杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

小さなバイキング ビッケ

2012年12月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
日本未公開 2009年製作 ドイツ 85分

今から千年ほど昔。勇猛さで知られるバイキングたちのなか、ちょっと変わった赤い髪の男の子がいました。彼の名前はビッケ。フラーケ族の族長ハルバルの息子である彼は、大きな体で力持ちで酒豪の父と正反対の小さくて非力な少年でしたが、誰よりも頭が良く優しい心を持っていました。父との力比べに勝ち兜を貰った彼ですが、幼馴染チッチの空を飛びたいという願いを叶えようと凧を作ったある日、悪いバイキングに村が襲われ、こどもたちが誘拐されてしまいます。凧で飛んでいて高い木に引っかかっていたビッケだけは難を逃れましたが、ハルバルたち大人はこどもたちを取り戻そうと海賊船で追うことにします。一緒に行くことを禁じられたビッケは樽に隠れて密航し、冒険の旅に出かけるのですが・・・。


スウェーデンの作家ルーネル・ヨンソンの児童文学シリーズ『Vicke Viking』 (邦題:小さなバイキング) が原作で、後に日本で1972年から1974年にかけてアニメ放映された時には夢中になって楽しんだ記憶があります。DVDの存在を知って即レンタルしましたが、この映画はその時のアニメがそのまま実写になって戻ってきたような懐かしさに満ちていてすっかり気に入ってしまいました。

物語に登場するバイキングたちは海賊として恐れられてはいますが、ちっとも恐くは見えません。戦いのシーンでは流血もなく、丁度芸人たちが空気ハンマーで殴り合っているかのような何とも緊迫感も臨場感もない様子が、暴力嫌いな私には逆に安心して楽しめました。母のイルバを初め仲間たち(ギルビー、チューレ、スノーレ、ウルメ、ファクセ・・etc)のキャラもすっかりアニメと一緒なのもとても嬉しかったのです。

ただ一つ、ナレーター役?のスペインの役人がちょっとうざい何でも95%で処理しちゃうところやどこでも出てきて図々しいのは何かの皮肉・当て擦りなのかしらん?

主人公のビッケは暴力が嫌いな少年ですが、バイキングの族長である父親を尊敬し自分も父のような立派なバイキングになりたいと思っています。非力な彼は、暴力による略奪ではなく、知恵を使い平和的な手段でそれをしたいと考えているの

お父さんとの力比べで勝ったのも知恵を使ったから
子供たちを攫った犯人がスベン(意地悪スベンだぁ)であることも、こどもたちを取り戻すために近道をしたり、塔から救出する時の作戦も、ビッケの頭で考えたことです。
けれど、知恵だけでは足りません。それを実現させるのは仲間の海賊たちの力であり、ビッケのピンチを救うのはハルバルなのです。力と知恵、共にあってこそ勝利があるのです。

思いっきりファミリー向け作品ですが、アニメを知っている世代には絶対お薦めです。
続編も作られているらしいのでまたレンタルしたいなぁ

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レ・ミゼラブル

2012年12月26日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2012年12月21日公開 イギリス 158分

王政が復活し、格差と貧困にあえぐ民衆が自由を求めて立ちあがろうとしていた19世紀のフランス。ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、パンを盗んだ罪で19年間投獄され、仮釈放されたものの生活に行き詰まり、再び盗みを働く。しかし、その罪を見逃し赦してくれた司教(コルム・ウィルキンソン)の慈悲に触れ、身も心も生まれ変わろうと決意する。8年後、マドレーヌと名前を変え工場主として成功を収め、モントルイユの町で市長の地位に上り詰めたバルジャンは、警官のジャベール(ラッセル・クロウ)と再会し動揺する。工場を解雇されて娘を養うお金の工面に困り身を落としたファンテーヌ(アン・ハサウェイ)を救ったバルジャンだったが、「バルジャン逮捕」の知らせを耳にして法廷で自分の正体を明かし再び追われることになる。ファンテーヌから彼女の幼い娘コゼットを託されていたバルジャンは、安宿を営むあくどいテナルディエ夫婦(サシャ・バロン・コーエン、ヘレナ・ボナム・カーター)に大金を渡しコゼットを引き取ると、ジャベールの追跡をかわしてパリへ逃亡し、かつて馬車の下敷きになっていたところを助けた男(スティーブン・テート)の計らいで修道院に匿われる。9年後、バルジャンが限りない愛を注ぎ美しい娘に成長したコゼットは、パリの下町で革命を志すマリウス(エディ・レッドメイン)と恋に落ちる。だが学生たちが蜂起する事件が勃発し・・・。

ヴィクトル・ユゴーの小説が原作のミュージカル作品の映画化です。
まさに全編が歌・歌・歌のオンパレード。ミュージカルは基本的に苦手ですが、キャストの見事な歌声に圧倒され、狭い劇場の舞台とは一味違う映画ならではの映像に引き込まれ、気付けば3時間飽きることなく楽しめました。ちなみに舞台は一度も観たことがありません

子供時代に読んだ時には脇役に思いを馳せることはなかったけれど、今改めて映画で物語に触れて心に残ったのは、むしろエポニーヌ(サマンサ・バークス)の報われないと知りながらも懸命にマリウスを想う片恋の切なさや、バルジャンに助けられたことで、自分の善悪の価値観が崩れ混乱するジャベールの慟哭だったりします。

宿屋の夫婦はずる賢く世の中を立ち回る小悪党として描かれていますが、何故か憎めない愛嬌がありました。彼らの登場シーンはテンポがよくてリズミカルで、客たちから金品を巻き上げる様もコミカルです。本を読んだ時はただ「悪い人たち」という印象だったので、これは映像娯楽としての脚色でしょうけれど、彼らの登場シーンはけっこう好きかも

映画の冒頭で、バルジャンの腕力が強調されるエピソードが出てきますが、市長になった彼と再会したジャベールがバルジャンを疑い始めるのも、馬車の下敷きになった男を助ける時の年齢に似合わぬ怪力なんですね~そしてこの時助けた男が後に彼とコゼットを助けてくれるという。まさに情けは人のためならず

学生たちの蜂起は失敗に終わり、怪我をして意識を失ったマリウスを助けたのもバルジャン。この地下下水道の逃亡劇にもテナルディエが登場するのはご愛敬?そして学生たちに身分がばれて囚われていたところをバルジャンに助けられたジャベールが二人を見逃すことになるのは彼にとって「借り」を返す必要があったから。でもそのことで自分の正義が崩れてしまったジャベールは苦悩と絶望の末に自殺してしまうのでした。でも・・キリスト教って自殺NGなんだよね?
彼は法に忠実だっただけ。でもその内側に息づく人間の感情を封殺して生きてきたこと自体が彼の罪ということなのかもしれませんね。

マリウスの心の傷はコゼットが埋め、二人の結婚を許したバルジャンはマリウスに自分の過去を告白し独り姿を消します。やがてバルジャンに死が訪れる時、それは三人の再会の時でもありました。そして(亡き)ファンティーヌの導きで神の御許に召されるバルジャン・・・
この最期の瞬間、バルジャンは全てに許されて笑顔で旅立ちます

バルジャンが身分証を破り捨て新たな自分に生まれ変わることを誓う「独白」
娼婦に身を落としたファンテーヌが歌う「夢やぶれて」
叶わぬ想いを抱いて歌うエポニーヌの「オン・マイ・オウン」
学生たちが歌う「民衆の歌」
傷心のマリウスの「カフェ・ソング」
などなど、ミュージカルですから、それぞれの歌も胸を震わせます。
撮影テイクごとに実際に歌うという手法が演技と歌の相乗効果を引き出しているのですね。

子役たちも大人顔負けの演技力です。
幼いコゼット(イザベル・アレン)の可憐な愛らしさはもちろん、少年ガブローシュ(ダニエル・ハトルストーン)の健気さに胸を射ぬかれてしまった~~

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ラブ&マネー

2012年12月25日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
日本未公開 2012年製作 アメリカ 91分

ステファニー(キャサリン・ハイグル)はデパートの下着売り場で働いていたが、半年前に失業。離婚歴もあり、今はハムスターと暮らしている家の家賃も滞納中。借金のかたに愛車までとられてしまう。それでもなんとかポジティブに生きようとする彼女は、保釈金立て替え業を営む従兄からバウンティ・ハンターの仕事を紹介される。初めての仕事は、昔処女を捧げてポイ捨てされた元カレ・ジョー・モレリ(ジェイソン・オマラ)の逮捕。恨みと高額の報酬に飛びついた彼女は、腕利きの同僚のレンジャーから仕事のイロハを学ぶうちに、ジョーの事件に裏があることに気付き・・。


バウンティ・ハンターという仕事は日本では馴染みがないけれど、あちらの映画では度々登場する職業ですね

映画は、大仕掛けな裏があるわけでもなく、適度にテキトーに進んでいく筋書きと、男性に受けそうなステファニーの服装や彼女の全裸シャワーシーンなどはB級色満載です。
ラブコメというよりはクライム・コメディなのでしょうけれど、どっちつかずな感は否めません。けっこう注目株だと思うキャサリンがどうしてこれに出演したのかしらん?

内容に戻って・・・ジョーが警官だってのにまず驚き。
女性の扱いに慣れてる色男とみせて、実は仕事熱心な男だったという設定ですが、そもそもバージン奪ってとんずらポイ捨てするような男ってどうよそんな彼を本当はまだ憎からず想っているステファニーもなんだかなぁ。彼女を助けてくれるハンター仲間や警察のジョーの友人の存在も紛らわしいです。

この映画、誰にとっての「理想」なんだろね

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ホタルノヒカリ

2012年12月24日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年6月9日公開 

仕事はきっちりこなすものの、家ではジャージ姿でビールを開け、女として枯れた姿から“干物女”と称される雨宮蛍(綾瀬はるか)。恋愛とも程遠い生活を送っていたが、突如として舞い込んだ高野部長(藤木直人)との同居や高望みのような男性との恋愛など紆余曲折を経て、蛍と高野部長は結婚をした。とはいえ相変わらず家では自堕落に過ごす蛍に、あきれる高野部長。二人は新婚旅行としてイタリアへ行くことにする。しかし旅先では、蛍同様に仕事以外ではきっちりしていない冴木莉央(松雪泰子)とその弟・優(手越祐也)が起こす騒動に巻き込まれ、さらにローマでは高野部長の行方がわからなくなり、蛍は大奔走する……。(goo映画より)

ドラマでお馴染の干物女ホタルの新婚旅行先で巻き起こる騒動を楽しく描いています。基本的にラブラブな二人の物語なので、ドラマを見たこともなく、他人の恋愛模様なんざぁ「ケッ!」と思う人には不向きです。

そもそも、ホタルちゃんてば、新婚旅行に行くのも面倒臭いヤツで、何が何でも家が一番なんだもの。男女が入れ替わればよくある話なんですが、逆なところが面白いのよね。
彼女の上辺だけで判断するなら「なんでこんな干物女に恋しちゃったかなぁ」なぶちょおですが、あんな風に理解ある旦那様が心底羨ましく思えます。

ホタルたちがイタリアで出会うのが夫と娘を事故で亡くし生きる目的を見失っている莉央。昔は仕事一番の女性で、家族旅行も欠席し、そのため一人生き残ってしまったことが心の傷になっています。そんな姉を心配して会いに来た弟のことも邪険にするのだけれど、ホタルとぶちょおの互いを思い遣る姿を見て気持ちに変化がでてくるというお話。莉央役の松雪さんがホタルに負けない干物女ぶりを披露しているのが可笑しかったです

素直なホタルが莉央の言葉を真に受けて白いドレスが汚れるのもかまわずぶちょおを探す場面はやり過ぎな気もしますが、そんなホタルを堂々と「私の愛する妻です」と周囲に紹介できるぶちょぉの包容力にますますです。

一人身にはちょっとキツイ作品かもねそれと、ローマの休日よろしく観光案内的場面が登場しますが、一つ一つが短すぎて旅の余韻に浸る間もなかったのは残念かも。

最後にホタル妊娠?なエピがあり、これは干物女が母になったらという続編も期待できるかな

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フランケン・ウィニー

2012年12月21日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2012年12月15日公開 アメリカ 

小さな街ニュー・オランダに暮らす少年ヴィクター(声:チャーリー・ターハン)は、学校から帰ると屋根裏に閉じこもり、科学の実験や映画作りに熱中していた。そんな彼の隣にはいつも最高の相棒──愛犬のスパーキーがいる。ヴィクターの映画に主演することを誇りに思うスパーキーは、ヴィクターの母スーザン(声:キャサリン・オハラ)や父エドワード、そしてヴィクターと一緒に完成した映画を観ることが何よりの楽しみであった。ところがある日、不幸な交通事故がスパーキーの命を奪ってしまう。唯一の親友の死を受け入れられないヴィクターは、ジクルスキ先生(声:マーティン・ランドー)の科学の授業で習った“電気の実験”を応用して、家族にも内緒でスパーキーを生きかえらせることを決意。屋根裏の実験室でヴィクターは、雷のパワーも利用して、ついにスパーキーをつぎはぎだらけの“フラン犬(ケン)”としてよみがえらせる。だが幸せな日々が戻ってきたのも束の間、スパーキーは自分が死んでいることに気づかぬまま家の外へと出てしまい、その“ありえない姿”をヴィクターのクラスメイトや街の人々に目撃されてしまう。やがて、ヴィクターのアイデアを知った子供たちは次々にペットや動物をよみがえらせ、街は大混乱に陥っていくのだった……。(goo映画より)


スパンキーのキーホルダー付き前売り券を購入していたのでレディースデーを避けて行ってきました。本当は字幕で観たかったけどいつも通りいきつけの所では上映無しあえて2Dをチョイス。

キモかわ系と言えばいいのか・・・ティム・バートンとジョニーがタッグを組んだ作品は好きだし『コープス・ブライド』も同じようなキャラクターが登場するけれど、この作品についてはどうしてもキャラが可愛いと思えなくて、その時点で感情は素直に物語に溶け込めず、犬・猫を飼い通した経験もないので別れの辛さは想像の域を出ない。ということは、ヴィクターの切実な願いが叶っても「それは自然の摂理に反するよ」とおよそ現実的な反問が払拭できないまま終わってしまったのであります(^^;

ヴィクターの両親があれほどの深い愛情と理解を息子に注いで育てている姿はとても好感が持てるし見習いたいです
偏屈な理科の先生もその考えは科学者として教育者として一理あると思います。彼がヴィクターにする助言はなかなか含蓄があります。
意地悪そうにみえる級友たちも本当はけっこうイイ奴だし

でもね~~スパンキーは甦って幸せと言えるんだろうか?確かに大好きなヴィクターやお隣のワンちゃんに再び会えたことは彼にとっても嬉しいことだろうけど、水も食べ物も体を通り抜けるだけで、電気が餌だなんて、よく考えたら不自然すぎでしょ
やっぱり死者を連れ戻すのは自分勝手な行為だという思いが抜けないのよね。
だから、ラストの展開もやっとヴィクターが自分の想いに踏ん切りをつけられたと思ったのにと少しがっかりでした。

もちろんファンタジーという観点からはあの「ハッピーエンド」が正解なんでしょう。
もし、可愛らしいアニメーション作品なら違和感なく受け止められたんですが、独特で個性的なゆえに逆に現実感がもっとあってもと思ってしまったのでした。

ペットを飼っている人はまた違った感想を持つと思います。
好き嫌いの分かれる作品だと思います。

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大奥 永遠 右衛門佐・綱吉篇

2012年12月18日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
試写会 18:30開映 124分
2012年12月22日公開予定

男女逆転の世が誕生して30年。時は元禄、五代将軍綱吉(菅野美穂)の時代。徳川の治世は最盛期を迎えていたが、大奥では後継者を巡って正室と側室の激しい派閥争いが起こっていた。そこに、京から一人の公家がやってくる。その男・右衛門佐(えもんのすけ)(堺雅人)は類まれなる野心と才覚で巧みに綱吉に取り入り、総取締として大奥での権勢を掌中に収めていく。一方、一人娘の松姫を亡くした綱吉は、政から遠ざけられ世継ぎ作りに専念させられることに。だが、夜ごと大奥の男たちと閨を共にするも一向に懐妊しない綱吉は、次期将軍の父の座をめぐり陰謀渦巻く大奥で、孤独と不安に苛まれていく。妄執にとらわれた父・桂昌院(西田敏行)に従い“生類憐みの令”を発令するも、国は乱れていくばかり。運命に翻弄され、生きる気力をも失った綱吉に手を差し伸べたのは、人知れず綱吉を見守り続けていた右衛門佐だった。ついに心を通わせたふたりが、最後に辿り着くのは……。(チラシより)


よしながふみのコミックを映画化した「大奥」(2010)の続編で、前作より過去に遡っています。TVドラマ版「大奥 誕生 有巧・家光篇」(12年10月~12月放送)との2部構成となっていて、ドラマの方がさらに前の時代で大奥誕生のいきさつが描かれましたが、映画では玉栄の変わり果てた姿(笑)が衝撃的だ~~ま、確かに権力欲は強そうだったけどさ

堺さんは家光編の有功と二役となります。演じるのはどちらも京の公家出身の男ですが、慈愛溢れる大人しやかな有功とは異なる野心家の右衛門佐の計算高い出世術もなかなか見応えがありました。

側室役は要潤ですが、キャラ的にかなりおバカというか情けない男の役で何だか可哀想他に昔玉栄に「将来天下人の父となる」と予言をし今また生類憐みの令を出すきっかけとなった僧に堺正章、右衛門佐の母に由紀さおり、綱吉ただ一人を見守るために生きた柳沢には尾野真千子、右衛門佐の傍仕えに柄本佑など俳優陣もとりどりで楽しめました。

悪評高い犬将軍・綱吉の隠された哀しみを美しく描きだした物語になっています。
世継ぎを産むことだけを義務付けられ、夜毎違う男に抱かれなければならない女と、日々の暮らしのために好きでもない女を抱かねばならなかった男が出会い、その心の奥底にある切なさや哀しみを共有した時、そこに真実の愛が生まれた・・ってことですかね

ハッピーエンドというわけにはいかないけれど(誤解を招くポスター等の構図ですが、実際は逆なんだよな~)だからこそ美しく物語を昇華できるというものなのかも。

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ミッシング ID

2012年12月18日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年6月1日公開 アメリカ 

ごく普通の高校生ネイサン・ハーパー(テイラー・ロートナー)は、幼馴染で同級生のカレン(リリー・コリンズ)と宿題の検索中に、誘拐児童を載せたサイトに13年前の自分の写真を発見する。両親と信じていたケビン(ジェイソン・アイザックス)とマーラ(マリア・ベロ)は誰なのか?自分は本当は何者なのか?という疑念をぶつける間もなく、二人は殺され、ネイサンはカレンと必死に逃げ出す。カウンセラーのベネット博士(シガニー・ウィーバー)に助けられた二人は、彼女から本当の両親の名前がマーティン(ダーモット・マローニー)とローナ(エリザベス・ローム)・プライスであることと、ネイサンを見守ってきた「保護者」の名前を告げられる。足手まといになるという彼女の忠告を無視してカレンを連れ逃避行を繰り広げながら、謎を解き明かそうとするネイサンの前に、CIAを名乗るフランク・バートン(アルフレッド・モリーナ)やコズロフ(ミカエル・ニクヴィスト)ら追手が迫る。やがて、ネイサンはある暗号の存在に気付いて・・・。

「トワイライト」シリーズで一躍有名になったテイラーが主演で、ヒロイン脇役も豪華な顔ぶれが揃っています。ただ、「トワイライト」のイメージが強烈過ぎて、今にも狼に変身するんじゃないかと思ってしまうのが困りもの

普通の高校生として育てられたネイサンは実はCIAの有能なエージェントの息子で、彼と引き換えに情報を奪おうとする殺し屋やCIAの裏切り者から逃れながら戦うという内容は、少々設定に無理はあるとは思いますが、それなりにロマンや冒険心をくすぐる面白さがあります。

冒頭ではネイサンの何気ない高校生活の日常が描かれますが、パーティではめを外すネイサンを戒めるのは父子のボクシングって、十分普通じゃないけどね偽造IDの名人の親友がいるのも出来過ぎだ~
カレンとの逃避行で、プロのエージェントや殺し屋を難なくかわすのもあり得ないけど、全部ひっくるめて楽しんじゃう方が勝ちだね

ちゃんとハッピーエンド?になるのも嬉しいし、もしかしたら続編もありかもね

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Mr.ズーキーパーの婚活動物園

2012年12月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
日本未公開 アメリカ 102分

グリフィン(ケヴィン・ジェームズ)は人一倍動物たちに愛情を注ぐ動物飼育員 (ズーキーパー)。ある日、5年前に結婚を申し込み、見事に振られた女性ステファニー(レスリー・ビブ) に再会し再び恋心が燃え上がる。思い悩む彼に、園内の動物たちが人間の言葉で喋り出し様々なアドバイスを始めた。初めは驚いたグリフィンだったが、日頃自分たちを可愛がってくれるグリフィンに恩返しをしたいと言う動物たちの好意を受け、彼らから恋愛レッスンを受けることになるのだが・・・。


海辺を馬に乗ってデートし打ち上げられた空き瓶にプロポーズの言葉を入れて劇的な演出を試みたグリフィンは、ステファニーから飼育員とは釣り合わないから結婚は無理と手酷く振られます。それから5年経ってようやく失意から立ち直りかけていたのに兄の婚約パーティで彼女と再会して心が揺れるの。全く男ってやつは・・

一方、動物たちは実は人間の言葉が話せるんだけど面倒なことになるからいつもは黙ってたという設定。ところが日頃自分たちをよく世話してくれるグリフィンが思い悩んで飼育員を辞めないようにと彼の婚活の世話を焼くことを決めるのね。ライオンのジョー(シルヴェスター・スタローン)、オマキザルのドナルド(アダム・サンドラー)を初め、ハイイログマやゴリラ、ゾウにキリンにオオカミ、ウシガエルやカラスまで加わり賑やかに夜の会議をする様が何とも微笑ましい光景です。

いきなり動物たちが話しかけてきてびっくり仰天のグリフィンでしたが、根は素直で優しい彼のことですから、すっかり乗せられその気になって彼らのアドバイスに従います。
でも動物ですからねぇ。マーキングや威嚇行動など人間世界では通じない筈なんですが・・そこはコメディ、何となく成功しちゃうのがまた笑えます。

観ている側としては、あんなタカビー女のステファニーと上手くいくわけないじゃんってミエミエなんですが、当人はそんなことは思いもしないで突っ走る姿は少し滑稽。仲良しの獣医のケイト(ロザリオ・ドーソン)に宛て馬を頼むくらいの鈍感さ。だってケイトはありのままのグリフィンが好きなんだものね

そうとは知らないグリフィンは遂にステファニーを振り向かせることに成功するけれど、やっぱり飼育員じゃ嫌という彼女のために動物園を辞め兄と同じ仕事(高級車のディーラー)を始めます。でも、口先三寸で必要もない高級車を売り込む仕事もステファニーの理想の人になるのもだんだん疲れてきちゃう。当たり前よね~~人間自然なありのままな自分が一番心地よいのだもの5年前のお返しじゃないけど、こっぴどく振られ赤っ恥をかいたステファニー、イイ気味

やっと自分の本当の気持ちに気付いたグリフィンが動物園に戻ると、ケイトがナイロビに発つことを聞かされます。そこでまたまた動物たちが彼を助け・・という展開。親友となったゴリラが大活躍だけど、いや~~それはいくらなんでも無理があるぞ

動物の声をあてていたのがアダサンやスタローンだったとは知らなかった~~


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ホビット 思いがけない冒険 3D

2012年12月14日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2012年12月14日公開 アメリカ/ニュージーランド 170分

ホビット族のビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマン)は、魔法使いのガンダルフ(イアン・マッケラン)から思わぬ旅の誘いを受ける。それは、ドラゴンに乗っ取られたドワーフの王国を奪取するというものだった。ドワーフの戦士トーリン(リチャード・アーミティッジ)が率いる13人のドワーフたちと、最初の目的地“はなれ山”エレボールを目指してワーグ、オークといった怪物や魔術師がひしめく荒野を進んでいくビルボ。そんな中、ゴブリンが巣食うトンネルに入っていった彼は、そこでゴラム(アンディ・サーキス)に出会い・・・。

『ロード・オブ・ザ・リング』に登場するビルボがまだ若かった60年前が舞台の物語です。凶悪なドラゴンに占拠されたドワーフの王国を奪還する旅の物語で、ガンダルフやフロド、ガラドリエルなども再登場しているのがあのシリーズのファンにはたまりませんね。
2Dでも良かったのですが、行きつけのシネコンでは字幕版は3Dしか上映していませんでした。

原作は「ホビットの冒険」ですが、私は未読
三部作になるほどの長編ではないらしいのですが、映画でどこまで話を広げていくのかという興味もあります。しかし既に今回も170分という長い物語になっていて、これでまだ三分の一なのかぁと前回は二作目でやや冗長な印象もあったので、今回もちょっと不安だったりして

とはいえ、前シリーズの世界観はそのままに、よりコミカルで軽妙さを加えた作品になっていてとても楽しめました。ビルボとゴラムの間に何があってあの指輪をビルボが持つことになったのかも描かれているしね。

ガンダルフがドワーフの王国を取り戻す旅に何故ホビットを加えようと思ったのか、何故ビルボなのかは物語が進むにつれて観る側にも納得できるような展開です。
単に戦闘能力の高さや腕力・知力のある無しではなく、気持ちというか心根の問題なのよね

ドワーフたちはトーリンの他バーリン・ドワーリン、フィーリにキーリ、オイン・グローイン・ドーリ・ノーリ・オーリ、ボンブール・ボフール・ビフールですが、今回私が認識できたのは太っちょさんと弓の名手のトーリン似の美形さんだけかな彼らが初めてビルボの家に集った時の賑やかな食事風景はとてもコミカルで楽しかったです。

トロールやオークの襲撃を受け窮地に陥る場面も何度となくありますが、最初は足手まといと思われていたビルボが、機転をきかせて窮地を脱し仲間を助ける姿に、ドワーフたちも心を開き友として、旅の仲間としてビルボを迎え入れるようになるまでが今作の見所です。
初めは単なる冒険でしかなかった旅が、故郷を追われたドワーフたちの心情を理解し彼らのために力を尽くそうと思い始めた時からビルボも変わっていったのかもしれません。トーリンが仇敵アゾグに首をはねられそうになった時にビルボが助けたことで彼らの友情は不変となったようです。

トーリンたちドワーフはかつて王国がスマウグに占拠された時に助けてくれなかったことでエルフを恨んでいて彼らの助力を拒みますが、ガンダルフの考えは違っています。彼は冥王サウロンの復活の兆しを感じますが、白のサルマンに一蹴されます。サルマンは逆に物事を大きくするなとガンダルフに説教をしますがエルフの奥方ガラドリエルは彼に助言を与えるのです。この時はまだサルマンはサウロンの影響下には無い筈なんですが、自分の力を過信する人ほど物事への対処は遅れてしまうということなのかなぁ茶色の魔法使いラダガストが登場しますが、彼は森を愛し、鳥獣や植物に造詣が深い人物でガンダルフの良き友人です。彼もまた森が死にかけてることを感じ取り闇の勢力の復活を感じ取っています。

ホビット荘の美しくのどかな風景に和み、地下のゴブリンたちの魔窟での逃避行にわくわくし、ゴラムとの出会いに密かな痛みと憐れを覚え、気付けば三時間近くが経っていました。
大鷲も登場し(ついでにそのままエレボールに運んで貰えばよかったのにと横着なことを思ったことは内緒)さて、お次はどんな冒険が待っているのかしら
早くも来年の12月が楽しみ~~。


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007 スカイフォール

2012年12月12日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2012年12月1日公開 イギリス/アメリカ 143分

「007」ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、アシスタントのイヴ(ナオミ・ハリス)と共にトルコでの作戦に参加していたが、同僚の工作員が殺され、NATOの諜報部員の情報が記録されているハードドライブが奪われてしまう。実行犯のフランス人傭兵パトリスを列車の上に追い詰めたボンドだが、M(ジュディ・デンチ)の指令で狙撃したイヴの銃弾がボンドに当たり峡谷に落下。当局は彼を死亡と推定する。
三か月後、情報安全委員会の新委員長マロリー(レイフ・ファインズ)から引退を勧められたMはこれを拒絶するが、その直後MのPCがハッキングされMI6本部が爆破し多くの犠牲者が出る。ニュースを目にしたボンドは療養を切り上げロンドンに戻り復帰テストに臨む。結果から彼の復帰に懐疑的なマロリーを抑え、Mはボンドの職務復帰を承認する。ボンドは自身の被弾した弾丸の破片からパトリスを特定し、上海で格闘の末に彼を倒し、所持品にあったカジノのチップを手掛かりにマカオへ向かい、謎の女性・セヴリン(ベレニス・マーロウ)に接触し懐柔する。彼女の雇い主のいる島に向かった二人は囚われの身となり、島でラウル・シルヴァ(ハビエル・バルデム)と対面する。元MI6エージェントだったシルヴァは、香港支局勤務時に中国当局に捕らわれ、見捨てられた事でMを深く恨んでいた。セヴリンは殺されたものの、シルヴァは捕らえられ部に連行される。しかしシルヴァは新任の兵器開発課長・Q(ベン・ウィショー)がシルヴァのパソコンを調査している際に脱走しロンドンの地下鉄に逃げ込み、政府の公聴会に出席中のMを襲撃する。間一髪のところで駆け付けたボンドは、Mを車で連れ去り、愛車アストン・マーチンDB5に乗り換えて、スコットランドの彼の生家「スカイフォール」へ連れていく。シルヴァを誘いこみ撃退するために、ボンド家の猟場管理人キンケイド(アルバート・フィニー)とともに罠を家中に仕掛けた3人は、第一襲撃グループを撃退するが、Mは負傷、ボンドはMとキンケイドを秘密のトンネルに逃がし、ヘリで乗りこんできたシルヴァを迎え撃つが・・・。

ダニエル=ボンドの前2作とは独立した内容で、どちらかというと時代が進んで現役としては少し薹が立ったボンドという印象です。このシリーズでは初めてQが登場しますが、彼の設定は歴代のキャラより若く、ボンド曰く「ニキビの目立つ若者」です。 今回の武器は本人認証機能付きワルサーと発信機。(かつてのシリーズの花型武器である)ペン型爆弾など古いと一蹴する今時の若者のQとボンドのコンタクト場面が新旧の世代のギャップを感じさせるコミカルさがあって楽しかったです。

Mは任務のためなら部下の犠牲も厭わない上司ですが、彼女とボンドの間には確かな信頼関係が構築されています。それに比べて今回の敵であるシルヴァとMの関係は彼の一方的なMへの愛憎が生んだ行動で、子供が母の愛を独占したがるような幼さに思えて憐れさを感じました。
そういう意味では世界の危機を救うような派手さはない作品です。

とはいえ、中年とは思えないアクションの数々は素晴らしい出来栄えですし、お約束の美女との戯れやマカオでの登場シーンなどはスマートな美しさがあり目を楽しませてくれました。凍った湖のシーンはあの年じゃ絶対心臓麻痺を起すか、そうならないまでも体が動かなくなりそうに思えるけど、そこはまぁボンドですからねぇ

今回はボンドの生家として「スカイフォール」の古い館が登場します。かつての華やぎは影を潜めてはいるもののその気品は損なわず、この館が壊滅状態になる銃撃戦は何だか哀しかったなぁ。 

シルヴァとボンドの違いは実はMへの信頼度の違いと、彼らの任務への忠実度の違いだったのかしらん?私欲のないボンドと己が虚栄心に負けたシルヴァという印象です。
Mは実はけっこう幸せな女性なのかも

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マダガスカル3

2012年12月10日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年8月1日公開 アメリカ 99分

アフリカ大陸からニューヨークへ帰ることにしたアレックス(声:ベン・スティラー)らは、ペンギンズを探すためにモナコ・モンテカルロにあるカジノに潜入。しかしそこで大騒動を起こしてしまい、動物管理局のデュボア警部に追われることになる。逃げまどうアレックスたちをサーカス一座の動物たちが匿い、彼らは難を逃れる。新たな仲間となったダメダメサーカス一座の動物たちとともにニューヨーク公演を目指して練習を積む彼らだが、デュボア警部の捜査の手は間近に迫っていた……。

シリーズも第三弾。
今回はヨーロッパに辿り着いたアレックスたちが、偏執的な警部に追われながらもサーカスの動物たちと恋と友情を育む物語になっています。
あれ?ところでどうしてペンギンズとはぐれちゃったんだったかな
「2」の感想読み返さなきゃ

新しいシリーズが作られる度、ペンギンズの活躍の場が増えてきましたが、今回も更にパワーアップして、もはやもう一組の主役だね
サーカスシーンのカラフルでわくわくすることったら
アニメーション作品ならではの素晴らしい表現法です

今回の敵役の、踏まれようが蹴られようが飛ばされようが不死身で追いかけてくるデュボア警部の目的はアレックスの首の剥製ってのは、幼い子供には刺激が強過ぎな気もするのですが最後にはおしおきされ、箱詰めされたその行き先は・・・シリーズ「1」に繋がっていく~~というか、彼女のような人間に来られてはかの地の動物たちも大迷惑だと思うんだけどね

故郷であるNYの動物園に帰るために一生懸命だったアレックスたちですが、いざ動物園の門まで来てみると・・・あれれ?こんなに狭かったっけ?柵で仕切られた空間は冒険の旅の前とは全く違って見えます・・そう、広い世界を旅するうちに、彼らには動物園はもう帰るべき場所ではなくなっていたのです。それは彼らが成長した証なのですね。そしてサーカスの仲間たちと育んだ恋や友情こそが今の彼らが手放してはならないものだということに気付くのでした。

すっかり成長した彼らの物語は、だからこれが最終章なんですね


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アイス・エイジ4 パイレーツ大冒険

2012年12月09日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
日本未公開 アメリカ 88分

まだ地球が厚い氷だらけだった頃のこと。マンモスのマニーは、思春期になった娘のピーチに手を焼きながらも、他の動物たちと毎日を楽しく過ごしていた。そんなある日、地殻変動が起きて大陸がバラバラに!小さな流氷に乗ったまま海へと投げ出されたマニーとナマケモノのシド、サーベルタイガーのディエゴ。家族のところへ帰ろうとする3匹だったが、突然現れた海賊につかまってしまい・・。はたしてマニーたちは無事に帰ることができるのか?(公式HPより)

このシリーズ、好きなんですが、「4」は未公開のままDVDになっちゃったのね
字幕版と吹替両方観ましたが、この作品に関しては太田さんの声のシドがいいわぁ
トラベルメーカーだけど、いつのまにかみんなを和ませるシドと彼のキャラが見事にシンクロしてるんです 

マニーはいつの間にかしっかりお父さんになってて、思春期の娘を過保護に監視して嫌がられてます。

一方シドの前には彼を捨てた家族が現れたと思ったら、お荷物の呆けたばーちゃんを押し付けていくの。このばーちゃんがシドに輪をかけた強烈な個性の持ち主です。しかも実は呆けてなんかいないのね 始終いなくなったペットの名前を呼んでるけれど、ちゃ~~んと実在してました。そしてこのペットが皆の危機をも救ってくれるんです
いや~やっぱり好きだわ、ナマケモノ

ディエゴにはロマンスの相手、メスのサーベルタイガー・シーラが登場します
海賊の仲間でしたが、溺れかけたところをマニーたちに救われ、彼らの仲間を思う心に打たれ改心するの。

海賊の首領のキャプテン・ガットは残忍な性格のオランウータンで、マニーたちを捕えて仲間に加えようとして拒絶され、船を壊され、また奪われたことを恨んで復讐しようと追いかけてくるのです。

マニーたちの冒険と並行して、残された家族が他の動物たちと安全な場所へ逃げる旅が描かれます。その中でピーチも恋や友情について学び成長していきます。

そしてマニーが家族と出会った時、海賊も待ち構えていて・・という戦いシーンは子供が喜ぶ展開ですね

本当の家族はもちろん大事ですが、絆で結ばれた仲間も大切な家族なんだということがテーマかな

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君への誓い

2012年12月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年6月1日公開 アメリカ 104分

親しい友人たちに囲まれ、結婚式を挙げたレオ(チャニング・テイタム)とペイジ(レイチェル・マクアダムス)。だが、幸せな新婚生活も束の間、交通事故でペイジは記憶を失ってしまう。レオと出会ってからの数年間がスッポリ空白となり、夫であるレオは彼女にとって見知らぬ人に。戸惑うペイジを切なく見つめるレオ。彼女の記憶が戻らないと悟ったレオは、出会いからやり直すことを決意し、ペイジに恋のアプローチを開始する。しかし、そんな2人の前にペイジの両親や元婚約者が立ちはだかり……。(Movie Walkerより)


愛する人が自分のことを忘れてしまったら・・・切な過ぎます
逆に記憶が全く無いのに「この人があなたの夫です」と言われてもやっぱり戸惑うわけで・・。

ペイジの記憶が戻らないなら、もう一度初めからやり直せばいいんだというレオのポジティブさが救いです。周囲の人間が二人にあれこれ手を出し口を出し、トラブル発生の王道の展開となっていくけれど、最後に愛は勝つ

事故でなくても、アルツハイマーなどの病気や老化で記憶がなくなることだってありえるわけで、その時に乗り越えられるかはやはり二人の(というよりどちらか一人でも強い思いがあれば良いのですが)気持ち次第でしょうか。

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サラの鍵

2012年12月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2011年12月17日公開 フランス 111分

夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、45歳で待望の二人目の妊娠を果たす。しかし夫ベルトランから、思いもよらぬ反対を受け人生の岐路に立たされる。そんな中、アウシュヴィッツに送られた家族を取材するうちに、夫の両親から譲り受けて住んでいる古いアパートのかつての住人が、1942年のパリのユダヤ人迫害事件でアウシシュビッツに送られたユダヤ人で、一家の10歳の長女サラ(メリュジーヌ・マヤンス)が収容所から脱走していたことを知ったジュリアは、サラの足跡を取材することを決める。


現代と1942年の出来事が織り交ぜられながら物語が進んでいきます。

一斉検挙の朝、すぐに戻れると思っていたサラは弟ミシェルを納戸に隠して鍵をかけますが、そのまま収容所に送られて驚愕します。弟を助けるため脱走したサラは、親切なデュフォール夫妻に助けられて、夫妻の孫「息子」を装ってアパートに戻るのですが、そこには既にテザック家が暮らしていました。強引に部屋に上がり込んで納戸の鍵を開けたサラが見たのは・・・弟ミシェルの無惨な姿でした。
ただ弟を助けようとして取った行動が、最愛の弟の命を奪う結果になってしまったことを知ったサラのあまりにも深い絶望感を思うと胸がえぐられるような切なさを感じます。

このことはテザック家の主人とその幼い息子エドゥアルド、デュフォール夫妻だけの秘密として公表されることはなく、サラはデュフォール夫妻の孫娘として育てられるのですが、成長したある日、何も言わずに家を出て行ってしまうの。

デュフォール夫妻にはサラと兄弟同然に育った孫息子のニコラもいました。彼の娘を取材して、サラがニューヨークに渡り結婚したことを聞いたジュリアは、ニューヨークに向かいます。この時既にジュリアは堕胎しないことを決意しています。しかしサラは40年も前に交通事故で亡くなっていました。彼女の1人息子ウィリアムが妻子とイタリアで暮らしていることを知ったジュリアは、ウィリアムに会いに行くのですが、母の出自も過去の悲劇も何も知らされていなかったウィリアムは、話を聞くことを頑なに拒むの。他人から一方的に告げられる真実なんて余計なお世話だと気付き、ジュリアは自分の傲慢さを思い知ります。ジュリアが去った後、ウィリアムは死期の近い父から、母が事故ではなく鬱病で自殺したという事実と、母の過去の悲劇を初めて知らされ、母の遺品の日記を受け取るのです。

サラが息子に何も語らなかった心情は察するにあまりあります。息子の中に死なせてしまった弟の面影を見ることもあったでしょう。どれだけ時が経っても癒えない傷口がサラの心を蝕み遂には滅ぼしてしまったのでしょう

そして2年後。娘を生み、夫と別れてニューヨークで2人の娘と暮らしているジュリアのもとに、ウィリアムから会いたいと連絡が来ます。母の本当の姿を知ることができたこと、そのことで父が穏やかに死を迎えることができたことを報告するウィリアムに、ジュリアは2年前に初めて会った際の自分の傲慢さを詫びるの。ウィリアムに二人目の娘の名を尋ねられたジュリアは「サラ」と答えます。ウィリアムの涙は、サラと名付けたジュリアの思いを感じ取った感激からだったのでしょうか。

派手な戦争シーンや収容所の酷さを描いたりという直接的表現はありませんが、それだけにより静かに深い憤りと悲しみを感じさせる作品です。

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