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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

春、到来!

2006年03月31日 | 私事

3月の最終日、寒の戻りで外は雪が舞っています。

ここしばらく、世間では春本番だったでしょうが

今年の我が家には、春の訪れが遅れていました!

しかし、ついに「春」の到来です!

入院していた妻が本日、無事に男児出産!

母子共に元気なそうで、ひとまず安心!

この地方の漁師は、出産後3日間は

子供と対面できませんので、3日後の対面を

ドキドキしながら待ちます!


春漁への思い!

2006年03月27日 | ブログ

今年は携わる事がない春漁ですが

自宅の窓から見る南三陸の湾内を

春漁漁船が行き交う!

昼過ぎにはその日の漁を終えて

市場に向かう船が窓から見えます。

例年なら自分も船から自宅を望み、

家族が窓から見ている・・・

仕方ないとはいえ、仲間達が漁に

従事している時に、漁に参加できない

むなしさを抑えながら窓から見える

春漁漁船を眺めます! 20060327_19444037620060327_194550829_220060327_194628376_1


祖母、永眠

2006年03月20日 | 私事

母方の祖母が昨夜、永久の眠りにつきました、享年97歳

昨日の午後、母と一緒に顔を見に行ったのが

最後の別れとなりました!

97年の人生で、子8人、孫20人、ひ孫19人、やしゃ孫3人、

最近3人目のやしゃ孫が生まれたばかり、また

もうすぐ20人目のひ孫が誕生する矢先の永眠です。

多くの子孫に恵まれて、その生涯を終えました。

歌の大好きな明るい祖母で、私が漁を終えて訪ねると

いつでも漁模様と体調を気にかけてくれて、会話の

合間に唄を入れる祖母独特の言い回しを思い出します。

安らかにお眠り下さい! 


回顧記 19話 「独航船Ⅰ」!

2006年03月19日 | 船上回顧記

知人2人に連れられ、釧路空港に降りました。

初めて乗った飛行機内では、独航船への不安が

頭から離れず、緊張していましたが、釧路から根室に

向かう車内では窓越しに見える北海道の雄大な景色が

緊張感を解いてくれました!

いよいよ根室、花咲港着!!!

「独航船」は船体がオレンジ色のペンキで塗られていて

独特なイメージがあり、港にオレンジ色の船が

並んでいる風景には威圧感を感じました!

我々が乗船する船は、花咲港ではなく

落石岬の方にいると聞き、落石岬に向かいました。

小さな漁港に数隻、オレンジ色の船体を見つけました

落石港は北の漁村という感じで、そこにオレンジ色の

船が係留されているのがアンバランスに見え

不思議な感じがしました!

「第61幸福丸」我々が乗船する船を見つけ

そこで船主や漁労長、他の乗組員と対面し、

その日から「独航船」の出漁準備作業が始まりました!

日昼の作業を終えると夜は昆布盛という地名の

船主宅で食事、我々を含め各地から集まった乗組員は

浜辺の小高い丘に立てられた「番屋」で

夜を過ごしたが、この番屋での時間が楽しかった!

番屋内では各地の方言が飛び交い、落石の

定置網で働く方々が「花咲がに」やホッキ貝の

差し入れを持って来てくれたりと、にぎやかだった。

船での作業と番屋での日々は出港までの十日程続き、

独航船に乗船する不安は、乗組員との交流で

いつの間にか忘れていました!


回顧記 18話 「転機」!

2006年03月16日 | 船上回顧記

この年の鮪漁は漁労長が体調不良で

休む事になり、船長が臨時で漁労長として出港しました!

遠洋ではなく近海での鮪延縄漁を1航海行い

次の航海、漁労長が復帰し遠洋へ

しかし、今度は自分が体調不良(腰痛)で

休む事になりました。

その休んでいる時、次の北洋には各船、人員を

一人ずつ削減して出漁するという取り決めが噂され

その航海を休んでいる自分はその対象になるのでは?と

考え、会社に問い合わせてみたが

明確な回答が得られず、次の船を確保しておいた方が

良いと考え始め、知人の紹介で当時、母船式以外の

北洋サケマス漁、 「独航船」と呼ばれる

(中部サケマス流し網漁船)に乗船する事に決まり、

北海道、根室港に行く事になりました!

「独航船」は母船式と違い、流し網の量も多く

漁獲したサケマスを船内で処理するため

寝る暇が無い!と噂で聞いており、かなりの覚悟で

空路、北海道に向かいました。