10月31日・19時30分、女川入港。
入港後、破網した箇所の補修作業を行い、漁の後半戦に備えた!
「のんびり」という事を忘れる程多忙が続く…
いろんな事が思い通りにいかないまま、もう November だ…!
暦を1枚捲り、11月1日・水揚げ後 6時30分、漁灯を出しながら女川出港!
近場の低水温域を調査しながらの公海向け。
昨期、ロシア海区内での操業はなかった…
サンマの回遊が沖合いとなって公海へと漁場を求めたからである…
今期はロシアの軍事進行により国際情勢が変わり、
それによって多方面に影響が及んでいる!
今の時代にナンセンスな戦争が、我々が携わる漁にも影響し
日本船はロシア海区内操業が出来ない!
この先、サンマの回遊が以前のようにロシア海区内から
北海道・東北の沿岸沿いを回遊するように戻ったとしても
ロシア海区内操業ができなければ、漁は厳しいだろう…
益々、サンマ漁は困難が付きまとう事になる…!
回遊魚は各国の領海や200海里のラインなど関係なく游ぎ、エサを追う…
人間の都合など、知った事じゃない、生きることに必死なのだ!
我々がその資源を追って海からの恩恵として授かっているだけなのである…。
日付けが変わり、11月2日・00時30分 S/B 。
日本の領海と公海とのライン際、薄群れを3回程操業
僅かな漁獲で夜明けより微速で北東へ…
10時30分、漂泊。
2日・15時、S/B 。
日暮れから北よりに調査もサンマは見えず 北東へ…
弱い南風だが うねりは高め、18時頃から雨が降り始めた…
November rain は時折ハイパー豪雨に…!
すぐ次の時化が来る気配だ…
漁師に時化はつきものだけど、マグロ延縄漁船 等と違い
サンマ漁船は時化海操業仕様ではないし、適してもいない漁種である…。
漁具や漁撈機械にも必要以上の負荷が掛かるし、危険度も増す…
公海に漁場を求めるようになってからというもの
サンマ漁は時化海とも向き合うようになって、大変な漁に変わってきている…
時化海での海難を防ぐ為には、多くの諸々に気を付けなければならない…
運が悪い方向に向かわないように、やらねばならないことはきちんとやって!
降り頻る雨の中、多方向に範囲を拡げて調査…
今期のような漁模様、各漁撈長方の苦労は相当だ
時期的に夜も長くなって、かなり疲労も蓄積しているだろう…。
獲る魚がいないと云うのは漁師にとって切実である…!
雨が止み暗闇の中、西の水平線付近に稲妻が走る…
サンマは見えず、調査航走が続き、数回の操業の後 沖へ…!
僚船と共にポイント移動。
3日・15時、S/B 。
良い凪だが、どうやら嵐の前の静けさ の ようだ…!
凪はいいが漁模様は冴えない…
回数操業中の23時頃から雨が降り始め、雷鳴に雷光が船の上 稲妻も走る…
瞬く間に風が吹き荒れ、嵐に…
日付けが変わり、微速で西よりに海区移動。
4日・15時、S/B 。
うねりが高く、南東の風がやや強め…
日没から操業も魚体組成が変わり、著しく悪い。
南へ調査…
やや纏まった群れを操業も漁獲は伸びず…
雨が降り始め、風が南西に変わって強まった!
時化模様の中、相変わらず漁模様は低調…
夜明けより微速で南下し、漂泊。
5日・15時、S/B。
S/B 前の保冷作業中にNo2冷凍機が異音を発するようになった…
いわゆる叩き音…
二段圧縮・単段圧縮を試しても異音を発する為、休止…
No 1冷凍機を切り替えて作業を継続
冷水冷却と魚艙・凍結室の保冷を、この冷凍機1台で
切り替えながらやっていく事にした。
益々、時間が不足するそんな状況下となった…
夕刻から雨が降り、うねりが高め…
風が北西に変わって強まった…!
公海洋上 ついに季節風の到来である。
海面が風波で一面まっ白に…
強い季節風の中、調査は続くもサンマは見えず…
僅かな漁獲で夜明けより漂泊。
6日・15時、S/B 。
良い凪となった…!
日没後、久しぶりに跳ねるサンマ…
ここにきてやっとサンマの動きが活性化の兆し…!
南よりに調査…
調査・操業中、連日のように冷たい雨が降る…
時に豪雨となって雨粒が大きくなり
良い凪の海面に白いドットマークを描き、消えていく。
季節的にも体感的にも初冬めいてきた…。
7日・15時、S/B 。
珍しく良い凪が続いている。
日没過ぎからやや纏まった群れを操業!
サンマが群れ始め、動きも活発になり跳ねる!
しかしその後は、灯付きが悪くなり、漁獲は伸びない…。
夜明け前に、やや纏まった群れを操業し
夜明けより西へ!
8日・15時、S/B 。
ありがたい事に凪が続いている事で、調査しながらの帰途航…!
しかし、サンマは見えない。
今期も東北の沿岸沿い域にサンマは回遊してこないようだ…
22時30分、漁灯を仕舞い帰途航走
都合により気仙沼経由女川向け!
14時30分頃の気仙沼入港予定。