blog-atom 2

…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【9航海目】!

2016年09月30日 | モバイル
9月27日、水揚げ・氷の積み込みを終え、6時40分・花咲出港!

9時・チェックポイント通過ロシア海区内の漁場向け。

16時30分 S/B。
凪は良いが、日没頃から次第に霧がたちこめた…

薄群れを操業しながら沖へ…

21時頃にポイント到着、あちらこちらで秋刀魚は跳ねるも、群れがかたまらない…

薄群れを操業し、調査航走のパターンとなり、
今夜も長い夜になりそうな感じが…

日付けが変わった頃に、霧がはれて
東風が吹き始めた…

途端に秋刀魚が群れだし、少しずつ漁獲が纏まった…!

朝4時半、東の空が白み夜明けをむかえ西よりに航走…

15時 チェックポイント通過!
17時 ロシアの領海を抜けてS/B・調査開始…。

付近には6隻の漁り火…

北東の風に、雨、うねりも高め…

20時を過ぎた頃から操業開始…
薄群れを連続回数操業…。
船首側の網が大破するトラブルを経て、夜明け少し前に操業終わり…

南下帰途航走 女川向け…!

漁灯を仕舞い、破損した網の入れ替え作業。
長い夜だった…

…機関室に行くと、何か変だ…?
下部機関室内、増速機付近のプレートが滑るような感じ…

…機関室内に搭載されている油圧ポンプのサイドスラスタ圧力計に
連接しているプレート下の銅パイプに穴があき

そこから作動油が霧状に噴き出したようだ…

箇所はすぐに特定でき、対応するも、付近の清掃には時間を要した…。

下部機関室プレート下は、先日清掃したばかり…
…やれやれである…

船は30日早朝入港予定!

【8航海目】!

2016年09月27日 | モバイル
9月23日、水揚げ・氷の積み込みを終えて10時・女川出港!

夕刻より向かい風が強まり、微速で北上…。

24日朝8時30分、漁場着・漂泊。

16時 S/B。
昨夜の北風が止み、凪となった…

付近には僚船を含め、中型船・小型船も多い…



日暮れから各船と共に調査開始。

盛漁期入りしたイメージだった今期の秋刀魚漁だが、秋刀魚が見えず、
薄群れを回数操業し、調査航走…

濁水系の低水から澄んだ若干高めの水系を調査、
高めの水温では、秋刀魚が跳ねるも灯付きが悪く

23時頃から3時間程調査航走が続いた…。

夜明け近くにやや纏まった漁獲があったものの、低調な漁獲に終わり漂泊…。

25日・15時30分 S/B。

17時30分頃より1回操業し、南へ調査航走…

調査航走中、久々に濃霧となった…

21時頃より操業再開、薄群れを連続回数操業…

どうやら、南下第一陣が漁獲されたこの海区も漁が途切れたようだ…。

低調な漁獲に終わり夜明けをむかえ、漂泊。

26日・15時30分 S/B。
僚船と共に調査も、秋刀魚が見えず…

操業できる群れにはあたらないまま、22時・諦めて漁灯を仕舞い花咲向け…

27日朝3時頃の入港予定。

【7航海目】!

2016年09月22日 | モバイル
前航海の女川向け帰途航で9月18日の日曜日10時頃に
入港予定となった事から、不調箇所修理の為に業者さんに依頼。

女川港まで来てもらう手配を17日にしていた…

連休と云う事もあってなかなか都合がつかない中での手配だった…。

18日早朝、船長に起こされた…

気仙沼に寄る事になったとの事…

…「鶴の一声である」・・・・

ブリッチに行くと、気仙沼に2時間程滞在して女川に廻港するとの事…

…業者さんに連絡するも連絡付かず…

…8時30分・気仙沼入港…

何度も業者さんに連絡するも連絡付かず…

連絡がついたのは10時を過ぎた頃、気仙沼を出港する直前でした…

女川で待機中との事で、謝って待ってもらい廻港
13時20分・女川入港。

3箇所の不調箇所・機関部は3手に分かれて作業、依頼した業者さんと共に…

気を付けていても腐蝕や摩耗、劣化はついてまわる…。

全ての作業が終わったのが18時…

船には機関部だけだったが、買い物に行っていた船長逹が帰って来て急遽、
漁の中盤戦に向けて、復興中の女川駅前で


TEAM-Fの焼き肉決起集会となった…!

19日、水揚げ・氷の積み込みを終えて10時女川出港。

20日朝8時、漂泊。
ロシアのチェックポイントには達していない日本の海域だ…!

ロシア海区の沖合いから回り込むように低海水温域の渦が花咲の南東側にでき、
その分枝が南西側に伸びて来て、高水温域が南下…

いよいよ秋刀魚の南下が活発化しそうな水温の移動が進んでいる…!

秋刀魚漁大型船解禁から1ケ月…。
15時30分 S/B。

付近に船は少なく、日暮れ前に散らばっていた反応が日没後
漁灯点灯と共にかたまり、探照灯の先の海面に秋刀魚が跳ねる!

探照灯の光の誘導に沿って漁灯の明かりの下、
船の周りに集まった秋刀魚が忙しく游ぐ…!

氷艙から甲板への氷揚げを急ピッチで進め、操業開始!

西側の水平線上はまだ黄昏色が残る…

纏まった漁獲で解禁から1ケ月目の漁が始まった…!

連続操業・若干の移動・操業が続いたのは22時頃まで…

日付けが変わるまでに終わりそうな勢いだったが…

その後は、秋刀魚が見えなくなり、調査航走が3時間程…

薄群れを数回操業して夜明けをむかえた…

夜明けより2時間程南下し、漂泊。

21日・15時30分 S/B。
付近は僚船を含め、昨夜より船が多い…。



18時40分頃から操業開始も昨夕のような群れとは違う…

数回操業し、若干纏まった漁獲…

21時30分・操業終わり、南下帰途航走、女川向け。

22日・16時頃の入港予定!

…ルーキー便り…

めまぐるしく多忙だった甲板での作業・特に氷艙担当の若人逹…

一度もアイスキャッター(氷揚げ機械)を詰まらせる事なく
氷がおわれる(秋刀魚にかける氷が足らなくなる)事なく

順調に作業は流れた…!

ルーキーもかなり仕事に慣れ、少し逞しくなってきている…。

操業後、疲れたろう と問うと
「疲れた以上にあの秋刀魚を見て興奮したし、楽しかった」と あどけなく笑う…
漁師である!

初めて一人での一番当直、大丈夫か と問うと 「大丈夫です」

ケガに気を付けて頑張れ秀斗!

【6航海目】!

2016年09月18日 | モバイル
9月14日・10時、水揚げ・氷の積み込みを終えて女川出港。

出港の少し前から、氷艙冷却・冷水冷却を始め、

水揚げ中の市場接岸中に冷水に使う清水と生活清水は取水!

出港後1時間程で造水装置(造水機)を起動し、海水から清水を造っていく…。

漁船に搭載されている機関は多岐に及び、各漁種によって変わるが、

冷凍機と造水機はほとんどの大型漁船に搭載されている…。

漁船の近代化に伴って、船内生活もかなりレベルアップしてきている。

私が漁船に初乗船した頃に比べたら数段のレベルアップだ…!

入浴はさすがに海水ですが、温水シャワーにウォシュレットは清水を使用する…

当然ながら、清水の使用量はかなり増加している…

船内での清水の貴重さが薄れている懸念はあるが、
そういう時代なんだと思い改め、管理する方は慎重だ…。

秋刀魚漁の漁場が未だ遠く、航海時間が長いと云う事も
清水使用量の増加につながっている…

乗組員各々の当直後の憩いに入浴・シャワー等があり、

機関室内にある清水タンクのゲージは、24時間稼働中の造水機によって、
操業中はハイレベル、しかし航海中の当直間にはローレベルまでダウンする…

ちなみに、本船の造水装置では、海水温度によって変わるが、
秋刀魚漁時には24時間で1.8〜2.0立方メートルの清水ができている…。

この造水機は各船全てが稼働させているわけではないが

私は港にいる時以外は稼働させています…。

市場での水揚げ中に取水する清水は、実は冷水用が優先され、
生活清水は、その後になる…

市場によって清水の取水場所が限られ、
先に入港し取水している船が終らなければ取水出来ない場合もある…

水揚げ中に取水が終らないからといって、
生活清水の取水が終るまで待ってくれる漁撈長は少ない…!

漁撈長にしては、水揚げも氷の積み込みも一刻も早く終わらせて、
1分でも早く漁場に着きたいのが本音なのだ…!

清水タンクの残量によっては、冷水用清水の取水が済めば即座に出港
と云う場合もある…

そういう場合も想定しておかなければならない…。

船内と云う限られた環境下では、衣食住を含め
作業場所も生活の場も凝縮されている…

しかしその分、仕事が終ってからの当直間は船上ではマイサイクルとなる。

各々が、洗濯や入浴・1杯など、清水の使用頻度は増える…

生活清水は大事で、造水装置は大きな仕事をしているのだ…!

15日10時頃にチェックポイント通過、16時 S/B。

凪は良いが、下がある(波が高め)

日没後、調査開始、付近には数隻の日本漁船…

ロシア海区内、秋刀魚以外の混獲を防ぐ為、網の足は半分程しか落とさない…

反応があっても僅かな漁獲…
夜明けまでで、やや纏まった漁獲に終わり漂泊。

自分達で塗った白いペイント箇所、僅かに錆色が見えて汗のように水が伝った…

減速機の冷却海水管から僅な漏水、腐蝕である…

中はかなり薄くなってきており、早めの応急…。

一部の漁撈機械にも気になる箇所を見付けた…

早めの処置が必要だが、時間を要する箇所で時間がほしい…

16日16時 S/B 。

高めの波も落ち着き、沼のような凪で鏡のような海面…

夕焼けが海面を伝うように北の漁場を映す…

日没は、17時15分頃、前夜より日本の秋刀魚漁船が増え、

外国の船の漁り火も確認できる。

僚船がチェックポイントでの不手際があったらしいとの情報…

ロシア海区内、よりいっそう慎重に操業…。

薄群れを回数操業し、帰途航、チェックポイント向け…



ロシア海区内、国籍・漁種不明ながら洋上転載中の船…!

17日・10時、チェックポイント通過、南下女川向け。
18日・10時頃の入港予定!