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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【14航海目・反転】!

2022年11月12日 | モバイル

母港・気仙沼に入港後、本船の整備業者に依頼し異音の原因を調査…!
結果、高段側の吐出弁が割れていた…
尚、それによってピストンリングのリングすきまが狭くなっており
それで叩き音を発したようだ…。

あまり負荷もかけないように慎重に運転していたつもりでも これだ…!
なんだかなあである…。

サンマ漁、水揚げの為に向かう港も各船との兼ね合いがあったりするので
入港地も、簡単に決まらず、何らかの場合も依頼する業者への連絡が
簡単には決定できない事もしばしばある…

今回は、漁撈長が時間を作ってくれての気仙沼入港である。

修理後、女川へ微速で迴港!
迴航中、修理後の冷凍機を起動し状態を確認しながら…

朝4時・女川入港、給水  5時半から水揚げ 燃料補給 氷の積み込み…
水揚げ中に時化休みが決まり、9時30分女川出港、気仙沼向け迴航…
迴航中は冷水造り…。

気仙沼入港 係留後、海水系統のメンテナンス作業
冷水造りは16時に全冷却を終えて、倒れるように寝台に入った。
前夜の修理作業も含め蓄積しているものがあった…

解禁から83日を数え、今漁期初めての休み…
やりたい事・調べたい事もあったけど、睡魔に襲われ朝方まで熟睡…
自身の休み約12時間は睡眠に充てた。

どの仕事もそうだが、携わる者にしか解らない苦しみや悲しみ・葛藤がある…!

サンマ漁も以前のような近場、沿岸域を主漁場にして操業していた頃と、
公海の遠いポイントにサンマを求め移動しながらの操業では、
同じ船上であってもおかれる状況は相当異なる!
時間と消費燃料を要し、遠い漁場まで行く!
沖出し・到着して無事に操業・漁後の帰航と云うサイクルが当たり前の中
「漁場着も不具合で漁をせずに帰途」 とならないように各船の機関に携わる者達は
気を付けてはいる、だがそれでもうまくいかない事もある…
特にエンジンに不安がある場合はメンタル面・心理的にも
かなりのプレッシャーを抱えながら漁期間を過ごす事になるのだ…!

11日・朝4時、凍結室と冷水の保冷、修理後の冷凍機は順調だ…。
6時・気仙沼出港  Co53°

15時、S/B 。
低気圧が発達する気象予報がでており、公海の操業ポイントは大時化になる事から
公海には向けず、僚船と共に陸中沖を調査…

陸中黒崎沖の低水温域付近から北上、東へ西へ
そして沿岸域、更には沿岸沿いを南下
凪良く調査も、サンマは見えず…

次第に南西からの風が強まり始め、朝3時を過ぎた頃
漁灯を仕舞い 気仙沼向け 微速で帰途航…!




12日・朝8時頃の入港予定。

右舷側に町明かりを見ながら思う、「今期も沿岸域での操業はなしか」…