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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

鮭鱒漁3航海目!

2008年07月30日 | モバイル

2航海目入港~3航海目出港まで釧路港での

滞在時間は22時間半!

水揚げに要した時間は入港後4時間、出港前4時間の8時間。

水揚げ後の後かたずけに各1時間、

塩や氷、燃料油等の各積み込みに2時間半程、

個人仕込みに約2時間。

睡眠含む、作業外の時間が約8時間と!

忙しい釧路港滞在でした。

水揚げを終え、7月8日01時、釧路発3航海目の出港!

チェックポイント通過後 Co55°2区向け。

9日18時、N45°31、E152°57、から投網開始!

1回操業し、海区移動。(今年の2区は各船、漁皆無)

N49°05、E154°58、にあるNo7チェックポイント向け北上。

(3a区を操業する前にはこのチェックポイントでの許可が必要)

臨検は無く、無線での応対で済み、反転南下!

N48°10、E155°10、付近の3a区枠外で漂泊、順番待ち待機!

(操業枠が狭い3a区では操 業隻数に限りがあり、

操業は到着順での枠入りで漁獲枠を

クリアした船が抜けなければ入れない)11日~15日まで漂泊。

14日22時、ロシア海軍のイージス艦(156)「オリョロ

(4年前に臨検を受けた(156)は「アクロス」という艦名だったが?)

からの臨検は、かなり厳しかった!!!

3人が乗船し、腰にピストルを携帯した若い軍人の指示で

他の2人が我々のミスを探しているような感じ)

2時間程で無事終わり、15日02時から3a区での投網開始!

相変わらずこの海区は潮が悪く、

海水温3℃台~4.7~7.5℃の低水温域と

10℃台の高水温域との潮境の潮流に乗る各網ごとに著しく変わる。

狭い範囲内でも、真っ直ぐに入れて行った筈の各網が

(距離を海里からkmに換算すると網1本約4km×8本

網間は4km以上の間隔で最低でも64km以上

1隻の入網基準距離)

数時間で蛇行や折り返し状、渦巻き状になる為、

操業リズムが変わ り、網を流す時間は短くなる。

1区での操業パターン投網後6~7時間網を流し揚網する。

から3a区では投網後2~3時間で揚網という具合に

操業パターンも変わる。

20日、23時からは付近で操業中の船5隻に臨検命令が下り、

2008721_005 順にロシアコーストガード(044)「マガダニッツ」から臨検!

我々の船は21日00時15分から1時間臨検を受けました。

23日には、指揮船8光洋丸から臨検!

陸(日本)からの情報は

JSC 共同通信社のkyodo NewsFAX版)で知ります。

季節柄、日本列島各地で猛暑!

の記事を見ても、我々の操業海区は7月も下旬だというのに

まだ風が冷たく、連日の濃霧や雨で陽差しはほとんど無い…

漁を終えて帰ると気温差に体が慣れるまでが大変 (泣)!!

この時期の鮭は餌の主食が変わるようで

口からサンマの尾鰭が見え、胃の内容物もオキアミから

小さなイカやサンマに変わっています。

28日の揚網で今年の 鮭鱒漁は最終回!

操業を無事終えて15時から帰途航走。

1区35回、2区1回、3a区15回で全操業回数51回、

29日23時20分、チェックポイント着、

00時、臨検終わり釧路向け。

30日7時、釧路入港予定。

漁具解体作業、水揚げを終えると

いよいよ母港、八戸向けになります。

今航海も乗組員は皆元気に頑張ってきました!


鮭鱒漁2航海目!

2008年07月06日 | モバイル

6月13日、6時30分に釧路港を出港

Co 70°チェックポイント向け!

13時40分 チェックポイント着、「ジアナ」からの臨検後北上、

今回も1区での操業なのでカムチャッカ東岸ペトロ沖の

チェックポイント向け!

2航海目の航海中(沖出し)は作業が無く当直のみ、

ハードな水揚げの疲れを取る為、

当直後入浴しては就寝というサイクルで過ごす。

(風呂にゆっくり入れるのもこの時だけで

操業が始まるとゆっくりとはいきません)

当直後~次の当直までは8時間、入浴後の就寝は爆睡です!

それでも航走3日目ともなると幾分疲労も和らぎ、

次の当直前に目が覚めるようになり、

乗組員仲間は各自、寝台で読書やDVD鑑賞をしているようです。

私もノートPCを開きノートに書き溜めていた事を

打ち込む余裕ができた。

6月16日03時、カムチャッカ ペトロ沖のチェックポイント着。

N52°08、 E158°50、

1航海目の帰港時と同じロシアコ ーストガード

185)「サハリン」からの臨検!

この朝は(01時頃から夜が明ける)霧もなく、

2008616_028 西側15海里にはまだ雪の残るカムチャッカの山並が見える。

沖出しという事もあり30分程で臨検が終わり、1区の漁場枠向け!

途中、航走コースの西10海里程でカムチャッカ沿岸沿いを

2008616_032 操業しているロシアのトロール船が見えました。

6月17日15時、「68善龍丸」と会合し

2008617_004 1航海目に借りた部品を返して北上!

今航海は1区漁場枠の北側で操業中の僚船に並び、

ライン際からは離れた位置に操業ポジションを取り20時、

N58°04、 E166°57、から投網開始!

6月19日、2回目の揚網には、指揮船「18栄久丸」からの臨検。

(揚網立ち会いと漁獲した鮭の10匹単位での計量)

珍しく連日良い凪で気温も海水温も例年以上に高くなり、

無風で湖のような海!

北緯50度以北とは思えない程で

前航海とは 体感温度がまるで違う。

(この陽気?

のおかげで酷かったしもやけは大分回復しました(笑))

6月25日、7回目の揚網は「8光洋丸」から臨検。

29日、この日は5海里隣に並んで操業していた昨年の指揮船

2008629_03218鹿島丸」(今年は操業船)と一緒に「8光洋丸」から臨検!

2008629_014 1区で操業中の各船は日毎に漁獲枠のノルマをクリアし、

海区移動や帰港して行く、

操業ポジション付近では日増しに海水温が高くなり

漁模様は低調気味に…

7月2日、1区での最終回はこれまで14日間続いてくれていた

最高の凪が一転し、揚網開始の頃からうねりが高くなり、

次第に南風が吹き始め、一気に海一面が白くなり嵐となった!

久々の時化の中での揚網は船足も低い事から

甲板は異様な揺れで、船にはいとも簡単に波が乗る!

凪に慣れてしまっていた分、余計に大変でした。

ともあれ連続15回(前航海20回、計35回)の操業で

1区漁獲枠をクリアし南下帰途。

時化も 治まり、4日朝3時30分、ペトロ沖のチェックポイント着、

立ち込める霧の中、

ロシアコーストガード(170)「ネバァ」から臨検!

200874_021 1時間半程で無事臨検を終えて南下帰途航走、

日露漁業境界線のチェックポイント向け。

帰途航走中の5日夜からは、海水温が下がり

寝台にいても寒く感じるようになった。

(船内寝室では海水温の変化で船内気温が著しく変わる)

(エンジンの排気温度も下がるので海水温度計を見なくても

海水温の変化を知る事ができる)

緯度線は46°台。

3区操業枠の西側を航走中ですが同緯度内である。

3区はまだ海水温が低いと予想できます!

次の航海はまだ2区か3区か未定のようですが…

6日18時40分、チェックポイント着、

ロシアコーストガード「ジアナ」から臨検!

19時30分、無事臨検を終えて日本の領海内へ!!

いつもながら日本の領海内に入るとほっとします。

船は釧路港向け!

(チェックポイント~釧路港までは約7 時間

7日02時過ぎの入港予定で7時まで水揚げし、

残りは7日の晩に水揚げ、揚げ後即出港の予定が組まれました。

尚、 乗組員は皆元気です!!