杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ゲームオブスローンズ第二章王国の激突 エピソード9&10

2013年12月25日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
エピソード9 ブラックウォーターの戦い
スタニスの軍が王都に近づく中、ティリオンは怯えるジョフリー王を前線に立たせる。何十隻もの敵の戦艦に対し、ティリオンはある作戦によりたった一隻で迎撃する。敵軍の大破に成功したものの、スタニス率いる軍の一部は王都に上陸。ティリオンは怖気づいて退散したジョフリーに代わり兵隊を鼓舞して戦う。玉座の間に避難していたサーセイが運命を受け入れようとした瞬間、扉が破られ…。

エピソード10 勝者
スタニスに勝利したジョフリー王は、祖父タイウィンを“王の手”に任命。ラニスター軍と同盟を組み参戦したロラス・タイレルには、サンサとの婚約を破棄して彼の妹マージェリーを王妃にすると約束する。北の家々がシオンに対し反撃の狼煙を上げたウィンターフェルでは、孤立無援となったシオンの部下までも謀反を起こす。デナーリスが“不死者の館”でドラゴンを見つけた頃、“壁”には真の脅威が迫っていた…。


スタニス軍との戦いを中心に描かれる今回は、キングズランディングでのシーンが殆ど。

ティリオンは付き人のポドリック・ペインに着替えを手伝わせながらヴァリスの持ってきた地下道の地図を見ながら作戦を練っている様子。二人ともスタニスを簡単に撃破できるとは思ってないことが読み取れます。ジョフリーは自らの恐怖をサンサの前で強がることで隠しているかのように見えます。この瞬間、彼はサンサに依存状態にあったのかも
スタニスの船団の規模に圧されてびびったジョフリーですが、ワイルドファイヤーが敵を一掃する阿鼻叫喚の地獄絵図は舌舐めずりせんばかりに身を乗り出して眺めています。その様子はまさに冷酷な悪鬼のよう。ティリオンのおぞましいものを見るような目つきが印象的でした。

スタニスは諦めません。今度は正面突破とばかり、一番弱い「泥の門」へ総攻撃をかけてきます。
さて、今回はブロンとハウンドの関係にもスポットが当てられています。
戦闘の前、彼らはリトルフィンガーの売春宿でいざこざになりかけ険悪な雰囲気。
戦闘が始まると、二人とも最前線で活躍しますが、実はハウンドは過去のトラウマから火が恐いの。火だるまになった敵を前に立ちすくむハウンドをブロンが救い、二人の間にほんの少しだけ戦士という意味の友情が生まれたような・・・そうでないような・・
だってハウンドはこの後戦線離脱し逃亡するのですから。
その際、サンサの部屋で彼女を待ち、今ならウィンターフェルに連れて行ってやっても良いなんぞと言います。いや、無理っしょ


サーセイだって超不安。息子は戦場の経験もなく、弟はあんな体で守りには向かないし、頼りの父さん(タイウィン公)は不在だし・・で、もしもの時の自殺用に、メイスター・パイセルに命じて毒薬を持って来させたりもしています。
戦いが始まると女子供は一部屋に集められ、そこには死刑執行人のサー・イリン・ペインの姿も。
怯えるサンサにサーセイは彼は自分たちを守るためにいると話します。でも守るの意味は命ではなく誇りなのよね
サーセイはサンサを話し相手に不安をワインで紛らわせています。シェイの物腰から彼女が高貴な家の出ではないと見抜くあたりはさすが切れ者

形勢不利とみたサーセイがジョフリーを呼び戻すと、味方の士気は下がります。そりゃ王がさっさと逃げたらやる気失くすよね~そこで、ティリオンは王や国のためではなく、自分たちの家と女達のために戦えと鼓舞し軍の士気を高めるの秘密の通路からスタニス軍の背後に回ったティリオンたちは懸命に戦います。ところがその戦いの最中、ティリオンはジョフリーのキングズガードから突然斬りつけられます。彼を救ったのはポドリックでした。薄れゆく意識の中で、彼は父タイウィンの軍がやってくるのを見ます。

負けを覚悟したサーセイが鉄の玉座に座りトメンに毒を飲ませようとしたその刹那、扉が開き父タイウィンとロラスが入ってきます。なかなか劇的な瞬間です


そして次の幕が開き・・

ティリオンが目覚めると、以前自分の手で失脚させたメイスター・パイセルの姿が。焦るよね~~彼からタイウィン軍がスタニスを倒して父が王の手に復活したことを聞かされます。立場が再び逆転したというわけね。

ジョフリーは諸侯に褒賞を与え、ピーター・ベイリッシュにはハレンホールを与えます。
また、ロラス・タイレルの要請で、マージェリーを妻に迎えることを決めます。サンサは内心喜びますが、リトルフィンガーは彼女にジョフリーは彼女への乱暴を止めないだろうと話します。彼はサンサにキャトリンの面影を見ていて、そのため、サンサを救いだそうとするのですね。
そんなリトルフィンガーの弱みをヴァリスはお見通し。彼の売春宿で何やら悪企みを始めます。
そしてティリオンには彼を襲わせたのはサーセイの指図だと話し、ブランもシティウォッチの指揮官から外されたことを告げます。最早ティリオンが心を許せるのはシェイだけという状況です。
この展開、彼の最初の結婚の時の悲劇を連想させますね


後半はキングズランディング以外の場所でそれぞれのキャラたちの様子が描かれます。

ブライエニーは、スターク家の兵士たちにジェイミーの面が割れて、彼らを殺します。ジェイミーは彼女がスターク家の騎士だと思っていたので驚きますが、ブライエニーは自分はスターク家ではなくキャトリン個人に仕えているのだと言うの。このエピソードがジェイミーの彼女に対する気持ちのターニングポイントかも

ロブは母の反対を押しきりタリサとこっそり結婚しちゃいます。若さゆえの暴走

スタニスは負けた怒りをメリサンドラにぶちまけますが、結局はいいくるめられちゃうのね

城を包囲され苦境に立たされたシオンにルーウィンは壁に逃げることを勧めるのですが、ナイツウォッチにはジョンがいるんだもの、シオンにとっては逃げ場にはならないのよね自分を偉大に見せようと虚勢を張ったあげく、部下にも裏切られる末路は哀れの一言。その際ルーウィンも負傷します。瀕死の状態でルーウィンはブランたちに壁にいるジョンのところへ行くよう助言し、オシャが彼の願いを受けて安らかな最期に手を貸すのでした。

アリアたちはハレンホールから逃げ出すことに成功します。フガーは彼女にあるコインを渡し使い方を教えて去っていくの。
ジャケン・フガーは美男の類だから、一瞬で別の顔に変わった時はけっこうがっかりしました。だってジャケンとしてはもう出て来ないということですもの。

デナーリスは不死の館でドラゴンたちと再会します。彼女を館に幽閉しようとした男はドラゴンの炎に焼かれてしまいます。亡き夫と息子と会う場面も登場しますが、彼女はそれら「過去」と決別することを選ぶのです。ドラゴンと連れて戻ったデナーリスは裏切り者であるカロを金庫に閉じ込め部族の民に略奪をさせます。

ハーフハンドはジョンを生かすために自分を犠牲にします。
その頃、ラッパの音を聞いて逃げ出したサムは仲間から遅れ岩に隠れますが、そこで大勢のホワイトウォーカーが壁に向かって行進していくのを目撃するのでした。

第三章が待ち遠しいな~~

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ゲームオブスローンズ第二章王国の激突 エピソード7&8

2013年12月22日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
エピソード7 義なき男
留守の間に何者かに侍女らを殺されドラゴンも連れ去られてしまったデナーリスは、ドラゴンが“不死者の館”にいることを知る。シオンはウィンターフェル城から逃げたブランとリコンを追い、近隣の村人を尋問。捕虜の身から解放されたいジェイミーは、王都からの遣いで来た遠縁の従兄を利用することを思いつく。一方、壁の北側では、イグリットを連行していたジョン・スノウが野人の縄張りに入ってしまう。

エピソード8 決戦前夜
シオンがウィンターフェルを制圧した頃、娘たちを取り戻すため、リトルフィンガーの提案に乗ったキャトリンが、ロブに黙ってジェイミーを解放する。一方、タイウィンがついに出陣することを知ったアリアは、ジャクェンに最後の願いを告げ、ハレンの巨城からの脱走を図る。壁の北側で野人の集団に捕まったジョン・スノウがリーダーの元へ連行されている頃、スタニスの軍勢は刻一刻と王都へと近付いて


ブランやリコンに逃げられて面子を潰されたシオンは躍起になって追います。メイスター・ルーウィンには見つけても殺しはしないと言うけれど、結局子供たちの焼かれた遺体が城に吊るされるの。この話には、以前孤児の男の子たちを近くの農場に働き手として世話したという伏線があるので、遺体が彼らとは思わなかったけれど、痛ましい場面ではあります

やがてシオンの姉のヤラが城にやってくると、得意満面のシオンにブランたちを殺したことは失策だったと批判し、城を放棄して自分と一緒に帰るよう説得します。でも、やっと一人前と認めて貰えると思っていたシオンが承知する筈もありません。残れば孤立無援でロブ軍に殺されることがヤラにはわかっていますから、彼女の弟への愛情が垣間見える場面です。

実はブランたちはスターク家の地下墓地に隠れていました。城の中庭でオシャを見かけたルーウィンは彼女と話をして、吊るされた遺体が農家の男の子たちだと知ります。彼はオシャにその事実をブラン達に言わないようにと話しますが・・ブランってばこの会話を聞いちゃってます領主(代理)としてのブランの心の成長が見える回でもありました。


壁の向こう側でジョンは捕まえたイグリッテと一晩を過ごします。といっても何もないのだけどそのことでイグリッテにからかわれ、むきになって怒るジョン。そんな油断をついて逃げ出したイグリッテを追いかけようとしたジョンは逆に野人たちに囲まれ形勢逆転
ハーフハンドもジョンを探していて野人たちに捕まってしまっていて、彼らはジョンを殺そうとしますが、イグリッテが助け舟を出します。
その頃、サムたちはフロストファングで雪上にトイレ用の穴を掘っていて、昔のナイツウォッチの外套に包まれた黒曜石の短剣と槍の穂先を見つけます。この使い道がわかるのは三部かな?


ハレンホールでは、毒矢の犯人探しが始まります。アリアはタイウィンにハレンホールとドラゴンの関わりを話したことでますます怪しまれることにタイウィンはアリアが平民の出ではないと思っているようですが、さすがに彼女がスターク家の一員とは考えないのね
小娘のことより、彼にはもっと大事なことが目前にあります。シオンがウィンターフェルを占拠したという状況を利用し、ロブ軍を急襲するため出撃していきます。アリアはタイウィン殺しを頼むためフガーを探しますが時既に遅し。代わりにアリアは自分と仲間を逃がすよう交渉します。フガー自身を殺したい人の名前として挙げるという彼女の作戦は成功するの。ほんと、頭の良い子だこと


サンサはハウンドに助けてくれたお礼を言いますが彼は「殺しが楽しい」からしただけだとそっけない反応。これって好きな子に冷たくする思春期の男の子みたいもちろんハウンドはそんな柄でも年齢でもないけどね
悪夢を見て目覚めたサンサは初潮を迎えたことに気付きパニックに。だって子供を産む準備が出来たことを意味するのですから、あの酷薄なジョフリーに身を差し出さなければならなくなるんですもの、必死に隠そうとするよね

サーセイは彼女にジョフリーを愛せなくても子供を愛しなさいと話します。サーセイはジョフリーが自分の手に負えなくなったことを自覚し、彼の冷酷な性格を自分の犯した近親相姦の罪の報いと感じているようです。愛のない結婚をするサンサに自分の過去を重ね、女性として同情しているようにも見えます。サーセイはティリオンとの会話でもジョフリーに関しては弱気な発言をします。ティリオンはターガリエン家の例を出し、ジョフリーの弟妹のトメンとミアセラは良い子だと慰めます。
あれ~?サーセイってばやけにしおらしいじゃないの?と思ったら・・甘かったね
戦闘になったらジョフリーは王らしく指揮をとるべきだと話すティリオンに、サーセイは、ミアセラだけでなくジョフリーまで取り上げようとするのかと噛みつき、彼の"売春婦"を捕えてあると脅します。動揺するティリオンですが、サーセイは標的の"売春婦"を間違えていました。急いで部屋に戻りシェイの安全を確認するティリオン。う~ん、なかなかにピュアなお人

ティリオンは、スタニス軍を迎え撃つために"ワイルドファイヤー"を使うことを思いつきます。
ヴァリスはデナーリスがドラゴンと共に生きていることを打ち明けますが、ティリオンにとって、デナーリスはまだ差し迫った脅威ではありません。


そのデナーリスは、ドラゴンが盗まれ、周囲に信用出来る者もいず苛立ちを募らせています。
船を捜しに言っていたジョラー・モーモントにもイライラの矛先が向かいます。
ドラゴンを取り戻すため、ジョラーはデナーリスを"不死者の家"に連れていくことになりますが、罠だと言うジョラーに、デナーリスは自分の魔力の強さを説きドラゴンへの強い執着をみせるのでした。頼りにしていた夫も赤ん坊も死に、彼女のよりどころは三匹のドラゴンだけなのですから当然ではありますが、不遜な態度はどこか兄に似てなくもないな


ロブとテリサの仲は更に近づいています。
薬を口実に用事に同行させ、身の上話をしたりして良い雰囲気になるのですが、母キャトリンがジェイミーを逃がしたという報告がきてぶち壊しに
そもそもジェイミーが脱走するために事件を起こし、捕まって殺されかけるというひっ迫した状況に陥ったのがいけないのよねこのままでは人質交換する前にジェイミーが殺されてしまうと焦ったキャトリンがリトルフィンガーの案に乗ってしまったのは母親の心情としては自然なことです。でも「北の王」としては、妹たちの安全と同じくらい味方の士気も大事というわけで、苦悩や愚痴をタリサに打ち明けるうちに・・あれれ~~そうなりますかま、若いんだもん。なるよね~~

しかし、ジェイミーも相当のワルです。従弟のアルトンを自分が助かるために平気で殺しちゃうんだから。キャトリンに対しても憎まれ口をたたくのですが、夫のネッドと違って高潔さのかけらもないと詰る彼女をサーセイ以外の女と関係したことはないから私生児を持つネッドよりは誠実だという件はちょっと笑えるかも。
護送するブライエニーに対しても大変失礼な口のききようで・・先の展開が楽しみ


そしてスタニス軍はといえば、キングズレンディングへ大船団を向けています。スタニスはダヴォスに前回の戦で飢えから救ってくれたことへの謝意を伝え、自分が王となった暁には「王の手」となって欲しいと話すのでした。そういう点ではスタニスは公平で誠実なキャラなのよね。

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武士の献立

2013年12月18日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2013年12月14日公開 121分

江戸時代。加賀藩六代藩主・前田吉徳の側室・お貞の方(夏川結衣)に仕える女中・春(上戸彩)は、浅草の有名な料理屋の娘だったが、12歳の時に火事で家も家族も亡くしていた。料理の腕前は親譲りだが、勝気が過ぎて婚家を一年で追い出され出戻っていた彼女を、宴席の余興で見事具材を言い当てた料理の才能に惚れ込んだ料理方の舟木伝内(西田敏行)が、ぜひ舟木家の嫁にと懇願し嫁入りすることに。姑の満(余 貴美子)は快く春を迎えるが、夫の安信(高良健吾)は、年下な上、料理の腕も家を継ぐ気もなく、春にも無関心だった。
親戚方に料理を振る舞い、その出来を吟味する“饗の会”で夫の料理に手を加えたことで非難された春は夫に包丁の腕比べを申し出る。勝負は春が勝ち、春から料理の猛特訓を受けることになった安信はめきめきと腕をあげていく。やがて安信は昇進し、親友の定之進(柄本佑)やその妻・佐代(成海璃子)も大喜びするが、ひょんなことから安信と佐代の過去を知った春はやるせない思いに駆られる。やがて1年が過ぎ伝内も江戸詰から戻るが、藩内は保守派と改革派の間に不穏な空気が流れていた。大槻伝蔵(緒形直人)の下には定之進ら改革に燃える若者らが集まるが、吉徳が急逝し、保守派の前田土佐守直躬(鹿賀丈史)により改革派は一掃され、定之進・佐代夫婦も国を追われる。その後も藩政の混乱は続き、次の藩主重熙の毒殺未遂容疑で真如院ことお貞の方に嫌疑がかけられる。安信の計らいで、幽閉されている真如院に再会した春は、母のように慕う真如院のため心を込めて作ったお重を並べ、最後の時間を過ごす。
重煕が新藩主となった祝いの宴が催されることになるが、定之進らによる土佐守討伐の計画に安信が加わると知った春は、夫の刀を抱き、家を飛び出す。暗殺計画は漏れていて、遅れを取った安信は難を逃れるが、夫婦の間にしこりが残り、病に倒れた伝内の代わりに能登へ饗応料理の食材を探す旅に出ても消えずに、春はある決意を固める。そして、饗応の宴の日。包丁侍の誇りをかけた、一世一代のもてなしがはじまった――。


「そろばん侍」の家族生活を描いた「武士の家計簿」(2010)に続くシリーズ第2弾は「包丁侍」今年最後の劇場鑑賞作となりそうなこの作品、悪人は出て来ず、ちゃんばらも無し、料理は美味しそうで、後味も良く満足

勝気だけれど一途で一生懸命な春を上戸さんが好演しています
夫と佐代との過去(包丁侍と揶揄されるのが嫌で剣術で身を立てようと道場に通ううち、跡取り娘の佐代と恋仲になり、剣術試合で勝って婿入りを狙っていたのに、流行り病で兄が亡くなったことで舟木家を継がねばならなくなり、試合も負けて佐代は定之進と結婚)を知って動揺する春の気持ちは、この時もう夫を好きになっていたからこそですね。姑には悪気など無く、もう過去のことだからと春に教えてくれたのだけど、それだからこそ辛いのよね出自が町人の娘であることも春の負い目であったのでしょう。

真如院の嫌疑は自分の子を次期藩主にと目論んだ謀反の容疑と大槻との不義密通容疑です。
大槻とは意味ありげなエピソードが出てきますが、それまでの両者の人となりの描き方からプラトニックであろうことが推測されるようになっています
およそ権力争いには無縁なおっとりとしたキャラのお貞の方(真如院)好きだな~

春は夫から暗殺計画に加わることを聞かされ、何よりも彼に生きていて欲しくてとっさに刀を手に逃げ出します。一日中彷徨い、戻ってきた彼女を安信は手討ちにしようとするの。武士の矜持を傷つけられたという激高がそうさせたのでしょうけれど、止めに入った母は「兄についで、お前までも私より先に死ぬつもりか」と悲しみます。この切ない思いは同じ母として痛いほど伝わってきました。伝内は息子に、真に藩を思うならば包丁侍として加賀の威信を示せと説きつけます。ようやく安信は剣をふるうより自分に相応しい戦い方(生き方)があることに気付くのです。

饗応の膳の豪華さも素晴らしかったなぁ目の前に並べられる溢れんばかりの膳の数、料理の種類といい、台所に並ぶ加賀の滋味溢れる食材の数々といい、目の保養ですが、空腹では辛い鑑賞になること間違いない

恩赦で佐代が戻ってくることを聞いた春は、自分が身を引こうと決め家を出るのですが、それって違うでしょ~~安信がいつまでも佐代(にあげるつもりだった)の簪を文箱の底に隠し持っていたのがいけないんだけどね全く男ってやつは・・というエピソードでした。まぁ、雨降って地固まるという結果は想像に難くなかったのですがこの辺はセオリー通りというか、手堅いですね


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世界から猫が消えたなら

2013年12月18日 | 
川村元気(著) マガジンハウス(発行)

僕の葬式。僕の枕元に集まる人はどんな人たちだろうか。かつての友達、かつての恋人、親戚、教師、同僚たち。そのなかで僕の死を心から悲しんでくれる人は、何人いるのだろうか。僕と猫と陽気な悪魔の7日間の物語。


余命一週間と宣告された30歳・郵便配達員の「僕」の前に突然現れたやけに派手で軽いノリの陽気な悪魔。彼の言うことにゃ「何か一つ消すことで一日延命できる」って。
この取引に応じた「僕」は生きるために消すことを選びます。

チョコレート、電話、映画、時計。
失ってもすご~~く困るってことはない。物は所詮物でしかない。そんな風に思ってた「僕」だけど、でも失って初めてその価値や大切さに気付いていきます。
そんな「僕」に、悪魔は次に消すのは猫にしようって。

ちょっと待って!!キャベツという名の飼い猫は、僕にとってはかけがえのない家族であり、お母さんとの絆の象徴でもあるのです。そんな大切なものを失ってまで生きている意味はあるのかな?

「僕」は考え、そして決めました。「僕」が消えることを。
もうこの取引はおしまいにしようってね。

「僕」の最後の一週間は聖書の天地創造の一週間になぞらえています。そもそも悪魔との取引だもんね「僕」の前に現れた悪魔は「僕」が想像した容姿(なりたかったもう一つの人生)なんだって。だって悪魔には「姿」がないのだと陽気な悪魔は言います。

死を宣告されたことで、「僕」は人生について深く考え、この世界で生きていることそれ自体が素晴らしいことだと気付きました。一種の諦観を持って悟りの境地に達したような「僕」ですが、
最後に望んだのは、疎遠になっていた父親へ、ごめんなさいとありがとうとそしてさよならを告げることでした。深遠な哲学を含んでいながら、非常に人間的な「愛」をも内包しているちょっと不思議な読後感のある作品です。

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舟を編む

2013年12月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年4月13日公開 133分

玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。今を生きる辞書「大渡海」の編纂に従事するのは、監修担当の松本(加藤剛)やベテラン編集者の荒木(小林薫)、契約社員の佐々木(伊佐山ひろ子)、現代語に強いチャラ男の西岡正志(オダギリジョー)と個性派揃い。仲間と共に24万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家(渡辺美佐子)の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目惚れし、何とか自分の思いを彼女に伝えようとするが・・・。


三浦しをんの小説の映画化です。
新しい辞書を作るために気の遠くなるような歳月をかけているのね

馬締が辞書編集部に移ったのは27歳の時。言語学専攻のキャリアと言語感覚の鋭さを荒木に認められて引き抜かれたのです口下手で対人コミュニケーションに乏しいため、営業部では厄介者扱いだった彼も、辞書編集部では水を得た魚の如く仕事に没頭します。
「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」という思いで名付けられた『大渡海』が完成するまでに実に13年を要したの途中、時代の波にのまれかけて中止に追い込まれそうになるという波乱はあるものの、概ね淡々と物語は進むので、DVD鑑賞だと集中していないと眠気が・・

馬締の住まいは「早雲荘」という下宿で、空き部屋も自らの蔵書で埋め尽くしています他に下宿人がいないから可能なんですが大家のタケばあちゃんは彼を孫のように可愛がっているようです。板前修業のために上京してきた香具矢に一目惚れした馬締を編集部の仲間たちも応援しやがて二人は結婚するのでした馬締が香具矢に書いたラブレターは達筆すぎて読めないというエピソードの中に、彼の個性とそんな彼を好きになった香具矢の気持ちがうまく表現されていました。

やがて時は流れ、松本は辞書の完成を待たずに病に倒れ逝ってしまいます。松本のためにも必死に完成を急いだ馬締にとって心残りの出来事ですが、荒木は松本が心から馬締のことを認め感謝していたことを伝える手紙を見せます。それは彼にとって一人前の編集者と認められた何より嬉しい「ご褒美」なのかもね

用例採取なんて言葉も耳新しかったですし、辞書作りという全く馴染みのない世界を垣間見るという点では面白いのですが、物語としてはちょっとばかり退屈だったかな
忙しない師走じゃなくて、もっとのんびりゆったりしている時に観たら違った感想になるかも。

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ゲームオブスローンズ第二章王国の激突 エピソード5&6

2013年12月15日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
・エピソード5 ハレンの巨城
ある夜キャトリンがレンリーを説得していると、何者かが彼を襲撃。“十三人組”の一人を味方につけ何とかクァースの門をくぐったデナーリスたちは謎めいた住人の歓迎を受ける。一方、壁の北側では冥夜の守人が野人の気配を察知しジョン・スノウを偵察に出す。タイウィンの酌取りとなり、彼らの戦術会議に耳をそばだてる日々を送るアリアは、以前助けた凶悪犯ジャクェンからある申し出を受ける。

・エピソード6 古今の神々
ロブがタリサに惹かれ始めた矢先、シオンがウィンターフェル城を急襲したとの知らせが。ハレンホールには思いがけない客がタイウィンを訪れ、アリアを動揺させる。王都ではジョフリーへの不満が爆発した民衆が暴動を起こし、壁の北側ではジョン・スノウが野人の女を捕らえる。一方、海の向こうでは、クァース一の富豪を名乗る商人が結婚と引き換えに船を調達してやるとデナーリスに持ちかける。


レンリーがメリサンドラが産んだ影に殺され、キャトリンとブライエニーはその場から逃げます。そりゃ、本当のことを話しても誰も信じてくれないものねぇロブのキャンプ地に向かう途中でブライエニーはキャトリンに、スタニスに復讐する機会がきたら自分を手放すことを前提に騎士の忠誠を誓います。この二人、女だてらに戦いに身を置くという共通点があるので気が合うのねキャンプ地に着くとロブはタリサと良い雰囲気。彼女は実は高貴な生まれのようですが、これは釘を刺しとかなきゃね。あなたは既に婚約してるのよと念押しするキャトリンですが、そこへウィンターフェルがシオンの手に落ちたとの知らせが届き、この件は吹っ飛んでしまうのでした。

レンリーーの敵を討つことに固執するロラスと違い、マージェリーはさっさと見切をつけてリトルフィンガーに七大国の女王になりたいと言います。愛情の有無、男女の差がはっきりわかる場面ね

キングズランディングでは、ティリオンが"ワイルドファイヤー"と呼ばれる武器のすさまじい破壊力を知ります。また王都でのジョフリーやラニスター家への反感の空気を感じるようになります。
悪魔の猿、とかあんまりよねぇ
ミアセラがドーンへ向け出航するのを見送った一行が城に戻る際、ジョフリーが民衆から侮辱されたことで怒り狂って騒動となり、暴徒化した民衆に襲われます。それは良い気味なのですが、逃げ遅れたサンサが危ない目に。危機を救ったのは、"ハウンド"サンダー・クレイゲン。小鳥を助けにやってきた猛犬だね
そもそもこの暴動はジョフリーの失政のせい。彼が始めた戦争のせいとティリオンは糾弾しますが、聞く耳を持つわけないのよね~こいつはサンサが危なかろうが、そのことでジェイミーの身も危なくなろうがジョフリーは痛くもかゆくもないのです。冷血漢だからね。
自分も他の人々と同じようにジョフリーが嫌いなのになぜこんな目に遭うの?と嘆くサンサにシェイはそんなことは誰にも言ってはいけない、誰も信じちゃいけないと忠告します。シェイにも秘密がありそうね

ダヴォスはスタニスに戦いのときはメリサンドラを置いていくよう説得します。さすがに異国の魔女連れじゃ拙いってことはスタニスにもわかるわけね

シオンは部下の尊敬を得るため、スターク家の領地の一部を攻撃することを決めます。完璧なる裏切り者の誕生ですなウィンターフェルを占拠した彼はブランに誰も傷つけないために降伏するよう指示し、ブランは従うのだけれど、サー・ロドリックがシオンを侮辱したため処刑されてしまいます。本当は牢屋に幽閉するだけのつもりだったシオンですが、部下の手前処刑しなければならないよう追い込まれてしまうの。ウィンターフェルでは処刑を下した本人が自ら行うというルールがあるため、自ら剣を振るうシオンですが、一度では首を落としきれず何度も剣を振るう姿は勝者には見えず、哀れな敗者のようでした。所詮器の小さな人間だってことが暴露される場面です。オシャはシオンを誘惑して自由を得ますが、全てはブランやリコンを逃がすためでした。身を犠牲にするというよりは、目的のために手段を選ばなかったという感覚に近いのかな?

アリアは給仕係としてタイウィンに仕える中で情報に耳をそばだてます。タイウィン公との会話は尖った剣のように鋭く緊張感があります。アリアはジャケン・フガーから、命を救ってくれたお礼に、3人の人物を殺してあげると言われ、まず拷問している看守の一人を挙げます。数日後、その約束は果たされるの。ピーター・ベイリッシュが現れた時はかなりやばい状況に。果たして彼は本当にアリアだと気付かなかったのかな?
タイウィンはアリアにジェイミーが難読症だったことを話します。彼が何故アリアに身内の話をしたのか、おそらくアリアの聡明さが好ましかったのでしょうね。
この時、アリアはラニスター軍の動きを記したメモを盗み出しますが、その紙を持っているのをエイモリー・ローチに見つかって、彼が二番目の標的になります。この展開はスリルがありました。

壁の北では、ハーフハンドが合流し、野人たちが元レンジャーのマンス・レイダーのもとで組織化され脅威になってきていると話し、ジョンは彼と共に行動することに。見張り台にいた野人を襲撃しますが、中の一人が女であることに躊躇ったジョンは結局殺すことができず、その間に仲間とはぐれてしまいます。これがジョンと野人イグリッテとの出会いだったね

デナーリスは鉄の王座を奪回するために一番裕福な商人から結婚をもちかけられますが、ジョラーは「鉄の王座は与えられるのではなく自ら勝ち取らなくてはいけない」と反対します。これまで受け身で流されてきた彼女の転換期ですね
そこで二番目に裕福な商人に会って船を出すよう要求しますが、出資を拒否されてしまいます。さらに不在の間に召使いたちが殺されドラゴンが盗まれていました。デナーリスまだまだ受難の時ですね。

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ゲームオブスローンズ第二章王国の激突 エピソード3&4

2013年12月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
・エピソード3 鉄の決意
王都の運営方針をめぐりサーセイと衝突するティリオンは、小評議会の中に潜む彼女のスパイをあぶり出すため、ある策略をしかける。一方、ウィンターフェルに残されたブランは、依然、予知夢に悩まされていた。キャトリンはレンリーを訪ね、共通の敵ラニスター打倒の同盟を結ぼうと持ちかける。ロブを助けるために船を調達しようと父と姉に再会したシオンだったが、父に認めてもらうため、ある決断を下す…。

・エピソード4 光と影
キャトリンを訪ねたリトルフィンガーは、娘と引き換えにジェイミーを解放しないかと提案。ラニスター家の部下に捕らわれたアリアはタイウィンの酌取りを命じられる。一方、水も食糧も尽き、途方に暮れたデナーリス一行は、商業で栄えたクァースという町の門を叩く。共に王座を狙うバラシオン家のスタニスとレンリーは互いに宣戦布告。その晩、スタニスの側近メリサンドルの身に異変が起こる。


ジョフリーの行動はますます常軌を逸していきます。
ラニスター軍が劣勢なことに憤慨してサンサを衆目の中で殴らせたり、懐柔しようとティリオンが送り込んだ娼婦たちを傷めつけたりとその暴力性は留まることをしりません。こいつだけは悲惨な最期を遂げてもらいたいと思ってしまうキャラですなぁ。

ティリオンは、シェイを守るため彼女をサンサ付きの下女とします。また誰が内通者か探るため、メイスター・パイセル、ヴァリス、ベイリッシュ"リトルフィンガー"にそれぞれ相手を変えてミアセラ王女の縁組の話をします。怒り狂ってやってきたサーセイの話から、パイセルが裏切り者と判明し彼は投獄されるの。策略に嵌められたことに不快感を示すリトルフィンガーには、彼のキャトリンへの想いを利用して、彼女に会ってジェイミーの解放を頼むよう持ちかけるの。実に頭の良いやり口だねぇ

で、ベイリッシュはレンリーのもとにいるキャトリンに会いに出かけますが、レンリーに援助と釘をさすことを忘れないあたりはさすが切れ者です。夫を裏切ったと激昂する彼女に娘たちの無事を伝え(アリアに関しては嘘なんだけど)ネッドの遺品を渡してジェイミー解放の提案をするんですねぇ。今がチャンスと口走るあたりはまだ彼も青いですが、それだけ恋は盲目なんでしょうか。

キャトリンはスタニスとレンリーの交渉の場に立ち会い、2人に共通の敵のため団結するよう説得を試みますが聞き入れられません。数に勝るレンリーですが、その軍は戦争の経験に乏しくキャトリンは不安を覚えます。戦争を知らない世代とのギャップは今も昔も変わらないのね。

レンリーはといえば、ロラスの妹マージェリー・タイレルを妻としたものの、ベッドの相手はロラス。マージェリーが誘っても役に立たないらしいでもマージェリーはそんなレンリーの事情は全て知った上で自分が妊娠することがこの戦争に勝つために必要だと言い切るのです。強いねぇトーナメントでロラスに勝ったブライエニーは褒美としてキングズガードに加わることを求め、それに不満なロラスがベッドでレンリーに愚痴るのとは大違いです。彼女は夫が王であることに価値を求めるタイプなのね。

ロブの軍は進撃を続け、ラニスターの兵を蹴散らしますが、戦場で敵味方の別なく手当てをしている看護士のタリサと出会います。戦いの無意味さを問いかける彼女に好感を持つロブ。あれ~やばいぞこれは

ブランは自分がサマー(狼)になる夢ばかり見ることをマイスタールーウィンに話しますが、不思議な力はもはや存在しないと優しく否定されるの。いや、彼は太古の力を秘めているんじゃないの?と先の展開に期待大なんですが

シオン・グレイジョイは姉に恥をかかされ、父に侮辱されたことに腹を立てますが、彼らがウィンターフェル城を襲うことを聞かされ、悩んだ末にロブを裏切り父や姉と生きることを選ぶのでした。育ての親(家族)より実の親(家族)を取ったことになります。敵の中で人質として育ったのですから、シオンの裏切りを責めることはできないけれど、キャトリンは正しかったわけです

スタニス陣営はますますメリサンドルの妖しさが。スタニスが誘惑に負けてからそれほど時が経ったようには思えないのにもう臨月の腹ってスタニスの命でダヴォスは彼女の出産に秘密裏に立ち会うことになるのですが、産まれたのはどうみても人ではなく黒い影でした

デナーリスはクァースに着きますが、ゲートの外で13人の統治者からドラゴンを見せるように要求され毅然として断ります。交渉決裂と思われたその時、一人の統治者が彼女への保障を誓い、ゲートを開けるのです。彼女の活躍は次章に期待といったところでしょうか。

そしてアリア。
父の処刑の光景が頭から離れず夜眠れない彼女に、ヨーレンは自分の身の上話をして敵の名前を唱えて眠ることを教えます。その後すぐジェンドリーを追ってきた兵士たちと戦いとなりヨーレンは殺されアリアたちは捕まってしまいます。とっさに亡くなった仲間の一人をジェンドリーだと言ったアリアの機転はさすがハレンホールに連れて来られた一行は毎日一人ずつ拷問で殺されていきます。アリアは自分が殺したい人の名前を繰り返し唱えて眠りにつくようになります。
ジェンドリーの番となったその時、タイウィン公が城にやってきて・・・・。

捕虜を殺すのではなく労力として使えと説くタイウィンはアリアが女であることも一目で見抜きます。まぁ、華奢な体の線からもわからない方がおかしいけど、旅の安全のためと答えた彼女の話を信じるあたりはまだまだだねというか、この時代には有力者の家系の肖像画とかはなかったのかしらん?情報はどんな時代でも武器になるんだけどね

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ゲームオブスローンズ第二章王国の激突 エピソード1&2

2013年12月06日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
・エピソード1  王の乱立
ロブはラニスター家打倒を目指し、ジェイミーを捕虜にしたまま進軍。“王の手”になったティリオンは、甥ジョフリーの暴挙を抑制するため王都入りする。ドラゴンストーン城では、前王の弟スタニスが王位継承権を主張。ナロー・シーの向こうでは、ドラゴンを連れたデナーリスの一行も王位奪還を目指していた。一方、“壁”の北側に出たジョン・スノウら“冥夜の守人”は、野人の南部進軍の噂を耳にする。

・エピソード2  粛清
母サーセイと叔父ジェイミーの不貞の噂を聞いたジョフリーは、母への腹いせに父ロバートの落とし子を片っ端から始末させる指令を出し、追っ手は“壁”を目指す冥夜の守人の新兵一行とアリアの元にも迫る。シオンは、戦いに船を必要としているロブを助けるため、9年ぶりに鉄(くろがね)諸島の父を訪ねる。王都襲撃の作戦を練るスタニスは、信仰する“光の王”の女祭司メリサンドルに息子を与えると言われ…。


いよいよ第二章の幕開けです
若くして与えられた権力の魔力の虜となり、生来の残虐性に磨きがかかったジョフリーにとって、母親も恐れるに足らぬ存在となっていきます。保身のため心を封じ込めるサンサは哀れですが、芯の強さも垣間見えます。アリアは逃避行の中でジェンドリーに出自を打ち明け、ロブは北の王として成長していきます。彼もまた母に助言を乞うのではなく、使いを命じる立場となっています。
長男が母親から巣立っていく章と捉えることもできるかな

ティリオンはまず父の代理として「王の手」を務めることをサーセイに承諾させなければなりません。また小議会のメンバーを掌握することも必要です。ジェイミー解放の条件としてスターク家の人質は大切な切り札なのですが、エダード公は処刑され、アリアが行方知れずなのは痛手です。
ロバート王の私生児狩りが行われる中、リトルフィンガーの売春宿でも落とし子である赤ん坊が、シティウォッチのジャノス・スリントの手で殺されます。それを知ったティリオンはスリントを更迭しますが、その際この命を下したのがサーセイではなくジョフリーであることを知るの。ますます手に負えなくなりつつある甥に頭が痛いねぇ

小議会のメンバーも曲者揃い。ヴァリスは秘密裏に連れてきたシェイの存在を嗅ぎ付けティリオンに脅しの先制攻撃をかけます。リトルフィンガーが売春宿の娼婦(新人)を扱うエピソードでは、優しげな仮面の奥にある冷徹な顔が窺えます。

ブランやデナーリスの様子も描かれますが、まだ序章といったところ。
ナイツウォッチではジョンの反抗的な態度にモーモントが「指揮をするものになりたければ従うことを学べ」と注意を与えます。野人クラスターの所業(自分の娘たちと交わり赤ん坊を産ませていた)は非道ですが、モーモントは彼は必要な(自分たちの役に立つ)人間だと大局的に考えているようです。でも若いジョンには辛抱出来ない事柄なのよね夜半、生まれたばかりの赤ん坊を森に置き去りにするクラスターを尾行した彼は、ホワイトウォーカーが赤子を連れ去るのも目撃するのですが・・・。

ドラゴンストーンではスタニスが女祭司メリサンドルに取りこまれています。ジョフリーの出自を問い自らが王だと主張する手紙を七王国中に送ることを命じるの。古老のマイスターはスタニスを諌めようとしますが、彼女を毒殺するために自ら毒をあおったのに失敗してしまいます。毒で死なない女・・・魔女か?更に彼女はスタニスを誘惑。いよいよ本性現したか?

ロブはジェイミーに、彼の秘密を知っていることを話しますが否定されます。決裂を見越した和平交渉を命じる一方、母をレンリーの協力を取り付ける使者として送り出します。ここはキャトリンが息子の成長を実感する場面でもあります。
シオンはロブに船の必要性を説き、彼の父ベイロン・グレイジョイの協力を取り付けるため故郷に帰りますが、そこには姉のヤラが後継ぎとしていて、彼の居場所はありませんでした。

アリアにはまだ苦難が続きます。ジェンドリーを追ってやってきたシティウォッチの衛兵たちをヨーレンが追い返しますがこのままで済む筈ありませんからね。

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REDリターンズ

2013年12月04日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2013年11月30日公開 アメリカ 116分

超極秘任務を担ってきた元CIAエージェントのフランク・モーゼズ(ブルース・ウィリス)は、引退後、恋人のサラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)とともに憧れていたごく普通の生活を楽しんでいた。そこへ、元相棒のマーヴィン(ジョン・マルコヴィッチ)が現れ、新たなミッションにしつこく誘う。全く乗り気じゃないフランクはこの誘いを断った矢先、マーヴィンの車が爆発。彼の葬儀に参列し悲しみに暮れる間もなく、フランクは突如FBI捜査官に連行される。ナイトシェードという計画について問いただされるが、フランクはシラを切る。そこへゴードン(ニール・マクドノー)ら特殊部隊がフランク抹殺のため襲撃を仕掛け、あわやというところを死んだはずのマーヴィンとサラに助けられる。米ソ冷戦時代に核爆弾の部品を密輸し現地モスクワで完成させるという計画・ナイトシェードについての機密文書が機密情報公開サイト、ウィキリークスにアップされたらしい。フランクとマーヴィンは当時ナイトシェード計画の責任者である物理学者エドワード・ベイリー博士(アンソニー・ホプキンス)の護衛にあたっていたが、博士は暗殺されてしまった。フランクとマーヴィンは行方不明の核爆弾を奪った容疑者として国際手配され、各国の諜報機関から狙われていた。英国諜報局MI6からも、韓国人の殺し屋ハン・チョパイ(イ・ビョンホン)と、2人のことをよく知るスナイパーのヴィクトリア(ヘレン・ミレン)のもとに命令が下る。フランクはかつて深い関係にあったロシア諜報機関のカーチャ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)の協力を受け、MI6によるナイトシェード計画の報告書を入手。それによると、ベイリー博士は死んでおらず、25年にもわたり幽閉されているとのことだった。ロンドンに到着した一行は、彼らの無実を信じるヴィクトリアを仲間に加え、ベイリー博士を救出。しかし彼は認知症を患っている様子だった。MI6の隠ぺい工作に疑問を持ったフランクらは、今もどこかへ隠されている核爆弾を探しにモスクワへ向かう……。(Movie Walkerより)


友人と鑑賞のため、いつものワーナーではなくTOHO系劇場に行ったのですが、チケット購入は対面ではなく機械操作を客が行う方式なのね自分で席を選べるのは便利だけど、操作に慣れないと機械の前であたふたすることになりそうです。ポプコンやジュースを載せるトレイは便利だったわたまには違う劇場に行くのも刺激になっていいね

REDとはRetired Extremely Dangerous=引退した超危険人物の意味。老人と呼んで差し支えない年齢の彼らですが、現役に負けない戦闘&情報収集能力を駆使して暴れ回る姿に思わず心の中で喝采を叫んでいました。まさに「若造に世界が救えるか!!」てなもんです

過去に失敗した任務のせいで各国の諜報機関や殺し屋たちに狙われるはめになった彼らですが、やがて封印されたミッションに隠された真実が明らかになっていきます。

それにしてもブルース演じるフランクはジョン・マクレーンばりについてない男のようです。若い恋人と平穏な暮らしを楽しむ筈が、当の彼女は素人のくせに冒険大好きで危険の中に飛びこんで行くタイプさらに元カノで拷問大好きなロシアのスパイ・カーチャが加わり振り回されるフランクの姿が笑いを誘います。今回マーヴィンは傍観者を決め込みながらも何だかサラを気に入っている様子

ヴィクトリアはあくまでクールに決めてくれます。ベイリー救出に潜入した時は「私は女王よ!」と精神病患者を装うのですが「クイーン」を演じた彼女だからこその小ネタですハンに運転させながらの2丁拳銃捌きは惚れ惚れしちゃいます
他にもベイリーはレクター博士を連想させますし、それでいてボケ老人キャラで笑いをとったりと随所に映画ファンが喜ぶ小ネタを仕掛けているのも嬉しいね

殺し屋ハン役のイ・ビョンホンは先日観た「GIジョー2」に続き見事な肉体を惜しげもなく披露。だけど何だか微妙にREDたちにコケにされているというかあしらわれているというか自家用ジェットをREDに乗っ取られ、挙句爆破されちゃうんだもんなぁまだまだひよっこ扱いなんだな

そしてアンソニーおじさま・・もといベイリー博士はただのボケ老人じゃなかった!!彼の胸の中には25年間の恨みが積もっていたのね。結局フランクにしてやられるのですが最後のセリフ「そうきたか」に込められた彼の想いが伝わってくるようで・・おじさまさすがです

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G.I.ジョー バック2リベンジ

2013年12月02日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年6月8日公開 アメリカ 111分

アメリカ大統領(ジョナサン・プライス)に成り済ましたザルタン(アーノルド・ヴォスルー)は、宿敵である機密部隊G.I.ジョーに濡れ衣を着せ抹殺命令を下す。パキスタンで極秘任務に就いていたG.I.ジョーの面々は突如襲撃を受け、ロードブロック(ドウェイン・ジョンソン)、レディ・ジェイ(エイドリアンヌ・パリッキ)、フリント(D.J. コトローナ)を残して壊滅。G.I.ジョーは解体となり、最強の暗殺者ストームシャドー(イ・ビョンホン)が復活、テロ組織“コブラ”が再び勢力を広めていく。東京に始まり、上海、モスクワ、ワシントンDCと世界各地に脅威は波及、遂にはロンドンへ核爆弾が落とされ、世界は彼らにひれ伏すこととなってしまう。そんな中、孤立無援、絶体絶命のG.I.ジョーのメンバーは、初代G.I.ジョーであるジョー・コルトン司令官(ブルース・ウィリス)に救助を要請。新たなボスを迎えた新生“G.I.ジョー”が世界の危機に立ち向かっていく。


ロードブロックの親友のデューク(チャニング・テイタム)が襲撃で仲間を庇ってあっさりやられちゃうのにちょっと驚きました。今回は初代ジョーが活躍するからかな

前作で逮捕されたコブラコマンダー救出のため、死亡したと思われていたストームシャドー(イ・ビョンホンの鍛え上げられた裸体も十分に堪能できます)と新たに加わったファイヤーフライ(レイ・スティーヴンソン)が差し向けられます。その際に大火傷を負ったストームシャドーは治療のためコブラを離れますが、彼を連れ戻すためにスネークアイズが弟子のジンクス(エロディ・ユン)と共に活躍する場面では切り立つ崖のアクションに目を見張りました
スネークアイズとストームシャドーの確執の原因となった師の暗殺の真相が判明して、二人が一時的にせよ協力して敵を倒すという設定も面白かったです。

しかし・・アメリカが世界の中心的考えは健在だね。
いくらニセモノの大統領だったとはいえ、米国発で迷惑かけられた世界各国が黙って引き下がったんですかね?
あっさり核爆弾投下のスイッチを押すアメリカ大統領(ザルタン)に、各国首脳も続々報復のボタンを押す図式はなかなかシュールです
で、「や~めた!」と中止スイッチ押せばこれまた次々と追随する姿もなんだかなぁ
所詮人間なんてこの程度の感情的行動であっさりと地球を破壊しちゃうんじゃなかろうかと背筋が寒くなりました。

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愛、アムール

2013年12月01日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年3月9日公開 フランス= ドイツ=オーストリア 127分

パリ在住のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)は、共に音楽家の老夫婦。ある日、アンヌの愛弟子のピアニスト、アレクサンドル(アレクサンドル・タロー)の演奏会へ足を運んだ二人は満足して帰宅するが、翌朝アンヌの体調に異変が起こる。病院で手術を受けるが失敗に終わり車椅子の生活になったアンヌは、夫にもう二度と入院させないでと懇願する。二人はこれまでと同じ暮らし方を毅然として貫くが、やがてアンヌの病状は悪化していき・・。


第65回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した作品。
長年にわたって連れ添ってきた老夫婦が、妻の病に直面し、試練の果てにした決断を淡々と描いています。冒頭のシーンがラストに繋がるとわかるまで暫く時間を要した私って

老夫婦の何気ない日常はある朝突然崩れ去ります。
一時的に体が麻痺し記憶を失うという脳梗塞様の症状が出て入院・手術したアンヌですが、うまくいかず右半身に麻痺が残ってしまいます。自宅で療養することを決めたのは病院嫌いのアンヌのたっての願いからですが、老老介護の現実はお互いの忍耐と努力だけでは限界がきます。

車椅子から寝たきりになっていくアンヌを一人娘のエヴァ(イザベル・ユペール)は心配しますが、遠くに住んでいるため介護を手伝えるわけでもなく、あれこれ口を出されることを二人は嫌がります。階下に住む管理人夫妻も心配しながらも彼らの生き方を尊重し敬意をもって見守っていました。

アンヌが寝たきりになると、看護師やヘルパーも雇うのですが、アンヌへの扱いの何かが気に障ったジョルジュは首にします。その理由について、例えばこの頃のアンヌは「痛い痛い」としか口にしないのですが、これがジョルジュには虐待に聞こえたのか、それとも別の理由があるのか映画では示されないので、この場面は唐突に感じられました。

介護は奇麗事じゃないのでその苦労は他人には推し量ることしかできませんが、何もかも一人で抱え込むのは心身共に限界があります。ジョルジュが他人どころか娘さえ拒否して一人でアンヌの介護を続けたのは、妻に対する愛情はもちろんあったと思いますが、そうしている自分への自己満足も少なからずあったのではないかしら?老人特有の排他的な意固地さです。その結果彼は衝動的に妻を殺してしまうのです。この時既にジョルジュの精神は壊れてしまっていたのだと思うと、これを二人の間にだけ通じる「愛」と捉えるには悲劇的過ぎる結末です。

同じ題材を扱うにしても、邦画ならもっとウェットで心情面を強調した作品になるんだろうな。
観終わって楽しい気分にはなれない作品でした。

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