杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

名探偵コナン 異次元の狙撃手

2021年04月30日 | ドラマ

2014年4月19日公開 110分

2021年4月16日放送 金曜ロードショー

完成したばかりの東都ベルツリータワーのオープニングセレモニーに出席することになったコナン(高山みなみ)と蘭(山崎和佳奈)たち。その当日、展望台で外国人の夫婦に不良不動産物件を売りつけようとしていた不審な男・藤波が狙撃される。超遠距離からの正確な狙撃に「黒ずくめの組織」の関与を疑ったコナンは、狙撃犯を追跡! 絶体絶命のピンチを世良真純(日高のり子)やFBI捜査官のジョディ(一城みゆ希)たちの助けで乗り越えるが、あと一歩のところで犯人を逃がしてしまう。狙撃地点に残されていたサイコロなど数々の状況証拠から、FBIは犯人を元海軍特殊部隊の天才狙撃手・ハンター(中井和哉)だと推測。戦場で民間人を撃ったことを告発され、過去に受賞した名誉ある勲章をはく奪された挙句、戦場で大怪我、転落人生を歩むことになった男だ。ハンターが次に狙うであろう3人も日本に滞在中であることが判明し、警察とFBIは協力して捜査を開始する。福生でミリタリーショップを経営しているケビン・ヨシノ(福士蒼汰)は、ハンターを告発した狙撃手のウォルツ(パトリック・ハーラン)がハンターを陥れたのだと主張するが…。そんな中、ハンターのターゲットの一人・森山の居場所を掴んだ世良とコナンは彼の自宅へ。しかし2人の目の前で森山が狙撃される新たな事件が発生、“無差別狙撃事件”という報道により東京中がパニックに。そんな中、さらなる銃撃事件が発生し、一連の事件への関与が疑われていたハンターが犠牲になり―!?

 

劇場版コナンの最新作「緋色の弾丸」の公開記念第1夜です。

コナン、好きだけど劇場で観たいとは思わないのは、子供が多くなる時期の公開だからかな~~基本子供向けだし

でも本格的な推理と、ありえないほどの規模の事件を見事に解決するコナンには魅了されます。

蘭と新一の互いへの愛情がベースになっているのも微笑ましいし、アガサ博士の数々の発明品も毎回楽しみの一つ

今回の舞台となるベルツリータワーで、毎度のことながら窮地に陥った蘭を助けるために使われたのはボール射出ベルトの花火ボールでした。


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グッバイ、リチャード!

2021年04月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年8月21日公開 アメリカ 91分 R15+

大学教授・リチャード(ジョニー・デップ)に告げられた突然のがん宣告。博学でエレガント、真面目な夫として美しい妻ヴェロニカ(ローズマリー・デウィット)と素直な娘クレア(オデッサ・ヤング)との何不自由ない暮らしを送っていたはずのリチャードの人生は一変。追い討ちを掛けるかのように妻に上司ハリー(ロン・リビングストン)との不倫を告白された彼の日々は予期せぬ展開を迎える。死を前に怖いものなしになったリチャードは残りの人生を自分のために謳歌しようと決心。あけすけにものを言い、授業中に酒やマリファナを楽しむ。ルールや立場に縛られない新しい生き方はリチャードにこれまでにない喜びを与え、人の目を気にも留めない彼の破天荒な言動は次第に周囲にも影響を与えてゆく。しかし、リチャードの“終わりの日”は着実に近づいていて…(公式HPより)

 

余命半年の大学教授が残された時間をありのままに生きることで人生の愛おしさを見いだしていく姿をユーモラスに描いたヒューマンドラマです。

初主演映画『クライ・ベイビー』(90)公開から、30年を経てのインデペンデント作品への回帰ということですが、私生活でのトラブルを抱えている彼とリチャードのキャラが重なって見える部分もあり、興味深いものがありました。特に愛娘への愛情を示すシーンはリアルでこうなんじゃないかと思ってしまったぞ 

それにしても、アメリカ人ってドライというか、邦画だったらリチャードのような選択をする人は稀な気がします。

余命宣告にショックを受け、「クソ!」連発しながら帰宅したリチャードは、それを打ち明ける前に妻から大学の上司である学長との不倫を宣言され、追い打ちをかけるように娘からは同性愛者だと告白されます。病気を打ち明けるタイミングを逃した彼は、自分の病気のことは伏せ、残りの人生を好きなように生きようと決意するの。それって自棄を起こしているのと違うの??

それでも親友で同僚のピーター(ダニー・ヒューストン)だけには病気のことを打ち明けます。そうだよね~誰一人知らせず抱え込むなんてできないよね~。 ピーターがまた、本当に良い奴で、リチャードのことを心底心配し励まし応援してくれるんです。彼がいてくれて良かった!

リチャードは自分の講義を受けている学生に向かってやる気のない奴、文学に興味のない者、スウェット着用している者に退出を促し、残った学生を前に酒やマリファナをしながら授業をし学生たちにも勧めます。バーの店員とトイレで事に及んだり、オフィスで男子学生にフェラさせたりのふるまいは以前の彼なら考えられない・・・というか常軌を逸した行動に思えてしまうのですが

そんなリチャードですが、学生たちの評価は存外に高く、彼の自由気ままな振る舞いが逆に人気を博していきます。学長の姪(ゾーイ・ドゥイッチ)もその一人でリチャードに好意を持ちます。

ある日、オフィスで倒れたリチャード。“終わりの日”は着実に近づいていました。ハリーと教会を訪れ会話する二人。リチャードの真意を汲み取ったハリーが感極まって彼を抱き締める様は感動的な中にどこかユーモラスにも映ります。こういう場面で重さを出さずに軽妙な笑いに変えてしまうのも邦画と異なる視点だな~。

リチャードは学長で妻の不倫相手のハリーに半ば脅すように休暇を願い出ます。

学生たちへの最期の授業の中で、彼は「自分に忠実に生きろ!君たちにはチャンスがある。そのチャンスに死ぬ気でしがみついて絶対に逃すな」と語り掛けます。

ハリー主催のパーティに出席したリチャード夫妻。ハリーの意地悪で夫妻の席が離れています。こういう子供じみた嫌がらせをするあたりがハリーの人間性を表現しているようにも見えました。食事中、リチャードが突然立ち上がりスピーチを始めます。ハリーに嫌味を言い、ピーターへの感謝の気持ちを述べた後、自分が余命わずかなこと、研究のため大学を去ることを告げます。初めて夫の病気のことを知った妻は驚きながらも彼の意志を尊重し受け入れるの。いやいや、あり得ない!!芸術家と大学教授というハイソな人種ではあるけれど、その感覚については理解しがたい部分があります。それでも彼らは憎み合っているわけではなく、どちらも相手への愛を喪ってはいないということだけはわかりますが

帰宅したリチャードは、失恋して泣きながら戻ってきたクレアにも自分の病を告げ、娘を励ますと、愛犬と家を出ていきます。これも理解の範疇を超えてるぞ!!父親が余命わずかだと聞いて(心では泣いても)笑って送り出す娘ってどうよ

人生の終わりを告げられた男が選んだ終活は、かなりぶっ飛んでいましたが、最後は愛する者たちにきちんと向き合い別れを告げて去っていくんですね。観終わってやはり、ジョニーとリチャードが重なって見えたというのが正直な感想です。

 


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お名前はアドルフ?

2021年04月22日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年6月6日公開 ドイツ 91分 G

それは愉快な夜になるはずだった。哲学者で文学教授のステファン(クリストフ=マリア・ヘルプスト)と妻エリザベス(カロリーネ・ペータース)は、弟トーマス(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)と恋人、幼馴染の友人で音楽家のレネ(ユストゥス・フォン・ドホナーニ)を招いて自宅でディナーをすることになっていた。しかし、出産間近の恋人を持つトーマスが、生まれてくる子供の名前を“アドルフ”にすると発表したことから自体は意外な展開に。「アドルフ・ヒトラーと同じ名前を子供につけるのか?気は確かか!?」友人のレネも巻き込んだ大論争の末、家族にまつわる最大の秘密まで暴かれる。名前の話はドイツの歴史やナチスの罪に発展し、ヒートアップした夜はどこまで続く…!?(公式HPより)

 

ディナーに集まった5人の男女が、子どもの名づけを巡って繰り広げる舌戦を描いた会話劇ですから、ライン川のほとりにたたずむ優雅な邸宅の中だけで物語は進んでいきます。予備知識無しで観ていた時に「何だか舞台劇みたいだな」と思ったのもその筈、元は〈名づけ〉をテーマに2010年にフランスで上演された「名前」という題の舞台なんですね。物語に惚れ込んだドイツ人プロデューサーのトム・シュピースが、映画化権を獲得し、監督にゼーンケ・ヴォルトマンを迎え、舞台をパリから旧西ドイツの首都ボンへと移してナチズムへの“本音と建て前”に、たっぷりのユーモアとウィットを盛り込んで、ドイツの“今”を描き切った作品に仕上げています。(公式HPより抜粋)
 
恋人の出産を間近に控えたトーマスが、生まれてくる子どもの名前を独裁者ヒトラーと同じ「アドルフ」にすると発表したのは、彼流のブラックジョークだったのですが、予想以上の激しい拒絶反応が返ってきて、引っ込みがつかなくなってしまうのね。実はトーマスは日ごろから義兄のステファンの博識ぶった性格に反発を抱いていて、彼を困らせることに喜びを感じているという、まぁどっちもどっちな二人なの。
 
そうとは知らないステファンは、ナチス・ドイツの独裁者で第二次世界大戦を引き起こした張本人でユダヤ人大虐殺を指導した男の名前を付けるなんて言語道断だと激昂し考え直すようトーマスに詰め寄ります。トーマスは“アドルフ”はドイツでは伝統的な名前で、法律で禁止されているわけではないと反論します。禁止されているわけではないけれど、戦後生まれの男の子に敢えて付ける親は皆無なわけで、当然エリザベスもレネも生まれてくる子供の将来を案じて反対の立場をとります。他の名前ではどうかと言う彼らに、その名前の悪名高い人物がいたことを挙げてみたりとトーマスはますます屁理屈をこね始めるんですね。
早口でまくし立てる彼らのノンストップバトルにいつのまにか引き込まれ、自分も論争のテーブルに招かれた客のような感覚になってしまいます。
 
途中でレネだけには真相を打ち明けるトーマスでしたが、そこに恋人が遅れて登場し、彼女とステファンたちの噛み合わない会話が始まります。最初は面白がっていたトーマスでしたが、ステファンが何も知らないトーマスの恋人に暴言を吐いたことで、最悪の状況に!ここに至ってやっとアドルフと名付けると言ったのはジョークだと告白するのですが、事態は更に悪化していくんですね。
 
他の者が自分をゲイだと思い込んでいたことにショックを受けるレネに始まり、レネがエリザベスとトーマス姉弟の母と恋人関係にあることを知らされ怒り狂うトーマスとか、レネたちの関係に気付いていたトーマスの恋人とか、色々出てきます。
それらの事実がテンポよい会話の中に流れるように溢れ出す様はいっそ小気味が良いほどでした
 
そうこうする中、恋人が産気づいて病院へ。生まれたのは女の子というオチでしたとさ
まさに上質で辛口・知的な舌戦模様に拍手です。それにしても男って・・・いくつになってもガキなんだから

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ポルトガル、夏の終わり

2021年04月18日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年8月14日公開 フランス=ポルトガル 100分

夏の終わり。シントラのホテルのプールで、水着を脱いで泳ぐフランキー。義理の孫が「人に見られるよ!」と注意を促すが、「私はフォトジェニックなの」と気にしない。彼女はヨーロッパを代表する女優であり、自身の余命があと僅かだと知っている。
 
ポルトガルの避暑地、シントラ。深い森と美しい海に恵まれ、歴史ある城跡が点在する世界遺産にも認定された神秘的な町。女優フランキー(イザベル・ユペール)は、この地に家族や友人を呼び寄せる。夫、かつての夫、息子、義理の娘の家族、さらには最も信頼し、愛する年下の友人。何気ない夏の終わりの休暇の様相を呈していたが、実は自らの余命が長くないと知るフランキーが、最愛の者たちの人生を今のうちに少しだけ演出しようと仕組んだ集まりだった。しかし、集められた家族達は、この旅がそれぞれの人生のターニングポイントとなることなど、その時誰も想像だにしていない。
アイリーン(マリサ・トメイ)はニューヨークを拠点にする映画のヘアメイクアップアーティスト。フランキーの信頼も厚く、彼女の仕事関係で唯一の友人と言える存在だ。フランキーの誘いを受け、恋人で映画の撮影監督でもあるゲイリー(グレッグ・キニア)とこの地を訪れるが、フランキーにとってゲイリーは、なにか軽く、底が浅い男に思える。大切なアイリーンのパートナーとして、ふさわしくないと直感が囁くのだ。そして何より、ニューヨークへの移住が決まっているものの、どこか情けないフランキーの息子ポール(ジェレミー・レニエ)と彼女が結ばれることを強く望んでいた。アイリーンは到着早々にゲイリーからプロポーズを受けるが、その性急な申し出にどうも気持ちが付いて行かない。一方、母からアイリーンを暗に勧められたポールも、母の敷いたレールの上を進むような人生に抵抗を感じている。
義理の娘シルヴィア(ヴィネット・ロビンソン)は結婚生活に問題を抱えていた。夫と一人娘の3人家族でこの旅にやってきたが、彼女は夫との離婚を望んでおり、この休暇中にも娘と2人で暮らせるアパートを隠れて探し続けている。娘のマヤは思春期で、両親の不仲に敏感に反応し、シルヴィアを追い詰めてくる。今回もいつも通り母と衝突したマヤは、ひとり“リンゴの浜”へと向かい、そこで同年代の少年と出会う。両親が離婚しているという彼との会話は、マヤの心になにか温かいものを残すのだった。
フランキーの夫ジミー(ブレンダン・グリーソン)は、その日の朝、目を腫らしていることを、朝食を買いに立ち寄ったパン屋のマダムに指摘される。アレルギーだと取り繕ったが、本当は違う。最愛のフランキーとの出会いは鮮烈で、彼女からのアプローチで結婚生活が始まった。フランキーはジミーの前に、この旅行にも参加しているミシェル(パスカル・グレゴリー)と結婚していたが離婚。彼女と離婚した後に、自らがゲイだと気付いたミシェルはジミーに忠告する。「フランキーの後は、物事が変わる。人生が変わるんだ。」

眼下に海を臨む神聖なペニーニャの山。夕刻に山頂に集まるようフランキーから言われていた家族や友人が、初めて一堂に会する。燃えるような夕陽に照らされる、ユーラシア大陸の西の果ての広大な海を全員で眺めながら、やがてフランキーはあることに気付くが―。(公式HPより)
 

ポルトガルの世界遺産の町シントラの美しく幻想的な風景を舞台に描いた人間ドラマです。何よりヒロインを演じたイザベルの変わらぬ美しさが引きたっています。

自らの余命を悟っているフランキーは、自分の死後、愛する者たちが問題なく暮らしていけるよう段取りを整えようとするのですが、他人の人生を操ろうなんて無理な話なのよね。家族や親友、それぞれが問題を抱えていて、彼らの選択はフランキーの思惑通りにはなりません。

イギリスの詩人バイロンに「この世のエデン」と称されたシントラの風景、フランキーがあてどなく彷徨う深い森に、迷路のような路地、リンゴの浜の青い海と白い砂、浜までを繋ぐ路面電車の赤、沈む夕日・・とても美しく幻想的な映像です。

早朝のプールから家族や友人が一堂に集まる山頂での夕暮れまでのわずか一日の出来事を描いた物語ですが、その中に彼らの過去・現在・未来が映し出されていきます。敢えて個々の事情の詳細は省いている演出は好き嫌いが別れるところかも。

一日の終わり、夕日の山頂にいるフランキーは、上ってくる二人の人物の様子を見つめています。この二人は、冒頭でそれぞれが「愛の泉」の水を飲んでいるんですね。何気ないシーンがここにきて伏線だったことに気付かされるのです。皆を山頂に集めたフランキーが何を話したのかは語られていません。人生に正解なんてないし、フランキーがいなくなっても彼らの人生は続くのですから。

個人的には登場人物たちの背景に物足りなさが残りますが、逆に敢えて明快な説明のないところがいかにもヨーロッパ映画という印象を受けました。


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再会の夏

2021年04月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2019年12月13日公開 フランス=ベルギー 83分 G

1919年、夏の盛り―――。終戦後の平和が訪れたばかりのフランスの片田舎。第一次世界大戦の英雄で武勲をあげたはずのジャック・モルラック(ニコラ・デュボシェル)がひとけのない留置所に収監され、頑なに黙秘を続けている。この男を軍法会議にかけるか否かを決めるため、パリからやって来た軍判事のランティエ少佐(フランソワ・クリュゼ)は、留置所の外で吠え続ける一匹の犬に関心を寄せる。そして、モルラックを調べるうちに、農婦にしてはあまりにも学識豊かな恋人ヴァランティーヌの存在が浮かびあがり…。名もない犬が留置所から決して離れようとしないのは、忠誠心からなのか? 判事の登場は真実を解き明かし、傷ついた人々の心を溶かすのか?

 

第一次世界大戦後のフランスの美しい片田舎で、主人を待ち続ける一匹の犬と勲章にまつわる、戦争の傷とそれでも絶えることのない愛と信頼を描いた感動作ということですが・・・

フランスの田舎町の描写は確かに美しく郷愁を誘います。猛暑が続くけだるさの中、黒い一匹の犬が建物に向かって昼夜を問わず吠え続けています。一人の男が扉を開けてうるさい!とどなりますが、町の人たちは犬に同情的な様子。そこへやってきたのは軍判事のランティエ少佐です。この建物の中には戦争の英雄ジャック・モルラックが国家侮辱罪で収監され、頑なに黙秘を続けているのです。建物は留置場で、どなった男は看守なのね。

少佐はモルラックの犯した事件の真相と彼が黙秘を続ける理由を調べるためにやってきたのです。権威をかさに強引に取り調べるのではなく、相手が自ら語るのを待つという姿勢は好感が持てますし、少佐が温厚な人物であるという印象を持ちます。

やがて、モルラックは彼の体験した戦争の現実を少しずつ語り始めます。回想される戦場のシーンはまさに過酷であり、彼が抱えた憤りをまざまざと追体験させてくれます。一方で、少佐は帰還したモルラックが恋人ヴァランティーヌの元を訪ねていないことに疑問を持ちその理由を探ります。彼女の家を訪ねますが、理由を教えてはもらえないの。でも彼女の今でいうならストーカー的な男の証言により、その理由を推察するんですね。このあたりはちょっと探偵みたいな展開です。

モルラックの起こした事件というのは、町で行われた平和を喜ぶイベント?で、自分が貰った勲章を犬に与えるという「国家反逆罪」に値する侮辱行為をしたというものです。この犬は元々ヴァランティーヌが面倒を見ていたのですが、彼らが恋仲になってからはモルラックに懐いて戦場にもついて行き、共に戦っていたのです。ある時、ロシアの皇帝が退位したことを知った兵士たちは、戦争を無意味なものと捉えて、敵軍の兵士と和解し、戦争を終わらせて故郷へ帰る計画を立てます。ところが、互いに歩み寄るその時、犬が敵兵に嚙みついたことで、和平は決裂し惨事になるのです。負傷して運ばれた野戦病院のベッドで、与えらえた名誉ある勲章をモルラックはどんな気持ちで受けたのでしょうか。

犬が噛みつかなかったら、和平は成立したかもしれません。でも犬は主人のために向かってくる敵兵に襲い掛かったのです。どうして犬を責められましょう。上層部が勝手に始めた戦に消耗品のように扱われることこそが間違っているのです。

一介の農夫であるモルラックがこのような考えを持つようになったのは、ヴァランティーヌの影響です。彼女の父はユダヤ系ドイツ人で博識な人だったようで、彼女自身もたくさんの本を読んで、モルラックにも勧めていました。このことが彼の行動に影響を与えたことは否めないでしょう。

でも、ここからがねぇ・・

彼が休暇で帰った時にヴァランティーヌは妊娠しますが、次に帰った時、労働力として匿っていた若い男を見てモルラックが誤解してしまい、そのためやけを起こして事件を起こしたと少佐は断じ彼を無罪とし解放します。これが事実としたら何とも幼稚な行動に見えます。ラストは、ヴァランティーヌの待つ家に戻り、息子を抱き上げるシーンです。

一旦はそう解釈して、正直「あほらし!」と思ってしまったのですが・・・待てよ!!

少佐はモルラックの主張が正しいと思い、でも国家侮辱に値する行為を見過ごすこともできず、敢えてモルラックがヴァランティーヌが浮気したと誤解したことで自暴自棄になったという報告書で彼を処罰から救おうとしたのではないかしら。戦時中、少佐が上官から命じられて脱走兵を銃殺する命令を下さなければならなかったことに忸怩たる思いを抱いていたという伏線エピソードも挿入されてたしなぁ。

戦争の愚かしさが、対風景の美しさ、名もなき人々の朴訥さと対比させることでより際立って映りました。


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きっと、またあえる

2021年04月12日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年8月21日公開 インド 143分 G

アニ(スシャント・シン・ラージブート)の息子が受験に失敗したことが原因で病院に担ぎ込まれ、集まったアニの旧友たちが大学時代の思い出を語り始める。1990年代、インドの名門ボンベイ工科大学に入学したアニが割り振られた学生寮は、寮対抗の競技会でいつも最下位の“負け犬”こと4号寮だった。4号寮の仲間たちは負け犬の汚名を晴らすため、知恵とやる気で競技会に挑む。(シネマトゥデイより)

 

ニテーシュ・ティワーリー監督が、自身の大学時代のエピソードも盛り込みながら、1990年代インドの工科大学の学生寮を舞台に、主人公と仲間たちの友情を描いた作品です。どこの国も大学受験は人生の重大イベントではあるけれど、インドでは100万人が受験して合格するのは1万人という超超狭き門らしい

アニの息子ラーガヴ(ムハンマド・サマド)は、父と同じボンベイ工科大学入学を目指し猛勉強しましたが、不合格となったことに絶望し、友人の目の前で飛び降り自殺を図って病院に運ばれます。ラーガヴにとって、父が合格祝いのシャンパンを用意して励ますなどの行動がプレッシャーになっていたのね 病院に駆け付けたアニは、元妻のマヤ(シュラッダー・カプール)からそれを指摘され責められます。彼女はアニが仕事ばかりで家族を顧みなかったことも併せて彼を非難します。手術は成功したものの、医師から「生きようとする気力」が低いラーガヴの容態は芳しくないことを告げられます。アニは息子の気力を取り戻そうと、大学時代の親友たちを呼び集めて、「負け犬」と呼ばれていた大学時代の物語を語り始めます。

冒頭で映ったエピソードは、ラーガヴの未来ではなく、アニの過去の姿だったのね~~ とここで気付いた私

1992年。ボンベイ工科大学に入学したアニは、「負け犬」と呼ばれている学生寮「H4」を割り当てられます。建物はボロいし食事も・・・。初めは転寮を希望していたアニでしたが、個性的な寮生たち、エロで頭が一杯の先輩セクサ(ヴァルン・シャルマ)、汚い言葉遣いは誰にも負けないアシッド(ナヴィーン・ポリシェッティ)、マザコンのマミー(トゥシャール・パーンデー)、大酒飲みのへべれけ(サハルシュ・クマール・シュクラ)と出会い、ハレー彗星並みに貴重な人気女子学生のマヤと付き合うようになります。それにしても個性的なメンバーです。

入学から2か月が経った頃、「H3」のラギー(プラティーク・バッバル)がアニをH3に誘いますが、親友たちとの生活を満喫していたアニは断ってしまいます。途端にラギーの態度は豹変。彼は大学で開催される競技大会ゼネラル・チャンピオンシップ(GC)優勝のため、スポーツ万能のアニを引き抜きたかっただけなんですね。ちなみにH4の「負け犬」はGCで万年最下位の劣等寮だからで、H3は優勝常連寮です。

ラギーの高圧的な態度にむかついたアニは、H4の兄貴分デレク(ターヒル・ラージ・バシン)と、GCで優勝して「負け犬」の汚名を返上しようと決意します。でもH4の寮生たちはスポーツが苦手で、優勝への意欲も欠けていました。そりゃ~万年最下位じゃ無理もない

アニはやる気を起こさせるため、それぞれが一番大事なものを断つという提案をして、自分もマヤ断ちをします。(彼女にしてみれば突然避けられるのってわけわからないけど、そこは親友がちゃんとフォローしてました)それでもH4は負けが続き、へべれけも断酒の禁断症状で倒れてしまいます。アニはへべれけを心配して断酒を止めるよう言いますが、彼は自分のためじゃなく友のために続けてきたのだと言うんです。青春だね~~

これをきっかけに、H4生たちは、応援団を組織して相手チームにプレッシャーをかけたり、マヤに色仕掛けを依頼したり(ノリノリで協力してるのが可笑しい)、ファウルの演技で相手の主力選手を退場に持ち込んだり、不戦勝を狙って出場チームがいない競技にエントリーしたり(いない筈なのに女子選手がエントリーしていて慌てながらも男の意地で勝ったのも)してポイントを着実に稼いでH3との差を縮めていくんですね。このエピソードたちはまさにコメディでした。

そしていよいよ、優勝がかかったリレー、チェス、バスケ決勝戦の日を迎えます。

ここまで、大人になった親友たちが次々と見舞いにやってきて、デレク(最高にイケテるアニキだったのに禿げてるという落差が)まで登場して語られる学生時代の思い出はキラキラと輝いています。

マヤとアニの関係も互いに非を認め合ったことで好転しています。親友たちの中にも、自分にとって大切なのは家族だと再認識する者も出てきます。

ラーガヴの容態が急変し、緊急手術が必要となったと知らされ、アニは医師に話の結末を語る時間が欲しいと願い出ます。今のアニが息子にしてやれる唯一のことは、物語の結末を語ることでした。

さて、H3の妨害工作にも負けず、デレクとへべれけの活躍でリレーとチェスはH4が優勝しますが、バスケは、アニが逆転を狙って投げたスリーポイントを外して優勝を逃してしまいます。しかし、肩を落とすアニにラギーが声をかけてH4の健闘を称えました。会場からも温かな拍手が沸き上がります。

アニは、勝敗に関わらず、全力で戦いに挑んだことで「負け犬」の汚名を返上したこと、結果そのものより努力することの重要さを息子に伝えます。そしてそれは確かに伝わったのです。

回復したラーガヴは、その1年後に大学入学を果たします。彼は勝敗にこだわらない人生を選択し「自分がどんな学部に入ったのかは尋ねないで欲しい」と語りかけます。最後はインド映画お約束・お決まりのダンス&歌で

監督は、受験のプレッシャーで押しつぶされそうになっている子供たちに、ベストを尽くせば失敗は何も悪いことではないと伝えたかったそうです。


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パブリック 図書館の奇跡

2021年04月11日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年7月17日公開 アメリカ 119分 G

米オハイオ州シンシナティの公共図書館で、実直な図書館員スチュアート(エミリオ・エステベス)が常連の利用者であるホームレスから思わぬことを告げられる。「今夜は帰らない。ここを占拠する」。大寒波の影響により路上で凍死者が続出しているのに、市の緊急シェルターが満杯で、行き場がないというのがその理由だった。約70人のホームレスの苦境を察したスチュアートは、3階に立てこもった彼らと行動を共にし、出入り口を封鎖する。それは“代わりの避難場所”を求める平和的なデモだったが、政治的なイメージアップをもくろむ検察官の偏った主張やメディアのセンセーショナルな報道によって、スチュアートは心に問題を抱えた“アブない容疑者”に仕立てられてしまう。やがて警察の機動隊が出動し、追いつめられたスチュアートとホームレスたちが決断した驚愕の行動とは……。(公式HPより)

 

俳優で映画監督としても活動するエミリオ・エステベスが製作、監督、脚本、主演を務めたヒューマンドラマ。

図書館は公共施設ですから、毎朝ホームレスたちが開館前から並んで待っています。夏は暑さを、冬は寒さを凌ぐ避難所みたいな感覚ですね。大寒波が到来していて、毎日ホームレスの凍死者が出ているような状況では尚更です。中には裸で歌いだす者や、ユダヤ人に偏見のある者、自分が見つめた相手は死んでしまうと信じて疑わず、誰とも目を合わさない大男などの対応に苦慮しながらもスチュアートはそれなりに仕事を愛して働いていました。

ある日、スチュワートは、館長のアンダーソン(ジェフリー・ライト)から呼び出しを受けます。そこには群検事のデイヴィス(クリスチャン・スレイター)が待っていて、警備担当のエルネストとスチュアートが、数週間前に体臭を理由に追い出したホームレスから権利侵害の訴訟を起こされたことを告げられます。再三注意もし、利用者からの苦情もあって追い出した二人に落ち度があるとは思えないのですが、そこは訴訟王国アメリカの特殊性でしょうか近々行われる市長選への出馬を考えるデイヴィスにとっては厄介事は和解金を払ってさっさと解決しろとばかり高圧的に迫るんですね。嫌なヤツ!!気落ちしてアパート(家賃が安いだけあってかなりボロい設定)に帰ると、管理人(家賃を安くしてもらう代わりに引き受けている)のアンジェラ(テイラー・シリング)が暖房の修理のために部屋にいました。二人は意気投合し一夜を共にします。(後に彼女がマスコミとの窓口になるので、関係を描くために盛り込んだ設定のようですね)

一方、ヤク中で行方不明になっている息子マイクがホームレスになっていることを懸念する市警の刑事ビル(アレック・ボールドウィン)は、署長に休暇を願い出ますが人出が足りないと留保されます。この時点で、ホームレスの避難所が足りていないことを市警でも把握しているんだな~とわかります。

翌日、大寒波に見舞われる中、閉館間際にホームレスのリーダー的存在のジャクソンが「今日は帰らない」とスチュワートに宣言します。緊急シェルターは既に満員で、行き場を失った約70人のホームレスたちが、図書館に留まろうとしたのです。「一時的に立て籠っても明日はどうする?」と言うスチュワートでしたが、彼らの状況を気の毒に思い、アンダーソンに頼みに行きますが、逆に訴えられていることでクビになりそうだから立場を危うくしないよう忠告されます。同僚の図書館員マイラ(ジェナ・マローン)もホームレスたちに賛同し残ることを決めるのですが、運営規則により警備が警察に通報しちゃうんですね。ビルやデイヴィスがやってきて、マスコミも集まり始めます。

避難場所を求めている彼らにシェルターの代わりになる場所を提供して欲しいだけだと訴えるスチュワートでしたが、デイヴィスは暴動だと断じ、すぐに占拠を解くよう命じます。その態度に反発したスチュワートは、彼に外に出て上着を脱ぎ5分間道路に寝そべるよう要求します。それはホームレスたちの置かれた状況を肌で感じて欲しかったのだと推察しますが、当のデイヴィスは、マスコミに「精神的に不安定な図書館員による要求で、彼が混乱に陥れている」とコメントします。真意を理解するどころか、自分の選挙活動に利用しようとする魂胆に呆れます。

デートの約束をしていたアンジェラがやってきて、騒ぎを知った彼女はスチュワートに電話して、マスコミに話すべきとアドバイスします。

ホームレスの一人が急病で運び出されたり、食事(ピザ)の差し入れを要求したり、どんどん騒ぎが大きくなっていく中、スチュワートは館内の様子を動画で撮影してアンジェラに送り、彼女はそれを地元テレビ局のレポーターのレベッカ(ガブリエル・ユニオン)に渡します。ところが上昇志向の強いレベッカは、独占取材というラッキーに目がくらみ、デイヴィスの「彼は危険人物」というコメントを鵜呑みにして人質籠城というショッキングな事件をでっちあげようとするんですね 彼女はスチュワートのアルコール依存症でホームレスだった過去や、逮捕歴を報道してしまいます。思わぬ余波に戸惑うスチュワートでしたが、電話インタヴューに『怒りの葡萄』の一節を引用して答えます。おそらくスタインベックなぞ読んだこともないレベッカは意味がわからず困惑するだけでしたが、先に解放されて外に出ていたマイラやアンジェラはもちろん理解していて、スタインベックの大ファンのマイラがレベッカに「小学生になったら必ず読む本よ」と言うセリフにでした。

このスチュワートの言葉を聞いたアンダーソンも感化され、籠城に加わります。そんな中、スチュワートは一人離れた場所にいる若者のところにいき、「君にはここにいる者たちと違って、心配してくれる家族がいる」と話しかけるのですが、逆に殴りかかられて騒動になってしまうの。この若者こそ、ビルが探しているマイクなんですね 気付いていながら黙っていたことを責めるビルにスチュワートは「利用者のプライバシーを守るためだ」と答えます。ビルの親心もわかるけれど、そもそも仕事に私情持ち込んでるのはビルの方じゃないか~~

しびれを切らしたビルは強行突入を決めますが、その頃、外では救援物資を持った市民が続々と集まってきていました。警察と市民、ホームレスたちとの温度差を感じますね~~

スチュワートは自分の眼鏡を大男ビッグ・ジョージに「これをかけると見つめた相手を殺さずにすむ」と言います。彼の肩車で、監視カメラを塞いだため、中の様子がわからず焦ったビルが、いよいよ強行突入しようとしたその時、扉が開いて現れたのは・・・全裸のスチュワートとホームレスたち。館長もマッパスチュワートが「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」を歌い出すと、ホームレスたちやアンダーソンも一緒に歌い出します。そのまま連行されバスに乗せられたスチュワートに窓の外からアンジェラが「面会の時には服を持っていくわ」と声をかけるのでした。ちなみにこの曲の歌詞は「今まで辛い人生だったけど、これからは明るくなるんだ」という内容だそう。

アメリカでの図書館の役割は本の閲覧・貸出業務の他、ホームレスへの社会的支援を行う機関でもあるそう。ホームレスの中にはベトナムやイラクで戦った元兵士が大勢いて、国のために戦った彼らが終戦後は社会的弱者となり、まともな福利厚生も受けられない現状があります。

スチュワート引用した、『怒りの葡萄』の一節は、貧困に苦しむ農民の心の叫びです。そしてこの小説こそが、図書館の自由と利用者のプライバシーを保護する「図書館の権利宣言」を生んだきっかけとなった作品なのだそう。「民主主義を守る最後の砦」と言う館長の言葉から、有村浩の「図書館戦争」をついつい思い浮かべてしまいました。


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浅田家!

2021年04月04日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年10月2日公開 127分 G

幼いころ、写真好きの父からカメラを譲ってもらった政志(二宮和也)は、昔から写真を撮るのが大好きだった。そんな彼が、家族全員を巻き込んで、消防士、レーサー、ヒーロー、大食い選手権……。それぞれが“なりたかった職業”“やってみたかったこと”をテーマにコスプレし、その姿を撮影したユニークすぎる《家族写真》が、なんと写真界の芥川賞・木村伊兵衛写真賞を受賞! 受賞をきっかけに日本中の家族から撮影依頼を受け、写真家としてようやく軌道に乗り始めたとき、東日本大震災が起こる―― 。
かつて撮影した家族の安否を確かめるために向かった被災地で、政志が目にしたのは、家族や家を失った人々の姿だった。
「家族ってなんだろう?」「写真家の自分にできることは何だろう?」
シャッターを切ることができず、自問自答をくり返す政志だったが、ある時、津波で泥だらけになった写真を一枚一枚洗って、家族の元に返すボランティア活動に励む人々と出会う。彼らと共に《写真洗浄》を続け、そこで写真を見つけ嬉しそうに帰っていく人々の笑顔に触れることで、次第に《写真の持つチカラ》を信じられるようになる。そんな時、一人の少女が現れる。「私も家族写真を撮って欲しい!」
それは、津波で父親を失った少女の願いだった―― 。(公式HPより)

 

様々なシチュエーションでコスプレして撮影するユニークな家族写真で注目を集めた写真家・浅田政志の実話をもとに、家族の“愛の絆”や“過去と今”をオリジナル要素を加えて描いた人間ドラマです。

主人公は次男坊でやんちゃだけど皆から愛される何だか得なキャラ。そんな弟を温かく見守る兄の幸宏(妻夫木聡)がとにかく優しいの

写真専門学校に入ったものの、卒業も危うい状態になり、課題として与えられた「たった1枚の写真で自分を表現する」で政志が選んだのは、10歳の時に父(平田満)と兄と一緒に怪我をして母(風吹ジュン)の働く病院で撮った写真の再現です。なんとこれが学長賞を貰って彼は無事卒業できました。

この時の母の対応も天晴ですが、大人になった「今」再現に協力する両親と兄も凄いよな~~ 

卒業後の前途は明るいかと思いきや、ニート生活も2年が過ぎます。母に目配せされた兄がさりげなく注意をする場面では、生活費をパチンコで稼いで入れてることがわかり、主夫の父の立場が・・という微妙な空気が流れて失笑です 

彼が再び写真と向き合うと決めて選んだのは、やはり家族!家族それぞれが「なりたかった」ものになりきってコスプレして撮影するのですが、父の夢は消防士、兄の夢はレーサー(でも写真でレースカーに乗るの何故か政志)、母は極道の妻。しかも交渉事は全て兄任せで調子が良いのは末っ子の特権かしらん それ以外にも『大食い選手権』『選挙』『バンド』『海女さん』『疲れたヒーロー』など超個性的な「家族写真」が出来上がりました。政志はこの写真をもって上京を決意し、幼馴染の若菜(黒木華)の部屋に転がり込みます。>おい!! この彼女が良き理解者なんですね~~。自分ならこんな身勝手な奴を何年も面倒見て待ってなんていられないぞ

スタジオスタッフをしながら、写真を持って出版社を回うち28歳になった政志。挫折しそうになった彼に、「個展やろう、もうスタジオ予約したから」。と背中を押してくれたのは若菜です。かくして出版社「赤々舎」の社長・姫野(池谷のぶえ)・・このキャラもかなりぶっ飛んでました・・の目に留まった彼は写真集を出版し、写真界の芥川賞とも呼ばれる木村伊兵衛写真賞を受賞するのです。

これをきっかけに、政志は日本中の家族から家族写真の依頼を受けるようになります。その第一号は、岩手の沿岸に住む高原家でした。

写真撮影にあたって彼は、依頼者の家族が持つ思い出や、やりたい事を聞いて、それを表現していきます。

2011年3月11日、東日本大震災が発生。高原家の安否が気になって4月に被災地入りした政志は、跡形もなくなった家のあった場所に立ち呆然とします。避難所を回り情報を得ようとする彼の目に、泥だらけになった写真を洗っている青年(菅田将暉)の姿が映ります。手伝いを始めた政志は、写真を見つけて感謝の言葉と共に嬉しそうに抱えて帰っていく被災者の姿に、時が経つのも忘れ夢中で復旧作業に没頭します。

そんな彼の前に震災で父親を亡くした内海莉子という少女が「私も家族写真を撮って欲しい」と頼まれます。お父さんの写真だけが見つからないのです。 しかし家族とは?自分が出来ることとは?悩む政志はシャッターを切ることができずにいました。そんな時、兄から父の72歳の誕生祝に帰ってくるよう連絡がきます。ところが祝いの席で父が突然倒れ、脳梗塞で右半身に麻痺が残るかもと言われて「もう家族写真は獲れないかも」と呟く政志を兄が本気で怒ります。子供の頃父と行った神社に参拝に出かけた二人は、年賀状用の写真を撮った思い出話を始めます。突然政志は莉子ちゃんのお父さんが写った写真が見つからなかった理由に思い至ります。そうなんです!彼女のお父さんは家族を写す側だったから自分は写っていなかったのよね。

思い立ったら即行動!な彼は、すぐさま東北に戻ろうとします。そんな彼に母は初めてビンタを一発!それは病気の父を放り出して自分の好きなことをする息子への愛の一発なのです。母ちゃん、大きいなぁぁそして息子を心の底から信じているんだな~~

電車に乗ろうとする彼に、意識が戻った父からの伝言を兄が伝えます。「浅田家の家族写真はいつ撮るんや?それまでにリハビリ頑張って動けるようにしておくから」この家族が政志の原点であり、写真を撮り続ける源でもあるんですね

内海家の一番楽しかった思い出を聞いた政志は、夏に皆で出かけた海で撮影することにします。莉子がしていた大き(過ぎる)腕時計は、お父さんの形見でした。それを借りて腕につけた政志がシャッターを切ります。彼女はその姿を見て、いつもお父さんが家族の写真を撮ってくれていたことを思い出すのです。 こうして内海家の「家族写真」が無事出来上がりました。震災後の海辺はともすれば辛く悲しい記憶に引きずられてしまいそうなのに、こんな風に温かな記憶に置き換えられるなんて・・・

写真は今を生きる力になると政志は気付いたのです。

そして冒頭の「ご臨終」の場面に戻ると・・・え??これもコスプレなんですかぃ いくら何でもやり過ぎだぞ 面白いけど

やっぱり浅田家の家族最高!!


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移動都市 モータル・エンジン

2021年04月03日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2019年3月1日公開 アメリカ 129分 G

「60分戦争」と呼ばれる最終戦争から数百年の時が過ぎ、わずかに残された人類は地を這う移動型の都市で生活することを余儀なくされた。巨大移動都市ロンドンは、都市同士が捕食しあう弱肉強食の荒れ果てた地でその支配を拡大させ、小さな都市を捕食することで成長を続けている。そんなロンドンの指導者的立場にあるヴァレンタイン(ヒューゴ・ウィービング)に対し、過去のある出来事から復讐心をたぎらせる少女ヘスター(ヘラ・ヒルマー)は、ある小都市がロンドンに捕食される騒ぎに乗じてロンドンに潜入。ヴァレンタインに刃を向けるが……。(映画.comより)

 

フィリップ・リーブの小説「移動都市」を「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」のピーター・ジャクソン製作、脚本で映画化した作品です。

メデューサ(量子エネルギー兵器)による最終戦争で荒れ果てた地球が舞台。生き残った人類は移動型の都市を作りあげ、大きな都市が小さな都市を捕食する弱肉強食の世界になっている設定です。その巨大都市ロンドンを率いるのは市長を隠れ蓑にした野心家のヴァレンタイン。

冒頭、荒野を逃げ回る小都市を巨大なロンドンが飲み込む様は、肉食獣か昆虫の捕食を見ているようです 小都市が財(塩)や構造物をバラバラと落としながら逃げ回り、遂には吞み込まれる描写に、何故か「ハウルの動く城」を連想してしまった 凄く大変な出来事の筈なのにどこか滑稽でもあるという不思議な感覚を持ってしまいました

捕食された都市の住民たちは、最下層で奴隷として働かされるようです。その中にいたへスターは、視察に来たヴァレンタイン(いかにも親切そうに振舞っています)に近づくとナイフで刺します。歴史家見習いのトム(ロバート・シーハン)が二度目の攻撃を止め、逃げるへスターを追いかけ捕まえると、彼女は顔を覆っていたスカーフを外して傷を見せるとヴァレンタインは母親の仇だと言い、廃棄物の穴に落ちていきます。そこへヴァレンタインが現れ、トムが彼女の話を聞いたと知ると、彼を穴に突き落とします。ここでヴァレンタインの立場が観客にはっきり示されるんですね。

ヴァレンタインの娘のキャサリン=ケイト(レイラ・ジョージ)は、トムの友人のベヴィス( ローナン・ラフテリー)から、父がトムを穴に突き落とした事を聞かされ、また、父が密かに何かを教会の中で作っている事を知り、べヴィスと一緒に父のやっていることを暴こうとします。(ロンドンは階級社会で、トムやベヴィスは第三階級に属しています。)

穴から荒野に投げ出された二人。ロンドンの外の世界に出たことのないトムはへスターについていくしかない 彼女は自分の過去を語ります。

8歳の頃、へスターは母パンドラ(カレン・ピストリアス)と二人暮らしで、時折訪ねてくるヴァレンタインを父のように慕っていましたが、ある日パンドラが見つけた箱をヴァレンタインに渡すことを拒んだため、彼はパンドラを殺し、へスターにも傷を負わせて奪っていったのでした。逃げ出したへスターは、シュライク(スティーヴン・ラング)に拾われ育てられたのです。シュライクは「復活者」と呼ばれる感情や痛みを持たない人間を狩るための機械で作られた人造人間です。

ヴァレンタインを尊敬していたトムはヘスターの話に衝撃を受けます。

一方、ヴァレンタインは密かに進めている兵器開発の責任者である女性科学者を訪れて新しい兵器の開発状況とへスターのことを相談します。

彼女は、自分と同じ人造人間になるという約束を破り、ヴァレンタインへ復讐する為去っていったヘスターを恨んでいるシュライクを使うことを提案し、ヴァレンタインは海の上の刑務所に収監されているシュライクをわざと逃がして彼女を追わせます。自分の手は汚さないのね

奴隷商人に捕まったトムとへスターをアナ(ジヘ)が助けます。アナはパンドラの友人でへスターを探していたのです。ヴァレンタインが奪っていった箱の事を聞いたトムは、それが60分戦争で使用されたメデューサだと気付きます。アナは二人を反移動都市同盟の仲間の元に連れて行き、ヴァレンタインが同盟の拠点である静止都市シャングオ攻撃にメデューサを使おうとしていると知って、攻撃される前にロンドンを倒そうとします。

そこへへスターを追ってきたシュライクが現れ、トムが殺されそうになります。彼の代わりに自分を殺してくれというヘスターを見て、彼女がトムに特別な感情を持っていると気付いたシュライクは彼女を許し、保護した時に持っていたペンダントを彼女に返して死んでいきます。感情を持たない筈のシュライクですが、彼の過去を思わせる一枚の写真や、ヘスターと過ごした時間の記憶が、彼のかつての人間性を訴えかけてくる切ないけれどどこか温かい気持ちにさせるシーンでした。ヘスターにとっても育ての親であり、だからこそ彼女はシュライクから逃げるだけで攻撃しようとはしなかったのね

このペンダントの中にメデューサを無効にするUSBが隠されていることに気付いたヘスターは、ロンドンに侵入してメデユーサをシャットダウンさせようとします。メデューサ発動のシーンは迫力がありました。ヴァレンタインとの戦いで死んでいったアナや多くの仲間を失いながらも阻止に成功した二人は、共に世界を旅することにするのでした。負けたロンドンの市民を連れたケイトがシャングオの代表者に迎えられるシーンは感動的ではありますが、アナといいシャングオの代表者といい、中国テイストなんだよな~~ 

復讐者ながら、戦いにおいてはいつも受動的に見えるヘスターにちょっとイラっとしたけれど、移動都市という設定は目新しいし、細部まで作り込まれた世界観はさすがピーター・ジャクソン率いる制作陣の腕を感じました。 それにしても、最終兵器が世界の終末を招いたと言うのに、凝りもせずそれを使って権力の拡大を目論んだヴァレンタインってバカなの?


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ニュー・シネマ・パラダイス<レターボックスサイズ>

2021年04月02日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

1989年12月16日公開 イタリア・フランス 124分 PG12

2020年12月30日放送 

映画監督として成功をおさめたサルバトーレ(ジャック・ペラン)のもとに、老いたアルフレード(フィリップ・ノワレ)の死の知らせが届く。彼の脳裏に、「トト」と呼ばれた少年時代や多くの時間を過ごした「パラダイス座」、映写技師アルフレードとの友情がよみがえってくる。(映画.comより)

 

シチリアの小さな村を舞台に映写技師と少年の心あたたまる交流を、あふれる映画愛とともに描いた不朽の名作ですが、実はこの作品もちゃんと通して観た事がなかったような TVで放送されたのはレターボックスサイズ(劇場版とサイズが違うため上下に黒い横帯が入った状態を指す)だそうですが、何故か録画されたものはスタンダードサイズになっていたという

アルフレードは映画技師で、少年時代のトト(サルヴァトーレ・カシオ)がとても親しくしていた人物です。故郷に住む母から彼の死を知らされ、サルバトーレは少年時代を回想します。

シチリアの村で母と妹と暮らしていたトト。父親は出征したまま帰って来ず、唯一の娯楽は村の中心の広場にある教会に併設された小さな映画館です。村人にとってもそこで上映される映画は外の世界そのものでした。新作の輸入映画が封切られる夜には、村人たちは映画館に集まってスクリーンに拍手を送り、カットされたラブシーン(謹厳な司祭が前もってチェックし削除させている)にブーイングします。カットした部分は上映終了後にまた繋いで次の映画館に回したりするのですね 映画に魅了されたトトは何度も映写室に入り込んではアルフレードに怒られながらも、映写機の操作を真似て覚え始めます。ある晩、上映中にフィルムが発火して映画館が全焼してしまいます。トトは必死にアルフレードを助け出しますが、アルフレードは視力を失ってしまいます。その後、父親の戦死が認定されたトトは、建て直された映画館「新パラダイス座(Nuovo Cinema Paradiso)」で映写技師として働いて家計を助けるようになります。

青年となったトトは、エレナという女性に恋をしますが、徴兵されている間に音信不通となります。除隊して村に戻ったトトにアルフレードは「まだ若いのだから村から外に出て自分の道を探せ、帰ってきてはいけない」「人生は映画とは違ってもっと困難なものだ」と言い聞かせるのです。トトはその言葉を胸に村を出てローマへ行きます。

あれから30年が過ぎ、アルフレードの葬儀に出席するため年老いた母の待つ故郷の村に帰ってき中年になったサルバトーレ。「新パラダイス座」は閉館していて解体される予定になっていました。アルフレードが彼に遺した形見は、少年トトが昔アルフレードにねだった切り取ったフィルムが入った缶でした。そういえば、最初の方で、司祭の検閲でカットされたキスシーンなどのフィルムを欲しいとせがんでいたっけ

古き良き時代の香りが漂う、それでいて今観ても少年と映画技師との心温まる交流に癒される作品で、さらに素晴らしかったのは劇中流れる音楽です。イタリアの作曲家で映画音楽の巨匠と呼ばれたエンリオ・モリコーネの主題歌「愛のテーマ」はこの映画を観たことのない人でも一度は耳にしているのではないかしら

 


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バイオハザード

2021年04月02日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2002年8月31日公開 アメリカ・ドイツ・イギリス合作 101分

2021年3月26日 金曜ロードSHOW!放送

古い洋館で目覚めたアリス(ミラ・ジョボビッチ)は、それまでの記憶を失っていることに気づく。そこに武装した特殊部隊が登場。彼女を伴い、洋館の地下通路から、秘密研究所で起きた異変の調査に向かう。異変とは? また彼女の正体は? (映画.comより)

 

カプコンのゲーム「バイオハザード」の実写映画化。シリーズ化された最初の作品ですが、好みのジャンルじゃないのでほぼ観てません。たまたま録画されていたので視聴。いかにも続編ありなラストがあざといね

撮影は東ベルリンで建設中の地下鉄駅を使用したそう。

アメリカの巨大企業アンブレラ社の裏の顔は、細菌兵器などを手掛ける軍事企業。ある日、地中深くに作り上げた秘密研究所ハイブで開発中の生物兵器Tウィルスが、何者かにより施設中に漏洩するバイオハザードが発生します。空調設備を通して全所員が感染し、メインコンピューター「レッド・クイーン」は汚染が地上に拡大するのを防ぐために研究所を封鎖し、全所員を死亡させ、汚染を封じ込めましたが、事態を知ったアンブレラ社は、原因がレッド・クイーンの故障と推測して特殊部隊を派遣しました。

一方、ラクーンシティ郊外の洋館のシャワールームで目覚めたアリスは記憶を喪っていました。館内をさまよう彼女の前にマット(エリック・海メビウス)が現れ、ついで特殊部隊が突入してきます。部隊長(コリン・サーモン)はアリスも部隊の一員で、ハイブの秘密の入り口である洋館の警備に就いていたと告げます。アリスは館内に散布された神経ガスの副作用で一時的な記憶障害に陥っていたのね。マットは警官と名乗りますがその正体はわからず疑いの目を向けられます。

部隊は、アリスとマットを連れて屋敷の地下に敷かれた地下鉄でハイブへ向かいますが、列車内にはアリスと偽装結婚して屋敷の護衛に就いていたスペンス(ジェームズ・ピュアフォイ)が倒れていて、アリス同様ガスの影響で記憶障害になっていました。

ハイブ内に生存者は見当たらず、レッドクイーンの中枢に近づきますが、防衛システムの作動により隊長以下5名がレーザートラップにより全滅。レッドクイーンは製作者の娘を模したホログラフの姿で警告を発しますが、カプラン(マーティン・クルーズ)とアリスがシャットダウンに成功します。扉が開いたことでアンデッド(ゾンビとは呼ばないのね)襲撃が始まるのね~

見張り役で待機していたレイン(ミシェル・ロドリゲス)とJ.D(パスクエール・アリアルディ)、不審者として拘束されているマットに襲い掛かってきた研究員の服装をした女性を皮切りに、出るわ出るわのゾンビたち。ホラー系は苦手というか嫌いなので、ここは倍速で流しちゃった。制作者の意図を全く尊重しない視聴者だな おそらくゲームではアンデッドたちの攻撃を交わしながら脱出するのが楽しいんだろうな~~やったことないけど。人ばかりでなく、ドーベルマンもケルベロスとなって襲い掛かるわ、リッカーという化け物(研究初期の生物兵器)は出て来るわで、大賑わいだな、研究所

地下の通路への扉が閉じるタイムリミットも迫り、アリスはレッド・クイーンを再起動させて出口を聞き出そうとします。レッド・クイーンからT-ウィルスの特性とアンデッドの急所を聞き出したアリス。アンデッドの知能は消失しており、食欲に憑き動かされて襲ってくるんですね最早人間とは呼べない代物になるってことです。こんな生物兵器作って何をしたかったというのか・・・

最悪の状況が続く中、アリスもスペンスも記憶を取り戻していきます。治療薬があることを思い出したアリスは研究室に向かいますが・・・アリスがアンブレラ社の機密を持ち出そうとしていたことを知ったスペンスが横取りして金儲けをしようと企んでいたという アリス達を置き去りに逃げようとしたスペンスでしたが、リッカーに襲われOUT 

リッカーは喰った獲物を吸収して進化していく設定。地下鉄での格闘の末何とか退治されますが・・・あの「舌の一部」残ってて大丈夫なのかな?

結局助かったのはアリスとマットの二人だけ。ところが屋敷にはアンブレラ社の工作員が待ち構えていて、囚われてしまいます。リッカーに爪を立てられたマットは「ネメシス計画」に利用されるらしい。次にアリスが目覚めると隔離された一室で管に繋がれていました。自力で脱出した彼女が見たものは荒廃した街と「死者が歩く」の見出しの新聞。そして次回作へ続くのね

このシリーズ、たしか日本が舞台の回もあったような・・・結末が気になるけどゾンビ、もといアンデッドは苦手だよ~

作品はフィクションの世界だけど、現実に重ねてしまいそうになる気持ちもあるぞ

 


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