2016年9月24日公開 アメリカ 96分
09年1月15日、乗客乗員155人を乗せた航空機がマンハッタンの上空850メートルでコントロールを失う。機長のチェズレイ・“サリー”・サレンバーガー(トム・ハンクス)は必死に機体を制御し、ハドソン川に着水させることに成功。その後も浸水する機体から乗客の誘導を指揮し、全員が事故から生還する。サリー機長は一躍、国民的英雄として称賛されるが、その判断が正しかったのか、国家運輸安全委員会(NTSB)の厳しい追及が行われ・・・。
クリント・イーストウッド監督作品。2009年、NY起こった航空機事故を、当事者であるチェズレイ・サレンバーガー機長の手記「機長、究極の決断 『ハドソン川』の奇跡」をもとに映画化しています。
本作撮影にあたって、本物のエアバスを購入、救助ボートも実際に使用されたものを使い、オペレーターも同じスタッフを動員し、救助隊やボランティア、警察官、ニュースキャスターやパイロットなど、救出に携わった当時の関係者を本人役で多数出演させているそうです。(ウィキより)
体験したことのない未曽有の危機を冷静な判断で乗り切り、一人の犠牲者も出さずに全員の命を救った機長の行為は、称賛されこそすれ非難される筋合いはないと思うのがごく一般的な感想だと思いますが、事故調査をする側にとっては違うのね
高価な機体を水中に沈めたのですから、もし空港に引き返すことが可能だったとしたら、サリーの取った行動は間違いだったということになる。不幸にもエンジンの機能は完全に停止していたわけではなかったとする調査結果が出て、サリーに対する不信感がNTSBのメンバーに生じていたということでしょうか。理論的に、数値的には空港へ引き返すことが可能だったという調査結果はサリーを精神的に追い詰めていきますが、彼を支えたのは愛する妻ローリー(ローラ・リニー)や一緒に飛んだ副機長のジェフ(アーロン・エッカート)や同僚のマイクら、数人の仲間たちでした。
検証の最終段階でもある公聴会の日、異例ではあるけれど、サリーやジェフを交えた検証が行われます。シミュレーションでは難なく空港に引き返せる結果が出るのですが、サリーはそこに人為的要素が含まれていないことを指摘します。シミュレーションを行った2チームはそれぞれ前もって状況を知らされており、何度も実験を繰り返していますが、現実にはサリーたちにはそういう猶予はなかったからです。NTSBはその時間35秒分を考慮して再びシミュレーションをさせますが、今度は2チームとも失敗してしまい、同時にエンジンに対する調査結果も誤りだったことが判明し、ここにサリーたちにミスはなかったことが証明されるのです。
うんうん、そうだよね~~理論と現実は違うもんね改めてサリーの冷静かつ的確な判断に賞賛を贈りたいです。