Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

キャンディスと振り返るアメリカンアイドル12

2013-06-05 10:47:27 | アメリカンアイドル
TVラインHQ、Michael SlejakによるCandiceのインタビュー映像2本と
かつてシーズン6で実力がありながらトップ3に漏れたメリンダ・ドリトルと振り返る
今回のアメリカンアイドルシーズン12のエピソード1本が掲載されている。
その中の要旨をまとめてみた。

http://tvline.com/2013/06/01/candice-glover-american-idol-idology-exit-interview/

残酷で予想外だったシーズン11のラスヴェガスでのキャンディスの脱落、
その後、サウスカロライナ、セントヘレナ島に戻ってから、
キャンディスはカントリー、フォーク、ブルース、
テイラー・スウィフトの曲などを聴き、
オールラウンドなアーティストになることを目指した。
その過程において、自信を回復し、
「業界向きではない」「売れるとは思えない」という審査員からの厳しい指摘、
ネット上に寄せられた視聴者からのコメントと真剣に向き合い、
シーズン12へと挑戦する気持ちへと切り替えた。

トップ7の段階で審査員、メンターのジミーがそれぞれの考えるトップ3を発表した時、
マライアしかキャンディスをトップ3として予想していなかったこと、
ランディーから「チャーチガール」と言われたこと、
それぞれについての本音を語ってくれた。

シーズン11でジェシカとディアンドレと三人でラスヴェガスのグループ予選で歌った時、
自分は自信があった。
それなのに脱落したこと、寄せられたコメントなどから自分は「フロントランナー」
に向いてないのでは(バックボーカル向きでリードボーカルに相応しくないのでは)
と考えたりもした。

シーズン12、グループ予選では以前の経験をもとに納得するパーフォーマンスができた。
"Natural Woman"、この曲はブラックガールがここぞという時にピッタリな曲だと思った。
いろいろな人が歌っていてどの人のヴァージョンにしようかと思案した。
結果的には自分らしく歌えたと思う。
"I Who Have Nothing"ではスタンドマイクではなくハンドマイクで歌うことに決める。
ビートルズの特集では"Come Together"、最初はクールな曲だと思い、
気軽に決めてしまったが歌詞が意味不明で練習する段階で戸惑った。
それでもリラックスして良い雰囲気で本番では歌えた。

トップ7ではラザロに足を踏んづけられて痛くてたまらなかった。
スタイリストがアンバーにしてるように自分のことも毎回ヘアスタイルを変えたり、
放送回ごとに違ったイメージを作り上げようとしたが、
「私はこのままでいい。」と自分を貫いた。

マイクを持って歌いながら登場し、中央にあるスタンドにマイクを置き、
そこで歌うというシナリオだった時に、ステージ中央に歌いながら歩み寄ったら、
サックス奏者が中央で演奏していてスタンドはどけられてしまっていた。
そのまま、中央から引き返して歩きながら歌い続けたが、カメラがそれを追ってくれて、
むしろ効果的な演出になった。

トップ2で"I Who Have Nothing"をもう一度歌うことにした時、
前の時と同じように歌うわけにはいかないと思った。
自分の目の前には審査員だけでなく、テレビの前での観客たちがいる。
その人たちの期待に応えなければいけない。
そこで冒頭の部分をアカペラで歌うことにした。
最初がアカペラなのはとても緊張したけれど。

優勝者に与えられるその人のために作られリリースされる曲、
"I Am Beautiful"
「好きな彼には分ってもらえなくても私は美しい」という歌詞、
共感できるというメッセージをたくさんもらうが、
歌詞を書いたのは自分じゃなくて、ちょっと照れくさい気がする。
でもありがたいと思っている。

グランドフィナーレでのジェニファー・ハドソンとのデュエット、
ジェニファーは忙しいからリハーサルの時間が余り取れない、
自分のパートをしっかり一人で練習するようにと言われた。
しかし一緒に歌った時に素晴らしいケミストリーが生まれ、
そしてジェニファーは気さくでとても感じの良い人だった。

(ここで番組側からキャンディスにお花のプレゼント。
パープル系の小花をまとめたブーケに「私の今日の服とぴったりだわ。
ほんとうにありがとう。」と喜ぶキャンディスがすごく可愛い。)

もう一本のメリンダと振り返る今回のシーズン。
最高の瞬間と「?」の瞬間について語られていて私が感じたのと重なる部分も多々あり、
興味深かった。

「マライアがなぜ口パクにしたのか、理由がわからない。
女優やモデルではなく偉大なるディーヴァが演出を歌よりも優先するなんて。
口パクであっても音声と口を合わせればまだ良かったのに全くチグハグだった。」
「アダムがアンジーとのデュエットでアンジーの引き立て役に徹し、
アンジーの良さを引き出しているのが素晴らしかった。」
「ラザロがキャンディスにとって最高の瞬間である優勝発表の場で、
ずっとガムを口を開けて噛み続けたのは許せない。」等々。

まだまだ本当のアメリカンアイドルの裏話はありそうだが、
公表できるのはこのくらいかと。
キャンディスのインタビュー、ますます彼女のことが好きになる謙虚さ、
可愛らしさが出ていた。
特に普段話す声が静かで穏やか。
その中に秘められた闘志やプロ意識、
人知れず重ねた苦労があるかと思うと感慨深い。

アメリカンアイドル シーズン12 グランドフィナーレ

2013-05-31 00:42:57 | アメリカンアイドル
キャンディスvsクリーの決勝、ソウルvsカントリー、サウスカロライナvsテキサスの戦いになる。

1曲目、番組制作者、サイモン・フラーの選曲で、クリー"Angel"、キャンディス"Chasing Pavements"
2曲目、優勝した場合のデビュー曲になる歌、クリー"All I Cried Out"、キャンディス"I Am Beautiful"

3曲目は今シーズンに歌った曲の中から、クリー"Up To The Mountain"
赤いドレスで歌うクリー、ここまで来たという自信と喜びが前面に出ている。
キャンディス"I Who Have Nothing"
アカペラで始まる。スモークがきつすぎてステージのキャンディスの姿が見えなくなるが、
そんなことは物ともしないキャンディス。
もう神々しいばかりだ。
アメリカ国民ばかりか神仏も味方につけた。
こういうゾクゾクする瞬間が観たくてこの番組を見続けている。
最後の"I Love You"には鳥肌が立ち涙。
観客もスタンディング。
キャンディスは黒のスパンコールのドレス、初めて膝上寸で足を見せているのが可愛い。

歌としてはキャンディスが圧勝だ。
それでもクリーの惹きの強さも感じ、前回予想外にアンジーが落ちただけに結果は読めない。

フィナーレのレッドカーペット。
シーズン8のアダム、ダニー・ゴーキー(エリックべネイと同郷のミルウォーキー出身)
シーズン9のリー・デワイス、シーズン10のスコティーの姿が映る。
スコティーが太目になったのに対しダニーは引き締まっている。

男性のトップ5のパーフォーマンス、フランキー・ヴァリが登場し、
ヒットメドレーとなる。
5人の中でポール・ジョリーが光って見えた。

マライア・キャリーのパーフォーマンス。
なぜフェイクなんだろう?
今までゲストの人で口パクで歌った人なんていただろうか?
理由を考え始めたら気になってパーフォーマンスを落ち着いた気持ちで観れなかった。

"Inseparable"、キャンディスが歌い始めるとゲストはジェニファー・ハドソン。
3回目の挑戦でここまで来たキャンディス。
ファイナリストに選ばれながらもまさかの敗退をしたジェニファー。
ジェニファーはその後、自分がアカデミーもグラミーも取るなんてその時想像できただろうか。
キャンディスだってジェニファーと共演する自分の姿など考えもしなかったはずだ。
傷ついたところから立ち上がってきた二人のパーフォーマンスは圧巻だった。

トップ3のアンジー。
アダムばかりかジェシー・Jとの共演。
アンジーはソロだけでなくデュエットにも長けている。
ファイナルを目前に敗退してしまったアンジー。
番組はこういう人を放ってはおかない。
しっかりと華を持たせた。

キースの曲でクリー、ランディー、キースの共演。
二人に囲まれてクリーも嬉しそうに弾けている。
ランディーは今回で番組を去る。

しかし、ここまで来てなぜニッキーのパーフォーマンスがなかったのかと不思議になる。

NYのアレサ・フランクリンと中継を繋ぎトップ5の女性達と"Natural Woman"
アレサのソロは素晴らしいが、中継の共演というのもちょっと寂しい。
そして共演というよりもトップ5は完璧なバックコーラス。

最後のゲストはジェニファー・ロペス。
相変わらず綺麗だ。シンガーというよりもダンサー、女優だ。

トップの画像は二人で歌い終え、発表を待つキャンディスとクリー。
二人とも輝いている。
ここまで来たら悔いはないはずだ。
いや、ここまで来たら優勝したいという気持ちも強いはず。

キャンディス、優勝おめでとう!

それまで緊張している様子だったクリーに対して、表情を抑えていたキャンディスの涙。
キャンディスと仲の良いバーネルが自然に寄り添う。
デビュー曲の"I Am Beautiful"を歌うキャンディス。
初めて涙で歌にならない。

「どれだけ泣いても傷ついても何を言われようとも私は美しい」
という歌詞がキャンディスにぴったりだ。
今までのキャンディスの苦労が報われる心洗われる瞬間だった。

Deandre、Newシングル"Her Crazy"

2013-05-30 09:58:47 | アメリカンアイドル
昨年のアメリカンアイドル11のトップ8だったディアンドレ(テレビの字幕ではデアンドレですね)
6/4にシングル"Her Crazy"がリリースされる。
既にプロモーションヴィデオも撮影されている。

エリック・べネイのツアーマネージャーだったケヴィンがディアンドレのマネージメント、
新曲のプロデュースなどを行っている。
http://www.truthrecordsllc.com/

新曲発売に向けてTシャツの販売も開始されている。
どちらも可愛いデザイン。


あらためてディアンドレの経歴、インタビューをチェックしてみると、
子供の頃にハワイに滞在したことがあると知り、ようやく謎が解けた思いだ。
「アメリカンダンスアイドル」でもハワイ出身のダンサーはアメリカ本土とは異なった
独特の持ち味があった。
ディアンドレもR&Bを基本としながら、そこにソフトな雰囲気が加わる。
映像を捜すとハワイアンを歌うどころかハワイアンダンスを踊っているものもあった。

アメアイではオールドスクールのR&B、スタンダードなジャズのナンバーを歌い、
エリックべネイやフィリップ・ベイリーとはまた違うファルセットを聴かせてくれたDre。

新曲発売、PV公開、共に楽しみ。

アメリカンアイドル シーズン12 トップ3→2

2013-05-23 22:32:14 | アメリカンアイドル
今回の見所は里帰り、地元への凱旋ツアー。
里帰りをして戻ってくるといつも思うことだが、皆表情が変わる。
缶詰になってひたすら次の回に向けて歌をマスターしていたところから、
スタートする前の日常に帰ることで、自分を取り巻く環境がどれだけ変わっていたか、
驚くと共にここまで来たら、応援してくれる人のためにも何としてでも勝ち残りたい、
という気持ちも強くなる。

今回は一人三曲。
一曲目は番組のメンター、ジミー・アイオヴィンの決めた曲。
クリー"Perfect"
ニッキーから「カントリーを歌うのなら、ヒールの低いブーツで思いっ切り動いてみたら?」
確かにクリーの服装はスタイリストが悪いのか、本人の意志なのかはわからないが、
他の候補者に較べるとしっくりこないものがある。

キャンディス、U2"One"、U2よりもメアリー・J・ブライジのヴァージョンに、
馴染みがある人が多いはずだ。
メアリーと較べてしまうと何か足りない。

アンジー、エルトン・ジョン"Sorry Seems To Be the Hardest Word"
ピアノの弾き語りを期待したリクエストだったが、ピアノは使われない。
アンジーの意図が何かあるのかと思ったら「曲がマスターできないと思ったので。」
それでも感情のこもった素晴らしいパーフォーマンスだった。

2曲目は審査員の選んだ曲。
キャンディスの4か月振りの帰省の様子が映る。
サウスカロライナ州で元の職場やガラ族の集まりを訪れる。
曲はエミリー・サンディー"Next To Me"
先ほどのメアリー・Jの曲と共に今回の出来栄えに余り納得できず、
やはり3曲は厳しいのかなと思う。

アンジー、マサチューセッツ州で友人と会ったり、
自宅で家族や愛猫を抱きしめたり、おばあさまも大喜びでパレードに参加。
曲はピンク"Try"

クリー、テキサスの故郷ではクローフィッシュ、ザリガニのパーティーで迎えられる。
その後、両親と暮らした家を訪れる。
今は廃屋になり、朽ち果てるままになっている家。
クリーは12歳で父を飛行機事故、19歳で母を交通事故で亡くした。
「ビタースイートね?」と言う姉と抱き合うクリー。
その家を前にして「ここが私の原点。」と話すクリー。

今回の里帰り、最初の二人の様子を見ながら、
もちろん微笑ましく、祝福する気持ちで観ながらも、
なぜかもらい泣きするほどには至らなかった。
今までの里帰り、淡々として感情を見せず、
普段は涙など決して見せなかった人、やはり男性が多いかもしれないが、
そういう候補者が感極まる姿に観ているこちらも涙を誘われた。

ところがクリーの姿にはガツンと来た。
こんなに辛いこと、自分の過去の思い出したくない、
人に見せたくないかもしれない部分をさらけ出すクリー。
番組側の作戦だとしても、背後にあるのはクリーの人生であることには間違いない。
アメリカ中がクリーを「今まで良く頑張ってきた。」と抱きしめたい気持ちになったはずだ。
里帰り映像から繋がるラスカル・フラッツの曲には審査員も涙だった。

3曲目は番組の制作サイドが決めた曲。
客席にトップ10の姿がある。
アンバーの姿も。
他の人達はともかくトップ3の様子を
里帰り映像も含めて見守るのはアンバーには酷だ。

アンジー、ピアノの引き語りでエミリー・サンデーの曲。
印象に残るパーフォーマンスとは言えなかった。
クリー、ザ・バンド・ペリー"Better Dig Two"
2曲目と比較し酷評されるクリー。
停滞しているかと思う雰囲気を振り払ったのは、キャンディス"Somewhere"
ウェストサイド物語のナンバー。
他の2曲の出来などどうでもよくなってしまう圧倒的な底力を見せた。

結果発表

キャンディスがトップ2に決まる。
最後の歌からすると当然の結果だ。

残ったクリーとアンジー。
誰もがアンジーと思っていたが、まさかのクリーのファイナル進出。
アンジーの脱落に審査員達も一様に驚いているが、
一番当惑しているのはアンジーだ。
今までボトムにも入ったことがなかったのだから。
アンジーの涙、悔しさ、無念さが伝わってくる。
"Never Let You Down"「決して失望させたりしない」という歌詞が切ない。
涙で途中から歌えなくなり、家族、審査員、キャンディスとクリーが抱きしめる。

アンジー、優勝候補とも言われ、決勝進出は確実と思われていた。
本人も確信していたはずだ。
今回、キャンディスの最後の曲は他に類を見ぬ存在感を示した。
クリーは里帰りで自分の生き様をストレートに観客にさらけ出した。
アンジーはそういう意味でドラマが足りなかったのかもしれない。
しかしこういうどんでん返しがあるのがアメアイの魅力でもあると思った。

アメリカンアイドル シーズン12 トップ4→3

2013-05-16 16:24:31 | アメリカンアイドル
トップ3の結果が一週間、先送りされたことでトップ4達は、
今までにかつてないほどの緊迫した雰囲気に包まれている。

客席に「アメリカンアイドル」のプロデューサー、ナイジェル、
そして同じくナイジェルがプロデュースし審査員も務める「アメリカンダンスアイドル」
こちらの番組での審査員を務めるメアリーの姿も見える。

今回はゲストメンターにハリー・コニックJrが迎えられた。
テーマは最近の曲とスタンダードな曲。

アンジー、リアナ"Diamonds"
アンジーの得意とするピアノの弾き語りなのに、今回ばかりはマジックが消えてしまった。
いつもはピアノに向かい集中して曲に入り込むが、今回のアンジーは客席へ、
カメラへと視線を送り、これが功をなさない。

アンバー、ピンク"Just Give Me A Reason"
皆、黒系のアウトフィットの中、水色のホルダーネックのブラウスに白のジーンズが爽やか。
良く歌えていたが、緊張感からかアンバーの魅力である天真爛漫さが出てこない。

キャンディス、ブルーノ・マース"When I Was Your Man"
ハリー・コニックJrから「タフな戦いになるかもしれないが、Be happy!」
と声を掛けられる。
プレッシャーに負けないことが今回の一番の勝因に繋がる。
キャンディスもそつなく歌えていたが、きらめきを感じるだけの瞬間がない。
新しい曲を歌いこなすのは馴染んでない曲の中から自分の歌える曲を選び、
歌詞やメロディーを把握するだけに難しそうだ。

クリー、キャリー・アンダーウッド"See You Again"
欠点も特にないが無難に終わった感が否めない。
ハリー・コニックJr、クリーを称えるためにステージに登場するが、
4人のコンテスタントを指導しながら、一人だけ贔屓にするという演出、
これもしっくりこなかった。

スタンダードな曲にアンジーが選んだのは"Someone To Watch Over Me"
ダークレッドなロングドレスに身を包むアンジー。
美しい曲をアンジーがどのように歌ってくれるかと期待大。
この曲ってすごく難しいのだとわかった。
優しく歌い掛ける部分も大切に、ドラマティックな部分も抑制を効かせないと
聴く人に感動を与えることはできない。
前回トップを走っていたアンジー、今回は苦戦している。

アンバーが選んだのは"My Funny Vallentine"
アンバーはダークレッドのノースリーブのパンツスーツ。
予選でもこの曲を歌っているがハリーの指導で歌詞を深めた。
自分に自信のない男性が愛を告白するストーリー。
後半からの部分、"Stay Little Vallentine, Stay~~!"
伸びやかに歌い上げるアンバーの美しい声。
観客のスタンディングでパーフォーマンスを終えた。
終わった後のアンバーの涙、ここまでやり遂げたという思い、
結果への不安、歌の中に入り込んだゆえの気持ちの高ぶり、
いろいろな感情が交差しているはず。

キャンディス、"You're Changed"
「恋愛において最も辛いのは相手の心が自分から離れていく時。」
ハリーはそれを歌詞を丁寧にメロディーに忠実に歌うことで、
表現するように薦める。
本番ではこの日のベストパーフォーマンスとなる。
こういう迷いのない自信に溢れたキャンディスを観るのが私は好きだ。
プロとしても充分通用するだけの豊かな才能を見せつけた。

クリー、"Stormy Weather"
ブルージーなエタ・ジェームスのヴァージョンで歌うというクリーに
ハリーは、リナ・ホーンのヴァージョンを押した。
ハリーに気に入られたことが仇となり、自分の意向と違う、
ハリー好みのスタイルで歌う結果になった。
やはりトップ4のパーフォーマンスともなると、
心の底から納得して魂を込めて歌わないと説得力は生まれない。

結果発表

全員でミュージカル「華麗なるギャツビー」からのパーフォーマンス。
しかし前日には一人2曲、全員で1曲、この日の曲と合わせると4曲。
短期間で仕上げなけらばならなかったトップ4達。
歌詞を覚え、メロディーを掴み、その中で自分らしさ、
観客を惹きつける部分も作らなけばならない。
想像を絶するタフな世界の中で笑顔で歌うトップ4。

シーズン7の優勝者、デビッド・クックが登場する。
デビッド・アーチュレッタとの接戦になったシーズン7。
デビッド・クックは最初の頃、高く評価もされたが、
癖の強さから反感も買った。
トップ7くらいから謙虚さや努力する姿勢が認められ、
それが追い風となり優勝へと上り詰めた。
今でも独特のスタイルを貫いている。
優勝後に兄が病気で亡くなったことを通しチャリティーにも貢献している。

トップ2はアンジーとキャンディス。
ボトム2はクリーとアンバー。

クリーの通過が決まり、アンバーへと歩み寄るキャンディス。
アンバーに向かって何か呟いている。

最後にアンバーが歌った曲は"I Believe In You And Me"
キャンディスが泣いている。
アンバーのお父さんがライアンに促されてステージへ。
お父さんの胸で泣くアンバー。
ライアンも「良くやった」とアンバーを称えている。
ニッキーの目にも涙。
アンバー、里帰りは叶わなかったが、
必ずりっぱなアーティストとなってデビューできることを信じて疑わない。 

アメリカンアイドル シーズン12 トップ4

2013-05-08 19:00:53 | アメリカンアイドル
トップ3になると地元への凱旋里帰りがある。
かつて「アメリカンアイドルで優勝したい。」ではなく、
「トップ3になって里帰りが目標。」と言っていたコンテスタントがいた。
気持ちはわからないでもないが、ちょっと違っているのではと思った。
その人はトップ3を目前に敗退してしまったが、それだけトップ3に入る魅力は大きい。

今回のテーマ、一つ目は本人の選んだ曲。

アンバー、セリーヌ・ディオン"The Power of Love"
ノースリーブ、白のジャンプスーツに黒のベルト、後ろを向くと裏は黒。
ファッションも含めてトータルパッケージと言う意味でも今、アンバーから目が離せない。
セリーヌ・ディオンの難曲をいとも簡単に歌ってみせた。

キャンディス、ドレイク"Find Your Love"
非の打ちどころのないパーフォーマンスだが、ニッキーやランディーの言うように、
ここまで来たら、勝ち残るためにはもっと強いインパクトが必要だ。

クリー、"It Hurt So Bad"
ブルージーな曲、笑顔も見せ、余裕たっぷりで気楽に歌っている印象だ。
キースのコメント「魂からの叫びのような歌を聴きたかった。」に同意。

三人ともそつなく歌えているが、勝つ気、優勝するだけの気迫が弱いかもしれない。

アンジー、ジョニー・J"Who You Are"
小児病院の慰問で出会ったモリソンという少年に捧げると言い歌った。
白のスタインウェイを前に弾き語るアンジー。
この日、初めての心に刺さるパーフォーマンス。
自然体で曲の中に入り込むアンジー。
病気の少年を思う気持ちが伝わってくる。
しかしこのパーフォーマンスのピアノはスタインウェイよりも
YAMAHAの方が合っていそうだ。
目に涙をたたえて見守るアンジーの祖母。
ライアンに呼ばれてステージへと向かうおばあさまの手を取り、
さりげなくエスコートしたキース。
帰りもまたおばあさまを客席へと導いている。
私の中でキースのポイントはどんどん高くなる。
祖母と涙目になりながらハグするアンジー。

アンバーとクリーでアデル"Rumor Has It"
二人ともサッシーな雰囲気で決まっていたが、
審査員達はデュエットになっていなかったと。
お互いに挑発したり補い合ったりするものが足りなかったということか。

アンジーとキャンディス、リアーナ"Stay"
二人が互角に見つめ合ったり、けん制したりしながら、
相乗効果で高まっていく様子に審査員達の言うデュエットのあるべき姿を見る。

2ラウンド目のテーマは1ヒットワンダース、一発ヒットの曲。

アンバー、ドナ・サマー"Macauthur Park"
オレンジのぴったりしたドレスにピンクの口紅とアクセサリー。
コンテンポラリーなアイコンにも近いアンバーが懐かしのドナ・サマーのヒット曲を歌う。

キャンディス、ビージーズ"Emotion"
この曲も聴き親しんだ曲だ。
グルーヴ感をキャンディスは上手に掴んでいる。

クリー、"A Whiter Shade of Pale"
何とあの40年前の名曲「青い影」
しかしこの曲は歌は淡々とインストがメインになる曲のような気がする。

アンジー、"Cry Me A River"
スタンダードなジャズのナンバー。
それでも完璧にアンジーの歌に仕上がっている。
今回のパーフォーマンス、2ラウンド共にアンジーのインパクトは最も強かった。

結果発表

全員でアリシア・キース"Girls on Fire"
そして小児病院を訪問した様子、子供たちの前で歌った映像が紹介される。

シーズン10のステファノ、シーズン9の優勝者リーデワイスのパーフォーマンス。
ステファノ、どこか成り切れない、足りない部分があった。
声量、音域、スター性、出来不出来のムラ。
しかしそんなステファノには親しみを感じるキャラがあった。
一方リーデワイスは私にとって最も印象の薄い優勝者かもしれない。

順位が発表になる。
アンジーとアンバーが左右の端に呼ばれる。
クリーはアンジーの隣に、キャンディスがアンバーの隣へ。
この時点で結果は予想できた。
今回のアンジーの出来栄えは圧倒的だったので、どう考えてもアンジーの組がトップ2だ。
予想は残念ながら当たってしまい、キャンディスとアンバーはボトム。
どっちの歌も次の週も聴きたい。どっちにも落ちて欲しくない。
ドキドキしながら画面を凝視していると「今回の脱落はなし」とライアン。

脱落者を救う権利を一度も使わなかったから放送回が余ってしまい、
結果は来週のパーフォーマンスに持ちこされて、来週の結果プラス今回の得票数で決まるそうだ。

ホッとするとともに今回のパーフォーマンス、
コンテスタント達も緊張の連続で喉も体も疲れてきて、
またデュエットも含めて3曲を歌うということもあり、
余力を残すようにセーブしていたのではないかと。
そういう意味で一曲ごとに全身全霊をかけたのはアンジーだったと思う。

アメリカンアイドル シーズン12 トップ5→4

2013-05-02 15:01:32 | アメリカンアイドル
ここ数日、昨年の「アメリカンアイドル シーズン11」
ラスヴェガス・グループ審査の映像を、じっくりと観てしまった。
今回のトップ10の内、カーティス、アンバー、ジャネル、キャンディスが再挑戦、
ジャネルは3回目だったということを追体験する。
ここでトップに入れるほどの人達が昨年度脱落している。
その原因を考え、足りない部分を努力しながら新たな挑戦へと向けて、
それぞれが一年を積み上げてきたかと思うと更にシーズン12が感慨深いものになる。

今回のテーマは一つは生まれた年の曲、もう一つはディーヴァ、アイコニックな女性歌手。

キャンディスは自分の生まれた年、1989年、ポーラ・アブドゥルの"Straight Up"
原曲に思い切ったアレンジを加え、トップバッターにふさわしいオープニングを飾る。
ここまできて正しい評価を受けるようになったキャンディスにもう迷いはない。

ジャネル、1989年、ヴィンス・ギル"When I Call Your Name"
子供の頃、この曲を聴くと泣き止んだそうだ。
泣いている人が観ていたら癒してみせるとの心意気で臨む。
前回はストレートだった髪に今回はウェーブを付けている。
ギターを手に歌うブロンドのジャネル、カントリーシンガーの風格がある。
マライア、ランディばかりかいつもジャネルに辛口のニッキーまで褒めているが、
この分野が専門のキースは厳しく「感情が充分に表現できてなかった。」
前回は「君はギターを持つべきだ。」と言ったキース。
今回は「ギターは余計だった。」

クリー、1990年、ブラック・クロウズ"She Talks To Angels"
何かあまりにも淡々としていて気持ちが伝わって来ない。
この人の良さ、余りわからないまま今に至っている。

アンジー、1994年、プリテンダース"I'll Stand By"
ボストンで事件が起きた直後の放送、ボストン出身のアンジーが「地元に捧げる」
とコメントして歌ったこの曲は特別な光を放つ。

アンバー、1994年、マライアもカヴァーした"Without You"
シーズン11のグループ審査でほんの少しだけアンバーの映像があるが、
その時は全く目立たない存在でカーティスと共に脱落していった。
シーズン12においては毎回、目覚ましい成長を見せスター性が輝いている。

第二ラウンド
キャンディス、マライアとホイットニーの曲"When You Believe"
信じることの大切さを歌ったこの曲もボストン、アメリカの人々の悲しみへの応援歌。
マライアは間近にホイットニーはきっと天国で、それぞれキャンディスに微笑みかけるような
素晴らしいパーフォーマンスだった。

ジャネル、ドリー・バートン"Bumb Blinde"
ジャネルがドリーのファンだということがわかるが、少し空回りしてしまったようで、
ドリーの楽しい雰囲気が出てこない。
しかし「ブロンドは無能じゃない」という曲、
ブロンドのジャネルには思い入れがあるのに違いない。

クリー、セリーヌ・ディオン"Have You Ever Been Loved"
アメリカの投票ではいつも上位で審査員達にも評価が高い彼女だが、
他のコンテスタントの見せるサプライズな一面、成長振りと較べると、
ここのところ停滞している感が否めない。

アンジー、ビヨンセ"Holo"
今の時点で最も旬なディーヴァ、ビヨンセの曲を歌うのは、もしかして一番難しいかも。
アンジーは技巧を排して直球で堂々とアレンジし、歌い切った。

アンバー、バーバラ・ストライサンド"What Are You Doing The Rest Of Your Life"
白のトップにスカート部分が黒のロングドレス。
今までと違うジャジーな一面を表現した。
難解な曲の高音と低音部分を見事に歌いこなしている。
技巧もこらしながらも歌の物語の世界に観客を惹き込んだ。

結果発表

オープニングがトップ5のドナ・サマーのメドレーと聞き、飛び上がる。
アンバーに始まり、キャンディスも最高だ。
アンジーも頑張っているが、ジャネルとクリーは残念ながらちょっと。
バックボーカル&ダンサーの男性たちも良い感じだ。
アンバーはドナ・サマーが凄く似合っている。
学生時代に観に行った武道館でのドナ・サマーのコンサート、
あの頃の楽しさが甦る。
できれば"Hot Stuff"も聴いてみたかった。
申し訳ないがラザロが抜けたことでトップ5、女性たちのパーフォーマンス、
バランスが取れてずっと引き締まっている。

キャンディスがポーラ・アブドゥルの曲を歌ったことで、
ゲストで懐かしのポーラの登場。
ランディー、ライアン、サイモン、番組のプロデューサーのナイジェルと共に、
この番組の立ち上がりから雰囲気を作った一人。

続いてクレイ・エイケン。
もともと障害のある子供の教育者であったクレイ、シーズン2に出た後で、
ユニセフ親善大使として途上国の支援、教育の充実のために貢献していたという。
歌は"Bridge Over Trouble Water"

シーズン3優勝者、ファンテージアも登場する。
"Love To Win"
白いドレスのファンテージア、前日に続き、この日もボストンの犠牲者や家族を思う
鎮魂歌が続く。
ソロ活動、ミュージカルの出演などを通し磨きの掛かったファンテージア。
来日時のビルボードのライヴ、逃してしまったのが悔やまれる。

トップ3はキャンディス、アンジー、アンバー(順不同)
ようやくアンバーの真価が認められた。

ボトムはクリーとジャネル。
脱落はジャネルだった。
三回目の挑戦のジャネル、昨年グループ審査で敗退したところから、
今回ここまでやってきた努力を称えたい。トップ5として胸を張って欲しいと思う。
クリーは初めてのボトム入り。
それをばねにして次回は挽回できるのか。

アメリカンアイドル シーズン11でのキャンディス

2013-04-30 19:52:15 | アメリカンアイドル
Doesn't Matter Anymore Jessica, DeAndre & Candice American Idol 11 GROUPS


Chanparaさんから昨日教えていただいた映像。
昨年のアメリカンアイドル11 グループ審査で
昨年度の準優勝ジェシカ、トップ8のデアンドレと一緒に歌うキャンディス。

かつてシーズン8で強敵アダム・ランバートを抑え優勝したクリス・アレン。
最も本選以下の映像が少ない優勝者と言われた。
それだけノーマークだったのだ。

そういう意味で今回トップ4に入り、優勝候補ともされるキャンディス、
昨年のグループ審査のフル映像がオンエアされていて、
しかも一緒に組んでいたのはデアンドレとジェシカとは貴重な映像だ。
デアンドレとジェシカがいるから映像が残っていたとも言えるが。

この時、全員合格となり喜び合う三人。
ところがこの後のグループ審査の最後のエリミネーションでキャンディスは落とされる。
この映像を観ているとキャンディスは巧く歌えてはいるものの
デアンドレやジェシカのような強烈な印象は残せなかったのかもしれない。

この時のキャンディスはいったいどんな思いだっただろう。
そこから一年間周到な準備を重ねて今回のシーズン12に臨んだはずだ。
今シーズンでもキャンディスは時々押しが弱い時がある。
曲に対しての迷いや歌詞に共感できなかったりするとその気持ちが出てしまう。
私はそういうところも含めてキャンディスがけっこう好きかもしれない。

シーズン11、ラスベガス・グループ審査の映像、録画してあったものを、
もう一度振り返って観てみた。
今回のトップ10・カーティスが昨年のトップ3ジョシュアと組んでいるし、
定かではないが、今シーズンのトップ5・アンバーやジャネルらしきコンテスタント、
今回もトップ10入りはできなかったジョニー・キーザーの姿もある。

この時、選にもれて落胆しているキャンディスに「あなたは来年は大丈夫よ。」
と声を掛けてあげたい。

デアンドレ、新曲とプロモ映像がまもなく公開!

2013-04-28 20:45:03 | アメリカンアイドル
昨年のアメリカンアイドル シーズン11、トップ8まで残ったDeandre。
エリックべネイのツアー・マネージャーをしていたケヴィンは、
自ら立ち上げたプロダクションにDreを迎え、
昨年からアメリカ国内の営業ツアー、そして今はシングルのレコーディング、
プロモーションヴィデオの撮影をLAで行っている。

画像は相手役を務める女優とデアンドレ。
デアンドレは昨年のアメアイでエル・デバージやEW&Fのフィリップ・ベイリー、
エリック・べネイやスティーヴィー・ワンダーの曲など、
私好みのR&Bの曲をたっぷりと聴かせてくれた。
今回の新曲はやはりデアンドレ、十八番のファルセットが入り、
オールドスクール・テイストの歌に仕上がるのだろうか?
PV、シングルリリース、共に楽しみ。

デアンドレは昨年度のアメリカンアイドルで準優勝したジェシカ・サンチェスと
その後も仲睦まじく交際を続けている。
そしてジェシカを応援するツイートも度々しているのが微笑ましい。
それぞれ仕事でツアーに出ることが多く、中々一緒に過ごせないそうだが、
画像は2人で先月末にディズニーランドに行った時のもの。


自分もアーティストとして惜しまぬ努力を続けると共に
同じ業界の彼女のバックアップもするデアンドレ。
若いけれども器の大きさを感じさせる。
ケヴィンに「デアンドレを日本に連れて来てね!」とメールすると、
「楽しみに待っていて!」と返事を貰った。

アメリカンアイドル シーズン12 トップ6→5

2013-04-25 18:41:32 | アメリカンアイドル
今回のテーマは二つ。
一つはバート・バカラック、もう一つは自分の曲だったらと思う曲。

バート・バカラック、好きな曲や思い入れの深い曲がたくさんある。
かつてシーズン5のファイナルではトップ12達のバート・バカラックの曲のメドレー、
そこにバカラック本人ばかりかゲストでディオンヌ・ワーウィックも登場した。
トップ12達に交じってグランドピアノを前に演奏するバカラック、
キャサリン・マカフィーが自分の曲を歌う姿に満足そうに微笑みを返す。
"What A Friends Are For"を口ずさみながら出てきたディオンヌは、
歌わずとも舞台にいるだけで圧倒的な存在感があった。
"Say A Little Prayer"を全員が歌う中でトップ12のマンディーサが歌詞を忘れて、
ハミングでごまかす姿にハラハラさせられたことなど懐かしく思い出す。

今回のシーズン12でも期待に違わずほぼ全員がそれぞれバカラックの曲を自分流に、
今風にアレンジし聴かせてくれた。
バート・バカラックの曲は多くの映画の中で使われているので、
名前に馴染みがない人でも曲を聴けば案外知っていたことに気付くはずだ。

シーズン7でトップ5に至るまでの男女比を合わせるためにマイケル・ジョンが脱落し、
非難が集中して以来、男女の比率は関係なくなった。
そして今回は女性5人に対し男性が一人だけという状況に至っている。

アンジー、"Anyone Who Had A Heart"
アンジーには華がある。スター性を感じる。
苦も無く歌いこなしていたが、キースから「もっと情感を込めて欲しい。」
キースばかりかニッキーやランディーも同じ意見だった。
マライアから滑舌が良過ぎる、歌詞をきちんと歌うことに捉われ過ぎていると指摘される。

アンバー、"Say A Little Prayer"
ディオンヌ・ウォーウィックの名曲。
映画「ベスト・フレンズ・ウェディング」にはバカラックの曲が何曲か使われていたが、
全員が会食するシーンでジュリア・ロバーツの友人役のルパート・エヴェットが
この曲を歌い始め、最後はレストランに居合わせたお客達の合唱になるシーンもハイライトだった。

アンバーは10代の若さ溢れるアレンジを効かせて歌ったが、
これだけのテクニック満載にして歌いこなし、しかも原曲の持ち味も保っている。
アンバー、恐るべし。
私の大好きな曲を思った通り、いやそれ以上にして期待に応えてくれた。

ラザロ、"Close To You"
カーペンターズがヒットさせた曲、「あなたが近くに来ると素敵なことが起こる、
それはあなたが特別な人、あなたが生まれた日には天使が集まり、星が瞬いた」
私にとって特別なこの美しい曲をラザロはメチャクチャにしてしまった。
最初から音を外し、それはずっとずれたままで曲が転調したところから更に酷くなった。

クリー、"What A World Needs Now Is Love"
アカペラに始まり、徐々に伴奏がついてくる。
静かに歌いながらも、心の奥に秘めた深いものを感じさせる。

ジャネル、"I'll Never Fall In Love Again"
髪型がストレートになり、メイクも変わった。
原曲の雰囲気を良く捉えながら伸び伸びと自分らしく歌えていた。

キャンディス、"Don't Make Me Over"
全く迷いも疑いもなく歌うキャンディスの姿は自信に満ちていて美しいばかりだ。
ここのところ、不調だったキャンディス、一気に優勝候補へと返り咲いた。

2ラウンド目、自分の曲だったらと思う曲。

アンジー、ケイリー・ジョーブ"Love Came Down"
知らない曲だっただけにまさしくアンジーのために作られた曲を聴かされているようだ。
初めてアンジーが自作の曲を披露した時のこと、
「今年のアメリカンアイドルの優勝は女性よ。」と宣言したことを思い出す。
あの時のアンジーがここまで来ると誰が予想しただろう。

アンバー、ビヨンセ"Love On Top"
アンバーをステージ後方からとらえた映像に審査員席で踊っているニッキーとキースが映る。
こんな風にバックアップしてくれたらアンバーも嬉しいに違いない。
アンバーの魅力がたっぷり表現された楽しいパーフォーマンスだったが、
アップテンポな曲、ダンスの振り付けのレッスンまで受けて臨んだことで、
返って盛りだくさんになり、マイクが離れ過ぎて声が拾えない瞬間がある。
先ほどのバカラックの曲の方が、歌自体としては内容が充実していたように思えた。

ラザロ、(といつも表記されているが「ラズロ」で良いのでは?)"Angel"
大きな間違いもなかったが心打つパーフォーマンスにもならなかった。
審査員達はラザロに対してコメントしようもなく困っている様子だし、
ニッキーに至ってはコメントを2回ともさりげなく拒否した。

別の番組だが「アメリカンダンスアイドル」でパートナーの人気から、
トップ10に選ばれたもののバッシングに耐えかねて健康上の理由を盾に
リタイアーした女性のダンサーがいた。
ラザロもこれほどまでの審査員からの不評、
メンターのジミーからのここ数回続く脱落者としての予想を受けて、
意気消沈しているかと思いきや、全くひるむ様子はない。

クリー、クリス・クリストファーソン"Help Me Make It Through The Night"
マルティナ・マクブライトのヴァージョンで。
この曲を私は知らなかったが、クリーは大好きな曲を歌っているはずなのに、
先ほどのバカラックの曲の方が良かったように思う。
初めての曲を聴いてもアンジーには共感できたのと対照的だ。

ジャネル、ガース・ブルックス"The Dance"
今までの可愛いイメージからいつの間にか、
ミシェル・ファイファーの若い頃を思わせる大人の綺麗な女性に変貌している。

キャンディス、ザ・キュアー"LoveSong"
第一声からぐいぐい引き込まれる。
目を閉じてうっとり聴きたいが同時にキャンディスの歌う姿もしっかり見届けたい。
サイモンが良く言っていた"Believability"、曲の「真実味」が完璧に表現されている。
歌の世界が観客の目の前で説得力を持ちながら繰り広げられていく。
声援、拍手が鳴りやまない。
キャンディスも感極まっている。

結果発表

トップ6、全員でバート・バカラックの曲のメドレー。
ジャネルの透き通る声に始まり、アンジー、クリーのソロ、
キャンディスとアンバーのデュエット、最後は全員で"What A Friends Are For"
それぞれの良さが出ていたと思う。

3つのグループに分けられる。
クリーとキャンディス、ラザロとアンバー、アンジーとジャネル。
ボトムは真ん中の組。

アンバーがボトムに入ってしまった。
この時「もしアンバーがワーストになってしまったら?」と慌てたが、
もしそうなったとしても審査員がアンバーを救うだろう、
それならラザロの歌よりもアンバーを聴きたかった、
いやそれでもアンバーがワーストになってしまったら不本意だ、
などといろいろな思いが交差する。

ワーストに選ばれたのはラザロ。
審査員の脱落者を救う権利、ワイルドカードの適用はなかった。

かつてシーズン7でジェイソン・カステロがトップ3に入れなかった時に、
「来週は一人3曲でしょう?僕には無理だよ。」と納得した様子をしていた。
ラザロもここまで来て、時として辛そうに見えることもあり、
脱落にホッとしているかと思えば、まだまだやる気十分だったようだ。

アメリカンアイドル シーズン12 トップ7→6

2013-04-17 21:53:01 | アメリカンアイドル
今回のテーマはロック。
オリアンティがギターの演奏ですべての候補者をサポートする。
今シーズンはロッカーがコンテスタントの中にいない。
R&Bやカントリーを専門とする候補者達にロックのハードルはこれほどまで、
高かったのかと思い知らされた。
血沸き肉躍るようなロックらしい熱演はなく、
表面的にロックをかたどるパーフォーマンスが多かった。

ところでこの番組の司会をしてきたライアン、
次回のシーズン13に続投するか危ぶまれているというニュースが入ってきた。
ライアンは候補者全員それぞれの身になって、分け隔てなく接しながら、
個性豊かな審査員達も取りまとめつつ番組を進行する。
そういう中でライアンらしさという色も出す。
体調も悪い日だってあったはずなのにそれを全く感じさせず、
毎回、毎シーズンと長い年月を重ねてきた。

バーネル、ボン・ジョヴィ"You Give Love A Bad Name"
オリアンティを始めバックバンドのギターもベースもとても良い雰囲気だ。
しかしバーネル、音を極端に外したりしているわけではないのに、
全然ロックの魂が入っていない。

アンジーとラザロがクイーンの曲をデュエットするが、
またしてもラザロが歌詞を忘れてしまい、デュエットのハモリが成立しない。

クリー、ジャニス・ジョプリン"Piece Of My Heart"
彼女は審査員の評価が高く、票も集まる。
安定したパーフォーマンスを供給し、優勝候補と言われているが、
いつも無難に終わってしまう気がする。
もっと殻を破って冒険に出て欲しい。

ジャネル、ビリー・ジョエル"You May Be Right"
オリアンティのギターが冴える。
ここまで観て来て今回はバックバンドやコーラスがプロ集団なのに対し、
コンテスタント達の未熟さが際立ってしまう。
この日の審査員のコメントが服装に関する内容が続くが、
歌を批評しようもないといった風情なのだろうか。

ラザロ、クイーン"We Are the Champion"
ロックの正しいあり方「成り切る」という意味でラザロにこの曲は合っていた。
しかし服装のことを指摘されて"Not my fault"と言葉が返ってきた。
「じゃあ、誰のせいなんだ?」とライアン。
いつも人のせいにするラザロを、
それとなくいさめたように聞こえたのは私だけだろうか。

キャンディス、ローリングストーンズ"I Can't Get No Satisfaction"
それなりに歌えているけれど何かが違う。
R&Bやロックの好きな立場として厳しい見方になってしまうかもしれないが、
リズムの取り方や曲への入り込み方が微妙に違っていて、
本人も納得して乗り切れてないところが表面に出てきてしまう。
こういう器用でないところがキャンディスの良さなのかもしれないが。

アンバー、ハート"What About Love"
この日のベストパーフォーマンス、自信に満ちた姿でトップ3への階段を駆け上った。
アンバーはただ一人歌う前から曲を知り親しんでいた。
番組を通じてどんどん綺麗になってくるアンバー、
エリックべネイの娘インディアとどことなく似ている。
アンバーの姉が客席から声援を送っている。
アーミーに所属していて制服を着ての観戦。
これもプレゼンとして効果大のはず。

アンジー、エヴァネッセンス"Bring Me To Life"
演出の送風でブラウスがめくれるのを何度か押さえている。
思いっ切りめくれても放っておいた方が集中力が欠けずに良かったのでは。

「もっと曲に入り込んで欲しい。
巧さやカッコ良さだけでなく、曲の世界に浸かり、見た目なんてどうでもよい、
そういう域に達して欲しかった。」とはキースのアンジーへのコメントだが、
それはこの日の全員に共通する指摘だ。

結果発表。
メンターのジミー、トップ4としてアンバー、アンジー、クリー、キャンディス、
ワーストとしてラザロを上げる。

審査員達それぞれの考えるトップ3も公表されるが、
キースがクリー、アンジー、アンバー、
ニッキーがアンジー、アンバー、クリー、
ランディーがアンバー、クリー、アンジー、
マライアがクリー、アンバー、キャンディス。

しかしながら投票の結果として選ばれたこの日のトップ3は、
クリー、アンジー、ラザロ(順不同)だった。

次に合格者として通過したのはキャンディス、アンバー。
ボトム2としてジェネルとバーネルが残る。
「ここまで来たのだから脱落しても自分を敗者と思ったりしないで。」とニッキー。
ワーストになってしまったのはバーネル。
ワイルドカードをかけて歌うものの以前に同じ曲を歌った時の精彩はない。
バーネルの心の苦しさ、納得できない気持ちが伝わってくる。
ワイルドカードの適用はなく、バーネルを労わるライアン。
ずっと仲が良かったキャンディスは涙が止まらない。

かつてシーズン6で歌が全く巧くなかったサンジャヤ、
少女達に人気が高く勝ち進んでしまい、とうとう温厚なポーラが、
「これは歌のコンペティションだということを忘れずに投票して欲しい。」
と呼びかけたほどだ。

グループ審査の時から問題のあったラザロ、
トップ10に入ってからも歌詞を忘れるラザロに
投票が集まり続けているのは、いったいどうしたことだろう。
審査員達やジミーの考えるトップ3を今回番組中で発表したのは、
番組側としてもラザロの通過を疑問に思っているという意思表示だろうか。

アメリカンアイドル シーズン12 トップ8→7

2013-04-08 22:45:51 | アメリカンアイドル
楽しみにしていたモータウン特集、今回は「デトロイト」
モータウンサウンドに限らずデトロイトにゆかりがある曲と枠を広げた。

ゲスト・メンターがスモーキー・ロビンソンなのにもワクワクする。
ランディー、マライアばかりかキースもスモーキーに敬意を表し、
ニッキーに至っては「私の"Sugar daddy"(パトロン)になって欲しいと思っていた。」
隣席の妻に向かって"What do you think?"と笑顔で気遣うスモーキー。
モータウンのミュージカル、ベリー・ゴーディーにスポットを当てた作品が、
4月に公開されるそうだ。

キャンディス、"I Heard It Through the Grapevine"「悲しい噂」
マーヴィン・ゲイが歌い多くのR&Bシンガーがカバーしてきたスモーキーの曲。
"Grapevine"とは「うわさ」のことです。
前回のパーフォーマンスを"You made me cry..."とスモーキーから言われて、
とろけそうなキャンディス。
スモーキーも彼女と会えて嬉しそうだ。
しかし原曲の私の好きな部分のテンポやリズムがなくなってしまい、
ブルースに変わってしまった。
もちろん、キャンディスの歌は最高、単に私の好みと期待に反しただけ。
彼女が優勝候補であることはまちがいない。

クリーとジャネル、マドンナ"Like A Prayer"
クリーばかりが褒められて二人とも複雑な表情。
マライア「シスターフッド・モメントであって二人の甲乙をつけるべきではない。
ジャネルはクリーが歌詞を忘れた時にカバーしていた。
そういう姿を評価するべき。」
良く言った、マライア。

ラザロ、スティーヴィー・ワンダー"For Once In My Life"
スモーキー「君は好きな曲を歌う時に良さが出る。
何をどうしたいか決めて自分らしく歌え。」とアドバイス。
ジミーからも「リラックスすれば大丈夫。」
ゆったりと歌い上げるところから後半のアップテンポへと上り詰める。
ラザロ、しっかりと曲に入り込んでいる。

ジャネル、シュープリームス"You Keep Me Hanging On"
14歳の時にアレンジしたと言う。
皆、ビートルズは知らなかったのにモータウンは知っているようだ。
シュープリームスの原曲とは全く違っているが、これもありかなと思わせるものがある。
ギターを手に座って歌うことでジャネルの違った一面が出た。
「さっき、デュエットで批判された後にソロを歌うのは厳しくなかった?」
と尋ねるライアン。「批判を受け止めて生かしたわ。」とジャネルは答えているが、
確かに気持ちを切り替えるのはたいへんだったと思う。
それでもニッキーは「あなた、笑顔が多すぎるのよ。」と情け容赦ない。

デヴィン、"The Tracks of My Tears"
自分の曲を歌うと聞き、スモーキーも喜んでいる。
この曲の生まれたエピソード、「たくさん泣いた人の顔は笑顔であっても、
涙の跡が残っている。これは作り笑顔だ。近くで見ればわかる。」
という意味を教えられる。
リハーサルで「フレーズがすべてビートからずれている。」とジミーは言うが、
スモーキーは「彼の個性だからそれでいい。でも一か所だけ直そう。」と指導。
昨年、エリック・べネイが来日した際に新宿タワーレコードにて行われたインストア・イベント、
私は「ディアンドレがエリックの"Sometimes I Cry"を歌ってくれた時の心境は?」と質問したが、
エリックは「彼みたいな10代の若者が僕の歌を選んでくれるなんてほんとうに嬉しかったよ。」
と話してくれた。
スモーキーも同じ気持ちに違いない。
スモーキーを喜ばせ、挑戦したデヴィンの気持ちには拍手を送りたいが、
音程が少し合っていないのか、歌っていて苦しそうに聴こえるところがあった。
"Awesome!"「君は素晴らしかった!」と客席からスモーキー。
トップ8まで来ていれば優勝するだけでなく業界の重鎮に認められる意味は大きい。

アンバー、アンジー、キャンディスでシュープリームス"I'm Gona Make You Love Me"
私が期待した通りに期待した曲を歌ってくれた。
このトリオ、今すぐに売り出せそうだ。
一緒に"Yes, I will!"と歌わずにはいられない。

バーネル、スティーヴィー・ワンダー"Ma(my) Cherie Amour"
"r"の発音がフランス語になっているところに拘りを感じる。
クレオール(フランス系)の街、ニューオリンズ出身のバーネルらしい。
完璧なパーフォーマンス、バーネルの良い部分がしっかりと表現されている。
白いスーツもぴったりでマライアから"Debonair!"
(粋であるというクラシックな表現)と褒められる。
かつてスティーヴィー・ワンダーがテーマ、本人が指導したシーズンがあったが、
苦戦するコンテスタントが多くスティーヴィーの歌の難しさを痛感した。
しかし今シーズン選ぶ人たちは皆、自分なりに歌いこなしている。

アンジー、スモーキーの曲で"Shop Around"
何日もかかって書上げた曲もあれば、この曲は勢いで30分で作ったと言う。
自分の曲を選んでくれたことに喜んでいたスモーキーもリハーサルでは、
ジミーと二人、固まってしまった。
「まるで『マイフェアレディー』、ミュージカルみたいだ。」
「クラシック音楽の歌手みたいだ。」
"Now"の発音をスモーキーは何とか直そうと指導している。
先ほどの3人でのパーフォーマンスでアンジーはR&Bが歌えると思っていただけに、
かなり期待を裏切られた。
リハーサルの時から悪い雰囲気だったのが本番では更に。
カントリーもそうなのかと思うがR&Bの発声、発音も独特で向き不向きがあるようだ。
盛り上げようとすればするほど空回りしてしまい、全くこの曲はアンジーに合ってなかった。

アンバー、スティーヴィー・ワンダー"Lately"
キャンディス同様にスモーキーに会ってすごく嬉しそうだ。
もちろんスモーキーも。
ジミーと二人でアンバーに票が集まらないことを心から心配してアドバイスしてくれる。
才能がスパークするパーフォーマンス。特に後半からの伸びが堪らない。
前回のボトム3に選ばれてしまった暗雲を吹き飛ばしたアンバー。

デヴィン、ラザロ、バーネルで"I Can't Help Myself"(Sugar Pie Honey Bunch)
ラザロがバックアップするパートばかりかソロの部分も忘れている。
途中から歌を止めてしまったり、二人のことをぼんやり見る瞬間もある。
終わった時にデヴィンはラザロの胸を指し、何か一言言っている。
とぼけるラザロ。
「ひど過ぎる。帰っちゃえ!」とニッキーに言われて「そうしようかな?」と
笑いを取るバーネル。
「自分のパートは覚えたけれど人を助けるまでは・・・」とデヴィン。

クリー、アレサ・フランクリン"Don't Play That Song"
6歳の時から"Shop Around"を歌っていたと話す。
「この日の候補者の中で一番良かった。」とスモーキー。
クイーン・オブ・ソウル、アレサのオーラには及ばないが、
クリー、何を歌っても卒なくこなす。
安定していて失敗がない。
好みとは違うが案外優勝候補かと思えてきた。

結果発表。
ボトム3はラザロ、デヴィン、バーネル。
ワーストに選ばれてしまったデヴィンは黙って頷く。
ジミーもマライアもキースも結果に納得していないようだ。
生き残りを賭けて歌った"It's Impossible"
スペイン語に歌が変わっていく様子にはハートを鷲掴みされる。
脱落の危機に瀕しながらこれだけ落ち着いて歌っているデヴィン。
微笑みさえ浮かべている。最後になるかもしれない瞬間を慈しむデヴィン。
シーズン中に一回だけ審査員が使えるワイルドカード(脱落者を救う)
が行使されるには至らなかった。

オーディションから現在までの映像を観るデヴィンの目には涙。
歌の出来栄えにムラがあったのはわかる、まだ未熟な点もあったかもしれないが、
これから番組を通して成長していく姿をもっと観たかっただけに残念な結果だった。
持ち歌とはいえ最後の曲が『それは不可能だ』とは「優勝は諦めたよ。」
というデヴィンなりのメッセージだったのかもしれない。

アメリカンアイドル シーズン12 トップ9→8

2013-04-05 14:00:36 | アメリカンアイドル
最初にトップ10と一緒にツアーに行けるもう一人の選考発表がある。
チャーリーとオーブリー、前回のパーフォームによる投票の結果、
選ばれたのはオーブリーだった。
トップ10からの落選、そして今回の補欠要員でのまたしてもの落選、
チャーリーを二度崖から突き落とすようでしかも観客の前での発表、
チャーリーが気の毒になるが、オーブリーを"I'm so proud of you"
と言って抱きしめ、観客に手を振るチャーリーの姿に安心する。

今回のテーマはビートルズ。
残念なことに総じて出来が良かったとは言えない。
プロの歌手、アメリカンアイドルを目指すのだったら「傾向と対策」として、
ビートルズのヒット曲はある程度予習しておくべきではないかと思った。

前回までの審査員のコメント、いつもキースから始まり横に流れて、
最後にマライアという順だった。
これはキースの負担になっているのではないか、
それともこの方がやりやすいのでこういう形をとっているのかと疑問に思っていたら、
今回から発言が順不同に変わった。

クリー、亡くなったお父さんがビートルズのファンだったそうだ。
お父さんを12歳、お母さんを19歳の時にどちらも事故で亡くしているクリー、
姉は「この日の姿を両親に見せたかった。」と涙で言葉を詰まらせている。
バックボーカルとバンドを従えて観客の歓声を浴びながらリードを歌うクリー。
彼女の姿は自信に溢れている。間違いなくこの瞬間を楽しんでいる。
番組を通して彼女が変化してきたのは審査員、メンターのジミー、視聴者、
多くの人の支持を受け、歌う喜びを満喫しているから。

バーネル、"Let It Be"
今までこの曲を知らなかったそうだ。
しっかりと歌えてはいたものの知らないでこの曲に挑戦した無謀さ、
曲の魂を抜かれて自分の小手先のアレンジに走った感が否めない。
今シーズン、ハリウッドまで来て落選していった人の中でも"Let It Be"
歌った人が二人いた。
妻の癌の闘病を支えてきたブライアン、拒食症と闘ってきたマライア、
この二人の歌う"Let It Be"は審査員を泣かせ観ている私も目頭が熱くなった。
バーネル、大曲に挑戦するだけの準備、感情移入が充分とは思えなかった。

アンバー、"She Is Leaving"
娘が去っていくという歌詞:
「水曜の朝5時にベッドルームのドアを閉じ、キッチンにメモを残し、
彼女は家を出て行った。これで自由になれる。
手紙を見つけた父は動揺し、母は泣き崩れる。
金曜の9時、彼女はカーセールスの男を待ちながら遠いところにいた。」
母、父、兄弟、養母とその家族と共に田舎で暮らすアンバー。
しかしどうもこの曲は彼女の気持ちとは重なってはいないようだ。
曲を知ったのは二日前だそうだが、歌の物語の世界に入り込めず、
集中力が途切れる場面があり、歌詞が複雑で流れの速い部分など歌い切れてなかった。

ここまで観て応援しているバーネルやアンバーの苦戦している様子に、
若い人達はビートルズを知らないのかと少しがっかりしてきたが、
かつてシーズン7でデビッド・アーチュレッタが"Imagine"を番組中で歌い
絶賛されたことなどを思い出し、気を取り直して観る。

ラザロ、"In My Life"
アメリカに子供の頃に移住してきたこともあり、他の候補者と較べると、
歌のストックが少ないというハンディーがあったラザロ。
今回、ビートルズの曲を他の候補者達も知らないのなら、
条件的に対等に勝負できるかと思いきや、散々な結果になってしまった。
音程が不安定で歌詞もきちんと把握できてない部分がある。

キャンディス、"Come Together"
初めて歌いこなしている人の曲を聴けたと思ったが、
キャンディスでさえ、最高の出来栄えとは言えなかった。
練習風景の中で歌詞に全く共感できない気持ちでいることがわかるが、
自信のない部分が正直な性格だけに表情に出てしまう。
優勝候補だと思っているのでキャンディスには多くを期待してしまう。

ポール、"Elenor Rigby"
パーフォーマンスの前に普段の生活の紹介があるが、
父が農園を買い、そこの木を使って自力で家を建てたという映像に、
たいへんな田舎で家族に囲まれて育ってきた素朴な青年であることが分かる。
今までの彼のパーフォーマンスの中では良く歌えていたと思ったが、
審査員全員に不評だった。
しかし審査員に叩かれると反対に視聴者票を獲得できることもある。

アンジー、"Yesterday"
この曲は一見簡単そうでそれだけにうまみを出すのが難しい。
ベタになりがちだ。
しかしアンジーはアレンジしながらも原曲の美しさを大切に、
抑制を効かせながら自分の歌にしていた。
原曲の"She"を"He"に変えて歌う。
18才でも失恋の悲しみは充分に感情移入できる。
いや、10代だからこそのストレートな純粋さが表現できていた。
個人的にはこの日のベストパーフォーマンス、アンジーの優勝もありかと思わされる。

デヴィン、"The Long & Winding Road"
シカゴで海軍系の高校に通っているそうだ。
デヴィン、番組では良い子にしているが、そうとうヤンチャだったことが想像できる。
歌いながらイメージする声はと聞かれ、意外にもブライアン・マックナイトと答える。
メンターのジミーも彼の声はブライアンやスティーヴィー・ワンダーを彷彿させると。
デヴィンからはスペイン系の印象が強くR&Bに繋がる要素を見逃していた。
前回が不調だったので今回の仕上がりにホッとするが、
キースからは「観客とのコネクトが課題。」と指摘される。

ジャネル、"I Will"
カントリーテイストにして自分らしく歌った。
審査員、メンターのジミーの高評価、視聴者からの投票数の多さを受けて、
彼女もクリー同様、自信が生まれそこから確実にレベルアップしてきているのがわかる。
そしてこの番組においてカントリーシンガーの人気は確実だ。

結果発表
ボトム3はポールとデヴィンとアンバー。
ラザロが免れてこの3人がワーストに。
脱落はポール。

前日の田舎で家族に囲まれていた映像を思い出し、
彼がこのまま勝ち進んで業界の荒波にもまれるよりも田舎に戻って
素朴に生きるのが幸せかもしれない、そんなことを思ってしまった。

アンバーがこの時点でボトム3に入ってしまったのは心外だった。
理由がわからない。
アフリカ系アメリカ人の票がキャンディスとバーネルへと流れてしまったのだろうか。
デヴィンも実力もあり応援しているが、どうも人気度が弱い。
次回の二人の健闘を期待したい。

アメリカンアイドル シーズン12 トップ10→9

2013-03-30 15:32:38 | アメリカンアイドル
アメリカンアイドル、トップ10に入るとスタイリストが付く。
その結果、トレードマークだったメガネをコンタクトに変えられてしまったり、
素朴なカントリーガールがセクシー系に路線変更されてしまったりで、
本人の魅力になっていた部分が失われてしまうことがある。
前シーズンの優勝者、フィリップ・フィリップスは、
グレイ系の服装は没個性、ステージ映えしないと言われたが決して譲らず、
最後まで貫いたことが返って良かった。
今回もそれぞれがどのように変わるかが見所。
テーマは「今までの優勝者の曲か優勝者の歌った曲」

カーティス、ファンテージアが歌った"I Believe"
赤のペイズリー柄のジャケットに黒いパンツでシックに登場。
番組のメンター・ジミーからは「レトロになるな。クラシックとレトロとは違う。
古臭さではなく現代的な感覚と自分らしさを出せ。」と指導を受けるが、
パーフォーマンスでは、今までの彼の内にあった強烈な個性が消えてしまい、
カーティスらしさが見えてこなかった。

ジャネル、スコティーの歌ったモンゴメリー・ジェントリー"Gone"
今までになく自信に溢れてステージでも歌っている喜びが滲み出てくる。
服装もカントリーガールらしさががありつつお洒落な女の子らしい。
しかし今一つ歌の感動が伝わって来ない。

デヴィン、キャリー・アンダーウッド"Temporary Home"
ジミーから「ステージでどうしてあれだけ冷静でいられるのか?」と聞かれ、
「バラードを歌っていると自然と落ち着いてくる。」と答えている。
キャリーのこの曲、「6歳の僕、一人でいるのに慣れている。
今の生活はずっと続くわけではないのだから。」
という歌詞にシングルマザーに育てられた自分として共感できたので選んだそうだが、
歌詞をしっかりと捉えて歌うカントリー的な歌い方ができず、
今までの彼の歌のような大きな見せ場もなく終わってしまう。
この人に期待しているだけに残念。
「共感できる歌ではなく勝負できる歌を選んで。」とマライアからのコメント。

アンジー、ケリー・クラークソンの歌ったセリーヌ・ディオン"I Surrender"
ジミーから「時々ミスコンの女王に見える。」と言われ、
シンガー&ソングライターでもあるアンジーは不本意のようだ。
黒のレザーのミニワンピにアンクルブーツがとても良く似合っている。
ここまでこの日の番組を観てくると過去の優勝者がその曲を歌った瞬間が紹介され、
今の候補者の歌へと繋がるが誰一人として過去の優勝者を越える人はいない。

ポール、スコティー"Amazed"
今回ステイリストが入って一番あか抜けたのはポールではないだろうか。
髪型、服装がすっきりとして更に好感度が上がった。
ジミーから「声を張り上げてしまう癖がある。ミュージカルっぽい歌い方になってしまう。」
ポールは全くミュージカルとは無縁だそうで、なぜそう言われるのかと首をかしげる。
この日の番組中で最も成長した姿をポールは見せた。
弱音と強音、歌い上げる部分と静かに聴かせる部分とのメリハリがしっかりとついてきた。
意見を取り入れて直せるというのも一つの才能だと思わせる。
審査員の票が割れて脱落の危機から彼を救ったジミーは
ポールの中にあるアイドルとしての何かをきっと見抜いたに違いない。

キャンディス、ジョーダン・スパークスが歌ったベン・E・キング"I (who have)Nothing"
ゴージャスなヘアメイクがとても良く似合って若い頃のグラディス・ナイトのよう。
キャンディスはこの日に初めてかつての優勝者を上回る歌唱力を披露した。
心地良い声の響きだけでなく、彼女独特のアレンジは縦横無尽で想像を絶する。
間の取り方も完璧だ。
審査員はスタンディング、観客の拍手も止まない。

ラザロ、ケリー・クラークソン"Break Away"
ジミーから「緊張しているか?」と聞かれて頷くとジミーは「僕もだよ。」と答える。
「まさか?」と驚くラザロに「顔に出さないだけだ。」
このやり取りに今まで強面だと思っていたジミーの意外な優しい一面を見た気がした。
「不安な気持ちでいると歌にそれが出て、観客にも伝わってしまう。」と指導される。
"Learn the song, don't practice too much."と言われる。
コバルトブルーのジャケットに黒いパンツがラザロらしい。
「田舎の小さな町で育ち、今は大都会で頑張っている」という歌詞に
共感できたのでこの曲を選んだと言っていたが、
しっかりと感情移入できていないようだった。

クリー、キャリー・アンダーウッドの歌ったロイ・オービソン"Crying"
華やかな白のジャケット、メイクアップも濃すぎてクリーの雰囲気と合っていない。
ジミーは「君は優勝候補だ。」と言う。
確かな歌唱力は評価するが、私にはそこまでの彼女の良さがわからない。

バーネル、ルーベンの歌った"Flying Without Wings"
これからもR&Bを歌っていきたいと言うバーネル。
彼の声、独特のスタイル、選曲の確かさ、多幸感。
「アーメン!」と掛け声を掛けたくなる。
しかしちょっと高音域で音を外していた。
このままだと観客に飽きられてしまうかもしれないという心配もある。

アンバー、ケリー・クラークソンの歌った"A Moment Like This"
この日のパーフォーマンスで最高の出来だったのではないだろうか。
ドレスと髪がステージでなびく様子にもうスターの風格がある。
普段はまだ幼さの残る表情が歌い出すと大人の女性の美しさに輝く。

結果発表
トップ10に混じってツアーに行けるかどうかを掛けてチャーリーとオーブリーが歌う。
ユニークなチャーリー、綺麗で歌にも雰囲気のあるオーブリー、どちらも捨てがたい。

ボトム2は意外にもカーティスとデヴィンだった。
どちらも実力がある人だけに結果に驚く。
前回の歌がそれぞれ今一つだったからだろうか。
デヴィン、ラテン系の人はいつも票の集まりが悪い。
またカーティスはアイドル性、今風な雰囲気に欠けるからだろうか。

ワーストに選ばれてしまったのはカーティス。
生き残りを賭けて歌うのは"I Believe I Can Fly"
魂が震える歌を聴かせたが、審査員のワイルドカード
(脱落者を救うために期間中一度だけ使える)の適用はなかった。
審査員全員の意見が一致なかったようだ。

次回にカーティスの歌を聴けないのは残念。
デヴィンもこのままでは危ない。
何とかこれをバネにして挽回して欲しい。

アメリカンアイドル シーズン12 トップ20→10

2013-03-24 00:00:23 | アメリカンアイドル
トップ20のパーフォーマンス、終了後は今回から視聴者の投票となり、
いっきにトップ10が決まる。

ゾネット、"What Love Got To Do"
普通の曲というか、ゾネット自身のドラマ性を感じさせない曲だと、
彼女のキャラクターが輝いてこない。

ブレアナ、ビヨンセの曲、彼女の雰囲気には合っている。
歌、アピアランス共に落ち着いていて、
遜色がないが、勝負を賭ける時の一曲としてはインパクトに欠ける。

オーブリー、ブレアナ同様にステージ映えする人だ。
ビブラードからファルセットへの流れが良かったと評価されるが、
盛り上がる部分がなかったように思った。

ジャネル、出だしは良いが、最後まで歌い切れないというか、
後半まで持ちこたえられずパワーが切れてしまったように感じた。
でもステージを明るくするブロンドのカントリーガール、
トップ10入りは固いと思わせる。

ティナ、今回の女性コンテスタントは綺麗な人が続く。
フェイス・ヒルの曲を出だしは静かに中盤からは徐々に盛り上げていき、
エンディングも見事だった。
キースの「カメラ目線に捉われすぎて歌がおろそかになっていた。」というコメント。
キースって意外に細かいところを見ているのだなと。
アーティストはタフで大胆でありながら、繊細な部分もなければやっていけない。

アンジー、自作の曲で一気に人気が出た。
それを越えるパーフォーマンスをしなければという重圧の中、
グランドピアノに向かい、前シーズンのトップ10、コルトン・ディクソンの曲を歌う。
自分のスタイルを持った人だ。この人もピアノに向かって歌い上げる姿が美しい。

アンバー、ホイットニー・ヒューストン"When You Believe"
ホイットニーを歌うと失敗する人が多い中、アンバーはゾクッとするほど巧かった。
最初から最後まで飽きさせない。
テクニックを駆使しているが、歌の心もしっかり表現している。

クリー、地味だけれど確かな実力をいつも感じさせる。
安心して聴いていることができる歌。

エイドリアナ、アラスカ出身の素朴な可愛らしさのある最年少のコンテスタント。
力強く歌い切ったがまだ未熟さが残る。

キャンディス、音楽の仕事などない田舎の町で生活していると言うが、
もうライヴができるほどの貫禄がある。
必ずキメてくれる人だ。

男性のトップバッターはイライジャ。
リアナの曲を音域の広さ、声量の豊かさを生かして歌う。
ニッキーのお気に入りだが、どうも私にはピンと来ない。

コルテス、ブルーノ・マースのアップテンポな曲が空回りしてしまった。
今回はトップ10入り、ツアーに行けるかどうかが掛かっているのに、
先ほどの女性のレヴェルと較べると男性はどうも弱い。
コルテス、外見も好感度もある人なのでもっと健闘して欲しかったが、
音を外しまくっていた。

チャーリー、ジェネシスの曲、私は個性的で面白いと思ったが、
会場の反応も微妙、審査員達からは叩かれる。
番組の方向性から離れて、自分の世界に入り過ぎてしまったようだ。

ニック、帽子がトレードマーク、二度目の挑戦でここまで来た。
グー・グー・ドールズ、グランドピアノを前に歌い上げる。
優しくソフトな声や物腰に応援したくなるものを持った人だが、
このメンバーの中に入ると個性がどうしても弱い。

バーネル、予選を通過してから運動を続けて18キロも減量したそうだ。
この人にはカリスマがある。
ステージをいつも自分の色に染めるが、これが観客の期待に応える形になっている。

ポール・ジョリー、ここに選ばれる段階において審査員の票が割れ、
番組のメンター、ジミーの決定でトップ20入りした。
人に好かれるアイドルの資質を持った人だと思うが、
歌の実力は他の人より少し弱いかもしれない。

ラザロ、"Freedom"、歌、ステージの姿共に自信と迫力がある。
歌い出すと曲に入り込み、観客との一体感を生む。

カーティス・フィンチJr、"I Believe I Can Fly"
ライヴに行っても優れた歌唱力を持っている人の歌を聴いていると、
楽器に近い印象を受けるが、カーティスもそんなシンガーだ。
テクニック満載だが、歌の心もしっかりと伝わってくる。

デヴィン"It's Impossible"
アコギのソロから始まり、オーケストラが続く。
前回同様に途中からスペイン語になる。
うっとりと聴き入ってしまう。
スペイン語が混じるのを前回の二番煎じと非難されるかと思いきや、
ここまで素晴らしいと誰も文句を言わない。
アメリカンアイドルの枠を超えてクラシックにも通じるオーセンシティティー、
普遍性を感じさせた。
この人の後半からの伸び、力強さは観客のエネルギーをどんどんと吸収し、
歌へと反映させていくようだ。
気持ち良さそうに歌っている姿はこちらも観ていて心地よい。

ヴィンセント、ボーイズ2メンの曲をそつなく歌うが、
これだけ凄いメンバーが揃っているとはたして彼に票は集まるだろうか。

結果発表。
舞台裏の部屋に男女別に10人づつ集まっている。
名前を呼ばれた人、トップ10に決まった人が一人づつステージへと上る。
男性はポール・ジョリー、バーネル、カーティス、デヴィン、ラザロ。
女性はジェネル、キャンディス、アンジー、アンバー、クリー。

次回にこの10人の他にツアーに参加できる二人も発表される。
トップ10がいよいよ決まった。
個性と実力があり、ジャンルも違うメンバー達。
どの人が優勝候補なのか今の時点では想像もつかない。