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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

さんま漁23 航海目!

2008年10月30日 | モバイル

29日朝6時30分女川出港、

西からの季節風が強く、微速で北上!

28日の晩に僚船が操業し、

魚体組成が良かったという釜石沖向け。

13時45分ポイント着漂泊、15時30分スタンバイ。

17時10分頃から操業開始!

日暮れと共に風が北北東に変わり、更に強まった。

前航海までは下合羽に上着Tシャツという、

いでたちで操業しており、

「10月も下旬になるのに今年は異常に暖かいなあ」とか

船の仲間と言っていましたが、

今回は急に寒気が訪れ、一気に寒さの到来です。

操業は、薄群れを3回程連続で操業しては調査航走のパターン。

水温は14.8~15.3℃ 「大」「中」主体!

魚体組成は上々・・・

7回目の揚網時に網に鯨が入ってしまった!

(聞いた事はありましたが、サンマの網に鯨が入ったのは

私は初めてでした)

網を広げて逃がすのにも四苦八苦でしたが、なんとか無事に

泳いで行きました   網も破損せず一安心…!

その頃、南三陸沿岸沿いで大群操業との連絡が入り、

僚船は南西側に調査して行ったが、我々は操業を続け、

21時頃からは僚船とは逆に、北上調査航走。

2時間程航走したところで群れにあたり、操業再開!

水温14.2℃  魚体組成は更に良くなった!

黒崎の沖合いの冷海水域の渦が消滅し、

分枝が三陸沿岸に分かれて流入。

どうやら、14℃~15℃台の低水の流入が活発化し

それに伴い、割合(魚体組成)の良いサンマがどんどん

回遊してきているようです。

割と高めの海水温を南下回遊したサンマは

現在、金華山沖で漁獲されているようです。

1時10分頃に操業終わり、南下帰途航走女川向け。

30日朝7時半頃の入港予定!


さんま漁各市場水揚げ量!

2008年10月28日 | 水産関連

2008918_006 今シーズンのサンマ漁は大型船解禁から2ヶ月が経過、

小型船の解禁からの各港、市場でのサンマ水揚げ量です。

全さんま(全国さんま漁業協会) の集計(10月20日現在)

花咲  (北海道)  49523トン

釧路  (北海道)  26340トン

厚岸  (北海道)  22319トン

女川  (宮城県)  17698トン

気仙沼(宮城県)  16791トン

大船渡(岩手県)  13448トン

銚子  (千葉県)  12506トン

宮古  (岩手県)    8417トン

浜中  (北海道)    6173トン

小名浜(福島県)    3054トン

全国     計  180263トン

TAC(漁獲可能量)約35万トンの約半分

水揚げ数量は前年比約2%増で推移しています。


さんま漁22 航海目!

2008年10月27日 | モバイル

26日9時15分、女川出港!

僚船数隻と各船は、

昨夜銚子から出港して来た船団が大群操業した

金華山南東沖に向かったようですが、我々は微速で北上!

15時50分スタンバイ。

宮古沿岸で18時から操業開始!

水温16.8℃ 付近には他船なし。

1隻で6回の連続操業後、20時30分頃から更に北上、

北海道の小型船数隻が操業中の久慈沖に向かって!

1時間程北上した黒崎沿岸沿い、

水温 17.1~17.2℃ で群れにあたり、大群操業。

黒崎灯台の灯りの他に町の明かりも見える、

陸からもサンマ船の漁り火が見えるだろう、

レーダーを見ると、陸までは最短で6哩。

今晩は終わりまで単独での操業でした。

23時15分終わり!

終わりと同時に西からの季節風が強まり、微速で南下帰途航走!

27日朝7時頃、女川入港予定。


集落の秋祭り!

2008年10月25日 | 私事

20081025_006 20081025_024

豊漁や豊作を願う集落の愛宕神社の秋祭りである。

本来は10月24日が祭日なのですが、

老巧化に伴い、我が集落に今年完成した

コミュニュティーセンターの落成記念を兼ねて

子供達の休日である本日が祭りのメインとなった。

集落の将来の時代を担う子供達が数日間練習し、

大人達が継承を進めている「獅子舞」

今回は子獅子の面が寄贈された事によって

「子供獅子舞」が披露されました。

小さな集落ではありますが、

大人達から子供達へ文化を伝えて行く!

そんな願いも秋祭りには込められています。

20081025_004


さんま漁21 航海目!

2008年10月23日 | モバイル

22日朝、女川港に向かう途中の5時30分、弟に電話をしてみた、

(綾里崎沿岸で夜明け前の最後の操業中で、

足りないので夜明けから泊るとの事)

氷を積み込み7時15分に女川出港北上。

帰途中の船、数隻が女川に向けて行ったが、

三陸沿岸沿いは全般的に不調ぎみで

北側程漁模様が悪かったようです。

三陸沿岸沿いに漂泊中の各船の東側を航走、コース 40°沖よりに!

目指すポイントは N40°04, E143°48,女川港から約135哩

黒崎沖合いのなかなか広がらない冷海水渦の海域。

(ここから三陸沿岸沿いに分枝が伸びている)

15時45分のスタンバイ後も北上を続け、

19時15分から薄群れを1回操業!

やや、ジャミ(小サンマ)混じり。

水温15.4℃ 他船は4隻。

北海道厚岸船団の3隻と僚船1隻(友が指揮を執る船)

各船、特に話合って来た訳ではなく、

三陸沿岸沿いは魚体組成も漁模様も低調ぎみで、

低気圧が抜けた後、 沖合いでも良い凪が予想された事から、

黒崎沖合いの冷海水域が気になっていて、いつか調査を!

というように考えていた船の漁労長達が

このポイントに向かったようです。

他船が操業中のポイントから北東側に調査し、

水温が14℃台に変わったところで操業再開!

「大」主体で魚体組成の良い群れを

数回連続操業して調査航走というパターン。

14℃台の水温は14.2~14.8℃まで微妙な変化があった!

他船が少なかった事から(冷海水渦の海域周囲)

範囲を広くは調査できず、

(船が多ければ各船の行動や情報が入り、

それを基にしての調査や動きの選択肢が広がる)

大群操業とはいきませんでしたが、

周りに散らばらないサンマを漁獲。

最後に操業した群れが若干濃く、1時50分終わり、

僚船に群れを預けて帰途航走、

20081023_004 20081023_009 微速で女川向け!23日夕刻入港予定。