杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー

2014年04月21日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年8月10日公開 アメリカ 89分

70歳になる元宝石泥棒のフランク(フランク・ランジェラ)は最近物忘れが激しい。そんな彼を心配した息子ハンター(ジェームズ・マースデン)は、二足歩行ができ会話もする超高性能の介護ヘルパーロボットをプレゼントする。雇い主の健康管理はもちろん、やる気を出させてや生き甲斐を見つけさせるようプログラムされているロボットのおかげで、意欲や体力を取り戻したフランクは、ロボットを相棒と感じるようになり、自分の“趣味”にロボットを巻き込もうとするが……。

孤独な老人とロボットの心温まる交流ものと呼べないわけじゃないのですが、この老人が元泥棒で、ロボットに触発されて見つけた生き甲斐が泥棒することなんだから、ちょっと捻りがきいています。

今より少し先の未来という設定で、高性能の介護ロボットが存在しています。でも人間の方は現代と大差ないようで、フランクは認知症のようです。彼の楽しみは町の図書館に出かけて司書のジェニファーとお喋りすることくらいでした。年老いた父を心配して片道数時間かけて週に一度通ってくる息子のことも煙たがる彼に業を煮やした息子は、新発売の介護用ロボットを贈ります。(高価なロボットを買えるくらいは裕福なのね)仕事でしょっちゅう遠くの外国へ出かける娘もこの息子も、父を愛してはいますが、彼の寂しさを理解はできていないようです。

息子や先進技術への反発からロボットを毛嫌いしていたフランクですが、このロボットがなかなかの優れものなの栄養バランスを考えた食事や適度の運動、柔らかな物腰に、次第にフランクもロボットに好意を持つようになります。

ロボットに趣味や生き甲斐を持てと助言された彼は、昔の職業であり趣味でもあった泥棒の技術を再び磨き始めます。そしてロボットが鍵を開ける才能があることを見つけた彼は、あることを思いつくのそれは図書館から「ドン・キホーテ」の稀覯本を盗み出してジェニファーにあげることでした。
普段から自分を馬鹿にする気に食わないコンサルタントのジェイクが、図書館の書籍を全て電子化しようとしていることを知った彼は、彼に一矢報いてやりたかったのです。ロボットの助けを借り本を盗み出したフランクですが、老眼鏡を忘れてきてジェイクに疑われてしまいます。
更に、ジェイクの家に忍び込んで宝石を盗み出すのですが、以前からの問題行動もありすぐに警察にも疑われてしまいます。それなのに逃げ出したことを忘れてまた家に戻ったりするのは認知症ゆえの行動ですね

犯罪行為はしないようプログラミングされているロボットですが、雇い主の健康のために役立つことをするのだとフランクに言われて納得するのが面白くもあり可笑しくもあります。ロボットに父の介護をさせることに反対する娘がロボットの動きを止めてしまった時、フランクは彼がかけがえのない相棒だということに気付きます。そして盗みがばれそうになった時、証拠となるロボットの記憶を消すことをロボット自身が申し出る場面は切ない気持ちにさせられます。・・・が・・・結局ロボットの記憶消しちゃうんだよな~~

もう一つの証拠である宝石も見つからず、逮捕は免れたフランクですが、結局施設に入ることになります。
見舞いに来たのは子供たちとジェニファー。実は彼女はフランクの別れた妻だったというオチです。
彼女を元妻と認識していたとは思えないフランクの行動ですが、逆に忘れていたとしても彼女に好意を持っていたことも確かです。また、息子に宝石の隠し場所を示唆する彼は、完全に惚けたわけでもないよう。
こうなると、どこまでが正常でどこからが認知症なのかも曖昧になりますね。そして息子が宝石を見つけてもそれを警察に届けたりはしないだろうことも推察できちゃうのよね。う~~ん、血は争えん

一筋縄ではいかない老人と無垢なロボットの取り合わせが妙に心に沁みる作品でした

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