東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

正しい休日

2020-06-18 22:58:36 | ノルウェー山暮らし fjellgård
先週は珍しく町での仕事が忙しかったので
普段は週に1〜2日しか出かけない職場へ4日も通うことになり
最後の日は家に帰ったのが午前4時というハードスケジュールでした

でも次の出勤まで5連休なのでゆっくり休もう!
いや、休まなくては!

まだcovid-19も収束していないのだし
それでなくても自分のコンディションを整えておくことは
人里離れた田舎暮らしの最重要課題
(病院まで車で片道2時間半)

でも…
こうも良いお天気だと
外に出て庭仕事に手をつけないというのは
貧乏性のわたしにとっては至難の技

そしていったん庭仕事に手を着けてしまうとなかなかやめられず
腕や腰が痛くなるまで続けてしまうのが目に見えているので
まずは午前中のうちに散歩に出かけることに

連日の町へのドライブと仕事で
凝り固まった身体をほぐすのには山を歩くに限ります

ちょっとしっかり散歩したいときは
その辺の森を適当に歩くのではなく
ふもとまで降りて戻ってくる約3時間の周遊コース

いつもなら
まず息の切れる谷越えルートでふもとまで降りて
復路にふだん車で通る私道をのんびりと歩くのですが
今回は腰痛対策に登り坂を多めに歩きたかったので逆回りにしました



行きは途中で2ヶ所、帰りは1ヶ所橋を渡ります
(谷のところで2つの川が合流するため)

今の季節どの川もすごい水量
普段は魚が泳いでいるのが見えるくらい穏やかで
川底が見えるのに…

道中、トラックに石が転がっているのを見つけるたび
次に自分が運転するときのために
それを脇へ放り投げながら(または蹴飛ばしながら)歩いていると
意外と時間がかかります



でも散歩だから別に時間は気にしません

途中で道路をそれて遊歩道を行きます


(左が遊歩道)

この道は滝の流れ落ちる場所のすぐ近くを通り轟音が聞こえるものの
滝の姿は見えません

うーん
せっかくだから少し遠回りして滝が見えるところまで歩こうかな
などと考えつつ進むうちに自宅が見える高い場所に到達
自宅(標高650m)より100mほど高いので少し見下ろす感じ



ここから先
車道を適当にショートカットしながらひたすら下っていけば
ものの20分ほどでふもとに着くんですけれど
急がないし森の中の方が歩いていて気持ちいいから
滝ポイントへ続くけもの道に近い小径を進むことに


(斜面で木も斜めに生えていて写真はほぼまっすぐです)

すぐにでも埋もれてしまいそうな細い道なのに
消えてなくならない程度に旅行者が歩いているってことよね
あっ、シカもこの道を使っているのかも…



滝が見える場所はかなり低いので
このあとまた少し登ることになりますが
それでも見る価値のある眺めです

この時期は滝も川に劣らずマイティー
あとからあとから流れ落ちる滝を見ていると
一体どこからこんなにたくさんの水がくるのか
いつも不思議な気持ちになります

さて
ふもとに着くと平日にもかかわらず旅行者の車が何台かと
これから谷へ降りて行こうとする人たちの姿が見えます

ここの谷の名前はオモタンと言って
ヨーロッパ内の旅行者にはわりと知られている場所ですが
日本ではまず知られていないと思います

The waterfall wonders of Åmotan

Combining the force of five rivers

 

(ノルウェーの観光ガイドのページより)

ちなみにこのウェブサイトの動画で解説をしているおじさんは
このふもとに住むご近所さんです

そういえば彼にも奥さんにもしばらく会ってなかったなーと
挨拶だけしようとドアベルを鳴らすと
奥さんがちょうど玄関でスニーカーを履いているところでした

旦那さんは留守で
奥さんはちょっと散歩しようかと思っただけだから、と
表のガーデンファニチャーに腰を落ち着けて少し世間話
しばらくすると別のご近所のおじいさんもやってきたので
結局コーヒーとシナモンロールをご馳走になりすっかり長居してしまいました



「どこから帰るの?え、オモタン?
じゃあシナモンロールをもうひとつ食べないとね!」

そういえば3時間ほどで家に戻る予定で
飲み物と携帯電話しか持たずに出てきていたので
お言葉に甘えてペロリと2個平らげました

オモタンでは滝のすぐ近くまで行けるので
天然のシャワーを浴びられます
というよりもう目を開けていられないすごい水しぶき

滝の方をまともに向けなくて
滝に流れ込む4つの川のうちの2つが合流する方向へカメラを向けて1枚



それから滝にほぼ背を向けて
水しぶきに日光が当たって虹を作っているあたりを狙って1枚



もうジーンズも髪もびしょびしょで眼鏡は水滴だらけで
撮れているかどうか確認もできずとりあえず移動

ふうー
でも気持ちよかったー
ずぶ濡れになりながら思わずひとりで声を上げて笑ってしまっていました

ここから先はひたすら勝手知ったる山道を登るのみ
心臓破りと形容してもいいくらいの急勾配続きですが
ここでは60代や70代の人たちもふつうに登る道です
Ut på tur で育ったノルウェー人おそるべし



ちなみにわたしがこのオモタンルートを初めて通ったのは
ノルウェーに引越してきた4年前の夏でした
趣味が登山でもキャンプでもないわたしにとってはかなりのアドベンチャー
翌日の筋肉痛もひどかった…

今ではどこも痛くならないどころか
腰が軽くなって体調がすこぶる良くなります
慣れってすごいですね



羊の姿が見えてくればもう家はすぐそこです
ここまでくればあとはもう平らなので
足の運びの楽なこと

ちなみに写真の右手に見える柵は
うちから数分のところにある羊トラップ
きみたち、秋にはこの中にちゃんと集まってお家に帰るんだよ

この日
11時に出かけて家に帰り着いたのは午後5時前
すっかり散歩とご近所さんとのおしゃべりに
丸一日を費やしてしまいました

まあ、でも
家事や庭仕事や雑用に明け暮れることもなく
腰痛に効く山歩きもたっぷりできて
おまけに美味しいコーヒータイムまで

久しぶりに休日らしい休日でした


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