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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【月光】!

2010年03月31日 | ブログ

4時10分に気仙沼港を出港し、大島沿岸から調査開始!

海面を照らす月明かりがやけにきれいである。

先を走る船の右舷灯、左舷灯の緑と赤が不規則に見える…

夜明け前の唐桑崎北側沿岸で20隻程の船が旋回中!

薄いが広範囲にわたって反応が続いており

夜明けと共に群れが固まる可能性があるパターンかと 期待…?

5時24分、日の出と同時に2隻の船が操業開始!

少し遅れて我々も操業開始・・・

しかし、付近にいた各船は沖寄りに航走して行った!

揚網中に僚船から声がかかり沖側はいい反応だとの事…

55個の漁獲後、沖側へ全速で移動するも、

形成された船団各船共に朝イチの操業だけで群れは消滅…

付近を調査し、薄群れに2回目、県境の沖側に調査して行き

3回目4回目と操業するも良い反応に当たらず、反転陸寄りに!

最近、岩手・宮城の共同海区となった県境北寄りのポジション

椿島北沖で5回目、6回目の揚網後残カゴ1個…

というか正確には半カゴ…

10時40分、帰途航走・・・

今日はいつもにもまして忙しく、朝食を摂る暇がままならず…

空腹をこらえての操業でした。

朝食兼昼食を摂ったのが11時…

11時45分、気仙沼市場入港・水揚げ。

水揚げ後、湾奥の係留場所に接岸して

昨日の続きの網修理を2時間ほど行い、車に乗り込むと

後輩が乗る船が入港して来た!

いつも早い時間に入港する船なのに、もしかしたらトラブル…?

帰宅後に後輩から電話をもらった際に聞くと、

やはり袋網破損のトラブルが2回あったという事でした。

その後輩は頼りになる後輩で、必要な情報を

知らせてくれる情報源であり、とてもありがたい!!

感謝しています!

更に夕刻、源榮丸の船長からも電話をもらい近況を話しました。

明日は海況が悪化しそう…

早い時間に終わって来たいものですが・・・


【北風】!

2010年03月30日 | ブログ

2時30分起床、雪化粧が月の光に照らされて外は凛としている。

北風が若干強めで、海上が少し気になった…

気仙沼港までの道沿いのデジタル温度計は-6°の表示が2か所…

昨日の午後から夕方まで降った雪に昨夜の冷え込みで

船のデッキは凍てついており、用心しながら船に乗り込んだ・・・!

もうすぐ4月を迎えるが真冬並みの寒さの三陸沿岸。

大島北側沿岸から東北東に調査航走も北風が強く、

陸寄りに針路を変え、唐桑崎沿岸向け。

今日の日の出は水平線にかかる雲で先日のようには見えない…

唐桑崎沿岸で6時15分から1回目、薄群を操業。

雪をかぶった岩手県側の山並みから吹き下りる冷たい北風で

手足がかじかむ…

沖寄りに移動し、県境沖で2回目、3回目と操業しても

汗ばむどころか船の波しぶきが合羽を濡らし、

冷たい風で体は温まらない…

沖側で操業を始めた数隻の船団よりに移動し4回目、

隣では大群操業・・・。

その頃から景気のいい声がスピーカー越しに聞こえ始めた!

陸側で操業していた数隻のうち1隻が大群をまともに入れて

網を持って行かれた、とか……ets…

4回目、5回目は我々も比較的良く、網の中のイサダを放流し

10時40分に終わり帰途。

しかし帰港中、エンジンの回転が上がらず、スロー航走…

12時15分気仙沼市場着、水揚げ。

湾奥に船を係留させて、機械屋さんが来るのを待つ間

傷んだ網を修理し、到着した機械屋さんがエンジンを

メンテナンスしている時間も利用して網のメンテナンス!

その間に風は西に変わって更に強まり寒いのなんの…

その後エンジンの試運転で調子を確認し帰路に…

15時40分帰宅。

冷えた体、とりわけ足を入念に温めながらマッサージ…

しばれる1日でした、明日は暖かくなればいいな…。


【女川の霧笛】!

2010年03月29日 | ブログ

本日の春漁・イサダは「浜止め」となりました!

漁が休みの日には通い続けているプール

(藤沢海洋センター)も月曜日は定休日。

寒の戻りで冷え込みの厳しい朝…

ジョギングを終えて、web新聞の各朝刊に目を通すと

霧笛 59年の歴史に幕 本州最後の女川、今月末で!

という記事が目に・・・!

河北新報web   

霧によって視界が遮られる際の船の航行に音で灯台位置を知らせ、

長期にわたって安全航行に貢献してきた霧笛 (霧信号所)

現在の霧笛(霧信号)は

平成21年度末までに全て廃止される!

国際航路格式協会(IALA)が1985年の会議で

「今後、大出力の信号は必要ない!」

との方針が決まり、廃止は世界的な流れである。

霧笛の廃止、本州最後は女川・出島の『四子ノ埼灯台』

3月31日に廃止式が行われ、その歴史に幕・・・!

KOLNET 東北・宮城県のニュース3月29日付け記事を参照

霧などで視界が悪い海上に向け、

音を出して航行中の船に灯台の位置を知らせる

霧信号所(霧笛)が3月末、全国で廃止される。

所管する海上保安庁の廃止計画に伴う措置。

本州で唯一残っていた宮城県女川町の離島・

出島の四子ノ埼灯台も対象となる。

漁業者からは継続稼働を望む声が根強く、

県漁協女川町支所は新設も視野に検討している。

霧笛の廃止は、海上保安庁が2007~09年度の3カ年計画で実施。

船の衛星利用測位システム(GPS)など

航海計器の機能が向上したと判断、廃止に踏み切った。

出島の霧笛は1951年に設置。

「ウォーン」という独特の音を響かせ、

海上で方向が分からないでいる船の羅針盤となってきた。

三陸沖は濃霧が発生しやすい、特に3~9月は

霧が濃くなることが多く、二管本部は霧情報を出すなどして

船舶に警戒を呼び掛けている。

島でホタテなどの養殖業を営む阿部博行さん(60)は

「悪天候で作業中に突然前が見えなくなった時、

みんなが音を頼りにして島に行き着いた。

何とか継続してもらいたい」と話す。

県漁協女川町支所によると、管内の漁業者の7割以上は

GPSなどの機器を備えていない小型船で操業している。

このため、同支所は計画当初から

廃止期限ぎりぎりの稼働を海上保安庁に依頼してきた。

08年3月に霧笛が廃止された気仙沼市の大島では、

県漁協気仙沼地区支所が09年3月、

全国で初めて代替機を設置、現在も稼働している。

女川町支所は廃止後の新設に向け、

国への補助申請などを進めており、

今のところ、実現の可能性が高いという。

今月12日、出島では海上保安庁の委託業者が

最後の定期点検を終えた。

31日の廃止式で、音を鳴らした後に電源を切り、

霧笛は59年間の業務にいったん幕を下ろす。」

[霧信号所(霧笛)] 

視界が遮られた船に「ウォーン」「ボーッ」という大きな音で

灯台の位置を知らせる航路標識。

センサーで海上の視程を判断、自動的に作動する。

金属板の振動で音を出すダイヤフラムホーンや

圧縮空気によるエアサイレンがある。

ピーク時の1968年には全国で53基が稼働した。

2010年3月で廃止される霧笛は、納沙布岬灯台(根室市)など

北海道の8基と、女川町の四子ノ埼灯台の計9基。


【シーフーズレトルト】!

2010年03月28日 | ブログ

今日は午後から家族が急用で出掛けてしまい

長男と二人で夕食…

買出しに出ると、息子はボンカレーが食べたいと…!

10代の頃一緒に乗り組んだ友達が大のレトルト好きで

仕込みにはよくレトルト食品が多く含まれた事を思い出しました。

たまにはいいか… と選んだのがマルハニチロ食品

「海の幸レストラン」シーフードホタテカレーヤリイカカレー

驚きました!

今や、レトルトカレーはここまで進化したのか?

まるごとシーフード・・・!

これならたまにはこういうのもあり かなと…!


【洗礼】!

2010年03月27日 | ブログ

3月下旬といえども厳しい寒さが戻った三陸沿岸の海上の朝…!

久々に雲に邪魔されず水平線から昇るきれいな日の出・6時27分。

凪良く、気仙沼大島沿岸から調査するも薄すぎる反応で北上調査…

宮城・岩手の県境に数隻の船団が形成され、

付近で1回目の操業は6時50分から、その後沖寄りに調査航走・・・

県境の沖側で2回目、3回目と操業するも相変わらず20~30個…

僚船の情報で航走、沖合海区まで。

僚船は、そこで2回で終えたようだ!

5隻程の船団、ほとんどが大群操業の様相…!

我々も到着後、即 投網開始も印球を掴みに行く間に、

群れが深くなったらしい…   嫌な予感…

5回目は深い群れを狙っての操業、今お世話になっている船は

小さく、当然油圧の容量も小さいので凪がいい時以外は

あまり深い所はやらないようですが、風もなく穏やかな上凪!

定量に若干足りず、揚げ後直ぐ6回目、

その6回目の揚網開始から南風が少し吹き始め、

イサダを汲み始めた頃から一気に吹き荒れた!

定量外のイサダを網の中から放流し、操業を終え船は帰途に…

今季の操業はわりといい凪に恵まれていましたが、ついに洗礼!

海水のシャワー バケツ風モード・・・

まだまだ冷たい海水と低めの気温、頭には疝痛である!

作業を終えて船のサロンに入って昼食を摂ったのが12時15分。

南風は更に強まり風波でうねりも伴い、久々に大揺れの船上!

1時間程走った頃、ブリッジからの指示でイサダが入ったままの

タンク内に波が入り、水が抜けず、

船のバランスが取れなくなるため、再度 船首側甲板で作業…

取り替えたばかりの鉢巻も再度びしょぬれ…

今日はイサダ漁では珍しく鉢巻3本使用…

合羽の屋根(風帽)はバックの底でした…。

その後も取り舵側サイドのドアの隙間から少しずつ入り込んだ波が

気付いた時にはサロン内の敷き板を越えてきた…

危うくエンジンに… という寸でのところで手動排水作業!

外は波とは別に雪… 吹雪いている!

操業でかいた汗に合羽の襟元から入った海水で凍える寒さ…

今日操業した沖合海区から、約2時間の航走を経て

14時10分、気仙沼市場入港、水揚げ。

接岸した場所の前後に「源榮丸」の仲間が乗り組んでいる船!

いつまでも良い凪での操業とは限らない・・・

そう 今日は海からの洗礼…!