杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

マイティ・ハート 愛と絆

2007年11月28日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年11月23日公開

マリアンヌ・パールの著書「マイティ・ハート 新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死」をブラッド・ピットが製作、ヒロインをアンジェリーナ・ジョリーが演じています。誘拐されたひとりの人間を救おうと奔走する人々の姿には、政治や憎悪を越えた人間の誠意が伝わってきます。

2002年1月、パキスタン・カラチで出国を翌日に控え、最後の取材に出かけたウォール・ストリート・ジャーナルの米国人記者ダニエル・パール(ダン・ファターマン)が消息を絶つ。妊娠5ヶ月の妻マリアンヌ(アンジェリーナ・ジョリー)の通報を受け、パキスタンのテロ対策組織のキャプテン(イルファン・カーン)、米国領事館の担当官ランダル(ウィル・パットン)、夫の同僚アスラ(アーチー・パンジャビ)や上司、FBIも加わって捜索が進められる。数日後、誘拐され人質となったダニエルの写真が送られてきてマリアンヌは激しく動揺するが…。


身重の体で気丈に耐える妻は、同時に自身もジャーナリストとしての気構えを失わず、感情に流されぬよう振舞っています。だからこそ、愛する夫の死を知らされた時の胸を突き刺すような慟哭の鳴き声が何よりも雄弁に彼女の気持ちを語っているようで、いつまでも耳に残りました。

犯人への恨みつらみではなく、最期の時まで毅然とした態度を取った夫を称えることで寛容さを示した彼女の態度こそ、賞賛に値するものです。

マリアンヌはキューバ人とオランダ人の両親を持ち、フランスで育った女性ということで、肌色を濃くし、カーリーウィッグを着けたアンジーのエキゾチックな風貌は原作者そっくりなんだとか。

それにしても、パキスタンが舞台のこの映画の事件背景について、自分があまりにも知らなさ過ぎるのが情けなかった・・・。
イスラム教徒とユダヤ教徒との関係や、パキスタンとインドの関係など国や宗教のことをきちんと理解していないと、何故アメリカ人記者が狙われたのか、彼が殺された理由なども租借できないのですから。

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シュレック3

2007年11月27日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年6月30日公開 

三作目はフィオナ姫たち、女性の自立にも目を向けた作品か?

シュレック (マイク・マイヤーズ)とフィオナ姫( キャメロン・ディアス)は、病に伏せるハロルド国王の代理として騎士叙任や新造船の進水式、パーティへの出席に明け暮れる毎日を送っていた。面倒な行事にうんざりで王位を継ぎたくないシュレックは、国王逝去の際に言い残した「もう一人の王位継承者」アーサー(ジャスティン・ティンバーレイク)を王位に就かせるべく、ドンキー( エディ・マーフィー)や長靴を履いた猫(アントニオ・バンデラス)と旅に出る。しかしその間に、チャーミング王子(ルパート・エヴェレット)率いる悪の軍団が、王権を奪取しようとする陰謀を企て、国王不在となった王城を急襲する。

おとぎ話のパロディは相変わらず健在。
アーサーとくれば魔法使いマーリンでしょ。というわけで出てきた彼は何だか頼りない爺さん。年齢的には合っていても威厳がぁぁ(涙)
今作ではお姫様軍団の中に裏切り者出現ですが、これは’09ディズニー作品のヒロインなんだとか・・・喧嘩売ってるってわけ?
フィオナが身重の設定なので、彼女自身の活躍はあまり見られないのがちょっと寂しいかな。意気地無しのアーサーが王位継承者に相応しい成長を遂げる様子がポイント。

『見かけよりハート』の第一作、『信じること』を説いた第二作、そして第三作は『未来は自分の手で』でしょうか。

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ミッドナイト・イーグル

2007年11月26日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年11月23日公開

戦闘機の名前が題名なので、戦闘機乗りの自衛官物語かと勘違いしていましたが、
山岳サスペンスアクションとして見応え十分の作品でした。

厳冬の北アルプス上空で深夜に起きた米軍の戦略爆撃機“ミッドナイトイーグル”の墜落炎上。偶然同機を撮影した戦場カメラマン・西崎勇次(大沢たかお)は後輩の記者落合(玉木宏)の強引な誘いにより、渦中に巻き込まれていく。


西崎はかつて戦場カメラマンとして活躍していたが、目の前で死んでいく小さな命を救えない現状に絶望し、妻子を顧みずに山(自然)に逃げているうちに、妻を病気で亡くしてしまいます。義妹である週刊誌記者の松永慶子(竹内結子)はそんな西崎を許せずに、甥である優(佐原弘起)を引き取り育てているのです。この子がとっても可愛いし健気で、いるだけで泣きのツボになります。

北アルプスの雪山での、謎の工作員と自衛隊の銃撃戦に遭遇した西崎・落合と、東京で負傷した工作員と接触したことから事件に深く関わっていく慶子。二つのエピソードが並行して描かれ、思わず引き込まれていく展開になっています。

しかし、この工作員ってあの国を意識してるのミエミエだし(名指しは避けているようです)・・ついでに渡良瀬首相(藤竜也)はともかくその閣僚の一人はどう見ても小泉さんなんですが(汗)

落合も、二人が助けた自衛隊員・佐伯(吉田栄作)も、戦場ジャーナリストであった西崎の写真に影響を受けて、自らの将来を決めた過去があります。戦場で希望を失った西崎と対照的な彼らとの関わりが、西崎をある決意へと導いていったのかなぁ。

ハッピーエンドを期待するとちょっと悲しい現実が。

米軍が密かに核を積んだ爆撃機を日本に配備してるとか、それを狙った某国の陰謀とか、いかにも起こりそうな話だけに、絵空事と呑気に見てると徐々に背筋が寒くなってきます。

ただ、最後のあれはどうなんでしょうね~~それこそ秘密になんか出来そうもない状況になってしまってますが。

雪山の撮影はかなり過酷だったと会見や雑誌にコメントが。(それでも玉木さんは太ったらしいですが)F15戦闘機やUH1ヘリ、自衛隊・工作隊共に着用の白の戦闘服(ジャングルにおける迷彩服のように、雪山に溶け込む効果がある)や銃器など、リアリティの高さにも注目です。

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善き人のためのソナタ

2007年11月25日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年2月10日公開

冒頭に出てくる冷酷そうな尋問のシーンから、非情な男に見えたヴィースラーの、やがて変化していく自らの感情に戸惑う様子や密やかな決意に、温かな思いが残る作品でした。

1984年、東西冷戦下の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)のヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は、劇作家のドライマンと舞台女優である恋人のクリスタの監視を命じられる。彼らが反体制的であるという証拠を掴めば出世の道も拓けていた。しかし、国家に忠実に仕えてきたヴィースラーが、盗聴器を通して知ったのは、反体制思想の証拠だけでなく、自由や愛、音楽や文学といったものの素晴らしさでもあった。


初めは、クリスタへの横恋慕から彼らの監視を提案したかと勘ぐりたくなったのですが、彼の人となりがわかるにつれて、純粋な正義感からだったのだと考え直す自分に気付きました。真っ直ぐな故に、ドライマンたちの「正しさ」に触れ、彼らを守ろうとするようになるヴィースラーは、その時点で自らの出世や未来を犠牲にすることも厭わなかったようです。この感情の変化に「善き人のためのソナタ」が効果的に使われているので題名になったのかな。

ヴィースラーの上司である友人も彼の裏切りに気付きながら、敢えて真実の追究をせずに彼を閑職に追いやる事で留めています。逆にクリスタへ邪まな欲望を持ち関係を迫る大臣の品性の卑しさが浮き立っていました。

1989年のベルリンの壁崩壊を、不遇な職場の片隅で同僚から知らされるヴィースラーは静かに状況を受け止めます。その彼が、ドライマンの書いた「善き人のためのソナタ」という本の扉書きに彼への謝辞を見つけて、誇らしげに書店の店員に差し出す時の笑みが印象に残りました。

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ステップ・アップ

2007年11月24日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年3月17日公開 100分

とにかくダンスが凄い、バレエとストリートダンスが上手く融合された面白さと、役者自身が全てを自身で踊っている迫力が画面から伝わってきます。

ボルチモアの低所得地区で養親と暮らすタイラー(チャニング・テイタム)は、ダンスの才能に恵まれているが、目的もなく悪友とつるんで悪さを繰り返す毎日を送っていた。ある夜、悪友と忍び込んだメリーランド芸術学校で騒動を起こし捕まったタイラーは、学校での奉仕活動を命じられる。そこでプロがスカウトに来る発表会に向けて懸命に練習するノーラ(ジェナ・ディーワン)と出会う。怪我をした彼女のパートナーの代役を務めるうち、夢を叶えるために必死な姿を見て次第に変わっていくタイラーは・・。


初めは金持ちの名門芸術学校とバカにしていたタイラーが、生徒たちの夢に賭ける真剣な想いや、また奨学金で学ぶ自分とあまり境遇の変わらない生徒たちもいることを知り、今まで諦めて暮らしてきた自分自身の生き方を考え直していく様子が、ノーラとの恋を絡ませながら自然に描かれていきます。

親友のマックやその弟のスキニーとは車泥棒やパーティで騒いだりといった問題行動の毎日を送っていたけれど、彼らも本当のワルではなく、ただ目的を持てない鬱憤をそういう行動で紛らしていただけ。しかし、スキニーの軽率な行動が起こした結果は残酷な現実となって彼らの前に突きつけられます。ここで、転落していくのではなく、自らを見つめ直して、向上しようとする姿が好感が持てます。

ノーラの友人のルーシー(ドリュー・シドラ)やマイルズ(マリオ)、厳格だけど温かい目で生徒を見守るゴードン校長(レイチェル・グリフィス)、タイラーの妹弟など、周囲の人間も基本的に悪人はいなくて、健全にダンスや音楽を楽しむ事ができました。

ノーラが先生をしているバレエ教室で、初めてバレエの練習をするタイラーにおしゃまな女の子が彼の不真面目な様子を睨むシーンが微笑ましくて可笑しかったです。バレエとストリートダンスは全く相容れないように思えるのに、映画の中でのダンスは見事に融合されていて、現代的で楽しさと迫力に満ちていました。

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佐賀のがばいばあちゃん

2007年11月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年6月3日公開

島田洋七原作の小説がベストセラーになり映画化もされたのよね。
TV放映を待っていました。時期的に「ALWAYS」の続編公開中とあって、合間のCMはこればっかり。時代は更に遡るけれど、人情健在の郷愁が類似点。

戦後間もない広島。原爆症で父を早くに亡くした明広(鈴木祐真、池田晃信、池田壮麿の三人が演じ分けている)は、居酒屋で働く母(工藤夕貴)に育てられるが、子供の教育に悪いと、佐賀の実家に預けられる。更に貧乏な“ばあちゃん”の家で、最初は泣いてばかりいた明広だが、女手ひとつで7人の子供を育て上げ、貧乏だが、楽しく生きるがばい(すごい)ばあちゃん(吉行和子)のおかげで、逞しい少年へと成長していくのだった。


貧乏であることを悲しんだり卑下したりするのではなく、貧乏という状況をも楽しんでしまう明るさと強さを持ったがばいばあちゃんのお陰で、泣き虫の母ちゃん子だった明広が、徐々に逞しさを持つ少年に変わっていくのが観ていて楽しい。

母を恋しがる明広に「広島へ帰る汽車は冬は休みで来ない」とか「春は汽車の運転手が忙しいから動いてない」と煙に巻いたり、剣道や柔道などお金がかかる運動は「やめときな」と言って、お金のかからない「走ること」を勧めたりするばあちゃんと、それを素直に受け取る明広のやりとりが微笑ましかった。

学校の先生や医者、町の人も、彼らを温かい気持ちでみてくれている。
貧しいお弁当の中身を思い遣って、腹が痛いから梅干しと生姜(だけ)が入った明広の弁当と自らの豪華な弁当と交換してくれという先生たちの好意のエピソードや、マラソン大会に母が来てくれたことを明広と同じ位に喜んで泣いている担任の姿、川に流れてくるお供え物を頂いてしまう場面などはほのぼのとしたユーモアと共に描かれている。

怪我をして受診した際の治療費は要らないといった医者にはだが、治療費を払いに出かけたり、野球部の主将になったお祝いに、2千円台の最高級スパイクを一万円で買おうとしたり、彼女なりの生き方への拘りもみてとれる。

中学を卒業し、母の元に帰っていく日の明広に、素っ気無い態度を取っていたものの、「行くな~明広」と本音を叫ぶばあちゃんの胸中にじんときてしまった。

苛めっ子も、悪意や蔑みも出てこない、人の温かさのつまった作品でした。

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タロットカード殺人事件

2007年11月21日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年10月27日公開

公開から三週間以上経って、劇場も小さいスクリーンでしたが、軽妙なテンポの良さと、漫才のようなアレンとスカーレットの掛け合いが楽しい作品でした。


夏休みを利用してロンドンの友人宅に滞在中のアメリカ人学生サンドラ(スカーレット・ヨハンソン)は、マジック・ショーの助手に選ばれた際に敏腕新聞記者ストロンベルの幽霊に遭遇し、連続殺人事件の犯人が青年貴族ピーター・ライモン(ヒュー・ジャックマン)だという特ダネを明かされる。ジャーナリスト志望のサンドラはスクープをものにしようと、三流マジシャンのスプレンディーニことシド(ウディ・アレン)と組んで上流階級のピーターに近づくのだが、逆に恋に堕ちてしまう。

映画雑誌にはウディはスカーレットに首ったけと書かれているけれど、『マッチポイント』に続くロンドン・シリーズ第2弾の本作も彼女がヒロイン。アレン自らがマジシャン役で出演し、二人のやり取りが笑えます。

サンドラは意気込んで取材に行って、酔わされてベッドインしちゃっても後悔しないし めげない女子学生。幽霊からピーターが犯人と聞かされ、マジシャンのシドを強引に巻き込んで探偵の真似事を始めたのに、自ら恋に落ちてしまう。そりゃ~いかにも英国貴族な優雅さを持ち、とびきりのハンサムですから、仕方ないか(笑)ヒューがとにかく素敵でした。

そもそもこの幽霊、死出の旅(何故か船上)でピーターの秘書からこの特ダネを聞いて、記者魂の未練たらたらで死神の目を盗んで現世に出てきてジャーナリスト志望のサンドラに目をつけるんですね。以来、ちょこちょこと現れては助言をしていくというちょっと変わった展開が面白いの。

イケメン貴族のピーターともすぐにベッドインしちゃって、彼の無実を信じちゃうサンドラがおバカだけど可愛い。それを懸念し忠告するシドはお父さんのような役回りです。

シドとサンドラはユダヤ系アメリカ人という設定。話の中にも宗教やユダヤ人であることを誇りにしているようなセリフがポンポンと飛び出すのも、他のハリウッド映画とちょっと違う点かな。

豪華なピーターのアパートや実家の館の英国式庭園がお洒落~。
シドの乗る車(ベンツのスマートカーなんだって)が可愛いです。
この車種、丁度数日前、実際に目にしたばかりで個人的にタイムリーです。

話の筋は、多少の矛盾点はあるけれど、ラストで綺麗にまとめられてます。
ただ、特にタロットカードに拘る必然性はなかったかなぁ。トランプでもチェスの駒でも何でもいいじゃん(^^;

ピーターに近づくために溺れる演技をしたサンドラ、さて実際の泳ぎの腕は・・・綺麗なオチになってました。意外とツメが甘いピーター(笑)というか、女好きのマザコンだったのね。

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トリック劇場版2

2007年11月18日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年6月10日公開

バカバカしいけど面白い作品の代表かも。でも好き嫌いは分かれそう。
清楚で上品な佇まいからは信じられないほどの弾けぶりをみせる仲間さんと、コミカル路線がすっかり板に付いた阿部ちゃんの凸凹コンビのゆるい空気感が不思議な面白さを生み出して楽しい。

物理学教授の上田次郎(阿部寛)は、研究室に自著の「どんと来い、超常現象」を持って現れた青年に、10年前に連れ去られた幼馴染を救ってくれと頼まれる。
自称・売れっ子奇術師の山田奈緒子(仲間由紀恵)と筐神島に乗り込んだ二人は、霊能力者・佐和子(片平なぎさ)による数々の奇蹟を目にする。彼女の霊能力は本物なのか?

「スチュワーデス物語」の役そのままに「口で手袋を外す」片平なぎさ。(ちなみにあのドラマでは村沢教官とのスキー事故により、両手とピアニストとしての夢を失った不幸な女の役でした。堀ちえみを苛める悪女役として有名になったのよね)いきなり当時に強制タイムスリップさせられてしまった(汗)

信者のお経のように繰り返す「よろしくねっ」とポーズが笑える。どんなにアホらしいことでも「信者」にとってはとっても真剣で意味あることだもんな~と他人事で笑える自分にホッとしたりして。これって、『ゆうとぴあ』さんのネタなのね。

大仰な割りにたいしたことないトリックネタは置いといて・・。
さらわれた娘役は堀北真希ちゃんじゃぁないですか~~。「ALWAYS」の前にこんな映画にも出てたのね。

行き当たりばったりな逃走計画かと思えば、素潜りで海中でボート膨らませちゃったり、信者相手に立ち回りを演じる上田さんって、素敵・・かも。例え、助かるために山田嬢と醜い蹴り合いをしてても、滑車の原理でまず彼女を上に行かせるあたり、なかなか男前じゃないですか。その後忘れられても、自力で這い上がってくるのもガッツあります。

山田嬢の欲も本音も丸出しのセリフと突っ込みが、私はけっこう好きです。
今回はほんわかLOVE要素も入っているようだけど、ゆるゆるな二人のこれからもちょっと気になるかも。

わざわざ映画でなくてもTVドラマで十分だけど・・実際TV放送で観てるから、ま、良いか(^^;

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どろろ

2007年11月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年1月27日公開

ふ~~ん、これ、お正月映画第2弾位だったのかなぁ。時期的には合っていた気がする。明るいどろろのお喋りと、魔物退治のワクワク感と、親子の情愛、色んな要素が混じり合って、独りでも友人や家族とでも楽しめそうな作品でした。


戦乱の世を治める力を得るため、武将・醍醐景光(中井貴一)は魔物に生まれてくる子供の体を捧げ、強大な力を与えられる。体の四十八箇所を奪われて生まれた子・百鬼丸(妻夫木聡)は、呪医師・寿海(原田芳雄)の秘術により救われ育てられる。長じて、自分の体を取り戻す旅に出た百鬼丸は、身を守るため左腕に仕込まれた妖刀を狙うこそ泥・どろろ(柴咲コウ)と出会い、奇妙な二人旅が始まる。


戦乱の世を生き抜くために仮の姿で生きる百鬼丸とどろろ。妖刀を狙うどろろの目的は両親の敵討ちで、少年の格好をしているが、実は女の子です。
奪われた体は、魔物を倒す度に自分の身に取り返せるけれど、その際の悶え苦しむ様もリアルに表現されています。

自分の数奇な宿命への嫌悪感と哀しみに笑顔を失くした百鬼丸が、どろろと出会い、互いの境遇に似たもの同士の親近感と、彼女の明るさ、前向きさに癒され、笑顔も戻ってくる様子が、魔物退治の場を踏むことで自然に表現されているのがわかります。

原作は手塚治虫の漫画。映像化にあたり、ニュージーランド・ロケや、襲い掛かる魔物たちとのスピード感あるアクションシーンなど、漫画の雰囲気を損なわないように努力しているなという印象を受けました。

野望のために我が子を犠牲にして顧みない冷酷な父に見えた景光にも人の心は残っていたラストや、弟である多宝丸が、自分のアイデンティティに苦しむ心情、母の直感的な愛情など、人情の点でも後味の良さがあります。

育ての親である呪医師の、百鬼丸の再生過程は、かなり漫画チック(元が漫画だから当たり前)ですが、ブッキー主演の「ブラックジャックによろしく」を思い出してしまいました。これもある意味手塚繋がりですね。

どろろを演じた柴咲コウが、まさに体当たり演技、アクションに挑んでいます。
観る前は、「なんか、子供っぽい作品かも」と思っていたけれど、十分に楽しめる内容でした。

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ボーン・アルティメイタム

2007年11月14日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年11月10日公開 アメリカ

CIAの「トレッドストーン計画」により最強の暗殺者にされたジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は、任務遂行中のアクシデントで記憶を失い、CIAから追われる逃亡生活の中で恋人をも殺されてしまう。ある日、英新聞の一面に彼のことを書いた記事が掲載され、「トレッドストーン計画」に代わる「ブラックブライアー計画」の取材を進めていた記者のロス(パディ・コンシダイン) に接触を図ったボーンは、秘密の核心に近づいていき、遂に全ての全容を探り出す・・。

『ボーン・アイデンティティー』『ボーン・スプレマシー』に続くシリーズ第3段にして完結篇でもあります。

前作は観た事がなかったけれど、劇場予告に惹かれて、公開前のTV放送で予習して臨みました。それが効を奏したわいきなり、ドラマの続きか?と思うようなロシアでの逃亡劇から始まるオープニングは「スプレマシー」を観ていなかったらわけがわからなかったと思います。

続いて、前2作を追うかのようなパリ・ロンドン・イタリア・マドリッド・タンジール、そしてNYとちょっとした世界旅行のような逃亡&追撃戦と、息をつかせぬほどのアクションシーンに目が釘付け、アドレナリン放出度大でした。

特にカーチェイスシーンでは思いっきり気前良く車を何台もオシャカにしてるし、ぶつけるわ、転がすわ、落とすは、追突・爆発何でもありで、これがけっこうストレス解消になります。

CIAの捕獲班をあっという間に片付けてしまう腕といい、カーチェイスで散々に転がり、車を大破させながらも立ち上がる不屈の肉体といい、記者を守り接触するために取る緻密で大胆な知能戦も含め、過去のCIAモノで最強の人物という評価も頷けるかも加えて、本当に身の危険に際して仕方なく殺す以外に、無闇に殺めない人柄は、マットのキャラに妙にしっくり似合ってました。

逆に、やすやすとボーンの戦略に乗り、踊らされ、後手に回るヴォーゼン(デヴィッド・ストラザーン)らCIA陣はなんだかな~の気もしましたが
2作目でボーンに同情的だったパメラ・ランディ(ジョアン・アレン)やニッキー(ジュリア・スタイルズ)ら女性陣はボーンの味方になっちゃうのも彼のキャラからは当然でしょ、と思わせられました。

ボーンの秘密自体はかなり肩透かし。暗殺者養成プログラムだってことは前作で推測出来るし、彼自身が・・・なんて云われても、動機がよくわからないままで消化不良。原作にはもっと詳しく描かれているのかなぁ?ここは不満でした。

この映画はロバート・ラドラムのボーン三部作が原作。(と書いたら、本を読んだ方から映画は内容が著しく異なるとの指摘を受けましたので、「元」にしたもの、と訂正させて頂きます)一応、本の三部作は以下の通り。
一作目『暗殺者』The Bourne Identity (1980年)
二作目『殺戮のオデッセイ』The Bourne Supremacy (1986年)
そして『最後の暗殺者』The Bourne Ultimatum (1990年)

「アルティメイタム」は最後通牒という意味。
まさにボーンからCIAに対する最後通告という展開でした。

ロバート・ラドラムは亡くなっていますが、エリック・ヴァン・ラストベーダーにより続編 The Bourne Legacy (2004年)と The Bourne Betrayal (2007年)が書かれているそうなので、もしかしたらまたまた続編あったりして

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ポリー my love

2007年11月08日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2004年製作 アメリカ 90分

保険会社のやり手リスク査定員ルーベン・フェファー(ベン・ステイラー)は極度の潔癖症と万事安全志向の超慎重派。人生リスク計算は完璧で冒険とは無縁の毎日を送っていた彼だが、新妻リサ(デブラ・メッシング)に、新婚旅行先で浮気され傷心を抱え独り帰るはめに。親友のサンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)に無理やり連れて行かれたパーティ会場で再会した中学時代の同級生ポリー(ジェニファー・アニストン)に惹かれたルーベンは、リスク覚悟で彼女と交際を始めるが、ポリーの自由奔放な生き方は、彼の想像をはるかに超えていて・・・。

何気なく観始めたけれど、二人の結婚式シーンで新郎と親族が丸い帽子を被っていたということは、フェファーってユダヤ姓なの?そもそもベン自身がユダヤ系ですけれどね

ベン・ステイラーのラブコメですが、フィリップ・シーモア・ホフマン演じるかつての名子役で今は売れない役者のルーベンの親友サンディが面白い。過去の自分の栄光にしがみつき、今の状況から逃避しているサンディですが、持ち前の押しの強さと自己中的明るさで救われている感じ。彼に説教する時が唯一のセリフというルーベンの父がまた美味しいとこどりでした。

またリサの浮気相手のスキューバの達人クロード(ハンク・アザリア)が筋骨逞しい全身を惜しげもなく曝して(丸出しですが見えません)笑いをとってます。出会いのシーンでのリサの視線の先に注目したいところ
妻を寝取っちゃったのに、何故か最後にはルーベンとも友達になっちゃう天性の愛嬌があるキャラでした。

潔癖なルーベンではあるけれど、初デートでトイレを詰まらせ水浸しにしたり、う○ち系ネタが多かったのは笑えるけどきちゃないなぁ。サルサのダンスシーンもアクが強すぎて引いてしまったけれど、これは国民性の違いかな。

ポリーの自由さはイマイチ理解できないところもあるけれど、正反対のものに惹かれるのはよくあることなので・・こういうのもありなんでしょ
でも長続きするのかな~~この二人

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ALWAYS続・三丁目の夕日

2007年11月07日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年11月3日公開 

昭和34年春。黙って去っていったヒロミを忘れられない芥川(吉岡秀隆)は、再び連れ戻しにやってきた川渕(小日向文世)に、人並みの暮らしをさせることを条件に淳之介(須賀健太)との暮らしを認めてもらう。だが、淳之介に生活の苦労をさせていたことに気付き、安定した生活とヒロミ(小雪)のため、再び“芥川賞受賞”の夢に向かい、純文学の執筆を始めた。一方、鈴木オートでは、六子(堀北真希)も一人前になってきて、仕事も順調。そんなある日鈴木家に新しい家族が加わって・・・

2005年11月公開作の続編。
この作品においては「二匹目のドジョウ」は存在したって感じ
東京オリンピックの開催が決定し、日本が高度成長時代に足を踏み入れることになる昭和34年、高速が架かる前の日本橋を最新のVFXで甦らせていることが話題になっているけれど、他にも「こだま号」や「羽田空港」完成した「東京タワー」「ローラー式脱水洗濯機」など、懐かしい映像に目を奪われました。

鈴木オートの父ちゃん(堤真一)は相変わらず短気でおっちょこちょい。母さん(薬師丸ひろ子)の陽だまりのようなふんわりした温かい笑顔に癒され、淳之介の健気さに涙を誘われ、二時間半があっという間でした。

茶川さんの生活臭あふれる服装は前作では毛玉だらけのセーターに象徴されていましたが、今回は薄汚れたワイシャツ、かな彼のボサボサに膨らんだ頭を見てると、散髪してやりたい虫が騒ぎます 今回は彼の芥川賞騒動を中心に描かれていますが、候補作「踊り子」だもんな。でも感動もののストーリーでした

タバコ屋のおばちゃん(もたいまさこ)やアクマ(宅間)医師も健在。
笑いの中に、戦争で喪った人や思い出のエピソード(鈴木オートの夫婦にも色々あったのねぇ)がさり気なく描かれているのも、この時代の裏にひっそりとあった悲しみを伝えていて良かったです。

この映画がほろ苦く胸を打つのは、今は殆ど見られなくなってしまった近隣の助け合いや人間関係の濃さへの郷愁なのでしょうか。

シネコンはレディースデーの割りに男性も多く、年齢層としては中高年が主流だったかな。映画関連商品にガシャポンの「三丁目の夕日ストラップ」と「ピンバッジ」が出ていました。

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オール・ザ・キングスメン

2007年11月06日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年4月7日公開 アメリカ 128分

1949年、ルイジアナ州。群の汚職を非難し政界浄化を訴える地方の役人ウィリー(ショーン・ペン)と知り合った新聞記者ジャック(ジュード・ロウ)は、彼に惹かれ、対立候補の当て馬から一気に形勢を逆転させ遂に州知事となったウィリーの参謀となっていく。だが、時が経ち権力が増大するにつれ、ウィリー自身があれほど嫌っていた汚職やスキャンダルにまみれていくさまをみせつけられることになるのだった・・

先週間違って借りられなかったリベンジでした。
悪役顔のショーン・ペンは好みではないけれど、確かに演技は凄い!地方の小役人でしかなかったウィリーが、自分の「当て馬」という状況を逆手にとった演説には「本音」が込められていたし、成功して尊大になっていく様も生々しいほどのリアル感がありました。

実質的な主人公はでもジュード演じる上流階級出身のジャックです。
彼の目から見たウィリーという政治家の人としての盛衰が描かれた作品かな。

ジャックは金銭的には不自由のない階級に生まれ、ウィリーとは全く異なる背景と価値観を持っています。そんな彼がウィリーに惹かれたのは彼が持つ正義へのストレートな感情への共感だったのでしょうか?それとも滅びゆく特権階級への自己憐憫だったのでしょうか。

ジャックの幼馴染のアン(ケイト・ウィンスレット)、父親代わりに面倒を見てくれた判事(アンソニー・ホプキンス)との関係も複雑に絡み合い、物語はジャックにとっても悲劇性を帯びて終わります。

善は悪の中からも生まれるといったウィリー・・・人は権力という座の前に、高潔な魂を売り渡してしまうものなのでしょうか。それとも、欲は遅効性の毒のように、徐々に心を蝕むものなのでしょうか。
独裁者のような傲慢さが顔に張り付いたウィリーの最後は自業自得としても、そのシナリオを書いたのは・・代わって知事に就いたあの男なのかしら?と思わせるラストです。では、アンとウィリーのそれも・・・罠???

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スティーヴン・キング 8つの悪夢 2

2007年11月01日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年 アメリカ

スティーブン・キングの、"悪夢"をテーマにした8本の短編ホラー小説を映像化した3枚組DVDの第二巻。
登場人物を通して、心の闇に潜む恐怖を描いている。

第4話「ハワードに何が起こったか」
第5話「ロードウイルスは北に向かう」
第6話「フィフス・クォーター」

ちなみに他の巻に収録された作品は以下の通り
第1話「バトルグラウンド」
第2話「クラウチ・エンド」
第3話「アムニーのラストケース」
第7話「解剖室 4」
第8話「ロックンロール・ヘブン」


「オール・ザ・キングスメン」を借りたつもりで、開けたらこれが入ってました。まーたやっちまったよケースと中身が違うなんて、疑うことないもんな~~(泣)スティーブン・キングは嫌いではないので、ま、いっか~!と観始めたけれど・・これがまた三本組の一本だったなんて・・どうりで、特典のインタビューとか知らない場面が挿入されてるし。

天才的頭脳を持った弟の発見で人類から闘争心を消し去ったら、アルツハイマーという副産物により滅亡の危機に・・という「ハワードに~」、病気の不安を抱えるホラー作家がガレージセールで見つけた絵が、彼を悪夢へと誘う「ロードウィルスは~」、仮出所した男が、刑務所仲間から大金を隠した地図の一部を渡され、一攫千金を夢見て残りの地図を持つ者たちの元へ向かう「フィフス~」

一番わかりにくかったのが「ロード・・」作家の悪夢と現実が入り混じり、どこか「シークレット・ウィンドウ」の匂いもあるけれど、結局どうなったのかは曖昧。

「ハワード~」は結末がわかれば、あぁ、そういうことなんだ!と。どこか星新一のSF小説のオチを思わせるラストです。
この中では「フィフス~」が一番希望があったかな。もちろん、元犯罪者を迎える現実は甘くはないけれど、せめていま少しまともな生活が出来るかもしれないものね。ディズニーのアトラクションの「カリブの海賊」の宝石箱を連想させる隠し場所が個人的にはツボにはまりました。

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