blog-atom 2

…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【19航海目】!

2020年11月26日 | モバイル
11月24日・09時15分、女川出港 Co65°!

良い凪での沖出しだったが、昼過ぎからは季節風が強まった…

船首甲板長ストア内に設置されている海水クーラー・海水循環ポンプ
冷水冷却の過程で冷却艙を切り替えに行く都度、海水シャワーの洗礼を浴びる…
この作業の操作が機関室内で出来るようになればなぁと思う時が少なくない…!

19時・S/B。
漁灯を拡げ、激しいローリングの中、調査しながら漁場向け!

目指すポイントはN39°57´ E145°46´付近。

しかし、操業中各船の漁模様が良くないようで針路を東よりに…

22時頃から操業開始…。
灯付きが悪く、調査・操業を繰り返しながら…

次第に風・うねり共に弱まったものの、僅かな漁獲で夜明けとなり漂泊…!

今年も、サンマの「寒風干し・船上造り」がデッキサイドに連なった…!




これが連なると、サンマ漁は終漁が近づいた感がある…。
11月も下旬、冬が近い…

25日、14時30分・S/B。
良い凪となった…!

日没後から薄群れを操業、魚体組成が著しく変わった…
20時過ぎまで回数操業が続き
その後、北側へ調査…。

更には南西へ…!

久々に無風の海上、鏡のような海面、凛とした空気…
まるで冬の朝のようだ…

陸は近くないのだが、カモメだろうか?
渡りの海鳥の群れが一気に増えた…

時折雨がパラつき、日付けが変わった頃に強まり
合羽越しにも冷たい…。

この夜のサンマは、群れも薄く深い…
凪間にしか群れなかった今期のサンマ、最高の凪でも群れなかったのは
この海区もいよいよ終わりなのか?

夜明け頃から季節風が吹き始め、帰途航走女川向け…!



昼前から季節風が更に強まり、微速で…
23時30分入港予定。

【18航海目】!

2020年11月23日 | モバイル
20日の女川水揚げ後、気仙沼に廻航し時化休みとなった…!

廻航中に網のメンテナンス作業。
機関部は入港後、補機関のメンテナンス作業。

その後各艙や冷水冷却を終え、早めに寝台に入った。

21日朝、予定が変わり集合時間が早まったようで
帰宅中の乗組員が全員集合する前に揚錨し接岸…

10時・気仙沼出港、漁場向け…!

目指すポイントまで約180哩程…
季節風が残る三陸沿岸を北東へ…。
激しいローリングが続く…

22時・S/B。
風が北に回り、船上がまた寒くなった…。

前夜漁模様が良かったポイントには、サンマが見えず
沖よりに、そして南へとサンマを追った!

薄群れを数回操業し、諦めかけた夜明け前に纏まった群れを操業。

夜明けより漂泊…。

22日、14時30分・S/B。
南西の風が吹き始め、次第に強まった…

また南系の風が暖気を運んで来た…。

予報より早く風が強まり、うねりも高くなって時化海となった…!

北よりに避航、幾分 風・うねり共に弱まった。

17時過ぎから沖よりに調査、20時頃から操業開始…!

なにやら、漁灯の明かりにサンマがどんどん集まってきて
纏まった群れを操業。

付近に他船もおらず、数回の操業で漁獲を纏めた!

付近に船が集まり始めた頃、雨がパラつき、凪も少しだけ良くなった…!

しかし、日付けが変わった頃からは雨が本格的に降りだし
一時豪雨となった…!

サンマも見えなくなり、いつの間にか白波が立つ程風が強まった…

夜明け前に船首側の燃料を船尾側にシフトするようにとの鶴の一声…!

荒天準備して西へ…

夜明け頃から、南西からの風が凄い勢いで吹き荒れ、船は微速で、時に支えながら…

23日午後になって陸に近くなったからか、だいぶ走り易くなり
少しずつ船速を上げ、帰途航走女川向け…!

22時頃の入港予定…。





【17航海目】!

2020年11月20日 | モバイル
11月17日朝の女川入港後、帰航中が激しいピッチングだった事から
各ライトを点検、点灯するか球の割れやヒビ、弛みがないかを確認…
水揚げ・氷の積み込み・給油を済ませ、
6時40分・女川出港 Co70° 沖へ…!

午後からは北よりの針路…

18時・S/B。
季節風がやや強い…!

調査しながら北へ…
付近一帯にイワシの群れ、沖よりに調査…!

日付けが変わってから薄群れを数回操業…
僅かな漁獲で夜明けをむかえ、夜明けより3時間程南下し、漂泊…。

3時間の航走中に数点のメンテナンス作業。

今期は、どうも燃料の揚油系統が不調だ…
燃料揚油の不具合は時に致命傷になる…
特に気を付けなければならない事項だ…!

前回異物を取り除いた後、回復し、順調だったのだが、
当直を終え寝いった後、
急遽、揚油が出来なくなったと起こされた…

まだタンク内には燃料が十分にあるはずだ…
他のタンクを揚油、すんなり揚がった…

使用していたタンクが室内だったので、すぐに測深管をサンディング…
しかし測深管の蓋がなかなか開かない…
真空状態になっていた…
シューと云う音と共にエアーは抜けた。
タンクスケールで計測、まだまだ十分な残油…
再度切り替えての揚油はすんなり揚がった…

タンク底部にゴミか…?
エアー抜きに給油時の袋もかぶってはいない…

新造船からまだ3期目のシーズン…
普通に考えたら、タンク内のゴミは、あまり考えられないが前回のような事もある…

同一タンクを揚油都度、こし器を掃除…
大きな汚れは無い…

ただ、これがこし器まで来た…!


パッキンの破片のよう…

しかしその後の揚油は順調で、原因の特定には至っていない…

18日、14時30分・S/B。
南西からの風が若干強め…

南西の風が暖気を運んで来て甲板も暖かい…
久しく過ごし易かった機関室内にも暑さが戻った…

サンマは見えず、広範囲に調査…。
薄群れを数回操業、時間の経過と共にうねりも高くなった…

予報では時化が近いようで夜明けより荒天準備…
帰途航走となった…!

激しいローリングの中、20日、00時・女川入港。

【16航海目】!

2020年11月17日 | モバイル
11月も中旬、例年であれば三陸沿岸沿いから常磐・房総沿岸に主漁場が移行するが、
今期のサンマ漁、現在の主漁場は
北緯38°02´ 東経147°56´付近
三陸沖約300哩程と、沖よりに形成されており
この時期の沖よりでの漁は気象に左右される…

同じ風力・風速でも沿岸沿いとは比べ物にならない程波が立つ…!

衛星による気象情報・ピンポイントで得られる風予報は
サンマ漁船の多くが利用している…!

主漁場付近の風情報により、夕刻に出港する予定が組まれた。

経済速力で約24時間かけて行く計算だ…。

14日16時・女川出港Co90° 沖へ…!



目まぐるしく変わる海水温だが、途中一気に21℃台に上昇…
未だ大きい暖水塊が居座る…!
北からの冷海水域は襟裳岬沖まで来ているが低海水温域の分枝は、
その大きな暖水塊の西側と東側の縁を回り込むように南下している…
暖水塊の東側の縁を通る低海水温分枝を現在サンマが南下回遊している…

今後、西側の縁を通る低海水温分枝への南下回遊の活性化を期待したい…!

15日14時30分・S/B。
良い凪となった…。

16時頃・日没前からサンマらしい反応があり、
どうやら船の下にはサンマがいるような船の動きを
機関室内で感じながら各艙の冷却を終え、合羽を着て甲板に!

日没と同時頃、まだ黄昏色の時間帯、操業開始。

纏まった群れを操業、一気に慌ただしくなり、
最中にアイスキャッターに氷が詰まり、目まぐるしく多忙な甲板…!

付近に船が集まり、激戦区の様相…!

18時頃までの約2時間、汗だくになっての操業だったが
その後、付近を調査も纏まった群れは無く
薄群れを数回操業、灯付きも悪くなり、北側へ調査。

次第に風が強まってきた…

外国籍船団も付近一帯におり、船団から離れ更に北へ…

日付けが変わった頃からは沖よりに調査。

数回の操業後、夜明けを待たず荒天準備!

船首側のFoを船尾側にシフト、トリムを船尾側へ…

夜明けと共に季節風が吹き荒れ始め、
向かい風で大きなピッチング・時に支えながら、漁撈長の操舵で西へ…。

時々大きな波の衝撃がある…

結果、数時間の凪間の漁だった。
沖のサンマは条件が整わないとなかなか獲れない…

今後、沖の漁場での操業は、時化や季節風によって追われる事が当たり前になる…

サンマの南下回遊が沿岸沿いへシフトする事を願うが…
現実は厳しい…!

向かい風で激しいピッチングの中での航走は、帰途航となった…。

17日朝4時頃の女川入港予定。

【15航海目】!

2020年11月14日 | モバイル
11月9日・女川港での水揚げ後、気仙沼に廻航し夕方出港の予定が組まれた。

気仙沼に廻航するとの事で、
前夜見つけた腐蝕による微孔、水漏れ箇所を漁撈長に話し、修理する時間をもらった…!
主機冷却海水ポンプから減速機に至る配管系統バルブのフランジ部
配管の位置と場所が悪い難所で時間を要する…。

自室のLANも回線接続エラーが出て繋がらない事から診てもらう手筈を整えた…

11時30分気仙沼入港、主機停止後即作業…
配管の取外しだけで1時間…

LANの不調は無線室内にあるモデムのポートの不具合だったようで
回線接続エラーは無事解除となった。

15時・修理後の配管を取り付け、漏れ点検、清掃を済ませ主機始動!

見廻りとメンテナンスにはかなり気を付けているはずだが
次から次と要作業…

なんでこんなに多忙なんだろうと、モチベーションはかなり低下…
メンタル的にもかなり下のラインまでレベルダウン…
腰も痛く、余裕がなくなってきた…

…「なんだかなぁ」…

16時30分・気仙沼出港、季節風強く微速で公海向け。

10日15時・S/B。
強い季節風による白波がうねりを伴い、寒気も入った公海…!
さすがに暦は立冬を過ぎている…。

日没後、微速で調査…
サンマは見えず…

微速での調査航走といえど船は揺れに揺れ、腰にくる…

冷たい季節風が波飛沫と共に船を覆う…
機関室内温度も低くなり、機関室内は過ごし易くはなった…。

しかし、時にピッチング(縦揺れ)・時にローリング(横揺れ)と
調査航走中の船の針路によって変わる揺れ方に
機関室内でも歩行を合わせるが、時化海は腰への負荷も大きい…!

調査航走のみ、操業なしで夜明け前から西側へ避航…

11日15時・S/B。
まだ季節風は強く、前日より寒さを感じる北緯39°の公海上…

そろそろ冬支度への衣替えが必要か…

日没後、更に季節風が強まり気温も低下…
公海上冬近し である。

季節風といえど時化海、いろんな事に注意しながらの調査航走…

20時を過ぎた頃、左舷側の漁灯のみ仕舞い、北東側へ移動。
左舷側外板に当たる風波の衝撃が強い…

調査航走のみ、2晩操業なし…
強い季節風に阻まれた格好だ…!
寒気の影響で、予想以上に吹き荒れた。
自然ははかれない…!
無理せず正解の時がある…。

夜明けより西へ…

12日15時・S/B。
吹き荒れた季節風がやみ、良い凪となった北緯40°25 東経148°35付近。

時化後の凪でサンマがかたまったようで日暮れからサンマが見え
日没前に操業開始…!

2回目に纏まった群れを操業、今期一番の興奮
跳ねるサンマの動きに鼓舞され、活気付く甲板…
漁艙は順調にサンマで埋まっていく…。

短時間で終わりそうな勢いだったが、20時を過ぎた頃から灯付きが悪くなった…

操業・調査を繰り返しながら南西側にサンマを追い
漁獲を纏めた…!

良い凪だったが日付けが変わってからは南東からの風が吹き始め、次第に強まった…

夜明け前に1回操業、夜明けから帰途航走女川向け!

14日03時頃の入港予定。