行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

上杉藩の危機に直江兼続のリストラ

2009-10-19 13:58:46 | Weblog
NHK天地人もそろそろ大団円に入りつつある。大企業徳川に対する中小企業上杉藩の生き残りにたとえると興味深い。関ヶ原の戦いに敗れた上杉藩は直江兼続の窮余の一策「直江家の跡取りに徳川の重鎮本田家より婿養子をむかえる」ことにより生き残りをはかった。直江家は上杉藩の執政、大企業から専務をむかえるようなものだ。

お家存続となったものの、120万石あった上杉藩は4分の一の30万石に減らされ、米沢へ仕置きされ、兼続の苦闘が始まる。当時はこの場合、召し抱えていた藩士の人員整理に入るのだが、兼続は米沢についてくる者はすべて再雇用すると宣言し、動揺する人心を鎮める。ドラマでは感激した藩士はほとんどが米沢に移動するが、当然給料である石高は激減し、困窮を極め、兼続自身の禄も削る。今でいうとワークシェアリングだ。

貧困を解決するために、武士でも鍬を持ち開墾して新田作りに励み、治水対策では堤を築く、殖産興業では紅花染めを振興させた。藩士はがんばるが大企業徳川藩のやりように不満を募らせ藩内の統一に直江兼続は苦労するが何とか上杉藩の生き残りをはかる。

現代の企業経営者にも見習ってもらいたい場面が多い。本日の報道によれば現代の大分藩では非正規労働者の失職予定者が4491人と九州で最も多いとのこと、大分キャノンのデジタルカメラ減産で同社の請負会社が非正規労働者1000人以上を解雇したことが大きい。現代の藩主はじつに簡単に首を切る。非正規労働者は原材料と同じで売り上げが減れば仕入れない。兼続のように人を生かすリストラを考えるのも経営者の責任だ。

上杉藩の藩士は誇りを持って米沢に移ったが現代の非正規労働者に日本人としての誇りを持てといわれても持てるわけがない。非正規労働者を無くす努力が一刻も早く求められるし、民主党政権の喫緊の課題だ。

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