波打ち際の考察

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波屋山人

東京男子結婚危機説

2009-10-11 12:22:04 | Weblog
環七を走るバスは、世田谷区の高台を北上する。
空は、秋晴れ。
点在する白い雲は動かず、大きな海に浮かぶ小さな島々を連想させる。

澄んだ空の中心の、青色が濃いところを見上げる。
地球を包みこむ青色の向こうには、真っ暗な宇宙空間が繋がっている。

少し肌寒くなってきたこの季節に、自分の輪郭を意識する。
金木犀の香りが漂う町に、自分の嗅覚では感じ取れないレベルの香りがあることを想像する。


昨日は、日本酒と刺身がおいしいお店で、弟たちと飲んでいた。
弟の彼女が、来月から海外勤務となる。

東京の新興住宅地に生まれ、難関の大学院でMBAを取得し、大企業で大きなお金を動かす彼女は、さらなるステップアップを望んでいるのだろう。

ぼくの彼女は東京の下町に生まれ、勉強に打ち込んだこともなく、いい歳になった今もアルバイトをしたりごろごろしたり、気ままに生活している。

よく学びよく働く弟の彼女は、社会秩序を維持するために好都合な価値観に反することなく、社会的に高く評価され、秩序や組織の維持発展に大きく貢献するだろう。

秩序とは何か、混沌とは何か、価値とは何か、形とは何か、などといったことをぼんやりと考え、秩序の維持に貢献することに最適化できないぼくは、坊さんになったほうがいいのかもしれないけど、のどかな彼女と気楽に日々を過ごしている。

ぼくたちの相性はわるくないけど、弟たちの相性もわるくないだろう。
弟は、英語の堪能な彼女に言われて英語の学習に励み、TOEICのスコアもかなり上がったらしい。
自分の行動にあまり意味や理由が見いだせなくても、地道に努力を続けることができるのは、優等生たちのすごいところだ。

むかしから優等生だった弟と異なり、意味のない数字の羅列や公式の記憶が致命的に苦手だったぼくは、必要に迫られずお金を貯めたり語学を学んだり資格を取ったりすることを苦痛に感じる。

「そこに価値があるように思うのは幻想だ」「活用できないのにとりあえず持っておこうとするのは創造的ではない」など身もふたもないことを無意識に思っているのかもしれないけど、まあ、負け犬の僻みだと思われない程度には最低限の貯金と勉強はしているつもり。

農機具の使い方を学んで農機具の修理法を教えているけど農作物を作ったことはない、という人もいるだろう。
稼ぎ方を教えているけど稼げていないコンサルタントも少なくない。
むずかしい哲学や思想の知識はあっても意固地で地味で、幸せそうではない人も多い。
英語を学んでも活用していない人は多い。
そういうのってどんな意味があるのだろうと思ってしまう。


とりあえず、ぼくは目標をつくらないと、学ぶ気が起きない。
海外の人とコミュニケーションしたいとか、もう少し英語で日本の文化や商品について説明できるようになりたいとか、もう少し外国の人のしゃべっていることを聞き取れるようになりたいとか、興味を見出して気持ちを集中させたい。

きっと、幼少時に親に勉強をやれと言われ続けて極度の勉強嫌いになってしまったことと関係があるのだろう。
小中学校の頃から勉強が嫌いで予習復習はせず、宿題をしないで学校に行くことも多かった。
やる気が失せていた高校生のとき、「好きなことだけ勉強すればいい。だけど、できるだけいろんなことを好きになろう」と意識を変えて、少しだけ勉強嫌いを改善させた。

興味のある女の子が進学した学校を目指すことによって、なんとか大学に進むこともできた。
嫌に感じることからは積極的に逃避しようと考え、暇な田舎を離れ、スーツやネクタイが必要ない職に就き、競争相手の少ない分野で創作活動を行った。
極度の人見知りだけど、積極的に逃げていたら心の広い人と知り合うこともでき、わるくない状況だ。



そんな話はともかく、弟の彼女もぼくの彼女も東京23区内出身ということは共通している。
ぼくたちの育ったど田舎の十数戸の集落から、たしか5~6人の男性が東京に出てきた。
そして、その多くが東京出身の女性と付き合ったり結婚したりしている。

勤務先の男性は地方出身者が多いけど、女性は東京出身者が比較的多い。
そして、東京出身の女性の結婚相手は地方出身者であることが多い。

地元を離れて東京に進学する男女の比率、地元に帰らないで東京で就職する男女の比率も、男性の方が高いだろう。
結果として、多くの男性が全国から東京に集まり、東京出身の女性と出会って結婚している。

東京出身の男性にとっては東京の女性たちを地方出身者たちに奪われることになっているのではないだろうか。
地方から出てきて東京に住んでいる男性は、高学歴高収入な人たちが少なくない。
上昇志向のたくましい男だってめずらしくないだろう。
東京出身の独身彼女なし男性たちは、のんびりしていられない状況だ。

東京出身の男性にとって、結婚は非常に難しいものになっている。
意識しないうちに競争率の高いところに投げ込まれているのだ。

地方の大きな都市は、近隣市町村の女性が多く集まっているから、男性が優位に立っている。
新潟や浜松や姫路や熊本などといった地方の中核都市に住んでいる男は、意外に結婚求人率が低くない。平凡な男がすてきな美人と結婚していることも少なくない。

そこで、東京出身の未婚男性に提案がある。
「地方の支社に行って女性と知り合いになるか、東京の30代の女性を視野に入れよう」

全国的に、20代女性は年上か同年代のお付き合いを望み、
30代女性は同年代か年下の男性を望む傾向がある。

ところが、20代男性は年下か同年代の女性を狙い、
30代男性も年下か同年代の女性を狙っている場合が多い。

まだ若いと思っている30代女性は40代男性を敬遠しがちだし、
若い子の好きな20代男性は30代女性を狙っていない。
ミスマッチだ。そこに下手に巻き込まれると彼女はできにくい。

競争率の低いお得な人生を狙うなら、20代男性は30代女性を視野に入れよう。
ぼくの知り合いには、30代の魅力的な女性が何人もいる。
みんな性格も穏やかだし、趣味も良く、やさしいし知的だ。
かわいい男性を養ってくれるかもしれない。

東京在住の30代女性は未婚率が高い。
団塊ジュニア世代は、年上の世代の男性が少ないし、同年代の男性たちは年下の女性を狙ったりしている。
しかも高学歴で精力的に働いている女性は、気弱な男性たちのターゲットになりにくい。

東京出身の20代男性は、有能な地方出身者と競争すると負けてしまうかもしれないから、30代の女性とお付き合いすることも視野に入れればいいのではないだろうか。
効率のいい人生、コストパフォーマンスのいい生き方を考えるなら、そういう視点も必要だ。

ワインスクール、製菓学校、テニスサークル、語学学校、ダンススクール、異業種交流会、短歌サークル、さまざまな所に30代独身女性は集まっている。
引きこもりがちな20代男性も、どこかに出かけてみればいい。きっと、若々しくて懐が深くて楽しい人と知り合うことができるはずだ。



コメント (1)
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