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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【時化休み】!

2020年09月26日 | モバイル
9月25日の水揚げ後、台風崩れの低気圧の影響を考慮、時化休みとなった!

9月26日は朝から雨脚が強く、次第に北東からの風が強まり
大時化の花咲港…!





久々の休みもコロナ禍で外出は制限付き…

各機関Lo系統のメンテナンス作業の後、買い物に…。

ただ、私にとっては落ち着かない一日であった。

【5航海目】!

2020年09月24日 | モバイル
9月19日、水揚げ・氷の積み込み・燃料補給を済ませ、8時40分 花咲出港公海向け!

20日15時30分・S/B。
漁灯を拡げる最中、カツオの群れがイワシを追っている…!
この海区はまだ水温が高い…。

衛星水温図では先日の時化で低海水温渦が若干張り出しを強めたのが確認できる
しかし解禁から早1ヶ月が経過したが、依然として道東沖の暖水塊は大きい…

S/B後、更に沖へ…

19時頃から薄群れを操業開始!

薄群れ操業時の網を巻き上げる前、数匹のシイラによるサンマを追っての捕食行動…
自然の摂理を船上から覗く…。

新たな低海水温渦を範囲を拡げながら調査…

サンマはポツポツと見えてはいるものの群れない…!

僅かな漁獲で夜が明けた…。

21日・昼過ぎから雨が降り、空色が冴えない…
15時30分・S/B。
日没前からうねりと共に北風が強まり時化となった…

雨が霧雨に変わり波飛沫と一緒に甲板に降り注ぐ…。

外国籍船も同海区に集まってきた…!

時化模様の中、薄群れを数回操業も
22時頃からの強風のピーク時には一旦漂泊…

日付けが変わる頃に一旦風が弱まり、操業再開もその後、物凄い雨が降りだした…

そのハイパー豪雨の後には濃霧となり、夜明け前には風が北東に回り
霧は消えたが海面には一気に白波がたった!

簿漁に海況悪の一夜が明け南よりに待避し、漂泊…。

22日、15時30分・S/B。
風は弱まったがうねりは残った…。

日暮れから調査、日没から僚船と共に北へ…!





画像の僚船は、乗船時に多くを学ばせていただいた思い入れの深い船である…!

北へ北へとサンマを追い
22時頃から操業開始、やや纏まった群れを操業も
時間の経過と共に灯付きが悪くなり
一旦は漁灯の明かりの下に集まり、網を入れるが
揚網前にいなくなってしまう…
何らかの習性の一つなんだろうが、漁師にとってはメンタル的に疲れるサンマ…

回数操業も漁獲は伸びず、夜明けより帰途航走花咲向け、経済速力で…。
24日18時入港予定!

【4航海目】!

2020年09月19日 | モバイル
9月12日の水揚げ後、都合により10時30分花咲出港。

公海向けの、13日17時・漁灯を拡げ北風強く調査しながら沖へ…。

14日16時・S/B。
うねりが高い…

日暮れから調査、日没後の操業でやや纏まった漁獲があり期待したが
その後はサンマが見えなくなった…

高いうねりの中、範囲を拡げての調査航走を夜明けまで…
サンマは見えなかった。

15日15時30分・S/B。
まだうねりが高い…。

16時20分、日没。
西の水平線に陽が隠れ、外国籍船を含め
サンマ漁船の漁り火が一斉に灯る
北緯42°45´ 東経162°00´の公海上…。

日没後2回程操業、僅かな漁獲で南西よりに調査航走…

霧もなく広い視界に赤い漁り火が広がる…
外国籍船はかなり広範囲にいて、相当な隻数である…!

薄いサンマを巡って各船間でニアミスが相次ぐ…

なかには花火のような物を打ち上げ威嚇する外国籍船もいて
今期のサンマ漁リアルだ…!

この夜も僅かな漁獲で夜明けを迎えた…。

16日15時30分・S/B。
良い凪となった。

日暮れから調査、日没後に若干サンマが見え、数回操業も漁獲は僅か…







南東側にサンマを追った…!

前・前夜よりはサンマが見えるが、いかんせん薄い…
9月も中旬となったが、一向に上向かない漁模様…

夜明け前より西へ…。
漁灯は拡げたまま僚船と共に…

北西よりの冷海水温域から伸びた低水温渦の狭い分枝を調査のよう…

17日15時30分・S/B。
北緯44° 東経158°付近
良い凪である…。

北西側に調査、付近に外国籍船は見えない…

少しずつ跳ねるサンマが見え始め20時頃から操業開始!
少しだけ纏まった群れを操業、
付近を調査し数回操業もサンマが疎らになり、灯付きも悪くなった…
22時頃からは雨が降りだし、南風が吹き始め、南西側に調査航走…

次第に強まる南風がうねりを伴って船の揺れが大きくなった…
23時30分・荒天準備し、帰途航走花咲向け…!

19日朝7時頃の入港予定。

【3航海目】!

2020年09月12日 | モバイル
9月5日 早朝に入港し、即水揚げ・給水・燃料補給を済ませ
朝5時過ぎに花咲出港、濃霧の中を公海向け…!

前航海よりも若干南よりのコース、海水温が高い…

6日16時・S/B。
帰航中、高海水温域の北淵にあった低海水温渦を調査予定も、
高海水温域が更に張り出しを強め
調査予定の低海水温渦は消滅してしまった…

調査しながら南東沖へ…

北緯41°50´ 東経161°50´付近
前2航海より南西側の海区にサンマを求めた…。

道東沖の高海水温域の勢力が未だに強く、今期はサンマを探すのには広い海…!

時期的に低海水温域が張り出しを強めてもいい頃なのだが…

7日16時・S/B。
今期のサンマの動きは
「灯付きが悪い」とか「足が速い」とか表現できるレベルになく
「個体的に少なく、動きに勢いがない」と云う風にしか観えなかったが
日没より若干高めの海水温を北よりに調査…

跳ねるサンマが見え始め、勢いよく動き、漁灯の明かりに跳ねて来る
例年の見慣れた行動をみせるようになってきた…!

しかし、数回操業も漁獲は纏まらない…

時間を追う毎に、今期見えなかった行動…
灯付きが悪くなり、足が速くなって、例年の11月末の常磐沖でよく見るサンマの動き…。

薄いながらも海面を跳ねながら漁灯の明かりに向かって来て明かりの下に集まるが
網を入れ、揚げるまでにいなくなってしまう…

僅かな漁獲で夜が明け、漂泊…
機関部は各エンジン燃料系統のメンテナンス作業。

8日16時・S/B。
午後から降りだした雨が、夕刻には止み、凪も良くなったが
日没後は濃霧となった…。

濃霧の中、17時頃から操業開始
付近調査中の外国籍船と近くなると、汽笛で合図
外国籍船も汽笛で合図を返す…。

濃霧の中、国籍は違っても海上での安全操業の維持には認知行動が大切だ…!

日没後の操業に見えていたサンマは時間がたつにつれ見えなくなった…
前夜のような跳ねながら勢いよく泳ぐサンマの行動も…

濃霧の中、北へとサンマを追った…。

時折薄くなる霧の間に外国籍船団の赤い漁り火が異様に浮かぶ…

調査航走中、破損した網の補修と網を巻くボールローラーの劣化し、
脱落した台座の加工と忙しく時間が経過…
操業できる群れは無く
夜明け前、反転南へ…

濃霧の中の調査も、僅かな漁獲で夜明けとなり、漂泊…

9日16時・S/B。
日没と共にまたも濃霧に…
ただ、前夜よりは若干風がある分視界は開けた…。

南東側に調査、依然としてサンマは薄く回数操業を余儀なく…

解禁から20日を数えるが、かつて、これ程まで苦戦を強いられる漁模様は初めてだ…。

各外国籍船も同じであろう、調査航走が例年になく頻繁だ…!

夜が明けて、漁灯を仕舞い帰途航走 花咲向け…!

約2昼夜の航海、自身の当直中は、ほぼ各艙の保冷に費やす。
高い海水温によって下部機関室内温度も高く、冷凍機2台を稼働すると更に上昇し、
上部機関室とは10℃も異なり、さすがに暑さが身体に堪える…



今年は対策にこれを…!


POCARI SWEAT 「ICE SLURRY」
機関室に常備…!

北風強く、12日朝6時半頃の入港予定。

【さんま漁・2航海目】!

2020年09月05日 | モバイル
8月28日、水揚げ・燃料補給後の朝8時 花咲出港凪良く公海向け…!

29日の昼頃には領海ラインを越えて公海に…

しかし、続いていた良い凪も午後になってからは、うねりを伴い北風が吹き始めた…。

沖合いの海は、風力の割に波が高くなる…
久しぶりに大きなローリング(横揺れ)を繰り返しながら沖へ…

30日昼過ぎ、次第に風は弱まったが、うねりが残る公海
微速で沖へ…

近年、秋刀魚漁船の新鋭化が進み 能力が格段に進歩、特に速力が向上したが
漁獲量減少によって公海上の遠い漁場にサンマを追う事になった。
このタイミングが不思議に思えるのは私だけか…

サンマ漁船の操業海区が遠くなり、沖出し・帰港の航走時間が長い今の時期、
ある意味 神様が学ぶ時間を提供してくれていると考える事ができる。

特に若人達はこの時間を有効に使う事で、
5年後10年後に活きてくる事が少なくない…!

現にそういう時間を貪欲に利用し、5年も待たずして
素晴らしく成長した若人を私は知っている!

勿体ない時間にせず、利用できる価値ある時間にしてほしいと私は思う…。
大漁時には多忙で、学びたくても携われない事が多いのだから…

30日・16時S/B。
一旦弱まった風が西側に回って強まった…
日没前の夕陽の方角から吹く風が、8月末だというのに
まるで11月末の季節風のようで
季節感と体内のサーモスタットがバグりそうな感覚になる公海上の北緯45°…

外国籍船が増えて、見渡す洋上の光景は激戦区のような雰囲気の日没…

その外国籍船の付近航走中、漁灯の間にイカ釣りの巻き上げ機が目視できる。
二刀流だな…。

外国籍船団、日本のサンマ漁船団、入り乱れての調査も
サンマは見えず…



19時頃からは沖よりに調査しながら航走…!

次第に風は弱まったものの波は高く、
付近操業中の大型外国籍船の揺れ方が大迫力である…!

サンマは見えず、イワシが漁灯の明かりの下を泳ぐ…

イワシを嫌って各船が北よりに調査航走…

本船は逆に南よりに調査航走…

にしても、探照灯の光の先で目視できるサンマの跳ね方が例年とは異なる…
個体数がまばらで、泳ぐ勢いそのものが弱い…

まだ群れる前の段階なのかもしれない…。

僅かな漁獲で夜が明けた…。

31日16時・S/B。
良い凪となった…。

…他船のエンジントラブルの情報が聞こえてきた…

同じエンジン・知り合いの機関長・そういう話が聞こえてくると、心苦しくなる…

遠い漁場に簿漁、漁模様が悪いと、氷や冷水の滅菌保冷、
入魚予定魚艙の冷却等が空回りとなり、
連日日暮れまでに準備を整えるのに時間を費やす。

そんな中でのトラブルは恐ろしい…。

17時少し前に日没を迎え、付近を調査。



外国籍船の隻数が更に増えた…

共にサンマを追い、時にニアミスもする…
例年なら網に入ったサンマはフィッシュポンプで吸い上げるが
今期はまだ1度しか使用していない…
それほど網にサンマが入っていない…
そういう群れとは云えないようなサンマをやむ得なく漁獲している状況である…。

そんなサンマを追って、外国籍船は操業中の網のすぐ傍まで寄せてくる…



特異な漁模様、公海上でのサンマ漁リアルがそこにある…!

操業回数が増えても漁獲は伸びない…
僅かな漁獲で夜明けとなり漂泊。

あっという間にSeptember…
例年の走り(解禁間際)とは相当異なる漁模様
月が変わってサンマの回遊が進む事を期待したい!

9月1日・16時S/B。

薄いながらもサンマが見える範囲があるが、その範囲が狭く、
そこから離れて調査航走しても操業できるサンマには当たらず、
記録的不漁だった昨年より更に、
これまでの「サンマの群れを探す」 から「サンマを探す」と
例えた方がいいレベルで解禁から10日が過ぎて、走りの時期を逸した!

9月2日・16時S/B。
今夜こそ と思いながら…!

日暮れから付近を調査もサンマは見えず、沖よりに…

沖の空の満月が、サンマ漁船の漁り火と共に海面に水彩画のような色を描く…。

外国籍船団も広い範囲に離れ、夜の水平線上の空に赤色を広げる…。

沖への調査もサンマが見えず、22時過ぎから反転 西へ…
次第に南西側へと調査範囲を拡げながら…

しかし、サンマは見えない…

23時頃から探照灯を固定、調査しながら陸よりに。

夜明けまで操業できるサンマには当たらず、帰途航走花咲向け…!

サンマの回遊を願いながら、5日朝4時頃の入港予定。