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杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

花子とアン スピンオフスペシャル 朝市の嫁さん

2015年07月30日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年10月18日 NHK BSプレミアム   2015/02/27DVD発売

昭和8年、40歳になった朝市(窪田正孝)が花子(吉高由里子)に結婚が決まったことを報告するために甲府から上京しました。実はこの時、朝市の結婚相手・ちづ江(石橋杏奈)も、朝市が思いを寄せた花子とはどんな女性かを知るために、東京に来ていたのです。朝市との結婚に不安を抱きながら上京したちづ江(石橋杏奈)が、英治(鈴木亮平)・吉太郎(賀来賢人)・かよ(黒木華)・醍醐(高梨臨)・宇田川(山田真歩)など、おなじみの顔ぶれと出会い、彼らの口から花子と朝市の歴史を聞き、最後に花子と対面することで、朝市の思いを新たにします。


「赤毛のアン」の読者である私にとってこの朝ドラは見たい!と思わせる作品でした。
肝心の赤毛のアン翻訳についてのエピソードは殆どなかったのは肩透かしでしたが、本編で気になったのが花子に想いを寄せながら言い出せず、彼女の背中を押す役割の純朴な青年・朝市君の存在。(ドラマ終了後のイノッチと有働さんの朝市トークも少なからず影響しているかも
その朝市君の嫁さんってどんな女性??と興味は湧けど、悲しいかなBSプレミアムは見れませんでもDVD出たのね~~!!と気付いて早速レンタル

朝市がたっぷり見られる~~と思ったのですが、良く考えたら中心は「朝市の嫁さん」なんだよねでも回想シーンで度々登場するのでそこはけっこう満足できました

さてさて、ちづ江の心配はごもっとも好きな人に子供の頃からの想い人がいたと聞かされただけでもショックなのに(りんさん、またまた余計なお喋りを)、急に東京に会いに出かける言われたら、それが子供たちの綴り方を本にしてもらうためということでも勘繰ってしまうよねぇ。

カフェでのちづ江の場面はまるで舞台劇のようでした。
本編では描かれなかった吉太郎と醍醐の関係や、宇田川と別れた夫との関係も描かれていて面白かったです。
ちづ江の行動や発言から、彼女はとても真っ直ぐで感情をすぐ表に出してしまうタイプだとわかります。朝市を追って東京まで出てくる行動力もあり、怒ると恐い(朝市談)など、性格的には花子と似ているのね。あの宇田川女史に相談に乗ると言わせるなど、まわりが放っておけなくなる愛らしさも魅力的で、朝市が彼女に惹かれたのがわかると思わせてくれます。

お互いに本音で話をすることが大事だと気付いたちづ江は、醍醐に連れられ村岡家を訪問します。花子本人から「朝市は私の大切な兄弟」と言われ、心底安堵するのです。甲府に帰って朝市と会った彼女は、正直に朝市を疑って東京に行ったことを話して詫びます。そんな彼女に、不安にさせてすまなかったと改めて結婚を申し込む朝市は、ほんと良い人だ~~回想シーンの中で、朝市が花への想いに自ら決着をつけたこともわかり、改めて朝市の人柄に好感を覚えました。

朝市役の窪田君自ら「朝市的には、ドラマの最後のほうにある本の部屋(甲府の教会の図書室)での、ちづ江さんとのシーンに注目してほしい。世界一好きだった花子への気持ちをどう乗り越えたのか、そしてちづ江さんのことを今、どう思っているのか。ここは、ぜひ楽しみにしてほしいと思います」と発言していますが、そのシーンはまさに女性ならときめきを覚えること間違いなし
それにしてもちづ江は26歳の設定で朝市は40歳ですが・・・見えない。同い年でいけるぞ


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人生スイッチ

2015年07月29日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2015年7月25日公開 アルゼンチン・スペイン 122分

不運の連鎖によって思いも寄らぬ運命をたどる6人の男女の姿を描いたブラックコメディで、第67回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、第87回アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた作品です。

押してはいけない人生のスイッチって何?という興味でチョイスしましたが、切れたらトコトン恐いのね~ラテン人は日本でも我慢の限界でキレる人を描いた作品は多々ありますが、ここまでしない、というかできない


スイッチ1 :おかえし
仕事の依頼を受けて、指定された飛行機に乗ったファッションモデル。話しかけてきた隣の席の男は音楽評論家で、彼女の元カレを知っていた。ところが、元カレの名前を口にした途端、「小学校の教え子だった」「同級生だ」「元部下だ」と乗客全員が彼と関わりがあることが判明。息をのみ顔を見合わせる乗客たち。そのとき、CAが発した一言に機内は凍りつく・・・。

この元カレは客室乗務員。自分を不当に扱った(あくまで彼の視点であり、相手にとっては彼こそが危険人物だというのが面白い)人間を機内に集めて自爆の道連れにします。必死に彼を止めようとする精神科医(彼の治療をしている)は「君は悪くない。悪いのは君を育てた両親だ」と説得しますが、飛行機は彼の両親の家めがけて突っ込んでいくのでした
つい数日前に起きた軽飛行機の墜落事故がなければ単純に笑い飛ばせたけれど、何だかなぁ


スイッチ2:おもてなし
郊外のレストランで働くウェイトレス。客のいない雨の日、父親を自殺に追いやり、母親を誘惑してきた高利貸しの男が来店する。彼女の様子がおかしいことに気付いた同僚の料理人に打ち明けると、彼女は「猫いらずを入れな」と物騒な提案を。一度は止めたものの、男の傲慢な態度に恨みが再燃し、猫いらず入りと知りつつポテトフライを出してしまう。ところが男はそれを食べても平気な様子。そこへ男の息子がやってきて……。

この料理人、過去にも何かしでかして刑務所に入ったことがある様子
人殺しまではと躊躇うウェイトレスに構わず勝手に殺鼠剤入りの料理をこしらえてしまいます。後で気付いたものの、男の横柄な態度が彼女の手を止めてしまうの。でも、男の息子が現れて毒入りの料理を食べ出したことに慌てた彼女は何とか皿を下げようとします。そりゃぁいくら憎い男の息子でも彼には罪はないのだから当然よね。でも男は皿を下げさせてくれないどころか彼女を罵る始末。ここで彼女はスイッチが切れちゃう。男に皿を投げつけるのです。これが彼女の精一杯の復讐でもあるのかなぁ。怒った男は彼女に暴力を振るいます
が、彼女を助けたのは包丁を手にした料理人の女でした。
刑務所暮らしも悪くないと言っていた彼女の話が頭に浮かんできます。料理人にとってもこの夜の出来事は人生の切り替えスイッチだったということかしらん。


スイッチ3:エンスト
雄大な山に囲まれた一本道を新車で走り抜ける男。前方を走るポンコツ車がノロノロ運転のくせに追い越しを邪魔する。ようやく抜き去る時に、「トロいんだよ、田舎者!」と捨て台詞を吐く男。ところが、程なくしてまさかのパンク。タイヤを取り換えていると、例のポンコツ車が追いついてくる。男は車に逃げ込むが、降りてきた運転手はスパナで新車をボコボコに。満足して立ち去ろうとする運転手に、男はあり得ない逆襲に出る──。

新車で快適なドライブをしていたのに前にノロノロ運転の車がいて、しかもすんなり追い越させてくれない。こういう状況ってあるある~~
でもその一言が男の運命を変えたのねまさに口は災いの元です。
それにしても相手も酷過ぎ!車をボコボコにしただけじゃなくフロントガラスに大便放尿し放題はやりすぎです。ここで新車の男のスイッチが入っちゃった!!ポンコツ車を川に落として逃げようとするのですが、相手が「お前の車のナンバーは覚えているから必ず復讐してやる!」の捨て台詞に熱くなり、いっそ殺してしまおうと現場に戻ったことで最悪の結末に発展するのです。ここまでくればどっちもどっち現場検証で事の顛末を知らない者たちの「痴情のもつれじゃない?」のセリフがこの映画最大のオチかも。なかなかに悲惨な結末なのに、次の場面で大写しになる二人の姿に爆笑してしまいます。このスイッチだけは押してはいけなかったよね~


スイッチ4:ヒーローになるために
ほんの数分で見事にビルを爆破する解体職人の男。仕事を終えて娘の誕生会のケーキを買っていると、駐車禁止区域じゃないのに車をレッカー移動されてしまう。翌日、陸運局の窓口で訴えるが無視され、大暴れする姿がハデに報道され会社はクビに。日頃から家庭を顧みない夫に腹を立てていた妻からは離婚を言い渡される。職探しで停めていた車を再びレッカー移動された男は、ある計画を思いつく・・・。

日本でも駐車違反では割り切れない思いをしたドライバーも多いと思いますが、この国のレッカー移動は取締というよりぼったくり行為に見えてきます。レッカー代は委託されている民間業者に払い、違反金は国に払う仕組み?禁止区域じゃない筈の場所に停めたのにという不満が男のスイッチを押しちゃったのですが、そもそもこの男は日頃から鬱屈を抱えていたように見えます。不運と諦めてしまえば生活は続いていったのにね。
でも面白いのは、男が計画を行動に移した後の展開。不公平なレッカーに対する不満は彼だけではなかったようで、世間は彼を支持する人も。刑務所の中で誕生日を迎えた男に妻と娘が誕生ケーキを持ってお祝いに訪れると刑務所仲間も祝福!スイッチ押したことで彼にとっては良い方に人生が変わっていったのかも。


スイッチ5:愚息
瀟洒な屋敷に暮らす裕福な男。ある朝、息子が酒を飲んだ帰りに人を轢いてしまう。テレビをつけると、既に悪質なひき逃げ事件だと報道。顧問弁護士に相談し、使用人に50万ドルで身代わりになってもらうことに。ところが、検察官にすぐにバレ、100万ドルで買収することに。交渉役の弁護士は50万ドル、使用人は追加でマンションを、検察官は必要経費を上乗せろと要求。息子に「自首しろ」とキレた男と、金の亡者たちのとんでもない交渉が始まる・・・。

息子が轢き逃げしたのは妊婦で胎児と共に死亡してしまいます。
息子可愛さのあまり、弁護士が提案した身代わり&買収計画に乗ったものの、要求を吊り上げてくる彼らの姿にキレた父親は「もう止めた!」宣言。慌てた弁護士たちが要求額を下げ、結局使用人が身代わりとなるのですが・・・。
しかし、容疑者逮捕の前から自宅に抗議の人々が詰めかけるって日本じゃありえない。
せっかく息子が自分の罪を償う決意をしたのにそこはあっさり無視され大人の都合で進むのですが、犯人として屋敷を出て連行される使用人に待っていたのは大きすぎる代償でした。欲が彼の人生を狂わせてしまったのね。自業自得とはいえ、ちょっと可哀相でした。


スイッチ6:HAPPY WEDDING
盛大な結婚式の最中に、花婿が招待した同僚が浮気相手だと気付く花嫁。ショックのあまり泣きながら屋上に出るが、休憩していたシェフに慰められ、コトに及んでいるところへ花婿が捜しに来る。開き直った花嫁は「全財産はぎ取ってやる!」と恫喝して会場へ。帰ろうとする浮気相手を引きとめ、一緒に踊り始めた花嫁は、彼女に恐るべき復讐を果たす。だが、花嫁が断固としてやり通した式の終わりには、まさかの結末が待っていた──。

浮気相手を招待するなんて花婿が無神経過ぎ。彼からすれば一時の気の迷いの相手だし、終わったことだし、同僚だから彼女だけ外すのも変だしってことなんでしょうけどね。でも、それで動揺した彼女が屋上で慰められたシェフとコトに及ぶのは違うでしょ現場を目撃して吐いてしまう花婿に同情しちゃったよ
彼女の行為はエスカレートし、披露宴は続行するも会場は異様な雰囲気に。浮気相手の女性に対する復讐は超過激だけど痛快。そのくらいの罰は受けてもらってもいいんじゃない流血の事態に最早これまでと思わせての最後のアレはやり過ぎじゃないのぉ雨降って地固まるというより全部流されて跡形もないって気がしますが・・・。両家を含めこの後大団円になれたのか他人事ながら気になりました。

日本人ならこれらのエピソードに近いことが起こってもここまで過激にスイッチ入らない気がします。まさにブラックコメディ。他人事だから面白い

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MIRACLE デビクロくんの恋と魔法

2015年07月27日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年11月22日公開 114分

漫画家になる夢を抱きながら書店員として働く光(相葉雅紀)。デビクロくん(声:劇団ひとり)は、優しくて気弱な光にだけ見える相棒だ。世界的な照明アーティストのソヨン(ハン・ヒョジュ)に恋をした光は、幼なじみであるオブジェ作家の卵の杏奈(榮倉奈々)に相談するが、偶然にもソヨンは杏奈の仕事仲間だった。杏奈は光の恋を応援するが、彼女は幼いころから密かに光に思いを寄せている。一方の光は、大学の同級生で売れっ子漫画家の北山(生田斗真)が、かつてソヨンと付き合っていたことを知り……。


山下達郎の「クリスマス・イブ」をモチーフにした中村航の小説「デビクロくんの恋と魔法」の映画化です。
男女4人のすれ違う思いと、クリスマスの夜に起こる奇跡を描いたラブストーリーで、冬の時期定番のお話なのですが、実はもっと複雑に入り組んだ人間模様を期待していたので、あてが外れました。もうこのようなまっすぐなラブストーリーを喜んで観るには年を取り過ぎたのかなぁ

昔、自分が苦しい時に寄り添ってくれた男の子を好きになる女の子。気が強いのが災いして自分の想いを打ち明けられずにいるうち、彼は他の女性に恋をした!しかも自分の知っている女性に。女の子の気持ちに全く気付かない男の子は無邪気に恋の相談を持ち掛ける。これってかなり辛い状況。優しくて気弱な男の子の性格は逆に鈍感で傲慢にさえ映ります。

でも、男の子の恋した女性は彼の同級生と以前付き合っていたんですねぇしかもお互い嫌いで別れたわけじゃないらしい。そこで潔く身を引く決心をした男の子ですが、それを聞いた女の子が自分の想いを爆発させてしまいます。初めて女の子の気持ちを知った男の子は、自分が本当に必要としていたのは誰かということに気付くのでした。めでたしめでたし

イルミネーションとかオブジェは思いっきりクリスマス気分を盛り上げていて素敵でした。この作品、レンタルでも人気があって、かなり待たされているうち夏になってしまったのよねぇ。やっぱりこういうのはクリスマスに観たらもっと素直に楽しめたんだろうなぁ

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王の涙 イ・サンの決断

2015年07月25日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年12月26日公開 韓国 137分

宮廷内の最大派閥・老論派の策謀により、祖父である先代王・英祖によって父・思悼世子を殺された李朝第22代国王イ・サン(ヒョンビン)は、即位後も絶えず暗殺の危険にさらされていた。心を許せる家臣はただひとり、少年の頃からイ・サンに一途に仕えてきた宦官の尚冊サンチェク=カプス(チョン・ジェヨン)だけであった。一方、英祖の後妃でイ・サンよりわずか7歳年上の義理の祖母、貞純王后(ハン・ジミン)は、民の飢饉や夫の喪中など意に介さぬ贅沢三昧。老論最高首長の座に飽き足らず、権力の頂点を求めイ・サン失脚を狙っていた。理想の治世を実現するため、イ・サンが老論派の排除に動き始める中、老論派はある男を通じ当代一の刺客ウルス(チョ・ジョンソク)を使って王暗殺を企てる。ウルスは、愛する女官ウォレ(チョン・ウンチェ)との幸せを夢見て、自由になるための唯一の手段としてイ・サン暗殺を引き受けたのだった。そんな中、明らかになるカプスの秘められた悲しい過去。そして1777年7月28日。容赦なき刺客が王に襲い掛かった……。(Movie Walkerより)


暗殺に怯えながらも密かに体を鍛え清廉な政治を希求するイ・サンには、抑圧された者の緊張感と独特の美しさがあります。彼が唯一心を許すカプスは、四書の「中庸」をそらんじる教養人で、二人の間には確かな心の絆が見られます。
この「中庸」に出てくる「天下において、至誠を尽くす者のみが、己と世を変えることができる」という一文は、どこぞの指導者にも説いて聞かせたい名言ですな

事件の夜を基軸に、過去に遡って時間軸に沿って進む展開ですが、初めに惨たらしい戦いの跡が映し出されますどうしてこんなことに?という疑問が徐々に解明されていくという筋書きです。
衣装やセットは細部まで考証を重ねたリアルなものだそうで、王暗殺に向かう老論派と、守ろうとするる近衛隊との攻防も見応えがあります。ここでは王の短弓の腕前も見どころの一つです。

実はカプスとウルスは共に暗殺者として訓練された過去を持ちます。カプスは、弟分のウルスを庇って自ら志願して去勢され宦官として宮中に送り込まれたスパイだったのですが、ウルス同様イ・サンにも情を移してしまったのね
スパイだったことを打ち明けた彼を王は赦し王宮から追放します。カプスは王のために老論派の悪事の証拠を持って戻りますが、そこには王の命を狙う刺客のウルスがいました。自らの身体を張って王を庇ったカプスと悲しい体面をしたウルス。ウルスが愛したウォレもまた刺客として送り込まれていたのです。(まさに王宮は陰謀の渦巻く魔窟状態

男たちの戦いの裏で祖母である貞純王后と息子を守ろうとする母の駆け引きもなかなか熾烈です。
二人の間で幼い女官が翻弄される様も哀れ。所詮身分の低い者の命など権力者には使い捨ての駒でしかないのね。少女のために心を砕いたのはウォレだけですが、彼女自身も駒として使われる身であったことがその理由なのかも。

心を許す唯一の人間を喪い母を窮地にさらしながらもこの夜に勝ち残ったイ・サンは、確かに王として成長したのでしょう。
しかし私的に心に残ったのは、サンチェク=カプスの悲しいまでの王への親愛の情でした。

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HERO

2015年07月24日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2015年7月18日公開 120分

ネウストリア大使館の裏通りで、パーティコンパニオンの女性が車に撥ねられ死亡した。東京地検城西支部の久利生公平検事(木村拓哉)は、事務官の麻木千佳(北川景子)と共に事故を起こした運転手の取り調べを始めるが、二人の前にかつて久利生の事務官を務めていた雨宮舞子(松たか子)が現れる。現在、大阪地検難波支部で検事として活躍する雨宮は、広域暴力団が絡んだ恐喝事件を追っており、その重要な証人が今回の被害者女性だった。これはただの交通事故ではないと感じた久利生と雨宮は合同捜査を開始するが、雨宮は久利生のあまりの変わらなさに呆れるばかり。そんな中、ネウストリア公国の大使館員から事故当時の状況を聞くため、久利生は大使館に出向き直接交渉を試みるがあっさりと断られてしまう。実は、大使館には日本の司法がまったく及ばない治外法権があり、それは国際社会における各国の当然の権利であって、正義の名の下にそれを侵すことは外交を崩壊させかねない禁断の行為であった。諦めきれない久利生はさらにアプローチを重ねるが、当然の事ながら大使館はまったく応じず、やがて事態を重く見た日本の外務官僚・松葉圭介(佐藤浩市)から圧力がかかってくる。さすがの久利生も大使館という決して侵してはならない絶対領域の前になす術なく、捜査は進展のないまま暗礁に乗り上げてしまう……。(Movie Walkerより)


「HERO」の8年ぶりの劇場版第2作です。2014年放送のシーズン2のレギュラーキャストに加え、シーズン1の雨宮舞子が帰ってくるということで話題を呼びました。
新旧ヒロインが久利生にどう絡んでくるのかに加え、被害者の死に隠された事件をいかに暴いていくかという興味で飽きさせません。
が・・・発端になった事故の被疑者の扱いがあまりにも小さすぎるので、久利生たちが誰のために必死で捜査をしているのかが曖昧になってしまった感があります。しかもラストでは日本を飛び出してしまうという、これは治外法権以前の問題でやり過ぎじゃないの?

外交官特権の陰に犯罪あり!な今回のケースですが、何よりかっこよかったのがネウストリア大使かも
いよいよという時まで表に出てきませんが、実は意外なところで久利生と絡んでいるんですね
相変わらずの型破りな行動で周囲を振り回すスタイルはまさに久利生流。これじゃ刑事は要らんだろ
彼の前に立ちはだかる外務官僚の松葉との対決も、最後は日本人的人情と正義感に訴えるというのもやや安易。
でもだからこそ安心して楽しめる展開とも言えます。テンポの良さもコミカルなリズム感ある会話も健在。

雨宮と久利生の関係も平行線のまま。これって煮え切らな過ぎまぁ、新ヒロインの立場もあるしなぁ仕方ないのかなぁ。

エンドロールでシリーズ初期からの画が流れるのはドラマファンには嬉しい特典です

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ナニワ銭道

2015年07月19日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年7月12日公開 87分

漫画家を目指し、関東から大阪へやってきた25歳の青威雄一郎(窪田正孝)は、当座の生活のため、ミナミの繁華街にあるキャバレー“サン”でボーイとして働いている。ある日、ホステスがヤクザにお触りされている場面を目撃した青威は、持ち前の正義感から助けに入るが逆に殴り飛ばされてしまう。店内が騒然とする中、その場に居合わせた派手な関西人・小籔蛙次(的場浩司)が法律知識でヤクザを黙らせ、逆に弁償代・迷惑料などを換算して20万を支払わせる。閉店後、青威は小籔に連れられ、もつ焼き屋“下品屋”に行き、小籔の仲間であるミナミの高級クラブのNo.1・桃黒瞳(谷村美月)とのやりとりを見て、小籔が金でトラブルを解決するエキスパートだと知る。後日、行きつけの煙草屋の店主・臼井佐知代が立退き要求されている場面を見た青威は、なんとか助けてもらえないか小籔に頼み込む。タダで仕事はしないと一蹴する小籔だったが、どこかほっておけない青威に乗せられ、佐知代の相談を聞く。すると小籔は、この立退き騒動の裏に、かつて自分を罠にはめた経済界の大物・我目津一郎(升毅)の存在があることを知る。改めて煙草屋救済の依頼を受けた小籔は、自らの復讐も果たすため、青威と共に我目津の野望に立ち向かう。佐知代の孫・臼井敦(駿河太郎)を使って我目津グループの内情を探った小籔は、鍵となる煙草屋の土地所有権をめぐって我目津と一騎打ちをする。この一件で小籔に惹かれた青威は、仕事を手伝わせてほしいと申し出る。こうして銭のスペシャリスト小籔と正義感の強い青威という水と油のような凸凹パートナーの2人は、ミナミを中心に銭道を歩き始めるのだった……。(Movie Walkerより)


「銭」に群がる人々の悲喜劇を描いた「ナニワ銭道 もうひとつの[ナニワ金融道]」の実写映画化です。
原作漫画は読んでいないのに「ナニワ金融道」はTVドラマ版DVDをBOX買いしています。主演の中居さんのファンだったこともありますが、筋書きが面白くて気に入ったから今回もまずは主演俳優ありきの選択でした(最近注目株の窪田君だもんね

善意と正義感溢れる青威君(頬のぷっくりした窪田君がいかにも世慣れていない青年風ではまっています。ダサい服装も役故。)尊敬する漫画家に50万円も騙し取られても、そんな人じゃないと庇うなんて人が良過ぎ

助けてくれたお礼にとホステスにワイシャツをプレゼントされ喜ぶのですが、彼女がデリヘルをしていたことを知りショックを受けてワイシャツを投げ捨ててしまうのはまだまだウブな証拠。店に置くタバコを買いに行くうちすっかり仲良くなった佐知代婆ちゃんのために、身銭を切ろうとする姿は好感度大ですね孫の借金のために詐欺商法に引っかかってしまったのですが、孫の借金の理由も詐欺グループに入っていて背負わされたもので、彼自身は婆ちゃん思いの良い奴という設定もっと裏があるんじゃないかと勘繰ってしまった私の方が毒されている?

この立ち退き騒ぎの根っこが土地の買収にあり、黒幕が昔自分をはめた男だったことから俄然やる気を出した小籔は、敵の裏をかいて一矢報いることに成功します
小籔と関わったことで人間には裏表があることを知り、少し成長した青威は、もっと彼から学ぼうと思ったようです。
この師弟関係の今後が気になりますね~毒気は「ナニ金」より少ないけれど、もしシリーズ化されるならまた観たいな

レンタルDVDにはメイキングや舞台挨拶が特典で入っていて、こちらも楽しめました


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紅の凶星 グインサーガ135

2015年07月18日 | 
五代ゆう(著) 早川書房(出版)

イグ・ソッグの体をもってヤガの神殿に潜入したブランは、その深奥でおのれの眼を疑うような、ミロクの神秘を体験する。一方、クリスタルの災厄から逃れたリギアたちに迫る不吉な足音の正体は? そしていまだクリスタルに居座るイシュトヴァーンを諫めるためにやってきた、宰相カメロンに襲いかかる忌まわしき敵とは? さらに一方、スーティとスカールの、黄昏の道を往く旅の行方に待つものは? 謎が謎を誘う幻惑の物語。


ヴァレちゃんはアッシャに自らの力を制御する術を学ばせようとします。パワーに取り込まれて破滅しないよう訓練するのね。うまくいけば優秀な魔導師を一人得ることにもなるのですが、現時点で可能性は未知数。リギアはアッシャには平凡な人生を歩んで欲しいと反対しますが、既にその力を開放してしまったアッシャが元の生活に戻れるわけないのよね
案の定、敵の罠に引っかかり我を忘れて力に呑み込まれてしまうのですが、自らのパワーに呑み込まれていくアッシャを救ったのはリギア・・・なのかな。なんかもう母の愛って感じ

レムスも久々登場、と思ったら幽閉されてる彼の心のつぶやき、みたいな

ブランは正体を暴かれこれまたピンチ。でもさすがに歴戦練磨の海の男。自力で脱出したのはさすが!なのですが、こちらはまた新たな展開が。果たして出会ったのは敵か味方か?

そして切ないのはカメロンの最期。愛するイシュトの手でというのが何ともねぇ・・。 

境で危機に陥ったスカールを助けたのは亡き妻リー・ファ。トルクやら竜頭兵やらキモ・グロばかり続いた中でちょっぴり癒しのラブ要素

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マエストロ

2015年07月16日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2015年1月31日公開 129分

ヴァイオリニストでコンサートマスターの香坂(松坂桃李)のもとに、不況で解散した名門オーケストラ再結成の話が舞い込む。しかし練習場は廃工場、集まってきたのは再就職先も決まらない“負け組”楽団員たちと、アマチュアフルート奏者のあまね(miwa)だけだった。久しぶりに合わせた音はとてもプロとは言えず、不安が募る香坂。そこに謎の指揮者・天道(西田敏行)がやって来る。彼は再結成を企画した張本人だが経歴も素性も不明、下ネタを連発し、指揮棒の代わりに大工道具を振り回す。そんな自分勝手な進め方に楽団員たちは反発するが、次第に天道が導く音の深さに全員が引き込まれてしまう。やがて楽団員たちは、その破天荒な指揮に導かれ、それぞれが抱えていた心の傷と挫折から自信を取り戻していく。だが香坂だけは天道の隠された過去を知り、さらに反発を強めていくのだった。そして迎えた復活コンサート当日。意気揚々と演奏に臨むオーケストラのメンバーたちは、天道が仕掛けた本当の秘密を知ることになる……。(Movie Walkerより)


さそうあきらのコミック「マエストロ」の実写映画化です。
不況のあおりで解散した名門オーケストラのコンマスだった香坂は、チャンスを求めて外国に活躍の場を求めますが不採用通知が届きます。そんなときオーケストラ再結成の知らせをもらうのですが、実力のあるメンバーは既に再就職が決まっていて、残っていたのは負け組ばかり。それでも何とか形にしようと決心したところに、強烈な個性の指揮者が現れ、容赦ない罵声を浴びせてきます。コンマスは楽団員たちのまとめ役=リーダーですから、彼らの不満を一手に引き受け天童とぶつかるという図式です。

しかし、天童は型破りながら、指揮者としての才能は超一流でした。(彼が無名なのは、音楽に対する情熱が強過ぎたため、演奏者に対しても容赦のない態度が楽団員に受け入れられなかったということなのかな。
へっぽこ楽団員たちが抱えていた演奏への不安や技巧の拙さを型破りな方法で払拭し、彼らの自信を取り戻します。
風貌や性格がどんなでも、演奏家にとって「音」こそが信頼の根拠であり真実なのね

ところが、天童が過去に自分の父親と関わりがあり、それが原因で父が過労死したことを知った香坂は天童を許せず、資金繰りに詰まってコンサートが出来なくなると、さっさと解散を決めてしまいます。天童を信頼し、自信を取り戻した楽団員たちがコンサート実現に向けて動く中、一人背を向ける香坂でしたが、天童の妻との再会で過去の記憶が蘇り、父と天童の絆や自らの音楽の原点になった出来事を思い出します。

大盛況のうち初日を終えた彼らですが、二日目、開演時間になっても客席には誰もいません。
驚く彼らの前に、妻伴った天童が現れます。
死期の迫った彼女のためだけに演奏してほしいと頭を下げる天童。彼がオーケストラを再結成したのは香坂の父と彼の妻との約束を果たすためだったのね

落ちこぼれ(負け組)楽団員たちの個性も様々なエピソードを重ねることでうまく表現されています。
犬猿の仲だったり、技量不足だったりする彼らを的確な指導で技術向上させる腕はさすがに一流の指揮者というわけですが、
しかし型破りな・・・型破り過ぎる指揮者だ~というより西田さんは指揮者に見えないんですが
阪神大震災で父親を目の前で喪った過去を持つあまねの、聴く者の心を揺さぶる演奏も見所の一つです。

う~~ん・・・話としてはまとまっていますが、結局この後オーケストラは存続するのかな?

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ヒックとドラゴン2

2015年07月16日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
アメリカ 105分 日本劇場未公開

落ちこぼれの少年ヒックとドラゴンのトゥースが運命的な出会いを果たしてから5年。人間とドラゴンが一緒に暮らすようになったバーク島はドラゴンレースで賑わっていたが、ヒックとトゥースはレースには参加せず、一緒に空を飛んで地図にない場所を探していた。見慣れない島を発見した二人だが、巨大ドラゴンを操るドラゴ率いる悪者たちに捕らえられそうになる。ドラゴたちがバーク島に攻め込もうとしていることを知ったヒックは、平和的な解決をしようと単身ドラゴに会いにいく中で行方不明だった母親と再会する。母がいなくなったのは、竜を嫌っていたヒックの父親が原因だったと知ったヒックは、父の考えが変わったことを話し、再び家族で暮らせることになった矢先、世界を支配しようと企む男に操られた巨大な竜がバーク島を襲う。


イギリスの児童文学作家クレシッダ・コーウェルの同名小説が原作。
2D版はアニメフェスティバル等で上映されたようですが、基本的には日本劇場未公開作品です。
そういえば前作もDVD鑑賞だったな
アニメーションも素晴らしく、ドラゴンたちも生き生きと描かれていて好きな作品なのですが、日本での興行成績が振るわなかったため、続編は初めから劇場スルーだったのは残念なことです

青年となったヒックは父から長を継ぐよう期待されていますが、自分は向いていないと思いその話題から逃げ出してしまいます。ところが、地図にない場所を探すうち、ドラゴンを使って支配の版図を広げようとするドラゴたち悪人と出会い、彼らから島の人々やドラゴンを守るための戦いに身を投じることになります。

幼い時にいなくなった母との再会により、自分のアイデンティティを確認できたヒックは、父親の死を乗り越えて雄々しく成長するのです。暴力より話し合いを求めるヒックにとって、父の死はとても辛い経験となりますが、それでもなお平和的な解決を模索する姿は考えさせられるものがあります。
(ドラゴンたちの描写は前作より更に精度が上がり、大きなスクリーンで観たらさぞや子供たちにも受けそうなんですが・・。

冒頭とラストで描かれる羊をボール代わりにしたゲームがのどかで平和な生活を象徴しています。
本来なら動物虐待だ~!と非難されそうなのですが、この羊たちが何とも目つきが悪く、少々手荒に扱われたくらいでは動じないキャラになっているので笑って許してしまいます

前作でお馴染みのヒックの幼馴染たちの強烈な個性もそのままで、GFのアスティも美しく成長し、ヒックの良き理解者として恋人として彼を助けてくれます

トゥースの身体にも変化が生じ、巨大竜を倒してドラゴンの王になるのでした

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魔聖の迷宮 グイン・サーガ133 

2015年07月15日 | 
五代ゆう(著) 早川書房(刊)

ヤガを脱出しようとして捕らわれの身となったフロリーが、見知らぬ場所で目を覚ます──グイン・サーガ130巻『見知らぬ明日』はそんなシーンで幕を閉じました。そしてそれは栗本薫によるグイン・サーガの最後の場面でもありました。しかし今、途絶したその場所から物語が動きはじめます! 〈新しきミロク〉に捕らわれたフロリーとヨナを救出すべく、スカールが、ブロンが、イェライシャが、ヤガの神秘の深奥にいどむ!


物語の舞台はヤガに移動。
ミロクの使徒の手先に囚われたフロリー救出のためにブロンとイェライシャがヤガに戻り、神殿に単身潜り込んだブロンの冒険が始まります。とはいえ、この「新しいミロク教」というのが読めば読むほど醜悪で胸が悪くなるぞ
ヘンテコな怪物と合体したブロンは無事に神殿からフロリーとヨナを連れて逃げ出せるのかしら?と先が待ち遠しいですね。

スカールとスーティは今回お留守番。イェライシャが用意した隠れ家で大人しく潜んで…いる筈ないよねぇ
こちらは黄昏の国と関係を持ちそうだぞ

リギアとヴァレリウスとブロン(ブランと名前が似ていて油断するとどっちがどっちかわからなくなるなぁ)はパロからの逃避行中。助けた娘アッシャは通りすがりキャラかと思ったら意外と食い込んできそうな勢いです。はてさて、彼女はどんな役割を担うことになるのかしらん?久しぶりにヴァレちゃんが魔道を操る姿が書かれていたのが嬉しいな

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さだまさしコンサートツアー2015

2015年07月14日 | ライブ・コンサート他
川口総合文化センター リリアメインホール
開場17:30 開演18時

4120回目のコンサート

・きみのふるさと
・ほおずき
・春への幻想
・無縁坂
・虹の木
・主人公
・梁山泊
・問題作
・風の宮
・ラストレター
・夢見る人
・北の国から(会場も)
・晩鐘
・October ~リリー・カサブランカ~
・セロ弾きのゴーシュ
・邪馬臺
・風に立つライオン

アンコール20:30
・療養所


2015ツアーは、懐かしいグレープ時代やソロの初期の頃の曲などが散りばめられた「通好み」の選曲でした
梁山泊と問題作で披露した、川口リリアが初演というバックメンバー総出のダンスも楽しかった~~
ところで「問題作」はラップなの?ロックなの? 

トークはTVドラマ「天皇の料理番」「ちゃんぽん食べたかっ!」やアルバム「風の軌跡」、映画「風に立つライオン」についての内容が殆どでしたが、今の政治状況についても生さだでお馴染みの「意見には個人差があります」が書かれたタオルでオブラートに包みながら持論を展開。

アンコールは一回。(二度目はステージに登場しただけで歌いませんでした。)

懐かしい曲は嬉しかったのですが、ついつい以前のバックメンバーの音と比べてしまう自分
さださん自身の声質も変化しているのですから、全く同じ「音」を望んでいるわけではないのですが、自分にとっての青春が既に過去になっていることを認識させられるのは少し悲しかったかな

「北の国から」や「風に立つ~」で観客も歌う趣向も、静かに座って聴きたい私はちょっと戸惑ってしまいます。
野外ライブなら全然OKなんですけどね

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売国妃シルヴィア  グイン・サーガ134

2015年07月13日 | 
宵野ゆめ(著) 早川書房(発行)

ケイロニアの皇女シルヴィアの行方が知れなくなった。幽閉されていた闇が丘の館が何者かに襲撃され、地下の水路深くへとその姿は消え失せてしまったのだ。そして、死霊の口が語る彼女の大罪をめぐり、シルヴィアには、“売国妃”の汚名が冠されることとなる。また、大帝アキレウスの病状が思わしくなく、継承問題も持ち上がっていた。容赦なくふりそそぐ多様な艱難に対処すべく、グインはまた一歩前へ踏み出すのであった。


シルヴィアは確かにその肩に背負うには重すぎる運命を背負わされた女性です。ただ愛されたかった彼女に父も母も周囲の人間も応えてくれなかったのが発端で、誰も彼女を躾けてはくれなかったことが更なる不幸を呼んでしまったのだけれど、それでも、他人に責任をなすり付け、自分を正当化する彼女に共感はできにくいかなぁ

シルヴィアを助けたのは前作で登場した<青ガメ亭>の女将です。そこに元下宿人であるレンティアの王女(外伝で登場するのね)が加わり、束の間の平穏な日常の中で、シルヴィアにもやっと人並みな温かい情愛が芽生えるのかと思ったら・・・グラチウスの爺様がまた要らぬちょっかいを出してくるというわけですねやれやれ

グインの方は、アキレウス皇帝の死期迫る中、選帝侯会議で皇帝に担ぎ出そうとするハゾスの計画が悪意ある何者かの策略により思わぬ結果となります。これは竜王の仕業なのか、それに乗じたグラチウスの企みなのか・・・
イシュトの方がどうなっているのかが書かれたら、その辺の事情もまた明らかになってくるのかもですね。

それにしても、人間どうし、国どうしの戦いからどんどん離れて異種族である竜頭族対人間の図式になってきたのは原作者の意図に合っているのかしらん?

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アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン

2015年07月10日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2015年7月4日公開 アメリカ 141分

アイアンマンとして人類の危機を何度も救ってきたトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は、アベンジャーズの限界を誰よりも知る人物だった。自分たちの手に負えない敵の出現を恐れた彼は、禁断の平和維持システム、人口知能“ウルトロン”を起動させてしまう。だがウルトロンが選択する究極の平和とは、平和を脅かす唯一の存在=人類の抹消を意味した。人類滅亡の危機に再び集結したアベンジャーズだったが、人知を超えた進化を続けるウルトロンを相手に彼らは為すすべもない。ヒーローではない等身大の人として、絶体絶命の彼らに残された最後の武器は、「愛する人を守りたい」という熱い思うだけだった。


マーベルコミックの人気ヒーローが集結した「アベンジャーズ」の続編です。
各ヒーローの背負った過去や敵組織ヒドラと闘った前作の細かい内容はもう忘れちゃってましたが、物語の中で断片的に登場するので何となく思い出したりして

アイアンマンであるトニーが平和を願う故に禁断の領域に手を出してしまった結果、人類滅亡の危機に陥るというのは、科学者がその好奇心を抑えられずに破滅の扉を開けてしまう図に他なりません。トニーの誘いを断れなかったハルク=ブルース(マーク・ラファロ )も同様です。

愛を持たない人工知能に対抗出来るのは、やっぱ愛でしょ!ということでしょうか
今回、何気に光が当てられているのが、いつもは一番目立たないシールドのエージェントで弓の達人のバートン(ジェレミー・レナー)かな 実は妻帯者で子供もいるという素性も明かされ、何とマイホームへアベンジャーズのメンバー全員ご招待ときたもんね一番「普通」の感覚を持っている彼を通してメンバーがまた団結していく感じでした。

一方ナターシャ(スカーレット・ヨハンソン )の辛い過去も明かされます。
ブルースに想いを伝えるシーンで自分は避妊手術をされたから少なくとも子供のことで悩むことはないと告げた彼女が切ないなぁ

今作では、ヒドラの残党のストラッカーにより改造されたワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ (エリザベス・オルセン )と ピエトロ・マキシモフ/クイックシルバー (アーロン・テイラー=ジョンソン )の双子がアベンジャーズを掻きまわします。彼らは両親をスターク社製の武器で殺され、トニーを激しく恨んで復讐に燃えていたのですが、ウルトロンの究極の目的が人類殲滅と知りアベンジャーズの仲間になるのです。高速移動のピエトロよりテレキネシスとマインドコントロール能力を持つワンダの方が手強いね

ウルトロンの計画を阻止するため一致団結した彼らの戦いシーンは見所ではありますが、ちょっと長いよ~~
フューリー (サミュエル・L・ジャクソン)も登場します。

真剣に戦っている中でもトニーの軽口は健在だし、何気にキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)との張り合いは続いているしでコミカルな要素もあるのがアメコミ映画の良いところですね

ロキの杖に隠されていた宝石が力の源であり、全部で6つ揃うと何かが起こりそう・・・ってドラゴンボールか!!!
ソー(クリス・ヘムズワース)の住むアスガルドを含めた宇宙規模の戦いに続きそうだね

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我が家のおバカで愛しいアニキ

2015年07月04日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
アメリカ 90分 日本劇場未公開

バイオダイナミック農法の小さな農場で働くネッド(ポール・ラッド)はバカがつくほどの超正直ものの天然男。お人好し過ぎて、大麻を取り締まるおとり捜査に引っかかり、友人の警官に大麻を譲って8カ月の懲役へ。出所した彼は、新しい彼氏と暮らす恋人に農場を追い出されて居場所を失う。彼の3人の妹たちミランダ(エリザベス・バンクス) 、ナタリー(ズーイー・デシャネル) 、リズ(エミリー・モーティマー )は、めんどうな兄を煙たがる。渋々交代で彼を受け入れることにするが、兄は予想通りのトラブルメーカーで、あまりに正直すぎる言動で、迷惑をかけ続けるのだった。しかし、どこまでも憎めない彼の生き方を目にするに連れ、彼女たちの考えは少しずつ変わってゆく…。


正直も度を超すと大迷惑の見本のような男ですが、でも妹たちもそれぞれ問題あり。
長妹リズの家でベビーシッターをする代わりに居候させてもらったネッドですが、リズの夫は浮気をしていました。現場を見てもうまく言いくるめられてしまうのですが、それを他の妹たちにあっけらかんと話してしまうというオツムの軽さ
次妹ミランダは雑誌記者としての成功をかけてある女性をマークしていましたが、ネッドが彼女と親しくなって、誰にも話していなかった秘密を打ち明けられます。それをひょんなことからミランダに話してしまうの
バイセクシャルの三妹ナタリーは女性の恋人がいるのに男性と浮気して妊娠した事実を恋人に打ち明けられずにいたのですが、これもネッドがあっけらかんと話してしまうという・・もう少しTPOをわきまえろ!!と苛々しますが、でも待って!!元はといえば、子育てに明け暮れて夫を放って女を捨てていたリズや、功名心から他人のプライバシーを土足で暴こうとしたミランダや、浮気をしたナタリー自身が一番悪いのよね
そして、それに気付いた妹たちは、改めて兄貴を受け入れるのでありました

ネッドが元恋人ではなく彼女が友人から貰った犬の方に執着していたのが面白い。おそらく面倒はネッドが見ていたのでしょうねついには元恋人の彼氏まで協力して犬をネッドに返してあげるの。そのせいで彼氏も追い出されてしまったようで、そしたらネッドと二人で新しい商売を始めるというオチまでついていました

う~~ん・・・見ている分には楽しいけど、やっぱりこんなアニキがいたら・・・・やだ

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マイ・デンジャラス・ビューティー

2015年07月02日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012製作 アメリカ 90分 日本劇場未公開

失業中の青年スキャット(シャイロ・フェルナンデス)は革新的な新しい飲料水のアイデアを思いつき、さっそく飲料会社の最大手アディソン社のマーケティング部長シックス(アンバー・ハード)に売り込みに行く。しかし同居人のスニーキー・ピートが彼のアイディアを丸ごと盗み、スキャットにとって代わる。打ちひしがれていたスキャットだが、シックスに鼓舞され、共にそのアイデアを奪い返すため奔走する…。


全く内容は違いますが、そういえば『デンジャラス・ビューティー』というサンドラ・ブロック主演のコメディ映画があったっけ。本作はジョニーの奥さんとなったアンバー主演で、相手役の俳優がたま~にジョニーに似た雰囲気(前髪ハラリとか目線の角度とか)を醸し出すので、ちょっとフクザツ~~日本未公開なのは、内容的にもB級だけど、そういう意味でも売れないと踏んだのか??

マリリン・モンローを思わせる金髪、真っ赤なルージュの美女役が似合うアンバーが、華やかなワーキングファッションで颯爽と出来る女を演じるのですが、肝心のどうデキルのかが見えて来なかったのが残念。学校を飛び級する頭の良さとパーフェクトな外見を持つシックスは少し背伸びして生きてきたようですが、スキャットと出会って等身大で本音をぶつける相手を見つけた感じかなそれにしてはラストはどう解釈すればいいのか???ラブコメとして完結してないぞ

広告業界の裏側を見せるようなエピソードは定型的。業界ズレしていない正直過ぎるスキャットが目立つ仕組み?ライバル会社のアホ揃いな上層部もいただけませんでした

冒頭、生活費捻出のために精子を売りに行く場面で、ピートのずる賢さがさり気なく描かれています。スキャットのアイディアをちゃっかり自分の名前で登録しただけじゃなく、リベンジに燃える彼をさらに蹴落とすことまでしながら、それでも結局二人の友情は続くというのは自分的にはあり得ないんだけど、これもスキャットの素直な性格に拠るということ?

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