杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

バウンティー・ハンター

2011年01月30日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2010年7月10日公開 アメリカ 110分

ギャンブル好きの元警官マイロ(ジェラルド・バトラー)は、妻と離婚し荒れた生活を送る借金まみれのバウンティー・ハンター(保釈中の逃亡者などを捕まえて報奨金を得る仕事)。ある日、元妻で敏腕記者のニコール(ジェニファー・アニストン)に、5000ドルの報奨金がかけられたことを知り、妻に捨てられた恨みを晴らし報奨金を手に入れるチャンスとばかりに追跡を開始する。ところが、彼女の追っていた事件が思いがけず大きな陰謀に繋がっていたことから、2人は命を狙われるハメとなってしまい…。


どうやらマイロは、だらしなさとギャンブル癖に愛想を尽かされて三行半を叩きつけられたようです。離婚の痛手から酒とギャンブルに溺れ警官を辞めて賞金稼ぎに身を転じた彼は、元妻に賞金がかかっていることを知り嬉々として捕まえに出かけます。それは復讐心の他に、彼女と会う理由が出来たことも大きかったのでしょう。

元夫婦の二人が繰り広げる珍道中はとてもコミカル。互いの長所も短所も知り尽くしているからこその腹の探り合いと騙し合いの中に、やがて二人の本音が垣間見えてきます。
ニコールの方も、嫌いと言いながらも優秀な警官としてのマイロへの評価は高いようでした。それは頼りがいのある夫像でもあったのかな。

実は、彼女が「お尋ね者」となったのは、ある警官の自殺に絡んだ謎を調べるために裁判をすっぽかしたからでした。警察の保管庫の品物の横領事件に2人の共通の友人が関わっている疑惑が浮かんだり、真犯人に命を狙われたりといった波乱を経て、結局元鞘に収まる2人・・・まぁ、こんなもんでしょ(^^;

ニコールの運転下手ネタを生かしきれていない感じがちょっと残念かな。
狂言回しとしてのニコールの同僚の存在もなんだか余計な感じでした。

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よなよなペンギン

2011年01月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年12月23日公開 

ペンギンコートを着て、夜な夜な街を歩き回るココ(声:森迫永依)の夢はいつか空を飛ぶこと。ある夜、不思議な人形に案内されるままペンギンストアに辿り着いたココの前に、ゴブリンの男の子チャリー(田中麗奈)が現れて、ゴブリン村に連れて行かれる。ココは、村人たちから熱烈な歓迎を受けるが、村の支配を企む闇の帝王ブッカ・ブー(田中裕二)を倒す伝説の勇者“飛べない鳥”と間違われたことを知る。ブッカ・ブーの一の家来を名乗るザミー(太田光)が手下のデビルたちを使って村人を困らせる様子を見て、ココとチャリーは大地の精霊パラケケ(藤村俊二)に助けを求めに行く。けれどココにはザミーが悪い悪魔には見えなかった。果たして、二人は村を救うことができるのか……?

ココのお父さん(高橋ジョージ)はペンギンの飼育係でしたが早くに亡くなっています。「ペンギンだって空を飛べる」と言ってココを励ましてくれた人でもありますが、空を飛ぶことの意味するものは一見不可能と思えることも努力次第で可能に変えられるというメッセージなのでしょう。

実はザミーは堕天使で、天界からまさに「落ちて」来たのでした。
天使としてのお仕事もちゃんとできず、友達もいなかったザミーはブッカ・ブーに一の子分と煽てられて有頂天になり、彼の目的(天使のパワーを自分に取り込むこと)に気付かずにいました。そんなザミーを悪いヤツと思えず、友達になろうとしたココやチャリーとの友情物語としても楽しめます。

天使や悪魔が出てくる世界なのに、何故か七福神も登場する摩訶不思議な設定で、フルCGアニメーションの画面はとっても幻想的で美しいのだけれど、何だか声優の声とキャラがしっくりこないのが惜しいなぁ。素人芝居を見せられているような違和感が残りました。けっこう豪華な声優陣なんだけどねぇ(^^;

謎の「じい」(柄本明)の正体は予想出来ましたが、彼とココの関係とか、そもそもココが夜出歩く理由もわからなかったので、全体的に消化不良な感じ。

絵本として目の前で繰り広げられる出来事だけを楽しめばいいのかな(^^;

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グリーン・ホーネット

2011年01月26日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2011年1月22日公開 アメリカ 

幼くして母を亡くし、新聞社の創業者である父に厳格に育てられたブリット・リード(セス・ローゲン)は反動から、絵に描いたような放蕩息子に成長。ところがある日、父ジェームズ・リード(トム・ウィルキンソン)が蜂に刺され死亡したことから突然、社長の座に就く。我儘な彼が気に入っていた珈琲を淹れていたのが父の運転手カトー(ジェイ・チョウ)と知ったブリットはカトーから父のもう一つの顔を持っていたことを知らされ、気が合った彼らは、ロスの街の悪党を一掃する悪のヒーローになることを決めた。天才発明家でもあるカトーが作ったハイテク装置満載の自動車“ブラック・ビューティー”に乗り、グリーンのスーツとマスクを着けたブリットとカトーは、“グリーン・ホーネット”(緑のスズメバチ)と名乗り、悪党たちを倒してゆく。そこには、ブリットの美人で有能な秘書レノア・ケース(キャメロン・ディアス)の協力もあった。そんなとき、父の急死に暗黒街の王ベンジャミン・チュドノフスキー(クリストフ・ヴァルツ)が絡んでいることを知った2人は、警察、検察、新聞社、暗黒街すべてを欺く大死闘に立ち上がる。

普通に観終わって、感想書こうとチラシ見たら・・あれ?これ3Dやってるんだ?(^^;
今日観たのは2D版、というかこのシネコンでは3Dやってないじゃん。
3Dではカトーの脳内が『カトービジョン』として映されるらしいけれど、別に2Dでも支障なかったから、いいか~~笑
日本ではブルース・リーの出世作(テレビ版でカトー役を演じた)とも言われているそうですが・・知らなかったわ(汗)。

甘やかされたダメ息子が偉大な父に反発してダーティヒーローになろうとするというのも、ただの運転手が実は天才発明家で喧嘩の達人というのも、いかにもアメコミらしい発想。
父の銅像の首を切り落としに行った際、悪党に襲われているカップルを助けたことからヒーロー気分になり、街のギャング相手もやっつけちゃえってそんな無謀な!!
でも何とかなっちゃうのが凄いね♪

権力に屈していた父親が正義を取り戻そうとした矢先に殺されたのだと知り、復讐に燃えるブリットはまさにヒーロー・・かと思いきや、しっかり落とし所があったりして、ユーモアセンスも随所にあって面白かったです。

2人とも基本的には女好きで、秘書のレノアにお熱ですが、彼女の方は何とも思ってないというのもヒーローもののお約束を外していて楽しい。
見所はブラック・ビューティーの装備の数々とカトーのアクション、それにデイリーセンチネル新聞社での派手な闘争シーンです。あんなに滅茶苦茶に壊しておいてどう辻褄を合わせるのかと思ったら、そこは聡明な秘書がちゃんと解決策を講じてました。

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デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断

2011年01月26日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2011年1月22日公開 アメリカ 95分

初めての赤ちゃん誕生を5日後に控えたピーター(ロバート・ダウニー・Jr)は、妻(ミシェル・モナハン )の出産に立ち会うため、仕事先のアトランタから自宅のあるロサンゼルスへ飛行機で向かおうとしていた。ところが妙な男と袖摺りあったばかりにテロリストと疑われ、搭乗拒否になる。荷物も財布も身分証も飛び立った飛行機の中。困惑し怒り心頭のピーターの前に、トラブルの原因になった男イーサン(ザック・ガリフィアナキス)が車に乗って現れ、大陸横断を持ちかける。自称23歳のイーサンは俳優志望で、エージェントに会うためにハリウッドへ向かう途中だった。他に選択肢もなく渋々助手席に乗り込んだピーターだったが、フレンチブルドッグのサニーと一緒で、父親の遺灰をコーヒー缶に入れて持ち歩き、ワッフルアレルギーなのにワッフルを注文して咳き込み、ちりちりパーマにいけてないファッションセンスのイーサンと気が合おう筈もなく、しかもイーサンは史上最悪のトラブルメーカーだった……。

真面目だけど切れやすいピーターと善いヤツなんだけど変ちくりんなイーサンという対照的な2人が、アトランタからロスまでの長距離を共に旅することになって巻き起こる騒動を描いたトラブルロードムービーです。

大陸横断を誘っておいて大麻を買って所持金がなくなったイーサンに呆れ、ピーターは妻から送金してもらおうとしますが、身分証がない(^^;仕方なくイーサン名義でと思ったら、彼は芸名を名乗っていたのでやっぱり証明できず、おまけに窓口の職員を怒らせて袋叩きに遭う始末。イーサンに運転させれば居眠りして車が大破しまたまた怪我させられる。親友ダリル(ジェイミー・フォックス )に車を借りた時も妻との仲を疑わせるような発言をするし、車内で大麻を吸って間違えてメキシコに出てしまった際は、ゲートで朦朧としてるピーターを置いて逃げてしまうし、果ては彼に銃で撃たれたりと、ピーターに限りなく災難のループが続きます。

3200kmの道中とはいえ、あれだけトラブルが降りかかってきたら、ピーターじゃなくても怒りが爆発しそうです。(もっともピーターがキレやすいのも原因の一つなんだけどね)ですから彼は途中でイーサンを置き去りにして一人でロスへ行こうとします。けれど、車内にイーサンの父の遺骨の入ったコーヒー缶を見つけてそれを捨てることが出来ずに、結局ドーナツと珈琲を買って戻ってくるの。基本的には善い人なんだね。

そしてイーサンの方も決して極悪人ではありません。むしろ善意の人間です。
メキシコで捕まったピーターを助けに戻ったイーサンの活躍?で無事に逃げ出せた二人は、
グランドキャニオンで散骨して友情が!・・と思ったら、告白ごっこで振り出しに戻ったりもしますが、ともあれ何とか妻の待つ病院に駆けつけ、結果オーライ・・・ってあんな追跡劇やら大騒動を起こしておいて一件落着ってのがすごい(^^;

こんなトラブルメーカー=疫病神とお友達にはなりたくないけれど、映画なら思いっきり笑えるね。ダリルの淹れた珈琲の件は笑ってはいけないかもですが・・最高でした☆☆☆

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ねむり

2011年01月25日 | 
村上 春樹 (著), カット・メンシック (イラスト)  新潮社

覚醒する新世界。目覚めつづける女の不定形な日常を描いた短編『眠り』が、21年ぶりの“ヴァージョンアップ”を経ていま再生する―ドイツ語版イラストレーション、日本版のためのあとがきを収録した、村上世界の新しい「かたち」。 (「BOOK」データベースより)

1Q84を読んでいた頃新刊案内で興味を惹かれて図書館に予約していたものです。
これもかなりの順番待ちでようやく回ってきたけれど・・・あれ?新刊といっても新作じゃないのね。しかも短編だし。

独特のイラスト世界が恐いような目を吸いつけられるような不思議気分を醸してくれます。
物語もSFっぽい中に、日常に潜む本能的な欲というか、本音というか、またまた複雑な感情を上手く引き出されるような、これまた不思議な感覚がありました。

でも、結局その先どうなったんだよ~~???というじれったさが残るのはこの作家さんの特徴なのかしらん?と言っても読んだのはまだこれが二作目なんだけどね(^^;

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やさしい嘘と贈り物

2011年01月24日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2010年3月27日公開 アメリカ 92分

孤独な生活を送るロバート・マローン(マーティン・ランドー)。ある日スーパーの仕事を終えて帰宅すると、家の中に見知らぬ美人が入り込んでいて驚く。彼女はメアリー(エレン・バースティン)と名乗り、通りがかったロバートの家の扉が開いていて心配したのだと語り、帰り際にロバートを食事に誘う。久しぶりの女性とのデートに心躍らせながら、スーパーのオーナー、マイク(アダム・スコット)や従業員仲間に、デートの成功の助言を求めるロバート。初デートはレストランで楽しいひと時を過ごし、2人は“絶対に物事をあきらめない”という約束を交わす。交際は順調に進み、メアリーの娘アレックス(エリザベス・バンクス)も2人の仲を応援する。2人で訪れたクリスマスパーティーの席で、メアリーと会話する男を彼女の別れた夫と勘違いして罵倒してしまうロバートだったが、メアリーは優しく誤解だと諭し、その夜2人は共に眠る。けれど、翌朝目覚めるとメアリーは消えていて、彼女の電話番号も苗字も思い出せないことに気付いたロバートはパニックに陥る・・・。

初めて会った隣人にいきなりデートの誘いをするなんて、メアリーってどういう女性だろう?と思って観始めた私。それでも2人の初々しいデートの様子に、こういうのもありかなぁと思い始めた頃、クリスマスパーティでのロバートの異常なまでの嫉妬心に「あれ?ちょっと変だな」と疑問が頭をもたげます。

そういえば、スーパーの店長もやけに親身になって相談に乗ってくれてるし、メアリーの娘だって何かロバートに言いたげな様子だし・・パーティの参加者も皆ロバートを知っているようだったし。などなど。
けれど、メアリーが手にする薬瓶で想像の方向が真実から上手く逸らされてしまうのね。

ロバートが混乱の中で昔の写真を目にした時、パーティで罵倒した男が自分の弟のバック(ジェームズ・デヴニー)だったことや、メアリーやアレックス、マイクが本当は誰なのかも思い出すのですが、これがなかなか衝撃的でした。

彼が倒れて病院に運ばれ、医師から助からないと言われても諦めずにロバートの傍で手を握るメアリーの胸に溢れる思いは彼への消えることのない愛なのですね。

最愛の人の記憶から消えてしまっても、また初めから愛を積み重ねていこうとするメアリーのような強さを、自分に当てはめた時に持てるだろうか?ふとそんな思いが浮かびました。

レストランでの会話や、童心に帰ってそり滑りを楽しむ姿、雪の中でのダンスなど、2人のデートの様子はとても微笑ましくて、心があったかくなるエピソードばかりでした。
あぁ、こんな風に穏やかに互いを慈しんで生きていきたいな~と思いました。



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憚りながら

2011年01月24日 | 
後藤 忠政 著 ・ 宝島社

かつて伊丹十三監督・襲撃事件などで日本社会を震撼させた武闘派団体・後藤組の後藤忠政組長。08年10月に山口組を電撃引退し、翌年には天台宗系の浄発願寺で得度(得度名=忠叡)。日本中をあっといわせたのは記憶に新しい。
それから1年……財界・政界にも大きな影響力を発揮し、山口組の直参として、日本の深層を生き抜いた後藤忠政とは、いかなる人物なのか?
本書は、半年にわたる延べ50時間のインタビューを構成したもので、これまでその人物像が明かされることのなかった伝説の組長の生い立ち、静岡県富士宮を舞台にした愚連隊時代、山口組直参昇格、竹中正久4代目の思い出、山一抗争、伊丹十三襲撃事件、孤高の民族派・野村秋介との交友、企業社会への進出、政界との交流、武富士との攻防、山口組引退の真相、
そして自身の人生哲学から女性哲学までが、たっぷりと語られる。(アマゾン内容紹介より)

う~~ん、この本を図書館で予約したのは昨年の夏くらいだったか?初版が2010.5.29だったから出版して日が浅い頃だったんだな。でようやく年明けに順番が回ってきたのでした。
その間に何故これを借りようと思ったのかをすっかり忘れてしまったぁぁぁ・・・。
多分好きな有名人が読んでたと聞いたからだったかと。(^^;

第一章 血筋 で自分の出自に触れ、
第二章 富士宮愚連隊 では若い頃のエピソードを
第三章 イケイケの時代 本格的極道の始まりですな
第四章 創価学会との攻防 池田大作批判
第五章 山口組直参 数々の抗争事件に触れてます
第六章 生涯の友・野村秋介 
第七章 東京進出
第八章 バブルの勝者 伊丹監督襲撃事件やホリエモンのこと
第九章 政界の品格  民主批判
第十章 渡米移植  肝臓移植のこと
第十一章 引退の決意 
第十二章 得度

要は昔の極道さんは筋が通った生き方をしていた、と言いたいのかな。
良くも悪くも昔は持ちつ持たれつの繋がりがあった政治や経済や芸能の世界の様変わりを嘆いている風でもあるけれど、なかにはごもっとも!と頷く箇所もあり、私には一生縁のない世界に生きてきた人ですが、主張には頷けることもありました。

ただね・・・光あるところには必ず影があるってことも再認識したというか・・なんだかな~~(^^;

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ザ・エッグ ~ロマノフの秘宝を狙え~

2011年01月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2010年5月15日公開 アメリカ 104分

キース・リプリー(モーガン・フリーマン)は、ニューヨーク市警にも一目置かれるほどの世紀の大泥棒だった。ロシアン・マフィアのヴィクトル(ラデ・シェルベッジア)に借金のある彼は最後の仕事として、ロマノフ王朝の秘宝イースターエッグ強盗を計画する。マイアミからやってきたガブリエル・マーティン(アントニオ・バンデラス)と組んだリプリーは、厳戒態勢の敷かれた高級宝石店への侵入に成功する。しかし思わぬアクシデントが相次ぎ、彼らの計画は狂い始める。その背後には、ニューヨーク市警、FBI、ロシアン・マフィアの謀略があった。

宝石のちりばめられた美しいイースターエッグが主役、というわけではないようです。
むしろリプリーが盗み出したそれは物資の乏しかった時代のもので輝石などは使われていなかった(らしい)。でもこのエッグが彼にはとても重要な意味を持っていたのでした。

相棒もの泥棒編です。年齢差のある2人が協力して厳重に管理された秘法を盗み出すスリルを楽しんだ後、どんでん返しに驚かされることになります。

正直に言えば、他の泥棒映画と比べても地味な展開で、他の娯楽大作で見たような作戦に苦笑する場面もあったのですが、秘宝を手に入れてからのガブリエルの衝撃告白と、最後の最後に明かされたロシアンマフィアの正体で一気に面白かった感が高まりました。

ラダ・ミッチェル演じる弁護士のアレクサンドラはリプリーの昔の相棒ニッキーの娘ですが、彼女とガブリエルの恋模様も描かれています。

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毎日かあさん 試写会

2011年01月22日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
東商ホール 14:00開場 14:30開映 

2011年2月5日公開予定 118分

今日もサイバラ家に、嵐のような朝がやってきた。仕事場の机で寝てしまったサイバラリエコ(小泉今日子)を大声で起こす母トシエ(正司照枝)。息子のブンジ(矢部光祐)は6歳になってもまだオネショのクセが治らない。ブンジと4歳の娘フミ(小西舞優)を保育園に送り届けるが、サイバラのママ友でもある麦田さん(鈴木砂羽)が5人の息子たちを体育座りさせ点呼をしたり、子供たちが走り回ったりとそこは戦場のような世界。そんな保育園を後にして、ようやく忙しい朝は一段落するが、締め切りに追われる人気漫画家のサイバラは休む暇もなく仕事開始。優秀なアシスタントの愛ちゃん(田畑智子)と共に夜遅くまで働くのだった。だが仕事が終わると、次は子供たちを寝かせる時間だ。一日の終わりのひと時の楽しみは、子供たちは絵本、母は酒。サイバラが子供たちの布団の中でグラス片手に絵本を読み聞かせると、目まぐるしい一日も何とか無事に終わりを迎える。一方、元戦場カメラマンの夫カモシダ(永瀬正敏)は、アルコール依存症で病院に入院中。ところがある日、勝手に退院してきた彼は、作家になると宣言したものの原稿も書かずにまた酒に手を伸ばしてしまう。やがてカモシダの心は日に日に混乱し、妄想がひどくなり、とうとうサイバラは彼に離婚届けを渡す。失ったものの大きさに気付いたカモシダは、完全隔離された病院に転院することを決意。海辺の病院に入院する彼を見送るために、4人の元家族は久しぶりに再会する。サイバラは、友人のゴンゾ(古田新太)に紹介されて、バンコクで初めてカモシダと会った時のことを思い出していた。時は流れ、子供たちも父親の不在に寂しさを募らせる中、遂にカモシダが依存症を克服、サイバラは元夫を家族として再び迎え入れる。しかし、喜びも束の間、今度はカモシダのガンが発覚。ようやくしっかりと手を繋いだ家族に、避けられない別れが待っていた……。(goo映画より)

西原理恵子の実体験に基づく同名漫画の映画化です。
漫画家の妻と元戦場カメラマンの夫、二人の子供たち、妻の母との何気ない日常が描かれています。

戦場カメラマンって、去年のキーワードだね(笑)
帰還兵もですが、生と死が隣り合わせの不条理な世界に身を置くと、心のどこかが壊れてしまうのかなぁ?この映画の中の「夫」もアルコール依存症から抜け出せず、もちろん本人も苦しいのでしょうが、やはり家族に与えた苦しみは映画で描かれるような程度では済まなかったのだろうと思います。離婚を決意する前に暴れたシーンのような壮絶な毎日があったのだろうなぁ・・。それを忠実に描こうとしたら、ファミリー映画にはなりえないから、随分オブラートに包んだのだろうと想像しながら観てしまいました。

でも、酒が入っていない時の夫はとっても良いお父さんで、子供たちと一緒に遊ぶ姿は微笑ましいばかりです。愛して守らなければならない家族がいるのに、どうして??と思うけれど、それがつまり依存症の恐ろしさなのでしょうか。

ともあれ、この作品の主題はアル中の夫ではありません。
アホな行動をしでかす息子(アホロートル飼ってること自体が象徴的で笑えますが、案外妹思いで、父に会いに行くエピソードは泣かせます)や、おませな娘の世話をしながら、忙しい漫画家稼業をこなし、果ては面倒ばかり起こす夫の尻拭いまでする大変な毎日を、笑顔で自然体に乗り切る「かあさん」の姿にこそあるのです。毎日起こる些細な、でもかけがえない愛しさを内包する出来事を、共に笑い、怒り、悲しむかあさんを見ていると、どんな大変なこともいつか笑いに変えて乗り越えていく強さを感じて「ああ、大丈夫。生きていける」と安心するのです。

主演の2人が実生活で元夫婦だったことも話題になっていますが、ほんと、役者って辛いもんだなぁってちょっと思ってしまった。演じていて過去の自分たちとかダブってこないんだろうか? (^^;

舌足らずな妹娘の喋り方が可愛くて、昔のやんちゃ坊主風な息子も可愛くて、何より どんなことが起きても笑ってど~~んと構えている「かあさん」が素敵に思えた映画でした。

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ソーシャル・ネットワーク

2011年01月20日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2011年1月15日公開 アメリカ 120分

2003年。ハーバード大2年のマーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、プログラマーやハッカーとして天才的な能力を持つ一方人間関係を築くのが下手で、ガールフレンドのエリカ(ルーニー・マーラ)を怒らせ別れを告げられる。やけになりブログに彼女の悪口を書いたり、ハッキングで集めた大学寮の女子学生たちの写真で人気投票をするサイトを作ったことで、マークの名前はハーバード中に知れ渡る。これがきっかけで双子のウィンクルボス兄弟は自分たちが企画した学内出会い系サイト“ハーバードコネクション” 立ち上げの協力を要請するが、マークは彼らに黙って自ら“フェイスブック”をエドゥアルド・サベリン(アンドリュー・ガーフィールド)と共に立ち上げる。怒った兄弟は弁護士を通じて停止警告を送るがマークは無視する。NYへ広告スポンサー候補との会合に出かけた際、19歳で“ナップスター”を作ったショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)に出会い彼に傾倒していくマークにエドゥアルドは危惧を抱くのだった。やがてウィンクルボス兄弟はアイデアの盗用で、エドゥアルドは創業者としての権利を主張しマークを告訴して・・・。


GFのエリカとの喧嘩から始まるこの物語。マークの性格的な欠点が強調される冒頭シーンだ。他人を傷つけることに鈍感なくせに自分への批判には敏感で攻撃的。嫌な男だ。独創的な天才としての面は高く評価しても、人としてはどうなの?という思いが最後まで消えなかった。訴訟のテーブルで繰り返される噛み合わない会話が象徴的だった。
それでも彼が最後まで気にしていたのはエリカであることがラストシーンで描かれる。対比という意味では上手い演出。

マークの鈍感さは親友のエドゥアルドに対しても同様だ。いや、鈍感とは違うかな?彼は確かに自分を唯一理解し協力してくれる親友に対して感謝していたと思う。結果的にエドゥアルドを切り捨てたのは、傾倒するショーンに引きずられた感がある。それでも同意したのはマーク自身だから、そこに同情の余地はない。

ウィンクルボス兄弟の方がよほど紳士的ではあるが、アイディアの盗用に関しては大学の学長の見解も間違ってはいないように思えた。所詮アイディアを形に出来る人間が成功するんだな、世の中は。兄弟は世間知らずの凡人の代表としての役回りだったような。

学生のお遊びから発したネットワーク事業が世界に広がることで莫大な利益を生み出す道具となり、本人の思惑を超えて一人歩きを始めることの恐さも見せ付けられた気がした。

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エンド・ゲーム

2011年01月19日 | 
恩田陸 著、 集英社文庫

『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。『遠目』『つむじ足』など特殊な能力をもつ常野一族の中でも最強といわれた父は、遠い昔に失踪した。そして今、母が倒れた。ひとり残された時子は、絶縁していた一族と接触する。親切な言葉をかける老婦人は味方なのか?『洗濯屋』と呼ばれる男の正体は?緊迫感溢れる常野物語シリーズ第3弾。(「BOOK」データベースより)

「光の帝国」にも登場した拝島親子のその後の物語です。
常野一族の中でも予知や記憶の能力とは異なり、彼らは異質な「あれ」と呼ぶ敵と日常的に戦っているのですが、その正体も戦って「裏返す」ことでどう変わるのかも明らかにはされないまま終わってしまいます。何だか中途半端な感じで、また続編もあるのかなぁ?

行方不明になった父親についても、かなり身勝手な人間として描かれているし、母親の秘密は確かに衝撃的ではありましたが、そのことでますます彼らの戦いの意味がわからなくなりました。

「洗濯屋」の火浦という男もニヒルさが強調されているわりにやったことは時子の父と変わらないってのもなんだかなぁ・・。

登場人物の中で一番健やかで強いのは時子かな。
嫌なことも含めて過去を忘れず責任を持って生きていくことを選択できる女性でした。

なんにせよ、人の心の内側というのは決して平面では捉えられないというのは映画「インセプション」にも共通するものがあるなぁ。(^^;

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ダブル・ミッション

2011年01月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2010年6月19日公開 アメリカ 

見るからに冴えないペンのセールスマン、ボブ・ホウ(ジャッキー・チェン)の正体は、中国から出向しているCIAの敏腕エージェント。テロリスト、ポルダーク(マグナス・シェヴィング)の逮捕を最後にスパイ稼業から引退し、プロポーズを受けてくれた隣家のシングルマザー、ジリアン(アンバー・ヴァレッタ)と彼女の3人の子供たち、ファレン(マデリン・キャロル)イアン(ウィル・シャドレイ)、ノーラ(アリーナ・フォーレイ)と暮らすことを決めた。だが、子供たちはダサいボブとの結婚に反対していた。ジリアンが父親の入院見舞いで家を離れることになり、留守番を引き受けたボブは、子供たち相手にスパイのミッション以上に奮闘するのだが、そんな時にCIAの元パートナー、コルトン(ビリー・レイ・サイレス)から、ポルダークが脱獄したとの知らせが届く・・・。


ヴィン・ディーゼルの『キャプテン・ウルフ』を思い出しちゃいました。あちらは強面の軍人が子供たち相手に振り回される話ですが、こちらはダサい外見の男が実は有能なスパイだったというお話。もちろんジャッキーお得意の愉快なアクション満載です。

最新の音楽と勘違いしたイアンがボブのPCからDLした情報が元で、ボルダーク一味からジリアン一家の命が狙われるのですが、子供たちを守るために戦うボブはカッコイイ~~♪

元上司グレイズ(ジョージ・ロペス)が裏切り者だったというのは少し意外でしたが、ジリアンが本当のお母さんじゃないことに孤独感を持つ長女や、嘘ばかり付いている長男の悩みにも耳を傾け、子供たちとも心を通わせていく様子など、ベタな筋書きではあるけれどやはり観ていて安心感がありました。



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パーマネント野ばら

2011年01月16日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2010年5月22日公開 100分

夫と離婚し、一人娘のもも(畠山紬)を連れて実家に戻ったなおこ(菅野美穂)は母・まさ子(夏木マリ)が営む美容室「パーマネント野ばら」を手伝っている。まさ子の夫カズオ(宇崎竜童)は他の女の家に入り浸り、戻ってくる様子もない。フィリピンパブを経営するなおこの友人みっちゃん(小池栄子)は、夫ヒサシ(加藤虎ノ介)が店の女の子と浮気をして離婚を決意する。もう1人の友人ともちゃん(池脇千鶴)の夫はギャンブルに溺れたあげく行方不明中。ある日ゴミ屋敷に住む老夫婦の髪を切りに行った帰り道、廃人然としてたともちゃんの夫ユウジ(山本浩司)と出会うが、その後彼は帰らぬ人となって発見される。一方なおこは、高校教師カシマ(江口洋介)と付き合っていたが、その恋は、誰にも秘密だった・・・。


町の小さな美容室には日がな女たちが集まって男の噂話に花を咲かせています。かなり下品な会話内容ですが、それが逆に女たちの元気パワーを感じさせています。

なおこにとってカズオは母の何度目かの再婚相手ですが、そのことに二人共わだかまりがあるようでもありません。むしろ実の親子よりわかりあえているような印象も受けます。

なおこの友人たちも何だかとても個性的。
この作品は「女の子ものがたり」の大人バージョンといった趣があり、何度か挿入される少女時代のエピソードがそれを強く感じさせます。
男運はないけれど、それを跳ね返して生きるバイタリティのようなものがみっちゃんやともちゃんにはあるのね。

逆になおこは離婚したとはいえ、カシマと順調な恋愛をしているかのように見えていたのですが、2人で温泉に行くあたりから「あれ?」という疑問が湧いてくるのでした。
それが解明されるのは友人たちとの短い会話と最後の海のシーンです。
友人たち、なおこの母や美容室に集まる女たちも、なおこの「秘密」を知っていて、その心の内側をそっと見守っていることが伝わってくるシーンでした。

でもね・・カシマの存在は離婚したことで受けた心の傷が作り出した幻影と捉えれば良いのか、このことが原因で離婚したのか、その辺の説明はないのでちょっと混乱してしまいました。

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GOEMON

2011年01月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年5月1日公開

1582年 天下統一を目指した織田信長(中村橋之助)は、その夢目前にして、家臣・明智光秀(紀里谷和明)の謀叛により本能寺で暗殺される。しかし、信長の右腕であった豊臣秀吉(奥田瑛二)が、その数日後に光秀を討伐。その功績をもって信長の後を継ぎ、豊臣政権を制定。世は火種を残しつつも、一時の平和を謳歌していた。そこに、彗星のごとく現れる一人の盗賊・石川五右衛門(江口洋介)。超人的な身体能力を武器に、金持ちから盗み、貧しきものに分け与える英雄に庶民は熱狂する。ある夜、盗み出した財宝の中に、南蛮製の箱を見つける五右衛門。その箱の中にはある重大な秘密が隠されていた。忘れ去ろうとしていた過去の扉を開いてしまう五右衛門。箱の秘密を追う、石田三成(要潤)と霧隠才蔵(大沢たかお)、そして徳川家康(伊武雅刀)と服部半蔵(寺島進)。真実を巡る壮絶な戦いが始まる……。

延べ制作日数3年、セット数100、CGカット数2500、エキストラ1000人、総スタッフ数300人を費やした超大作の割りにあまり話題にならなかったような・・。(^^;

誰もが知っている(と思っている)戦国時代の概念から大きく外れた新解釈によるストーリーと、まるで劇画のような美術セットや斬新な衣装に加え、およそ人間技とは思えないアクションシーンの連続はまるで一遍の絵を見ているかのようで圧倒されます。
まさに“紀里谷ワールド”全開で(といってもキャシャーン観てないけど)、既成の枠に収まらない新しい映画を観ているようでした。

歴史ファンにはそっぽを向かれそうな滅茶苦茶な筋書きに怒るよりは、全く別の世界として楽しんじゃう方がいいな♪俳優陣もかなり豪華絢爛です。ただ、茶々役は広末涼子より他に適役がいるんじゃないかなぁ(^^;
個人的には嫌いじゃない作品です。

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ミックマック

2011年01月12日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2010年9月4日公開 フランス 104分

ビデオ店で働くバジル(ダニー・ブーン)は、ある日発砲事件に巻き込まれ、一命は取り留めたものの、頭には流れ弾が残ってしまう。仕事も家も失ったバジルは、野宿しながらパントマイムで日銭を稼いで暮らしていた。そんなバジルを見かけたガラクタ修理屋プラカール(ジャン=ピエール・マリエル)は、彼を仲間の所へ連れて行く。そこには、とても個性豊かな人々が住んでいた。体を四つ折にできる“軟体女”(ジュリー・フュリエ)、何でも即座に計ってしまう“計算機”(マリー=ジュリー・ボー)、ギネス記録を持つ“人間大砲”(ドミニク・ピノン)、四字熟語やことわざが得意の元民族学研究者“言語オタク”(オマール・シー)、ガラクタから何でも作ってしまう“発明家”(ミッシェル・クレマド)。廃品に囲まれた工場みたいな家には、笑顔と温かな空気が満ちていた。新たな人生を歩み始めたバジルだったが、ガラクタ集めの途中で自分の頭に残る銃弾を造った会社(オーベルヴィリエ軍事会社)と30年前に父の命を奪った地雷を造った会社(ヴィジランテ兵器会社)が向かい合って建っているのを見つける。自分の人生をメチャクチャにした2つの兵器製造会社を許すことは出来ないと、バジルは仲間たちと共に“死の商人”への仕返しを開始する……。

昨年秋に公開されていた作品ですが、いきつけのシネコンに年が明けて上映されることになったので、早速観てきました。

周囲で観た人の評価が大変良かったのも納得です。

非暴力、非戦を貫く復讐劇というのがまず何よりも気に入りました。
バジルを温かく迎え入れてくれ、仲間=家族に気を配る肝っ玉母さん風な“料理番”(ヨランド・モロー)にも悲しい過去があります。バジルも彼の仲間たちもホームレスに分類される社会の負け組ですが、その特技と個性を存分に発揮してユニークな悪戯(といっても十分に計算された筋書きですが)を仕掛けます。

フヌイエ(アンドレ・デュソリエ)とマルコーニ(ニコラ・マリエ)ら軍需産業で巨万の富を築いた死の商人たちへの悪戯の中で、彼らの趣味の悪さや身勝手さを笑いものにしてしまうのです。
例えば、煙突から盗聴作戦で知った情報を基に、収集した有名人の遺品(爪とか眼球とか肝臓とかちょっとグロイ)を盗むエピは笑えます。
偽の取引で双方を疑心暗鬼にさせ喧嘩を煽るやり方も彼らの特技を上手く使っていて面白かったですが、バジルたちは決して他者を傷つけたりはしません。その点もこの作品に親しみを感じるところです。

フヌイエたちに計画がばれてバジルが拉致された時も、頼もしい仲間たちのお蔭で窮地を脱し、反撃に転じるのですが、この作戦がまた愉快。そして「騙された武器商人」の滑稽さがユーチューブで流されるのもとても現代風。
また、悪戯計画の中で生まれるバジルと軟体女恋愛感情も楽しかったです。それにしても彼女の特技は本物?と気になった~~(^^;

全体的にモノクロなサイレント映画のような独特な雰囲気を漂わせていたのも作品の持つ味わいに深みを与えていました。

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