんだから無理だよねぇ(汗)

そんな死神(たち)が大好きなのが音楽。ジャンルを問わず音楽であれば良いらしく、町のCDショップの視聴コーナーに入り浸り、ラジオ放送を夢中で聴くというのが、彼らの仕事の内容とのギャップを埋めて微笑ましいです。

6編の物語はそれぞれ独立した話ですが、時を越えて繋がる人間関係も織り込まれています。気に入ったのは「恋愛で死神」「死神と老女」かな。
それにしてもこのタイトルはもう少し何とかならなかったのかしらん?

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ヤッターマン

2009年04月08日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年3月7日公開 

高田玩具店の1人息子のガンちゃん(桜井翔)は、父親の開発途中のヤッターワンを完成させ、ガールフレンドの愛ちゃん(福田沙紀)と共にヤッターマン1号、2号としてドロンボー一味と戦っていた。ある日、考古学者の海江田博士(阿部サダヲ)の一人娘、翔子からドクロストーンを探しに行ったまま行方不明になっている博士を探し出して欲しいと頼まれる。ヤッターマンに変身したガンちゃんと愛ちゃんはヤッターワンを出動させ、一路、博士のいるオジプトへ向かう!

今日は映画のハシゴ。午前中とうって変わってお気楽な作品。
公開後一ヶ月が経っても一日5回上映、しかも一番大きなスクリーン。小さな子供連れが多かったけれど、若いカップルや中高年もちらほらいました。

なんてったって、1977年に「タイムボカン」シリーズ第2弾として放送された「ヤッターマン」の実写化映画ですからね~~。懐かしのケンダマジック、シビレステッキ、メカの素といったアイテムや、「今週のハイライト」「ポチっとな」「やっておしまい」「豚もおだてりゃ~」などのお約束フレーズも満載されています。

加えて、嵐の桜井君がヒーロー、ドロンジョにはフカキョンがセクシー衣装で出演とあっては、アニメファン、桜井ファン、フカキョンのファン揃い踏みで熱い視線を集めているわけです。

アニメのドタバタ感をそのままに最新CGを駆使した画面はかなり満足度高いです。出演俳優たちもアニメのイメージにぴったりで良かったぁ。

冒頭の渋谷破壊シーンでは109→107、ハチ公→(みなしご)ハッチ公が登場。他にもノルウェーの森→ナルウェーの森、エジプト→オジプトといった具合に徹底的に元をパクってアレンジしてるし、お子様にはわからない下ネタジョーク(2号さん、ドロンボーたちのメカなど)が満載されてるしで上映中のクスクス笑いが止まりませんでした。

正直に言えば、フカキョンの衣装はもっとセクシー度が高くても無問題なんだけど、というよりそれを期待して行く人はちょっと不満かも。
その分、可愛さでカバーってとこかな。アニメではドロンジョは年増女のイメージだけど、今回はガンちゃんとのキスシーンもあるので若い設定ですね♪

ドロンボー一味の本物の声優さんたちも出演してますが、もう「声」で一発丸わかり~~嬉しいサプライズでした☆

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ザ・バンク 堕ちた巨像

2009年04月08日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2004年4月4日公開 117分 アメリカ

ルクセンブルクに拠点を置く国際銀行、IBBC。この銀行の不審な取引情報をつかんだインターポール捜査官のサリンジャー(クライヴ・オーウェン)とニューヨーク検事局のエラ(ナオミ・ワッツ)は本格的な捜査に乗り出すが、核心に迫ろうとするたびに関係者が消されてしまい……。(シネマトゥディより)


観客は男性も多かったような。但し、入りはイマイチ。

世界の富裕層から莫大な資金が集まる巨大銀行の取引に違法行為の疑いを持ち捜査に乗り出したサリンジャー。実は以前にも上司から圧力をかけられ証人を消されてぶち切れた過去を持つ男だ。インターポールに移ってからもIBBCを追い続けていた彼は相棒を目の前で毒殺され、証人も消されてしまう。

捜査するほどに追い詰められていくが決して諦めずに敵を追い詰めていくその過程は、マフィアの抗争のような激しい銃撃戦あり、スパイもどきの尋問ありと観客を飽きさせない構成になっている。

なっているが、なんか新鮮味がないんだよね(^^;
派手な銃撃戦も、殺された大物の暗殺場面や彼の息子たちがマフィアよろしく復讐の手を伸ばすのも、IBBC側の幹部が寝返るのも、以前他の作品で観たようなエピソードばかりって感じ。

クライブ自体に華がないというか、泥臭いというか・・・良く言えば男臭い人なんだけど・・。

そして結末にも希望はなく、悪の連鎖が続いていくことを示唆するだけ。
現実なんてこんなもんだろって今日びの観客の方が冷めているかも。

ロケ地はベルリン・リヨン・ルクセンブルク・ミラノ・NY・イスタンブールと景色は十分に楽しめます。(あ、そういえば、ホワイトが殺される場面のイタリアの湖畔の道路は007あたりで使ったのと同じかしらん?)ナオミも綺麗♪

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幻影師アイゼンハイム

2009年04月06日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2008年5月24日公開

19世紀末ウィーン。ハプスブルク帝国末期の芸術文化の都では、大掛かりな奇術=イリュージョンが一世を風靡していた。中でも絶大な人気を誇っていたのは、アイゼンハイム(エドワード・ノートン)という名の幻影師。ある日彼は舞台の上で、幼なじみのソフィ(ジェシカ・ビール)と再会する。今では、皇太子(ルーファス・シーウェル)の婚約者として注目を集める彼女は、その後ほどなく皇太子邸で謎の死を遂げてしまう。謀殺の噂も沸き立つ一大スキャンダルのさ中、アイゼンハイムはソフィの幻影を蘇らせる前代未聞のイリュージョンを発表するのだが…。

冒頭で幼い日に身分違いで引き裂かれた二人が登場し、物語は15年後に飛びます。舞台で再会した二人が、禁断の愛を実らせるために何か手段を講じるだろうという予測は簡単に出来るのだけれど、彼女の死で、その夢は潰えたのだと思わせておいて、ラストに大どんでん返し。

わかっちゃいるけど、もしかして本当に死んじゃったの?と思わせるところが上手い構成だな~~ということと、結局これって皇太子の暗殺だよね?という微かな疑問が残りました。だからといってこの皇太子にはちっとも同情出来ないですが。

CGとはいえ、アイゼンハイムのトリックの美しさと見事さにうっとり。
ところでヒロインはジェシカだったのね(^^;
てっきりスカーレット・ヨハンソンかと思って見てた私(汗)

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螺鈿迷宮

2009年04月05日 | 
海堂 尊 (著)  角川文庫 上下巻

医療界を震撼させたバチスタ・スキャンダルから1年半。東城大学の劣等医学生・天馬大吉はある日、幼なじみの記者・別宮葉子から奇妙な依頼を受けた。「碧翠院桜宮病院に潜入してほしい」。この病院は、終末医療の先端施設として注目を集めていた。だが、経営者一族には黒い噂が絶えなかったのだ。やがて、看護ボランティアとして潜入した天馬の前で、患者が次々と不自然な死を遂げた!彼らは本当に病死か、それとも…。 (「BOOK」データベースより)

『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』が東城大学医学部付属病院を舞台にしているのに対して、今作は同じ桜宮市の桜宮病院が舞台になっています。そして『ナイチンゲールの沈黙』からわずか数ヶ月で出版されたとはいえ、実はこちらの方が早く書きあがっていたものなんだとか。

前作の終わりで白鳥が桜宮病院の暗部に切り込むということを言っている通り、ここでは彼の懐刀の姫宮(氷姫)が重要な役で登場してきます。
しかし、前作でもターミネーター呼ばわりされたドジさ加減で主人公の天馬大吉を不幸のトルネードに巻き込む彼女の姿は、大吉君とのやり取りと共に大いに笑えるのです。但しこれは他人事として読むから笑えるのであって、こんなナースに看護されたいとは決して思えないのですが。

そして主人公の大吉君のキャラはその客観的視線が田口公平と重なる気がしますが、どこか緩いその性格にとても親しみを感じて、ついつい彼の目線で物語に入っている自分がいました。

前半は噴出しそうなくらいユーモラスなエピソードがてんこ盛りなのに比べ、後半は一気に桜宮病院の闇に向かって加速していきます。

大吉君と桜宮の一族との因縁については予想出来なかったけれど、消えた善次の行方や小さなエピソードに隠された伏線は今までより容易に見つけることが出来たかも。

ここでも終末期医療に対する厚生労働省の姿勢やら、東城大(大学病院という存在)の傲慢さが描かれるのですが、だからと言って桜宮病院の一家の考えを支持することは私には出来なかったなぁ。根本的なところで彼らは間違っていると思うから。

病院の周囲の自然、温室のむせ返る薔薇の香りや螺鈿の煌きまで頭の中で想像しながら、あれ?今回は白鳥さんの暴虐無人ぶりはパワーダウンしてるんじゃないの?と思ってしまったのは、病院長の桜宮巌雄が白鳥に増して存在感のあるキャラだったからでしょうか。

解説で桜宮サーガという表現があるように、これまでの作品の登場人物や場所が徐々に絡み合いながら広がっていく様はまさに一つの絵巻物の様相を呈してきました。この先の物語がより楽しみになってきました。

それにしても「イノセントゲリラの祝祭」は去年にオーダーしてまだ図書館から連ら予約確保の連絡ないんですが(泣)

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つぐない

2009年04月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2008年4月12日公開 イギリス 123分 

1930年代、戦火が忍び寄る夏のイングランド。政府官僚の娘で未来の大作家を自負する13歳のブライオニー(シアーシャ・ローナン)は、大学を卒業したばかりの姉セシーリア(キーラ・ナイトレイ)と使用人の息子で幼馴染のロビー(ジェームズ・マカヴォイ)に生まれた微妙な関係を察知し、ロビーへの警戒心を抱く。そして事件は起きる。ブライオニーの嘘の証言により彼らは引き裂かれ、犯した過ちの重さにブライオニーが気づいたときには、泥沼の戦争が始まっていた・・。

イアン・マキューアンの『贖罪』が原作。

幼さ故の潔癖さで犯した罪を償おうとした時、戦争という運命の非情な手が彼女から愛する者を永遠に奪ってしまう。ブライオニーにとっての贖罪は人生の終わりに姉とロビーの愛を本の世界で完結してあげることだったのでしょうか。

ブライオニーはシーアシャ・ローハン、ロモーラ・ガライ、ヴァネッサ・レッドグレイヴの三人が競演しています。目の色と髪型が同じなので、人物を見分けられない私でも間違うことがない、というよりきっと彼女たちの役(雰囲気)作りの上手さなんだろうな。

物語は時々時間軸が乱れる(過去に戻る)ので、最初は戸惑いましたが、二度見て納得。これは複数回見ることで、新たな発見が出来るタイプの作品だね。

キーラ演じるセシーリアの美しさは胸の薄さで損なわれることもなく(笑)、彼女のロビーへの真っ直ぐで強い愛情が伝わってくるあたり、良い女優になったなぁと思います。マカヴォイ君もよかったよ~~♪

ブラウニーの心の中では、ロビーへの淡い恋心からくる姉への嫉妬、相反するようだけれど姉を盗られてしまうというロビーへの嫉妬と恐れがあったのでしょうか。

事件の真犯人であるポールとローラの関係については、後に結婚というエピソードで触れただけですが、教会でブライオニーに気付いても目を合わせられなかったローラの態度から彼女が真犯人を知っていた可能性もあるのね(^^;

最後のシーンは年老いたブライオニーが「つぐない」の出版インタビューに答えるものです。ここで本の内容はハッピーエンドだけれど、真実はロビーが敗血症で戦死、セシーリアも爆撃で水死したことが明かされます。そして作家として、読者はハッピーエンドを望んでいることを考慮したこと、そして何よりも恋人たちへのこの結末が自らの贖罪なのだと告白するのです。
このシーンは「事件」の後の嘘の告白をした図書室のシーンと対をなすものだとか。

作品の前半は自然に溢れた豊かな色彩が、戦争が始まると一転モノトーンの暗い色調になるのも、時代が恋人たちから奪った幸せの象徴のようでした。

また、監督は水のシーンに拘っていたようで、屋敷の噴水・バスタブ・池での水着姿・地下駅の水没とセシーリアには水のイメージがあります。

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ミルク 試写会

2009年04月03日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年4月3日 よみうりホール18:30開映

2009年4月18日公開予定 アメリカ

1972年のニューヨーク。金融や保険業界で働いていたミルク(ショーン・ペン)は、20歳年下のスコット(ジェームズ・フランコ)と出会い、恋に落ちる。二人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、小さなカメラ店を開く。社交的でユーモアにあふれたミルクの周りには同性愛者やヒッピーたち、更に商店主や住民たちが集まりコミュニティセンターの様相を呈していく。彼らの抱える問題に政治的関心を持ったミルクは4度の挑戦の末、市制執行委員に当選するのだが・・・。

今週二度目の試写会はショーン・ペン演じる社会派作品です。
この人、すっかり政治&社会派俳優のイメージが定着しちゃったね。(^^;
会場は暑いくらいで途中喉が渇いて持ってたお茶を何度も口に運びました。

さて、物語は1970年代のアメリカで、同性愛者であることを公表して公職に就いたアメリカ初の政治家ハーヴェイ・ミルクの生き様を描く伝記ドラマです。
社会的弱者の権利を守るために戦う姿を彼の最後の8年間に集約して描いています。

正義の味方、ヒーローというのとはでもちょっと違うかなぁ。
確かに、差別と闘い、弱者の声を届けることに奮闘した姿は立派だと思うけれど、基本的に彼らの恋愛スタイルには共感できないの。(これはゲイでもノーマルでも同じことで、その意味では自分はカトリック的恋愛感なのかもしれませんが)

三度の立候補で恋人と距離が出来て別れることや、軽度の知的障害がある?ラテン系の恋人ジャック(ディエゴ・ルナ)を死なせてしまう(自殺)こと、同僚のホワイト(ジョシュ・ブローリン)を狂気に駆り立てた原因など、ミルクの人間性をありのままに描こうとする姿勢には好感が持てました。

何より1970年代と言えば、ほんの30年ほど前に過ぎないという事実が一番の驚きです。当時アメリカを議論の渦中に放り込んだ「提案6号」(同性愛者やその支持者を教職などから解雇する権利を認める)も、このような考えが大手を振って支持される社会の恐さを改めて認識させてくれます。

凶弾に倒れたミルクの追悼に集まった市民たちの灯したろうそくの光が道路と市庁舎前を埋めるラストは未来への希望を表しているようでした。

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