杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

レッドクリフ Part II/未来への最終決戦

2009年03月30日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年3月30日
九段会館
18:30開映 

2009年4月10日公開予定 アメリカ・中国・日本・台湾・韓国 144分

2,000隻の大船団と80万の兵を配置した曹操(チャン・フォンイー)軍だが、慣れない土地と船酔いに体力を奪われた兵士たちの間に疫病が発生する。曹操は軍医の「これではあまり酷すぎます」という忠告を無視し、兵士たちの遺体を小船に乗せて対岸へ流す。狙い通りに連合軍の間でも疫病が蔓延し、戦意を喪失した劉備軍は夏口城へ撤退してしまう。一人残った孔明(金城武)は武器不足を知略で調達、周瑜(トニー・レオン)も曹操の人間不信の性格を利用して敵の水軍を率いる武将を葬ることに成功する。そして、ついに赤壁の激戦の火蓋が落とされた!

PartⅠが公開時かなり評判が良かったので、今回の試写会も人気かなと少し早めに会場入りしました。案の定、客入りは上々でほぼ満席状態になりました。
会場入り口で配られた袋の中にはチラシとプレミアムカード(劇場割引&協力各社での優待)が入っていました♪

これはⅠでも感じたことですが、スクリーンに展開する戦場での見事な戦術は、本を読んで頭の中だけで想像するより映像化された方が遥かにわかりやすく圧倒的な美しさをもって迫ってきます。

決戦の戦場での紅蓮の炎の迫力や、盾を使っての防御や敵陣突破など、夥しい兵士や船団の数に息を呑みます。

自分の兵士を守るためと称して同盟を抜け撤退したかに見えた劉備に??でしたが、あ・・やっぱり・・なのね。そうじゃなきゃ英雄と謳われないもんねぇ。

冷酷そうな曹操が病に倒れた兵士たちを見舞い「私も国に残した病弱な息子の顔を見たい」と語る場面にこれも彼の計算なのか、それとも、そういう面もあるからこそ兵士に慕われるのかと軽く混乱しちゃいました(^^;



今回は女性の活躍も目を引きます。
孫権の男勝りの妹・尚香(ヴィッキー・チャオ)は敵陣に潜入し、情報を集めます。曹操軍の兵士と親しくなる場面では自分をデブ助と自己紹介するのですが、なぜ「デブ」なのかは連合軍に戻った時にわかる仕組みです。彼女と兵士の間に交わされる友情の微笑ましさゆえに、決戦の夜の悲劇が一層痛ましく感じられました。
(原作にはこのエピソードはないようですけれど(^^;

周瑜の妻・小喬(リン・チーリン)も、決戦の夜、風向きが変わるまでの時間稼ぎをするために単身、曹操の下へ乗り込みます。妻の不在に対する動揺を夜具を小道具に表現するシーンは周瑜に一人の男としての苦悩を見て取ることができました。
基本的に男臭い仁義の世界観に溢れた物語ですが、こうしたちょっとした演出で人間的な迷いや弱さや優しさをも掬い上げてみせてくれる温かな目線が良いなと思います。

二人の女性に共通するのは、自軍の勝利を信じ、そのために出来ることを冷静に考え動く勇気と強さです。まさに『男たちの結束が揺らぐとき、女たちの勇気が未来を変える』というフレーズの通りですね。

Ⅰを見ていなくても、冒頭であらすじや登場人物の相関図を日本語で解説してくれるので問題なく楽しめると思うけれど、物語としてより深く理解するためには予習しておいた方が良いかも。

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ワルキューレ

2009年03月25日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年3月20日公開 アメリカ=ドイツ

第二次世界大戦下のドイツ。アフリカ戦線で左目を負傷したシュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)は、“良心”と“忠誠心”の葛藤に悩んだ末、祖国の平和のためにヒトラー暗殺を考えるようになる。やがて画期的な暗殺計画≪ワルキューレ作戦≫を立案し、トレスコウ少将やオルブリヒト将軍ら、同志と着々と準備を進めていく―。そして、決行の1944年7月20日を迎えた。ヒトラーとその護衛たちを前に、大佐たちは計画を成功させられるのか…。

ドイツ国内で40回以上も企てられたヒトラー暗殺計画の中で最もスケールが大きかった「ワルキューレ作戦」を題材にしたサスペンスアクション作品。実話が基になっているので当然結末も曲げようがなく、失敗に終わるのは初めからわかっているのだけれど、いつ、どこで、どんな風に計画が行われ、それがどのように綻びていくのかという点において十分にハラハラ・ドキドキさせてくれます。

陸軍参謀総長ベック(テレンス・スタンプ)に誘われレジスタンスのメンバーに加わった大佐は、ワグナーの名曲「ワルキューレの騎行」から名を取った「ワルキューレ作戦」(クーデター阻止のための国内予備軍を動員する極秘作戦)を逆手にとってベルリンを制圧し、ナチス政権の転覆を計画するのです。

同志のトレスコウ少将が前線に送られたことで計画実行を任された大佐は予備軍副司令官オルブリヒト将軍(ビル・ナイ)と組み、司令官フロム将軍(トム・ウィルキンスン)を抱き込みヒトラーに近づいて内容を書き換えたワルキューレ作戦の指令書にサインさせることに成功します。

小型爆弾を忍ばせて作戦会議に出席する場面と合わせて、スリリングな展開に思わず肩に力が入ってしまいました。

一度は成功したかに見えた作戦は肝心のヒトラーの暗殺が失敗に終わったことで悲劇的な終局を迎えます。けれど、ナチス軍部や政治家の中にもヒトラーの狂気に懸念と義憤を持った人々がいたということは、大佐の言葉を借りるまでもなく、後世に示されることになったのです。

この大佐は実在の人物でドイツ国内でも英雄として愛されているとのこと。
貴族出身で代々エリート軍人の家に生まれながら気取りのない真っ直ぐな正義感の持ち主で、出世より国の未来を憂える愛国心のある男をトムが爽やかに熱く演じています。こういう役では外さないのがトムでもあるかな(笑)

大佐の子供たちがまた可愛いの。それ故に結末が気になったのですが、家族は生き延びたとのテロップに安堵しました。


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ジェネラル・ルージュの凱旋

2009年03月11日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年3月7日公開

東城大学付属病院の窓際医師・田口は「チーム・バチスタ事件」の解決により院内の倫理委員会長になってしまった田口(竹内結子)の元に、“ジェネラル・ルージュ”と呼ばれる救命救急の速水センター長(堺雅人)と医療メーカーの癒着を告発する文書が届く。ところが、告発された医療メーカーの支店長が院内で自殺。田口は院長の命で院内を密かに探ることになる。そこに骨折した厚生労働省の役人・白鳥(阿部寛)が運びこまれてきて・・・。

前作は劇場で観なかったので、先日放送されたTV版をみてから今作を観ました。原作は一通り読んだのでストーリー展開は問題なかったけれど、田口が女性ということで、映画版の凸凹コンビはソフトに楽しめる作りになっていますね。

倫理委員会副委員長の沼田(高嶋政伸)の隠花植物的なねちっこい陰湿な口撃には閉口しますが(高嶋さん、最近悪役多いね)その分白鳥の毒舌に拍手を送りたくなるかも。
堺さんも原作から受けるイメージとは違うんじゃないかと内心危惧していたんですが大丈夫でした!彼とチュッパチャプスの取り合わせがなんとも・・・笑

後半、高速道路でのタンクローリー炎上事故のあたりは迫力と臨場感のある病院内での救急体制を固唾を飲んで見守ることになります。

CMでも流れる「報道のヘリは飛ぶのに~」のセリフは『踊る大捜査線』の「事件は会議室で~」を想い起こさせました。

自殺したはずの○○さんが実は・・・というくだりはTV版「バチスタ」と同じ印象だけど、全体としては面白かったので、ま、いっか(^^;

原作者が訴えている救急救命医療の現実を映画でもきちんと取り上げ描いているところは好感度大です。

午後一の回でしたが、座席は8割方埋まっていました。
いつもおやつにチュッパチャプスを持っていくのに、今日に限って忘れたのがとっても悔しい~~~!!

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マダガスカル2 試写会

2009年03月09日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年3月14日公開予定 

九段会館 19:00開映 吹替版

遅い時間の上映なのに、吹替だからか子供連れが目立つ試写会で、上映中も幼児の声があちこちで上がる和やかさがありました。

セントラルパーク動物園であの大事件が起こってから数年。ニューヨークの大スター、アレックス、マーティ、グロリア、メルマンが動物園に戻る日がやってきた。ペンギンズが操縦する飛行機に乗せられ大空に飛び立つが、すぐに燃料切れに。ペンギンズたちの奮闘に何とか無事に不時着したのは、何と4頭のふるさと、アフリカだった!!。

冒頭で、アレックスの幼少の頃のお話があります。
今回は彼の両親との再会や、マーティたちがそれぞれの仲間と過ごす中で、互いへの信頼が揺らいだり、自分の悩みに友達のことが見えなくなったりしながらも、最後には友情を再確認するハッピーエンドになっていました。

「1」で出てきたNYのパワフル婆ちゃんがアフリカでも大暴れします。
老人=か弱いというイメージは彼女に関しては全く外れています。
踏んでも殴ってもダメージ0のウルトラ婆ちゃんに少々のブラックユーモアをこめて見てしまうのは大人だから?子供たちは素直~にそのパワフルぶりを笑ってました。

アレックスについては両親、特に父親との関わり方に重点が置かれていますが、マーティは個性ということと友情に悩み、グロリアとメルマンは恋がテーマみたい。
メルマンの愛について語るセリフがいいです。

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ディセンバー・ボーイズ

2009年03月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年12月1日公開 アメリカ 105分

1960年代、オーストラリア内陸部。カトリック系の孤児院で育った4人の少年マップス(ダニエル・ラドクリフ)、スパーク(クリスチャン・ベイヤース)、ミスティー(リー・コーミー)、スピット(ジェームズ・フレイザー)。同じ12月生まれの彼らは、自称「ディセンバー・ボーイズ」の仲間だ。ある年、誕生日祝いとして年末の夏休みを海辺で過ごすことを許された彼らは、大喜びで出かけていく。だがそこで出会った若い夫婦が養子を欲しがっていると知った3人は、点数稼ぎの小競合いを始める。一方、最年長のマップスは美少女ルーシーと恋に落ち…。

ダニエルが「ハリー・ポッター」の第4作と第5作の合間に出演した作品です。
日本公開にあたっても、彼だけがフューチャーされていたっけ(^^;
4人の孤児の最年長で彼らの兄のような存在。子供と大人の中間の多感な少年をナイーブな表情で演じているのはさすが大作の主役に選ばれるだけあるよね。

厳格なカトリックの孤児院と熱心な信者である海辺の家が舞台なので、宗教的な堅苦しさはあるけれど、その中にあって少年たちの素直で正直な姿がより眩しく生き生きとして見えます。

孤児にとって、養親の元に引き取られることは喪った「家族」を取り戻すための光であり、熱心に自分を売り込むミスティの姿が痛々しくもあります。
逆に年長者であるマップスはそういう「幸せ」が見せかけであることに気付き始めるお年頃でもあり、自分が選ばれることを初めから諦めてさえいるようです。

マップスにとってはルーシーとの初めての恋が全てであり、彼女が別れも告げずに去ったことを「裏切り」と感じ傷つきます。年少の三人の中でも養子を巡って小競り合いがあったり、養親を希望した夫婦の間にも秘密があったり、彼らを招待してくれた家の奥さんが重病だったり、ミスティが溺れかけたりと波乱もあるけれど、最終的に4人が、というよりミスティが選んだのは仲間と一緒に孤児院に戻ることだったのです。

そして物語のラストはそれから数十年後。
マップスの選んだ職業は、ルーシーとのあの夏の会話を連想させます。

スパークとスピットについてもう少しキャラを丁寧に掘り下げてくれたら、作品に奥行きが出たと思うんだけどね。しみじみとした佳作、小品としての質は高いかな。

DVD特典についてた未公開シーンは、子供たちのベッドに置かれた旗とその意味や、養親になろうとした夫婦の秘密など、本編に加えた方がわかりやすいエピソードばかりでした。放映時間の都合でカットされたのかなぁ(^^;

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旅するジーンズと19歳の旅立ち

2009年03月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2008年8月6日公開 アメリカ 119分

『旅するジーンズと16歳の夏』の続編。

母親同士がマタニティ教室で出会った縁で、生まれる前から親友だった4人の少女たち、ティビー(アンバー・タンブリン)、カルメン(アメリカ・フェレーラ)、ブリジット(ブレイク・ライヴリー)、リーナ(アレクシス・ブレデル)が、初めてバラバラに過ごすことになった16歳の夏から3年。高校を卒業して別々の大学(ニューヨーク大、ブラウン大、ロードアイランド大、イェール大)に進んだけれど、奇跡を起こすジーンズはいまも健在だ。けれど4年目の夏、それぞれの道を歩み始めた4人の気持ちに距離感が出てきて、ジーンズでもミラクルは起こりそうになく……。

変わらぬ友情にちょっぴり不協和音が出てきた4年目の夏。ティビーは恋に戸惑い臆病になり、ブリジッドは母の死をまだ克服出来ずにいます。レーナは新しい恋を、カーメンは親友から取り残されていく不安を感じています。

けれど、4人は互いの苦境には進んで手を差し伸べ、体験した出来事をユーモアとありのままの気持ちで分かちあい、かけがえのない絆と友情の大切さに気づいていくのです。

ギリシャ、サントリーニ島の美しいロケーションやシェークスピア劇のレトロな衣装なども楽しめます。

ところが・・・レンタルして途中まで観て忘れてたのよね~~おかげで返却期限をオーバーして延滞金300円を払うはめに
後半を倍速で観たのでせっかくの美しい景色も感動のセリフも台無し。
機会があったらもう一度トライしなくちゃ

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オーストラリア

2009年03月04日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年2月28日公開 オーストラリア

第二次世界大戦前夜のオーストラリア。イギリス人貴族のレディ・サラ・アシュレイ(ニコール・キッドマン)は、夫を連れ戻しにオーストラリア北部の町・ダーウィンにやって来た。彼女を迎えたのは無骨な牛追い人のドローヴァー(ヒュー・ジャックマン)。領地に着いたサラは、夫が何者かに殺されたことを知る。彼女に残されたのは、広大な牧場と1500頭の牛だった。牧場を立て直すため牛を売ることを決心したサラは、ドローヴァーの力を借り、牛を引き連れ出発するが…。

相変わらずの「おくりびと」効果でシネコンは賑わっています。
三時間近いこの作品も女性客がほどほどに入っていました。
最初、長いかな~~と予想していたけれど、気が付いたらあっという間にエンドロールになってました。楽しくて、スリリングでロマンティック。娯楽要素を満載した一本で三倍楽しめる映画です。

第二次世界大戦直前のオーストラリアが舞台で、山場には日本軍による大陸攻撃が描かれているのですが・・・この映画で初めて知った史実がちょっとショックだったりします。

主要キャストはオーストラリア出身者で固められ、ニコールのイギリス貴族役もジャックマンのワイルドさと優雅さを併せ持つドローヴァー役もまさにはまり役でした。
特に慈善パーティでの白のタキシード姿は女性の目をスクリーンに釘付けする絶大な効果を発揮しています。

先住民であるアボリジニの大自然を敬いスピリチュアルな人生観を持つ姿が広大なオーストラリアの大地と溶け合っています。そんな彼らを未開の民族として迫害し、ハーフの子供たちが隔離された「失われた世代」の苦難にも目を向けていますが、決して堅苦しい展開ではありません。

牛を追って旅する中で育まれていくサラとドローヴァーの愛と、メイドと牧場管理人ニール(デヴィッド・ウェンハム)の間に生まれた混血の少年ナラとの間に結ばれる絆が中心に描かれ、物語を通して、それぞれが自分自身のストーリーを生きることの大切さを教えてくれます。

このニールがまた実に憎たらしい人物として描かれていて、一瞬『雇い人としての境遇から這い上がろうとした哀しい人物』と錯覚しそうになったものの、我が子に銃を向ける姿にそんな同情は吹っ飛んでしまうのでありました。
彼のラストは自業自得ってことで

監督は『ロミオ&ジュリエット』『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン。
ニコールが着用している靴は全てフェラガモのものなんだとか。華やかでエレガントな貴族女性の衣装とともに目の保養になります。 
「風と共に去りぬ」オーストラリア版のイメージかな

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ジーン・ワルツ  

2009年03月02日 | 
海堂尊 著 ・ 新潮社 発行

桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵―人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが…。 (「BOOK」データベースより)

帝華大ってのは○大のことだとはすぐ気付いたけど、東城大ってのは杜の都のあそこか~~と今頃になってやっと気付いたおバカがここに(^^;

医療環境の地方と東京の格差とか、官僚同士の争いとか、ドロドロしたものがた~くさんある現実を小説に置き換えて告発(啓発)してるのですが・・・ちょっとくどいかな

昨年社会問題になった産婦人科医の逮捕事件を取り入れ、医師としての視点から官僚の失態を厳しく糾弾していると同時に、代理母出産の問題も組み入れています。

ヒロインの理恵の行う発生学の講義は実際に聴講してみたいほど素晴らしい内容で、このまま全ての講義を聴きたい(読みたい)位でした。また彼女が関わる「マリアクリニック」閉院前の最後の妊婦たちとの関わりの中で母性の本質を描き出すあたりは、男性作家であると同時に医師としての視点を併せ持つ作者ならではなのでしょうね。

屋敷教授は、官僚の顔色を窺う旧態依然な保守派の代表として描かれています。『何を言ってるのか聞き取りにくいくぐもった声』というのは、何事も上意下達な世界の住人の都合の良い武器であることがはっきり示唆されていて笑えます。

彼女の上司にあたる清川准教授は、美男子で手術の腕も良いけれど女好きで臨機応変な緩さも持っているという人物で、けっこう好きだったりします。

彼ら男性も厚労省も鮮やかに欺いて、理恵の計画は水面下でもマスコミを使った表舞台でも見事に花開くラストはちょっと爽快ではありますが、結局正攻法ではこの国は変わらないんだろうな~という諦めも感じられたりして・・

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宅間久善 ソロ・ライブハウスツアー2009  ネタバレ

2009年03月01日 | ライブ・コンサート他
~たったひとりのソロ・ライブ -Roots- ~

横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール
16:30開場 17:00開演 約2時間

時折小雨のぱらつく日曜日。宅間さんの横浜でのコンサートは雨が多いらしい(^^;

新アルバムを引っさげての「ひとり」ライブツアーは先月14日を皮切りに、また関東に戻り、地元・横浜での開催です。
なんてったって、自宅から数駅の近さだなんて羨ましいぞ♪

300~350人くらいのキャパの会場はパイプ椅子でホールとは様子も違うけれど、演奏が始まるとプレーヤーと観客の熱気で暑いくらいでした。

照明が落ちると、古いラジオから流れ出る「ガボット」の演奏。司会者が「あなたのお名前は?」と聞く声に「宅間久善です」と答える4歳児の声。
そうか~~まさにルーツを辿る旅の始まりだぁぁ

ジーンズに白のシャツジャケット、黒のタンクトップ姿の宅間さん登場☆

ひとりライブを思い立った理由について、さださんのバックとしてのお膳立てされた環境を一度リセットして、感謝の気持ちの再確認を図りたかったとのこと。
今回は愛車にディーガンを積み込んで地方のライブハウスまで走り、楽器の組み立てから撤収までも自ら行っているのだそうです。

メニューには新アルバムの曲も多く、タイトルについての説明もしてくれました。
曰く、今、逆風の時代に敢えて「元気だそうよ!」の追い風を届けたかったとのこと。

他にもさださんとの出会いのことや、その時に演奏した曲のこと、大好きな言葉・ありがとうのことなどなど、
「まさしに比べられちゃかなわんから比べないでね」と謙遜しながらも、なかなか達者なトークを披露してくれました。

はい、まっさんとは比べません、アノヒトは特別です。でも宅間さん、貴方だって、その辺のミュージシャンより遥かに芸達者でございますよ。

<メニュー>
・夢
・舞姫
・Mishearing
・MOON EYES  (都会の川の上を吹く風をイメージして)
・SINFONIA~交響曲~ (サンバヴァージョン)
・秘密
・チャルダッシュ
・祭り        (火祭りや御柱祭りの激しさをイメージ)
・グアテマラの風に乗って (マリンバの故郷の風を感じて)
・ありがとう  (家族への感謝の気持ちをのせて)
・疾風~ハヤテ~
・TAILWIND

Ac LA FANTASIA~空想~
   Conch Salad

()は曲のイメージとして語っていたことです。


アルバムは会場で先行販売されていたので早速購入しました
握手会にももちろん参加。
疲れて腕も上がらない状態でしょうに、握手は力強くてまたまた感激でした。

会場前の駐車場に本人のが停められていて、今夜もライブ後、一人でバラシて車に積み込んでお家に帰るんだろうな~~って思うと、なんかすごく親近感が

そうそう、今さださんのコンサートを離れている宅間さんですが、5月のわーるどから今年いっぱいまでの契約を無事済ませたそうです。
うんうん、やっぱりまっさんのコンサートにはマリンバの音色が必要よ☆☆

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