Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

アメリカン・アイドル シーズン14 TOP7→6

2015-04-26 17:00:48 | アメリカンアイドル
トップ7ともなると全員が顔付きが引き締まり、全身から輝きを放っている。
ここまで来たら、優勝も夢ではないと思うコンテスタント、
反対に優勝は狙えなくてもその瞬間にすべてを賭け、自分自身に正直に、
悔いなく燃焼しようとするコンテスタント。
番組を通して歌手としてばかりか人間的にも大きく成長、
開花を遂げた人達。
今回は通して観て、なぜこの番組に惹かれて10年観続けているのか、
この番組の原点に返って良さを見直した気がする。

"#save 〇〇"というツイートを読んでしまったのと、
前回脱落したカシムのお母さんが意味深なツイートを
あるコンテスタントの名を上げてしていたので、
その人が今回落選するのかと思い込んでしまったが、
それはこれから起こるドラマについての序章に過ぎなかった。

今回のテーマは「アメリカの名曲」 "American Classics"
視聴者からのリクエストが多かった曲から、
一人2曲づつのパーフォーマンスになる。

ライアン・シークレスト、この番組の司会を14年していることになるが、
いつも若々しく元気一杯で全く年を取ったという様子が見受けられない。
しかし今回は最後まで観て少し声が掠れていることに気づく。
またいつもより更にハイテンションに思えたのは、案外体調が悪かったのかもしれない。
人気番組の司会を続け、休むことも許されない状況に長く身を置いてきたライアン。

審査員のハリー・コニックJr.、今日はベージュのスーツにグレイのシャツ、
黒のニット・タイでダンティーに決めている。
この番組の中ではユーモラスな面が強調されているが、
アメリカの映画やドラマの中で彼が演じる役はクールなハンサムガイが多い。

ジェニファー・ロペス、この日はゴールドのグラデーションの入ったスパンコール、
白い縦のストライプがアクセント、
ロングスリーブのミニドレスが彼女のブロンドの髪にマッチしている。
時としてドレスコードがR指定気味と感じることもあるが、
今回は番組に相応しいアウトフィット。

キース・アーバンはハリーの顔がプリントされたTシャツ。
キースもニコール・キットマンの夫としてアカデミー賞やグラミー賞で見る時と、
この番組での姿はかなりギャップがあり興味深い。

前置きがだいぶ長くなったが、トップバッターはティアナ。
白いブラウスに同色のタイ、黒の縁取りがアクセント。
黒のタキシードパンツが良く似合っている。
番組のメンター、スコットからラジオの収録の際に積極的に振る舞わなかったこと、
この業界でやっていくためには常に積極的に人に自分を印象付けるようにしないと、
とアドバイスされる。
それがスターというものではと優しく諭される。
シャイなところがティアナの可愛らしさでもあるとは思うが、
スコットの説はもっともだ。
今シーズンのメンターを担当したスコット、
一人一人のコンテスタントに対して、
愛情を注ぎ、全員と信頼関係を築き、
親身になってアドバイスしている姿も観ていて気持ちが良い。

Frankie Lymon & The Teenagers"Why Do Fools Fall in Love"
私はこの曲をダイアナ・ロスのヴァージョンでしか知らなかったが、
今回、ハリーの指摘で初めてオリジナルのフランキーの歌う白黒の映像を観た。
残念ながらティアナ、この曲の持つ躍動感を表現できなかったようだ。
また曲の中で盛り上がる場面も作れなかった。
ティアナに合っている曲だったはずだけに力が発揮できずに残念。
今日は2曲を歌う日、二つの曲をマスターしきれなかった結果だろうか。

クラーク、今まで服装や見かけについて考え直すように言われてきたが、
今回は黒のパンツ、白のシャツに黒いタイで決めてきた。
スコットのインタビュー場面で「最初ははるかかなたに思えたこと、
『優勝』がここまで来ると手が届きそうに思えてきた。
持てる力をすべて出し切って優勝を狙いたい。」と宣言。

Stevie Wonder"Superstition"
多くの人が歌うスティーヴィーの名曲、クラークのアレンジはスキャットから始まる。
クラーク、最初は観客に背を向ける形で歌い出すが、
いきなりこのメロディーで音を取るのは至難の技だったはずだ。
ホーンがバックバンドがクラークの歌を固める。
最後もスキャットで締める。
鳴り止まない拍手、審査員からも絶賛される。
前回にギターは余り向かないと言われながらもギターをまた敢えて用いたこと、
反対にその頑固さが称賛される。
この日はそれぞれが家族の繋がりについても語る日。
クラークのギターはお父さんが若き日に愛用したブランド、
フェンダー社のストラトキャスター(Stratocaster)タイプを使ったそうで、
客席の父とギターを弾く若い頃の父の写真がアップになる。

JAX、スコットのインタビューの中で「聴く人に何かを感じてもらいたい。
笑顔であったり涙であったり、愛情だけでなく、ある時は嫌悪感であったとしても。」
その言葉に良く言ったという表情のスコット。
スターであるためには好いてくれる人だけでなく嫌われることもある。
その現実を受け止めながら強気の姿勢を忘れないようにとアドバイス。
Janis Joplin"Piece of My Heart"
ジャニスの雰囲気を掴みながら今時の若者らしさも表現。
ハリーから「このアレンジはジャニスとアーマ・フランクリンの中間だね。」
ハリーは自分の分野だけでなく、ほんとうに音楽の知識が豊富で、
番組に備えて予習もしているのに感心させられる。

ニック、初めて優勝を目指すと宣言する。
ここの所、観客からも審査員からも高い評価を受け、
自信が漲ってきている。
優勝も狙えるはずという欲が出てきている。
Tom Petty & the Heartbreakers"American Girl"
力強く歌い切り、観客の歓声が止まない。

クエンティン、スコットに「敵は?」と聞かれ、「自分自身」と答える。
「不安を乗り越えることだね?」とスコットは受け止めていたが、
この後に起きることから、「敵は自分自身。」という言葉を、
目の当りにすることになる。
この後の言動から彼に対しての評価、好き、嫌い、認めるか、叩くか、
と二分されることになってしまう。
しかしそういう意味で先ほどのJAXとスコットの会話、
嫌われるとしても人の心に残るかということ、
ティアナとの対話、スターは常に人に印象付けることが大切、
というすべてを備えるアクシデントを起こしてしまったことは、
この日の番組を面白くすると同時に意義深いものにした。

Lenny Kravitz"Are You Gonna Go My Way"
今までMaxwell等に近いイメージだったクエンティン、
バンドとのビートの効いたセッションを見せる。
今回、2曲歌うことで普段一曲で勝負するのだったら、
ドラマチックな曲を選ぶ、自分の本領発揮の選曲になるのに、
二曲歌うのなら思い切って違う面も見せてくるコンテスタント達。
クエンティンのパーフォーマンスも中々良かった。
バンドの勢いに押されていたというハリーに、
バンドと張り合わずに自然体で良かったとキース。

歌い終わった後、不機嫌な様子のクエンティンに「何を考えてるんだ?」
とライアン。
「最低だ(sucks)」と答えるクエンティン。
「最高のボーカリストと自分にとってのベストフレンドがボトムだなんて。」
ボトム2のジョーイとレイヴォンが映る。
顔をくしゃくしゃにして感動を表しているジョーイと
びっくりして表情を殺すレイヴォン。
そんなことを言ってはいけないと言外に諭すライアンと握手するクエンティン。

しかしハリーが「何だ、今のは?」
「オンエア、それともコマーシャル中?」と尋ねるハリー。
エア中だとライアンが答えると「君のために番組はたくさんのお金を使い、
才能を磨き投資している。
番組を侮辱するのなら家に帰ればいい。」
戻り掛けたクエンティンはハリーの前に進む。
「番組を侮辱したんじゃない。二人の脱落に対してがっかりしたんだ。」
ライアンが二人の間に入りまとめる。
それでもFから始まる罵り言葉を使ったわけではないから、
全くキレて自分を失ったわけではないはずのクエンティン。
率直な気持ちを電波に乗せてしまった。

ジョーイ「風変わりな私はトップ12でも注目されていなかった。
それでも今、ここにいる。」
スコット「君には誰にも真似できない芸術性がある。」
Frank Sinatra"My Funny Valentine"
誰もが知るスタンダードなジャズのナンバー。
パープルの髪をストレートなボブにして、黒のロングドレス、
シルバーのネックレスとベルトがアクセント。
アイメークはほんの少しのラメを効かせて、
パープルなリップがアクセント。
声の美しさ、特徴を生かしオーソドックスに歌い上げた。
コンテスタントの席では一人残ったレイヴォン、
これから自分の生き残りを賭けてのパーフォーマンスをする前なのに、
スタンディング、笑顔で拍手している。

ハリーにとっては十八番の分野、
「審査員じゃなかったら君を指導できるんだけど。
今の歌を更に良くする15の方法を僕は知っているよ。」
キース「得意分野でないジャンルに挑戦する君の姿勢が好きだ。」
ジェニファー「声は合っていたけれど心に響くものがなかった。」
確かにその通り、違う面を見せてくれたが感動がなかった。

レイヴォン、スコットから「ここのところ、ボトムに選ばれているけれど、
良く乗り切っているね。
その経験を生かすように。後半からではなく序盤から力を出し切れ。」
とアドバイス。
「ボトムに選ばれても、この場に居られることの幸せを噛みしめている。
ここからいろいろ学び、自分自身の成長の糧にしたいと思っている。
この経験が今後の自分の生涯を通して役に立つものになるはず。」
この人は変わった。
最初の好青年のイメージからメンターのボーイ・ジョージに楯突くかと思えば、
謙虚になり自分と向き合い、二度とない瞬間を楽しもうと取り組んでいる。

The Doobie Brothers"Long Train Runnin"
今シーズンはカントリーシンガーはいないし、
私の好きなジャンルの曲が連発になり、笑いが止らない状態。
レイヴォン、アップテンポの踊れる曲もちゃんと歌えることを証明した。
ダンスもしっかりきめている。
2曲歌うのならこういう曲もあり、一曲だけなら得意のバラードで攻めたい、
という彼の気持ちが良く分かった。
ジェニファーから「個性を出しつつ成長している。
ボトム2から二度も這い上がった姿は素晴らしい。」
ハリーから「ボトム2に続けて三度も入ってしまったのに、
逆境の中でエレガントさと品格を保っている。
そこが君の強さだよ。」と。

二曲目のトップはクラーク。
スコットとの対話、今回は全員が家族について語る。
「僕の両親は僕が自分を信じられない10歳の時から、
僕の才能を信じてくれた。もし優勝したら『言った通りだろう』
と喜んでくれるはず。」心なしかクラークの目が潤んでいる。

先ほどの服装に黒いジャケット着用でピアノの前に座る。
Frank Sinatra"Moon River"
ピアノに向かいながらもカメラ目線を投げかける。
乙女心に訴える夢心地にさせる歌詞を一つ一つと大切に扱いながら、
観客へと伝える。
フランク・シナトラ、アンディ―・ウィリアムズが歌うこの曲、
そして映画「ティファニーで朝食を」のテーマソング、
NYCのアパートメントの外階段でギターを手に物憂げに、
この曲を歌うオードリー・ヘップバーンの姿も浮かんでくる。

もう内に向かうばかりのアーティストではなく、
エンターテイナーの域に達した。
マイケル・ブーブレのようなスタイルも彼には不可能ではない。

ティアナ、「他の兄弟もいるのに母は私のために、
今回付いて来てくれて、ずっと応援してくれている。」と兄弟と母に感謝。
Creedence Clearwater Revival"Proud Mary"
ゴールドのトップとパンツ、黒のショートジャケットがお洒落。
聴き慣れたヴァージョンはティナ・ターナーだが、
ティアナが選んだのはCCR。
後半からぐっと盛り上がり、本領発揮。

ニック、家族を語る場面で父の話になる。
「父はずっと音楽をやってきた。
勝ち進む僕を見ながら感極まる姿に最初は驚いたりもしたが、
『自分が頑張ってきたことがお前の今に繋がってるんだな』
という一言にぐっと来た。」と涙ぐむ。
Billy Joel"Only the Good Die Young"
初めてニックの歌に素直に感動できた。
椅子に座って歌い始め、最後は立ち上がり、
観客へと向かって来るが、これは予定外だったそうだ。
アレンジはボーカルコーチとニックが相談して作り上げたという。
主観と客観から最も彼に相応しいアレンジが出来上がった。

クエンティン、子供の頃の写真にニューオリンズのビーズを掛けたものがある。
音楽の街で育ったクエンティン。
お母さんはずっと自分の歌のファンだったと話す。
Simon & Garfunkel"The Sound of Silence"
映画「卒業」のテーマの懐かしい名曲を今風のアレンジにして、
クエンティンらしい盛り上がる場所も作っている。

ジェニファー「さっきの発言にはびっくりした。
あなたは優しい人で今日は感情が高ぶっているのかもしれないけれど、
抑えるのがプロとしての在り方。」と。
ハリー「歌詞は深められていたが、いつも言っているように音程を保つように。」
先ほどの発言についてクエンティンは謝罪する。
「誰も侮辱する気などなかった。」
音楽が彼の言葉をかき消そうになり、ライアンは音を静止するようにと合図する。
「ハリーを殴るのかと思って止める覚悟だったんだ。」というライアンに、
「まさか、とんでもない。」とクエンティン。

いかなるアドリブにも対応するライアンの大物振りがうかがえる。
客席のスコットが微笑む姿が映る。
休憩時間中にクエンティンに謝るようにと話し、
彼もそれを素直に受け入れたのかと思う。
しかし彼が一番侮辱してしまったのは、
熱心に真剣に投票する視聴者になってしまったのではないかと危惧する。
また本人がライアンに尋ねられて一曲目の方が、二曲目よりも巧く歌えた、
と答えた言葉の裏には発言が呼んだ波紋に動揺し、
本来は完璧にこなす予定だった二曲目に
その影響が出てしまったからではないのだろうか。

JAX「お父さんは911で負傷し消防士を退職した。
力強いけれど、繊細な部分も持っているのが私と共通している。
それを大切に歌に表現していきたい。」
Michael jackson"Beat It"
一気に曲に入り込んだジャックスの集中力に感心する。
誰もが好きで知っていて歌いこなすのが難しいマイケルの曲。
一曲目から静電気で髪が逆立っているジャックス。
ジェニファーが静電気防止のために使っているというヘアケア製品、
そしてウェットティッシュが運ばれてくる。
ヘアスプレーをライアンにかけるジャックス。
ライアンはティッシュのボトルをハリーに投げ、受け止めるハリー。
今度はハリーが投げ返したロールをジャンプして受け止めるライアン。
やはり今日はライアン、アドリブも連発で凄いテンションに入っている。

レイヴォン「自分の経験を歌に込めていきたい。」
スコットから意味を突っ込まれて「心の葛藤、母子家庭で育ったこととか。」
と答える。
「お父さんとは連絡を取っているの?」との質問に、
「父は傍にはいてくれなかったけれど、僕を誇りに思ってくれていて、
息子として認めてくれているんだ。」と答えたが、
この時のレイヴォンの表情に言葉とは裏腹な真実が画面から浮かび上がる。

Willie Nelson"Always on My Mind"
三回目に崖っぷちに追い込まれたレイヴォン。
複雑な環境に育ちながら、
心にそれを秘めてきたレイヴォンの苦悩が伝わってきて、
胸を突かれる。
実は我らがエリック・べネイもこの曲をカヴァーしているが、
エリックには申し訳ないが、レイヴォンの方が巧かった。
心の内のすべてをさらけ出し歌うレイヴォンの姿には涙が出た。

「一緒にはいられなかったけれど、いつも君は僕の心の中に居たよ。」
という歌詞が先ほどのレイヴォンの父親のエピソードから繋がり、
心に突き刺さる。
今回、父との絆を語るコンテスタントが多い中、
自分の父にもそうあって欲しかったと願うレイヴォンの気持ちが痛い程、
胸に響いてくる。

ニックも感動で涙を拭っている、キースも下を向いてしまう。
声の美しさばかりか、感情をストレートに出したレイヴォンに、
ハリー「君はバラードのシンガーで良いんだって思った。
感情さえ込めることができれば、それでいいんだ。
人柄も音楽のスタイルも申し分ない。」

ジョーイ、お母さんがR&Bからロックまで幅広い音楽の趣味を持っていた
ことに影響された、
おじいちゃんは今でも私のことをカントリー・シンガーだと思っている、
と笑わせる。
Jefferson Airplane"Somebody to Love"
声に表情にジョーイらしい魅力が溢れるステージ。

さて、二人のツイッター投票対決が始まる。
投票にあてられた時間は5分。
ジョーイは初めてだけどこれを三回目に経験するレイヴォン。
その間、ずっとステージに立ち、待ち続ける人にとって、
いったいどんなに長い5分間だろうかと思う。
「二人とも笑顔だけど、どうやって過ごすか、
レイヴォンはジョーイにアドバイスしたの?」と聞くライアン。
「深呼吸、リラックス、長い5分だけど必ず乗り切れるよ、と伝えたんだ。」
とレイヴォン。

接戦で52%で勝者が決まったとの解説に、
思わず修羅場を乗り越えてきたレイヴォンに声援を送りたくなる。
結果を聞き、ジョーイを抱きしめるレイヴォン。

審査員達からここまで来た人は実力があり、毎回が楽しみだった、
皆、これをバネに強くなり、業界でも人生においても、
必ず成功するはずだと。

トップ6が決まった。



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