杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

トゥームレイダー ファースト・ミッション

2018年03月26日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年3月21日公開 アメリカ 118分

資産家で冒険家の父リチャードが行方知れずになって7年。ひとり娘のララ・クロフト(アリシア・ビカンダー)は、父の残した秘密の暗号を解き、父が日本の古代の女王ヒミコが葬られたという、絶海の孤島に向かったことを知る。ヒミコの呪いが解かれれば世界は存亡の危機に陥るといい、父はその力の悪用を企む者たちから秘密を守ろうとしていたのだった。その事実を知ったララは、トレジャーハンターとして父の残したミッションを遂行しようと、香港の船乗りルー・レン(ダニエル・ウー)の協力を得て島を目指すが……。(映画.comより)

 

若きララ・クロフトの冒険ということで、アンジーの「トゥームレイダー」シリーズを楽しんできた身としては興味津々で鑑賞。もちろん、若き日のララですからアンジーが演じているわけじゃないでもどことなく面影が似てるアリシア・ビカンダーは違和感なかったです。

タフさや武器の扱いもシリーズのアンジー=ララとは比べようもない、まだまだひよっこなララですが、最初から卓越した身体能力がなくても、それが逆にリアリティを感じさせてくれます。 それでいて、端々に往年のララに通じる根性や諦めない精神力が見られます。

金欠なララというのは意外でしたが、父の死亡宣告を受け入れ遺産を引き継ぐことを拒んでいたためなのね。書類にサインをすれば父の死を認めることになるから 両親の思い出溢れる屋敷を手放さなければならなくなると言われ、渋々サインすることにしたララに、弁護士が父親の遺言のパズルを渡します。(いや、それはサインを完全に書き終わってからでしょ!と突っ込んでみる

父が最後に向かった地を目指し、香港を訪ねたララは悪ガキ3人に引ったくりに遭いますが、ルー・レンに助けられます。彼の父こそがララの父を謎の島に運んだ船の船長だったとわかり、二人は父親たちの消息を掴むため島を目指すという展開。

しかし、まさかここで「卑弥呼」が出てくるとは!しかも完全悪者扱い。おいおい!と思いながら観てしまいましたが、これは良い意味で裏切られます。うんうん、それなら許せるぞ! (時代考証とか、当時の技術レベルとか、真面目に考えるのはアホらしいので止めましょう

座礁しながらもなんとか島に上陸した二人ですが、あっさりと敵に捕まり・・・ルー・レンはララを逃してくれるのですが、彼はもっとララと活躍するのかと思ったらなんか後方支援の役割でちょっと肩透かしでした。川に落ちて急流を流されるシーンから飛行機にぶら下がり這い上がり、更に落ちてパラシュートを掴み、からくも地上にという展開がスリリングでスピード感がありハラハラしました。

ララの相棒となるのは失踪しマサイアス(ウォルトン・ゴギンズ)に殺された筈の父・リチャード。(シリーズでは幼い時に失踪して以後は会っていない設定の筈ですが、今回は大人になったララと再会してるところが気にはなりますが・・・。)父の命を救うため、マサイアスに協力することになったララは襲い来る罠を知恵と体力で乗り越え、遂に卑弥呼の棺が暴かれます。シリーズ本編やインディの冒険に通じるドキドキワクワクな展開が楽しめました。

卑弥呼の秘密に気付き、何としても「ソレ」の持ち出しを阻止しようとするクロフト父娘。悲しい別れとマサイアスとの死闘を制し、ルー・レンの助けを借りて生還するララ。

物語はイギリスに戻り、遺産相続した後まで続き、秘密組織の手がかりを掴んだララは・・というところで幕を閉じるのですが、お馴染みの二丁拳銃も手に入れて、これはもう新たなシリーズの始まりでしょうかね 

シネコンロビーは春休みの親子連れで賑わっていましたが、字幕版のコレはゆったり鑑賞できました。

ボス・ベイビーにしなくて良かった~~(これも観たいけど春休み中は無理だなレンタル待ちかな)


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OSIRIS オシリス ネタバレあり

2018年03月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年1月15日公開 オーストラリア 98分

地球から遠く離れた惑星オシリス。ここには刑務所があり、収監されている囚人たちは、オシリスを植民地化する計画のために働いていた。宇宙船フローティアで上空からオシリスの管理を任されていたケイン中尉(ダニエル・マクファーソン)は、地球から遊びにきていた娘インディ(ティーガン・クロフト)と束の間の休暇を楽しんでいた。だが翌日、反乱を起こした囚人たちが脱走したとの連絡が入る。その上、人類を破滅させるウィルスを所持しているとのことで、上官は惑星の破壊を決断。オシリスにいる娘を救おうと地上に向かったケインだが、争いに巻き込まれて不時着してしまう。そこで出会った元囚人のサイ(ケラン・ラッツ)と共に、首都へ向かうが……。(MovieWalkerより)


公開からわずか二か月ほどでDVDって・・早っ!

消滅寸前の惑星に取り残された愛娘を救うため奔走する父親の戦いを描いたSFスリラーと銘打たれていますが・・ナレーションが娘のインディという時点で気づくべきでしたが、ケインが主人公じゃなかったの・・ね??

人類を破滅させるウィルスなんかじゃなくて、上層部が密かに研究していた囚人を使った人体実験の結果が引き起こした暴走というのが真相なわけね。核爆弾を地上に落として彼らもろとも証拠隠滅を図る上層部。どんな時代、環境でも、人間の飽くなき欲望とそれがもたらす悲劇的な未来は変わらないのかと、ちょっと哀しくなりますね 

娘を助けようとケインはフローティアから地上へ向かいます。刑務所の看護士を装うサイと出会った彼は、シェルターに入れるようにするという交換条件を出し協力を仰ぎ街に向かうのですが、街は既に二足歩行の爬虫類?に襲われた後でした。何とか娘を見つけてシェルターに向かいますが襲撃に遭い・・・あれれ?ここでケイン退場ですか 

生き残ったインディの側にいたのはサイですが、その姿は・・・ それでも理性のコントロールと人間としての知能は残っていて、彼女とは手話で会話しています。実はサイは妻とお腹の子供を事故で亡くしていて、その事故を起こした男を殺して倫理違反で投獄された囚人だったのです。父を喪った娘と、子供を亡くした男。これは彼らの間に生まれた疑似親子の愛情がもたらした奇跡なのかも。


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ゴールド 金塊の行方

2018年03月21日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年6月1日公開 アメリカ 121分

鉱山事業に失敗し、破産寸前に追い込まれた金鉱採掘者ケニー・ウェルズ(マシュー・マコノヒー)は、謎めいた地質学者マイケル・アコスタ(エドガー・ラミレス)と組み、インドネシアの山奥で巨大金脈を発見する。一攫千金の夢を成し遂げたケニーは一躍時の人となるが、170億ドルの金塊が一夜にして消えたというニュースが飛び込んでくる。

 

1990年代に株式市場に大混乱をもたらした、通称「Bre-X事件」を映画化した犯罪サスペンスです。
夢に出てきた金鉱を信じ、恋人ケイ(ブライス・ダラス・ハワード)に贈った腕時計を質に入れ旅費を作ってインドネシアに飛んだケニーは、環太平洋火山帯理論を唱える地質学者マイケル・アコスタとタッグを組んで金鉱探しを始めます。作業は順調とはいかず、労働者は去り自身もマラリアに罹るなどどん底を味わいますが、浄水器を配ることで作業員も戻り、金鉱も当てます。

一躍時の人となったケニーに巨大投資銀行から声がかかります。彼らは権利を買い取り、収益の何パーセントかを支払うという提案をしてきますが、採掘こそがケニーのロマンの追求でしたから、当然突っぱねるわけ。次に黄金王のハンコックが経営権を狙い、スハルト大統領とのコネを使ってインドネシア軍を介入させ採掘場を奪います。これに対抗したケニーはスハルトの息子と接触して金鉱を取り戻すのです。
 
採掘業者にとり最高の賞「金のツルハシ賞」受賞して幸福の絶頂にいたケニーのもとに金鉱に金がなかったとの知らせが届きます。全てはマイケルが行った詐欺だったのです。彼は株を売り1億6400万ドルを手に入れましたが、インドネシア軍に拘束されたヘリから飛び降りて遺体が発見されたとの情報が入ります。彼との友情を信じるケニーはFBIの「細工されたサンプルと知っていたか?」という質問に否と答えながら切ない思いがこみ上げてくるのを禁じ得ませんでした。

株も会社も全てを失ったケニーは、ただ一輪の薔薇を携えケイのところを訪ねます。ケイは彼が周囲からちやほやされている時、お金に群がる女たちや銀行への不信感をぶつけてケニーから遠ざかっていましたが、温かく迎え入れます。うんうん、こういう女性こそ、真に愛情のある相手なんだよね
 
ケイのところに届いていた一通の手紙。その中に入っていたのは昔マイケルと交わした契約書と消えた1億6400万ドルの半額が記入された小切手でしたとさ (でも換金した途端、ケニーは詐欺の片棒を担いだことになるんじゃないの?

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君の膵臓をたべたい

2018年03月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年7月28日公開 115分

高校時代のクラスメイト・山内桜良(浜辺美波)の言葉をきっかけに母校の教師となった僕(小栗旬)は、教え子の栗山(森下大地)と話すうちに、彼女と過ごした数ヶ月を思い出していく……。重い膵臓の病を患う桜良が密かに綴っていた「共病文庫」(=闘病日記)を偶然見つけたことから、僕(北村匠海)と桜良は次第に一緒に過ごすようになった。だが、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々は、やがて終わりを告げる……。桜良の死から12年。結婚を目前に控えた桜良の親友・恭子(北川景子)もまた、僕と同様に桜良と過ごした日々を思い出していた。そして、ある事をきっかけに、僕と恭子は桜良が12年の時を超えて伝えたかった本当の想いを知る……(MovieWalkerより)


タイトルとストーリーのギャップで話題を集めた住野よるの同名ベストセラー小説を実写映画化した青春ドラマです。

いかにもな青春ラブストーリーとは一線を画す作品。そもそもこの二人の関係は恋人じゃなく「仲良し」であり、おでこにキスすらない、せいぜい手を繋ぐ、指切りをする程度。でも心では間違いなく繋がっているんです。

図々しいほどにずかずかと「僕」の心の扉をこじ開け踏み込んでくる桜良だけど、本当の彼女は迫りくる免れない死を前に怯える少女に過ぎません。「僕」は桜良の思いを汲み取るにはまだ幼い少年ですが、その誠実な態度が彼女にとって何よりも大切な安らぎとなっていきます。

桜良の親友の恭子はクラス一地味で目立たない存在の「僕」が桜良と距離を縮めていくのが許せず敵視します。親友に自分の病状を打ち明けることで関係が変わってしまうのが恐くて桜良は最後まで打ち明けられなかったのね。「僕」は桜良の元彼の嫌がらせも受けますが、さりげなく助けてくれる「ガム君」(矢本悠馬)もいて、「僕」の高校生活に変化が現れます。この「ガム君」のさりげない優しさが一種の癒しにもなっています。彼が後に恭子の結婚相手になるとわかり、桜良曰く「男を見る目がない」恭子の最良の選択だと思ってしまいました

桜良の死は病気によるものではなかったのが衝撃的ですが、人生なんてそんなものかも結局「僕」を除いてラスメイトたちは彼女の病気のことは何も知らないままになったんですね。

桜良の「君は教えるのが上手だから教師になるといい」がきっかけで教師となり、母校に赴任して図書整理を頼まれたことがきっかけで、「僕」は桜良との交流の記憶を甦らせていくのですが、栗山君もどこか「僕」に似ています。 彼が見つけた図書カードから桜良の最後のメッセージ(遺言)を発見した「僕」は恭子宛てのメッセージを届けに式場へ向かいます。恭子じゃないけど「何で今なのよ」なんですが、彼女にとっても最高のお祝いメッセージなんですね。

今時の高校生にしては少し硬すぎる、でも綺麗な言葉遣いと、一部感情のほとばしるシーンはあるけれどあくまでプラトニックな関係がとても新鮮に映ります。

今生きていることは当たり前ではなく、素敵で幸せな偶然の積み重ねなんだなぁと再確認できる作品でした。

桜良の手紙を読んで「僕」=志賀春樹の中で何かが確かに変わったと思います。自分だけの殻から少しだけ出て、周囲の人間と向き合えるようになった彼の中に桜良は生き続けるんだね


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リメンバー・ミー

2018年03月16日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年3月16日公開 アメリカ 105分

主人公は、ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年ミゲル(声:石橋陽彩)。しかし、厳格な《家族の掟》によって、ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた…。ある日、ミゲルは古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんが伝説のミュージシャン、デラクルス(橋本さとし)ではないかと推測。彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした、その瞬間──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった!そこは、夢のように美しく、ガイコツたちが楽しく暮らすテーマパークのような世界。しかし、日の出までに元の世界に帰らないと、ミゲルの体は消え、永遠に家族と会えなくなってしまう…。唯一の頼りは、家族に会いたいと願う、陽気だけど孤独なガイコツのヘクター(藤木直人)。だが、彼にも「生きている家族に忘れられると、死者の国からも存在が消える」という運命が待ち受けていた…。絶体絶命のふたりと家族をつなぐ唯一の鍵は、ミゲルが大好きな曲、“リメンバー・ミー”。不思議な力を秘めたこの曲が、時を超えていま奇跡を巻き起こす!(公式HPより)

 

トイ・ストーリーのリー・アンクリッチ監督が、陽気でカラフルな「死者たちの世界」を舞台に描いたピクサー・アニメーションの長編作品です。日本のお盆の風習にあたるメキシコの祝日「死者の日」を題材に、音楽を禁じられた少年ミゲルの冒険や家族との強い絆が描かれます。

いつものシネコンでの上映はいつもの如く吹替版のみ。でも今回は吹替でも全く問題なく楽しめました。

ヘクターの声を充ててるのがフジッキーとはエンドロール見るまで気付かず、それって役にはまってたってことよね

序盤でのミスリードにまんまとはまりつつ、もやっとした違和感がくすぶっていたのですが、やがて真相が判明してスッキリな展開です。

家族から音楽を禁止されて育ったミゲルですが、ミュージシャンになりたいという想いは膨らむばかり。

おじいちゃんのおじいちゃんが有名な歌手だと思い、遺品のギターを借りようとしたことが元で死者の国に迷い込みます。

ティム・バートンの「ナイトメア」とも、もちろん日本の幽霊とも異なる思いっきりカラフルな死者の国が楽しい

アレグリアは喜び・楽しさという意味を持っていますが、ここでは死者の魂を導く者の総称のよう。架空の動物たちが極彩色で登場します。イメルダのアレグリアは巨大で一見恐そうですが子供が喜びそうな姿をしています。 ミゲルに懐いて一緒についてきた野良犬のダンテも実は・・・

死者の国で高祖母のイメルダ(松雪泰子)から音楽をしないなら生者の国へ戻る許しを与えると言われ拒否したミゲルは高祖父に許しを貰おうと高祖父の知り合いだというヘクターに彼のところへ連れて行ってくれるよう頼むの。

日本のお盆にあたるメキシコの「死者の日」には、写真を飾ってくれていれば死者は家族の元に帰ることができるのですが、ヘクターには写真を飾ってくれる家族がいない様子。変装して出国しようとしても簡単にばれちゃうんですね。

そんな時にミゲルを見つけた彼はデラクルスに会わせるから生者の国に戻る時に自分の写真を持っていってくれと頼みます。

ミゲルの体が消える前に彼を戻そうと探すイメルダたちから逃げながら遂にデラクルスに会ったミゲルですが・・・

当初感じていた違和感は、高祖父が家族を捨てた上に成功しても顧みないような奴なのかってことでしたが、デラクルスの身勝手で狡くて卑怯な面が暴露されると、それではイメルダが正しかったのだと、ここで二度目のミスリード。

でもそれも束の間、真実がわかり、うんうん、ミゲルの高祖父はやっぱ良い奴じゃん!という展開が嬉しいです。

ミゲルを必死で探す生者の家族と死者の家族。音楽か家族かなんて選ばなくて良い結末が

死んだ後、生きている者の記憶からも消えた時に二度目の死が訪れるというのは、まさに真実だと思います。

だからこそ、せめて家族の記憶の中には残り続けたいものです。そのためにはまず愛さなくちゃね

ミゲルがママ・ココに「リメンバー・ミー」を歌うシーンはなかなかに感動的でした。

このテーマ曲は予告編やTVCMでも頻繁に流れていますが、耳に心地よい響きで「アナ雪」のように今年ヒットの予感


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トリガール!

2018年03月14日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年9月1日公開 98分

一浪して理系大学に入学した鳥山ゆきな(土屋太鳳)は、一目惚れした先輩・高橋圭(高杉真宙)に誘われるまま人力飛行サークルに入部する。圭先輩と二人のパイロット班になり、大空に羽ばたくことを夢見るゆきなの前に現われたのは、サークル史上最高のパワーを持つ先輩・坂場大志(間宮翔太郎)だった。ヤンキー被れのくせにメンタル最弱な坂場先輩とコンビを組むことになったゆきなは・・・。

 

鳥人間コンテストに挑む若者たちの青春をつづった中村航の同名小説を、「青空エール」の土屋太鳳主演で実写映画化。一口に言うと元気が貰える作品です ベラ先輩(ナダル)のナレーション風台詞や、ひこにゃんが唐突に登場するのは意味不明ですが、青春映画ではあるけれど恋愛話じゃないところも良かったです

 高校時代、片道20kmをママチャリで爆走していたという設定ですが、だからといって坂場と張り合えるほどの脚力強くなるんかいな?とか思いますが、まぁ置いといて

凸凹コンビの二人の特訓の様子や、大会で空を飛びながらの告白とその結末に爆笑しながら、目標に向かってまっすぐなゆきなの元気溢れるパワーにこちらも充電させてもらいました。

大会自体は何度かTV中継を見たことがある程度ですが、出るだけでも大変(理論とか、パイロットとか、資金や場所などなど)なんだなぁと改めて気付いた次第。う~~ん、これも若さの特権かな


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シェイプ・オブ・ウォーター

2018年03月09日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年3月1日公開 アメリカ 124分

1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザ(サリー・ホーキンス)は、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物(ダグ・ジョーンズ)を見てしまう。アマゾンの奥地で神のように崇拝されていたという“彼”の奇妙だがどこか魅惑的な姿に心を奪われたイライザは、周囲の目を盗んでこっそり会いに行くようになる。幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要だった。音楽にダンスに手話、熱い眼差しで2人の心が通い始めた時、“彼”がまもなく実験の犠牲になることを知ったイライザは、“彼”を救うため毅然と立ち上がるのだが・・・。

 

「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロが監督・脚本・製作を手がけ、2017年・第74回ベネチア国際映画祭の金獅子賞、第90回アカデミー賞の作品賞ほか4部門を受賞したファンタジーラブストーリーです。種族を超えたラブストーリーが残酷さとユーモラスを織り交ぜた極上の大人のファンタジーになっています。ファンタジーではありますが、際どい描写もところどころにあって子供と一緒に楽しむのは難しいかも。その意味でもオトナの物語ですね。

冒頭、イライザの日常が描かれます。昼夜逆の仕事のため、アイマスクをしているイライザが目覚ましで起き、バスタブにお湯を張りながらゆで卵の準備をし、お湯に漬かりながらある習慣行為を行い・・一連の動作は単調でモノクロのイメージですが、やがて“彼”と出会い心を通わせるようになると楽し気なカラーイメージへと変わっていくのです。特に卵がお湯の中で踊る様子が彼女の日常の変化を如実に伝えています。

イライザは声が出ない=話せないハンディを背負っています。彼女の親友ゼルダ(オクタビア・スペンサー)は黒人であり、隣人のジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)は同性愛者で、いずれもこの時代、この場所でのマイノリティです。対する軍人のストリックランド(マイケル・シャノン)は白人で家庭持ち、出世コースにある人生の勝ち組として描かれています。

ロバート・ホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)、通称ボブ、本名はディミトリはソ連出身の科学者でスパイでもありますが、研究対象である“彼”に知性と感情があることに気付き、“彼”の生体実験に反対します。(そもそも“彼”が捕えられたのは、宇宙への米ソの競争の激化が理由。地上と水中両方で呼吸のできる生態を解明し相手国より早く宇宙開発に勝利したいからなのね。)ソ連側から“彼”を持ち出せないなら殺せと命じられますが、イライザと“彼”の交流に気付いた博士は、イライザに協力して“彼”を逃がす手助けをしてしまいます。それはやがて彼の命取りになっていきますが、それでも博士の中で後悔はなかったと思うなぁ

イライザに“彼”を救う手助けを請われたジャイルズは自分にできることはないと断るのですが、好意を寄せていた店主に拒絶されたことで自らの孤独と“彼”やイライザの境遇は同じことに気付き、イライザへの協力を申し出るのです。ジャイルズは店主に会いたさに彼が絶賛するクソ不味いパイを買いに通っていましたが、冷蔵庫に溢れんばかりに詰め込まれたパイが彼の想いを代弁していて可笑しいやら哀しいやら この店主は黒人客を追い返し、ジャイルズのことも不健全と嫌悪しますが、それは当時のアメリカの白人男性の考えそのものなんですね。 

ゼルダはイライザの10年来の親友です。互いに差別される側であることが根底にあったとしても彼女たちの友情は本物。

イライザの“彼”への気持ちを知り彼女を助けます。ストリックランドに詰め寄られても頑として口を割らなかったのに、普段は椅子から動こうともせずゼルダを顎で使うだけのダメ亭主がベラベラ喋っちゃうんですね~ おそらくはゼルダの亭主に対する我慢はここで切れたと思うなぁ~

ストリックランドは初めから“彼”に高圧的です。もしストリックランドに観察力があったなら、高圧電流による拷問で血を流し弱っていた筈の“彼”の驚くべき回復力に気付いた筈ですが、実験動物としか見ていない“彼”に手指を噛み切られてからは憎悪しかないようです。トイレ掃除をしていたゼルダとイライザがストリックランドと出会うシーンでは、一見紳士風な振る舞いをしますが、ゼルダに侮蔑的な態度を取ります。(聖書から引用したゼルダのセカンドネームの件については後にも登場しオチがつけられますが、ここはよくわからなかったなぁ)それだけでも似非紳士ぶりが暴かれています。(大体、用を足す前に手を洗う意味わかんないし)イライザに言い寄る姿は醜悪に映り、消えた“彼”のことを聞かれた時のイライザの手話( Fuck you)はイライザの精一杯の抗議行動に見え痛快でした。“彼”を逃した失敗を上司のホイト将軍(ニック・サーシー)は 許さず、追い詰められたストリックランドは狂気に駆られていきます。噛み切られた指をイライザが見つけて縫合されているのですが、当時の医療水準では神経が繋がるどころかまともな感染対策もされていなかったようで、次第に腐り悪臭を放つ様と相まってストリックランドの人生の歯車の狂いようが映し出されていくのです。

初めは半魚人にしか見えなかった“彼”がイライザと心を通わせ、遂には結ばれる頃には、その容姿がさほど気にならなくなっているのが不思議。それだけ二人に感情移入してきたということかしら。大きな目も青く光る体も美しく見えるのです。

バスルームを水で満たし抱き合う場面はまさにファンタジー。(現実としては階下の劇場が水浸しになって“彼”の存在がばれそうなものですが)ストリックランドに撃たれたイライザが“彼”に抱かれて水中に消えるラストもある意味ハッピーエンドですね。


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フェリシーと夢のトウシューズ

2018年03月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年8月12日公開 アメリカ 89分

19世紀末のフランス。ブルターニュ地方の施設に暮らす踊ることが大好きなフェリシー(声:エル・ファニング)はバレリーナとしてパリ・オペラ座の舞台に立つことを夢見ていた。ある日、親友で偉大な発明家を志すヴィクター(声:デイン・デハーン)と共に施設を抜け出したフェリシーは、エッフェル塔が建設中のパリでヴィクターとはぐれてしまう。偶然見つけたオペラ座で美しく踊るエトワールの姿を目にしたフェリシーはその美しさに魅了され、夢への期待をさらに膨らませる。元バレリーナで今はオペラ座の掃除係オデット(声:カーリー・レイ・ジェプセン)と出会ったフェリシーは、彼女が住み込みで働くル・オー夫人の家で共に暮らすことになるが、冷酷なル・オー夫人の娘のカミーユに母親との思い出が詰まった宝物のオルゴールを壊されてしまう。ひょんなことからカミーユになりすましてオペラ座に入学したフェリシーは、メラントゥ先生のクラスに入れたものの、コネで入った"カミーユ”に先生は厳しかった。“一日一人、脱落させる”という厳しいルールの前にピンチのフェリシーに手を差し伸べたのはオデット。猛特訓の日々が始まったが、ある日身分を偽っていることがバレてオペラ座からの退団を突きつけられる。しかし彼女の努力を評価するメラントゥ先生の提案で、カミーユとの対決に勝つことができれば最悪の事態を免れることになり・・・。

 

バレエ初心者のフェリシーが情熱と勇気を胸に夢の舞台を目指す姿を描いたアニメーションです。パリ・オペラ座バレエ団芸術監督オーレリ・デュポンと、エトワールのジェレミー・ベランガールが振り付けを担当しています。バレエの基本も知らなかった少女がいくら努力したとしてもプリマに匹敵する実力を短期間でつけられるとは現実ではあり得ない話ですがね。そこはまあ夢のお話ですから 

ヴィクターがフェリシーを好きなのは観ていてバレバレ。でも彼女は同じダンサーの有望株の少年にちやほやされてヴィクターのことはそっちのけになってしまいます。 傷ついたヴィクターを優しく慰め恋の応援をしてくれるのは、彼をアトリエに招き入れてくれた太っちょの少年マティーです。ほんと良い奴

施設を脱走しようとして失敗した鶏からヒントを得た翼は、後にフェリシーのピンチを救う翼に進化します。建設途中のエッフェル塔やアメリカに贈られる前の自由の女神といったモチーフがフェリシーたちの時代を生き生きと魅せてくれています。

カミーユは意地悪をするけれど、そこには彼女なりの培ってきたバレエに対するプライドがあるのね。ただ、彼女がバレエをするのは母親に言われたからであって心からバレエが好きということではないので、技術が高くても感情表現ではフェリシーに負けてしまうの。でもカミーユの良いところは、自分に足りないものを素直に認めてフェリシーを評価する点。逆にル・オー夫人は負けを認めずフェリシーを排除しようとします。それは娘可愛さというより勝ちに拘る自分のために見えます。過去にオデットと何か因縁があったのかしらん?
 
母の形見のオルゴールは母親がバレリーナだったことを思わせる回想シーンもあり、オデットとの関係も気になるところです。オデットとメラントゥの関係もわけありのようですが、その辺は深く掘り下げられないまま終わっているのがちょっと残念でした。

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忍びの国

2018年03月04日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年7月1日公開 125分

戦国時代。忍びとして名高い伊賀の国に暮らす無門(大野智)は、虎狼と呼ばれる伊賀忍者の中でも特に腕が立ちながら怠け者の性分で、怠惰な日々を過ごしては妻・お国(石原さとみ)に稼ぎのなさを叱責されていた。ある日、織田信長の次男・信雄(知念侑李)が父ですら手出しを躊躇う伊賀への侵攻を、独断で開始する。無門に弟を殺されたことがきっかけで伊賀への復讐を果たそうとする下山平兵衛(鈴木亮平)、伊賀の重鎮・百地三太夫(立川談春)や下山甲斐(でんでん)をはじめとする忍者たちの思惑や野望も入り乱れる戦いに、いつしか無門ものみ込まれていくが……。

 

戦国時代に伊賀忍者と織田信長軍との間に起こった天正伊賀の乱を題材にした同名小説の映画化です。武力、兵力に劣る忍びの軍団の抗戦ぶりが見どころでもあります。忍びのアクションは日本古来のものに、ジークンドーやカリ、パルクールなどを取り入れていて、コミカルで自由奔放な描写になっています。ナレーションは山崎努ですが、誰目線なのかはラストで明かされます。

上忍にとって、下忍は自分たちの欲を満たす道具でしかなく、当の下忍らも銭勘定でしか動きません。彼らの間には人らしい情愛の存在する隙間もありませんでした。そんな下忍の一人だった無門が、攫ってきて妻にしたお国と暮らすうちに、徐々に心に情愛が育っていきます。武家の娘であったお国が忍びである無門のどこに惹かれて一緒になったのか?おそらくは無門自身も気付いていない彼の中に眠っていた本来の優しさや人としての正義感を感じたのかも

十二家評定衆の一人、下山の長男の平兵衛は弟の次郎兵衛が無門に殺されても平然としている父や忍びの衆に嫌悪感を抱いて反発し、信雄に伊賀攻めを進言するのですが、実はそれこそが十二家評定衆の策でした。彼らの目的は織田軍に勝って箔を付け、下忍たちの雇い口と収入を増やすこと、すなわち彼ら上忍の懐を肥やすことにありました。

服従したと見せかけて領内に出城を作ることを受け入れ、織田の日当で日銭を稼いだのち、完成した城をあっさり爆破する手口は信義もへったくれもないやり口ですが、そもそも騙そうとしていた織田軍にも非はあるわけで。こんな風に見事に裏切ってみせるといっそ痛快というものです。

北畠家の家臣であった日置大膳(伊勢谷友介)は主君を殺させられ、信雄に信を置けずにいて、伊賀との戦いを義なきものと反発し参戦を拒んでいましたが、この伊賀衆の企みに気付いて信雄と和解し参戦に転じます。この人ってば勇猛で名を馳せた武将なんですね 彼の不参戦を見越していた十二家評定衆には痛い目論見外れとなりました。

で、戦いの幕が切って落とされたわけですが、自衛のための戦に銭は出ないので、下忍たちはその半数が逃散してしまいます。彼らとしてみれば、得にならないことに命を張る道理はないんですね もちろん無門もその中の一人でしたが、お国に諭されて翻意し、ひょんなことから手に入れた(北畠の姫の命を懸けた褒賞だったんですが、その時の無門の心には全く響いていなかったのも姫には不憫というかここは笑うところなのか憤るところなのか嘆くところなのか微妙でした)北畠家の家宝「小茄子」を元手に「雑兵首には十文、兜首には十貫、信雄が首には五千貫を払う」と触れると、銭命!の彼らの目の色が変わります。もうね、大儀とか正義とかじゃない、ひたすら銭欲しさ!!餌を前にした狼の群れですね

怒涛の勢いで織田軍を破った無門らは、城に逃げ戻った信雄を追い詰めますが、そこで平兵衛に阻まれ、「川」という伊賀の決闘を申し込まれこれを破ります。「川」は映画の冒頭で弟の次郎兵衛も挑んでいましたが、平兵衛と無門の戦いは迫力が違いました。平兵衛に十二家評定衆の企みを聞かされた無門は彼らへの怒りで取って返しますが、逆に命を狙われ、お国が無門を庇おうとして命を落としてしまいます。銭で動く下忍たちの様は無知な子供のようでもあり、人としての情を持たぬ獣のようでもあり、無門の味わった絶望や痛みと対極に描かれていて切なさがありました。お国の亡骸を抱いて去っていく無門の後ろ姿・・・

数年後、伊賀は再び織田に攻め入られて壊滅します。織田方から、彼らは滅び去ったわけではなく「銭に目がなく情のない伊賀者」の血はその子々孫々において広まっていくだろうという台詞が登場します。まさに現代人に当てはまるのでは? この時、伊賀から姿を消していた無門がお国が気にかけていた「ねずみ」という少年を探しに戻ってきています。無門はこの子に幼い日の自分の姿を重ね合わせていたのだろうなぁ。そしてナレーションの人物こそが無門に育てられた「ねずみ」だったのね 

無門は、幼い時に売られて伊賀に連れて来られ、生きるために技を覚えたけれど、人の情愛は教わってこなかった人物です。そんな彼がお国と出会って人としての情愛を覚えたわけですが、同時に妻が命を落とす原因になったわけで、何だか切ないですね~~ 


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空海 KU-KAI 美しき王妃の謎

2018年03月02日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年2月24日公開 中国=日本 132分

8世紀、遣唐使として日本から唐へやってきた若き僧侶の空海(染谷将太)は、皇帝の不可解な死と長安の役人の家に起こる怪事件に立ち会うことになる。それらの事件には1匹の黒猫が関係しているのではないかと空海は疑い、詩人・白楽天(ホアン・シュアン)と力を合わせて事件の謎を探る。空海より30年前の唐には阿倍仲麻呂(阿部寛)が生きていた。白玲(松坂慶子)から借りた遺された彼の日記と李白の詩から、玄宗皇帝の寵姫・楊貴妃(チャン・ロンロン)が事件に関係していたことに気付いた空海は、人の言葉を話し始めた黒猫に問いかけ、楊貴妃の死の真相を知ることになる・・・。

 

原作は夢枕獏の小説「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」で、遣唐使として中国に渡った若き日の空海(真言宗の開祖である弘法大師)を主役に描いた日中合作の歴史ファンタジーミステリーです。

え~~っとね・・空海や阿倍仲麻呂の中国での活躍が観られると誤解してましたね~私。タイトルちゃんと見てなかったんですね。原題『妖猫傳』で英題『Legend Of The Demon Cat』主役は猫(黒猫)じゃん しかもお目当ての阿部ちゃんの出番はかなり後半になってからで全然キーマンでもないし (そもそも阿部仲麻呂と空海じゃ時代が違うんでした。)

染谷君のことは好きでも嫌いでもないんだけどね 彼演じる空海が映画の中でしょっちゅう浮かべる笑みは、深淵というより薄ら笑いに見えて、徳の高い僧侶というには不足感が 

楊貴妃の死にはある陰謀が隠されていて、その死に義憤を抱いた若者の怨念が黒猫に乗り移ったというのはまさに日本の怪談話を中国を舞台にしたらこうなりました!って印象です。二人の少年が白鶴に変わる様や、6年かけて作り上げた長安の豪華なセットや楊貴妃の誕生祝の宴の豪華さは楽しめたのですが、内容的にはなんだかな~~ 怪談好きな人にはそこそこ楽しめるかも。

 

ネタバレ:30年前、安禄山の乱を鎮め楊貴妃を救うために取られた措置は、実は楊貴妃を見殺しにすることに他ならなかったこと、それを知った幻術者の弟子の白龍(リウ・ハオラン)は兄弟弟子の丹龍(オウ・ハオ)と袂を分かち、幻術で黒猫に魂を移し、彼女を死に追いやった皇帝や役人に復讐をしていたのでした。そして丹龍の正体は空海たちにヒントを与えた町の幻術使いであり、さらに空海が教えを請う青龍寺の恵果大師だったのです。この事件を通して空海は悟りを開いたということで〆られています う~~ん、ちょっと無理くりかな~~


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