小学校高学年向けのマララの本を相変わらずちっとも読書をしようとしない四男に読んであげること2週間。昨夜、やっと、読み終えた。
毎晩、1時間くらい読んであげているのに、読破するのに2週間以上かかった。
彼は、夜な夜なほねほねザウルスの妄想の世界でうっとりしている。
でも、なぜだか、ちゃんと聞いている。1時間も聞き続けるって、結構しんどい。かなりの集中力がいる。それは、えらいと思う。でも、いい加減、自力で読書してほしい。マンガ本でいいから読んでって言っても、それもしようとしない。トホホ・・・。
読んで思った。
この本を、学校で読み聞かせしてあげたら、戦争とか平和という抽象的な言葉が自分事としてカラダに染み入って理解できていくんじゃないかなぁ。そして、『恐怖で操る独裁者の罠にまんまとかかってしまう人間とはそういうものさ』という人間社会の弱点をしっかり認識できる。だからこそ、言論の自由と戦争をしないことを保証する憲法という見張り番が絶対必要なのだと確信する。右翼とか左翼とか関係なく、そういう教育は必須だと思う。
道徳の教科書をこのマララの本にしてもらえたらいいな。
マララの本を読んでいくと、じわりじわりと人々を恐怖におとしいれてていく様が、マララの弟とケンカするごく普通の女の子の日常の平和な描写と交互に描かれ、生き生きと臨場感溢れる言葉で迫ってくる。マララの口から溢れ出す言葉を著者がそれはそれは、生き生きとした言葉で綴っている。翻訳がすばらしいのかな?あんな風に言葉を輝く言葉に変換できたらいいなぁ。
戦争の悲惨さではなく、じわりじわりと恐怖で支配していく姿は、写真とか映像より文字の方が、はるかに心に迫ってくる。恐怖で人は動けなくなる。無抵抗になる。下手をすると告げ口してしまう。
それにしても、独裁者ってすごい。怖い。テクニシャンだ。人を恐怖感で操っていく技術にたけている。マララの物語に登場するファッズルーラーという名の独裁者は、今、オサマビンラディンの後継者となり、アルカイーダのトップの地位に登りつめた。
アルカイーダ、あるいは、タリバンの拠点はアフガニスタンだったけれど、東隣のマララの住むパキスタンまで侵入し始める。そのパキスタンのリーダーが、ファッズルーラーだった。いかにもって名前だよね。ファッズルーラー。響きがとても独裁者ぽくって、すぐ覚えちゃった。
ファッズルーラは、イスラム教に関係する大学の中退者で、イスラム教をちゃんと学んでいない人のよう。彼は、最初、ラジオ番組でイスラムの教えを語り始めた。いいことも言うけれど、どちらかというときちんと戒律を守らないとどうなるか・・・みたいなことも話すタイプ。それでも、話術にたけていたのかなぁ。テレビのある家は少なかったので、マララの住むミンゴラの町ではラジオ放送の流れた翌日には、ファッズルーラの語った内容についての話題で持ちきりだった。
住民の心をつかんだら、徐々に徐々に、戒律を厳しくしていく。
しばらくして、ミンゴラの町一帯が大地震に遭遇して大変だったときに、政府よりなにより真っ先に駆けつけて支援をおこなったのがファッズルーラ率いるタリバンの一軍だった。
これで、わしづかみだ。
ミンゴラの住民は感謝した。
そして、それから、だ。
ファッズルーラは、女子の教育を批判し始めた。
女子だけでなく、子どもの教育も。
パキスタンの学校を破壊し始めた。
もちろん、女性は外出もままならなくなった。例のあのカラダ全身を覆うブルカを着ないで町を歩いていたという理由だけで、見せしめとして路上で処刑され始めた。鞭うちの刑も頻繁に行われるようになる。そして、ついに警官も処刑され始めた。
そして、そして、勉強が大好きなマララにとって最悪な事態、女子は学校に行くなという。
パキスタンでは、多くの女の子が14歳くらいで結婚する。だから、教育をうける必要はないと。
だから、マララは訴え続けたのだ。女の子にも教育を!と。
ミンゴラの町がタリバンに一時征服されて、でも、どうにかパキスタン政府がタリバンからミンゴラの町を取り戻して、女の子も学校に行けるようになった。と思った矢先、マララは、帰りの通学用のトラックを襲撃されて、銃弾に打たれ、どうにか一命は取り留めたもののかなりの重傷の傷を負った。
マララの本を読んで、たった10歳11歳なのに、女の子の教育についてメディアのインタビューを受けて自分の考えを自分の言葉で話すなんてすごいってびっくりした。だって、読んでいる私の隣で四男は、ほねほねザウルスでホネホネごっこに浸っている。く~~~。この違いは何?
たった10歳の女の子が女の子にも教育を・・と世界に向けて発信する、しかも、タリバンに怯むことなく。
でも、この本を読み進めていくうちに、マララもすごいけれど、マララがすごかったのはマララのパパの存在の大きさによると納得できた。マララのパパは、悪に屈しない本物の強さを備えた偉人である。
子どもは親の背中を見て大きくなるんだなぁ。
ドキッと。
あ~~、なんとみみっちぃ背中。私の背中もだし、夫もかなり。私の両親も。義理の父母も。
ま、カエルの子はカエルだもんね。
結構、精一杯育ててきたつもりだけど、みみっちぃ。どんなにあがいても、みみっちぃ。
我が家のことで精いっぱいで。
マララパパは、りっぱな人だ。
マララパパの職業は、小学校・中学校の学校経営者。教壇にも立っていると思う。教育こそ・・・という思いで一から学校を作り上げ、一番多いときは1,000人以上の生徒がいた。女子にも教育をという理念で、女子校ももちろん。イスラム教は、多分、男女平等的ではない宗教だと思う。明治時代の頃のような男女に対する感覚があるんじゃないかなと想像する。そんな風土の中で、男女関係なく子どもたちに教育の機会を与えようという考えを持って実践している・・・そのものがすごいことだと思う。
でも、車を持っていなかった。
100人くらいは、学費を払えない生徒も学校に受け入れていた。だから、貧乏。食べるものには困らないけれど。いつも、先生たちの給料の工面に苦労していた。
それだけでも、十分尊敬する人物。それが、マララパパ。
でも、それだけではない。
ファッズルーラが恐怖でミンゴラの人々を支配しようと、自分の考えに反する人たちを血祭り、見せしめにしても、200以上の学校を破壊しても、なお、怯むことなく、新聞に投書したり、政府に要望をしたりし続けた。
自分が理念を通すことで殺される可能性が高い(事実、次はお前だというような予告リストに載っていた)とわかっていても、教育(女子の教育も含む)の権利を死守するために言葉で闘い続けた。
ただ、マララパパもまさかタリバンが子どもの命を狙うとは思っておらず、マララが、世界のメディアのインタビューを受けることや政府の会議に出席して、女の子の教育について訴えることをやめさせようなんてオムわなかった。しかし、マララにも『次は君だ。』というような怪文が届いたりして不吉な予感はしていた。イギリスに亡命してパキスタンに帰ってきて、首相になったばかりの初の女性首相、ブッド氏も就任後わずか1か月で暗殺されており、女性だから殺されないなんてことはなかったけれど、まさか、子どもまでとは思わなかったらしい。
しかし、悲劇は起きた。
通学帰りの通学用トラックを信号で止められて、左頭部に銃弾を浴びた。
マララはどうにか九死に一生を得た。
目覚めたのは、銃で撃たれて1週間後。そこは、パキスタンではなくイギリス。
現在、マララは家族と共にイギリスで暮らしている。マララパパは、イギリスの外務省で働いている。
やっぱりどこにでもいるのね。
マララ一家を妬む人たち。
わざと銃で撃たれてイギリスに亡命したんだっていう人たち。
妬みは、この世の常。
イスラム国が今のような状況である限り、アルカイダとは一線を画しているとはいえ、情勢はかなり不安定。マララたち一家が、祖国に帰れる日は遠そうだ。
というか、イスラム国、ちょっと、否、かなり、やばい。
世界全体を巻き込み始めた。
毎晩、1時間くらい読んであげているのに、読破するのに2週間以上かかった。
彼は、夜な夜なほねほねザウルスの妄想の世界でうっとりしている。
でも、なぜだか、ちゃんと聞いている。1時間も聞き続けるって、結構しんどい。かなりの集中力がいる。それは、えらいと思う。でも、いい加減、自力で読書してほしい。マンガ本でいいから読んでって言っても、それもしようとしない。トホホ・・・。
読んで思った。
この本を、学校で読み聞かせしてあげたら、戦争とか平和という抽象的な言葉が自分事としてカラダに染み入って理解できていくんじゃないかなぁ。そして、『恐怖で操る独裁者の罠にまんまとかかってしまう人間とはそういうものさ』という人間社会の弱点をしっかり認識できる。だからこそ、言論の自由と戦争をしないことを保証する憲法という見張り番が絶対必要なのだと確信する。右翼とか左翼とか関係なく、そういう教育は必須だと思う。
道徳の教科書をこのマララの本にしてもらえたらいいな。
マララの本を読んでいくと、じわりじわりと人々を恐怖におとしいれてていく様が、マララの弟とケンカするごく普通の女の子の日常の平和な描写と交互に描かれ、生き生きと臨場感溢れる言葉で迫ってくる。マララの口から溢れ出す言葉を著者がそれはそれは、生き生きとした言葉で綴っている。翻訳がすばらしいのかな?あんな風に言葉を輝く言葉に変換できたらいいなぁ。
戦争の悲惨さではなく、じわりじわりと恐怖で支配していく姿は、写真とか映像より文字の方が、はるかに心に迫ってくる。恐怖で人は動けなくなる。無抵抗になる。下手をすると告げ口してしまう。
それにしても、独裁者ってすごい。怖い。テクニシャンだ。人を恐怖感で操っていく技術にたけている。マララの物語に登場するファッズルーラーという名の独裁者は、今、オサマビンラディンの後継者となり、アルカイーダのトップの地位に登りつめた。
アルカイーダ、あるいは、タリバンの拠点はアフガニスタンだったけれど、東隣のマララの住むパキスタンまで侵入し始める。そのパキスタンのリーダーが、ファッズルーラーだった。いかにもって名前だよね。ファッズルーラー。響きがとても独裁者ぽくって、すぐ覚えちゃった。
ファッズルーラは、イスラム教に関係する大学の中退者で、イスラム教をちゃんと学んでいない人のよう。彼は、最初、ラジオ番組でイスラムの教えを語り始めた。いいことも言うけれど、どちらかというときちんと戒律を守らないとどうなるか・・・みたいなことも話すタイプ。それでも、話術にたけていたのかなぁ。テレビのある家は少なかったので、マララの住むミンゴラの町ではラジオ放送の流れた翌日には、ファッズルーラの語った内容についての話題で持ちきりだった。
住民の心をつかんだら、徐々に徐々に、戒律を厳しくしていく。
しばらくして、ミンゴラの町一帯が大地震に遭遇して大変だったときに、政府よりなにより真っ先に駆けつけて支援をおこなったのがファッズルーラ率いるタリバンの一軍だった。
これで、わしづかみだ。
ミンゴラの住民は感謝した。
そして、それから、だ。
ファッズルーラは、女子の教育を批判し始めた。
女子だけでなく、子どもの教育も。
パキスタンの学校を破壊し始めた。
もちろん、女性は外出もままならなくなった。例のあのカラダ全身を覆うブルカを着ないで町を歩いていたという理由だけで、見せしめとして路上で処刑され始めた。鞭うちの刑も頻繁に行われるようになる。そして、ついに警官も処刑され始めた。
そして、そして、勉強が大好きなマララにとって最悪な事態、女子は学校に行くなという。
パキスタンでは、多くの女の子が14歳くらいで結婚する。だから、教育をうける必要はないと。
だから、マララは訴え続けたのだ。女の子にも教育を!と。
ミンゴラの町がタリバンに一時征服されて、でも、どうにかパキスタン政府がタリバンからミンゴラの町を取り戻して、女の子も学校に行けるようになった。と思った矢先、マララは、帰りの通学用のトラックを襲撃されて、銃弾に打たれ、どうにか一命は取り留めたもののかなりの重傷の傷を負った。
マララの本を読んで、たった10歳11歳なのに、女の子の教育についてメディアのインタビューを受けて自分の考えを自分の言葉で話すなんてすごいってびっくりした。だって、読んでいる私の隣で四男は、ほねほねザウルスでホネホネごっこに浸っている。く~~~。この違いは何?
たった10歳の女の子が女の子にも教育を・・と世界に向けて発信する、しかも、タリバンに怯むことなく。
でも、この本を読み進めていくうちに、マララもすごいけれど、マララがすごかったのはマララのパパの存在の大きさによると納得できた。マララのパパは、悪に屈しない本物の強さを備えた偉人である。
子どもは親の背中を見て大きくなるんだなぁ。
ドキッと。
あ~~、なんとみみっちぃ背中。私の背中もだし、夫もかなり。私の両親も。義理の父母も。
ま、カエルの子はカエルだもんね。
結構、精一杯育ててきたつもりだけど、みみっちぃ。どんなにあがいても、みみっちぃ。
我が家のことで精いっぱいで。
マララパパは、りっぱな人だ。
マララパパの職業は、小学校・中学校の学校経営者。教壇にも立っていると思う。教育こそ・・・という思いで一から学校を作り上げ、一番多いときは1,000人以上の生徒がいた。女子にも教育をという理念で、女子校ももちろん。イスラム教は、多分、男女平等的ではない宗教だと思う。明治時代の頃のような男女に対する感覚があるんじゃないかなと想像する。そんな風土の中で、男女関係なく子どもたちに教育の機会を与えようという考えを持って実践している・・・そのものがすごいことだと思う。
でも、車を持っていなかった。
100人くらいは、学費を払えない生徒も学校に受け入れていた。だから、貧乏。食べるものには困らないけれど。いつも、先生たちの給料の工面に苦労していた。
それだけでも、十分尊敬する人物。それが、マララパパ。
でも、それだけではない。
ファッズルーラが恐怖でミンゴラの人々を支配しようと、自分の考えに反する人たちを血祭り、見せしめにしても、200以上の学校を破壊しても、なお、怯むことなく、新聞に投書したり、政府に要望をしたりし続けた。
自分が理念を通すことで殺される可能性が高い(事実、次はお前だというような予告リストに載っていた)とわかっていても、教育(女子の教育も含む)の権利を死守するために言葉で闘い続けた。
ただ、マララパパもまさかタリバンが子どもの命を狙うとは思っておらず、マララが、世界のメディアのインタビューを受けることや政府の会議に出席して、女の子の教育について訴えることをやめさせようなんてオムわなかった。しかし、マララにも『次は君だ。』というような怪文が届いたりして不吉な予感はしていた。イギリスに亡命してパキスタンに帰ってきて、首相になったばかりの初の女性首相、ブッド氏も就任後わずか1か月で暗殺されており、女性だから殺されないなんてことはなかったけれど、まさか、子どもまでとは思わなかったらしい。
しかし、悲劇は起きた。
通学帰りの通学用トラックを信号で止められて、左頭部に銃弾を浴びた。
マララはどうにか九死に一生を得た。
目覚めたのは、銃で撃たれて1週間後。そこは、パキスタンではなくイギリス。
現在、マララは家族と共にイギリスで暮らしている。マララパパは、イギリスの外務省で働いている。
やっぱりどこにでもいるのね。
マララ一家を妬む人たち。
わざと銃で撃たれてイギリスに亡命したんだっていう人たち。
妬みは、この世の常。
イスラム国が今のような状況である限り、アルカイダとは一線を画しているとはいえ、情勢はかなり不安定。マララたち一家が、祖国に帰れる日は遠そうだ。
というか、イスラム国、ちょっと、否、かなり、やばい。
世界全体を巻き込み始めた。